日本海軍 特設水上機母艦 相良丸 (さがらまる)
「日本海軍 特設水上機母艦 相良丸 (さがらまる) (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.054 )」です
●「日本海軍 特設水上機母艦 相良丸」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の特設水上機母艦「相良丸」を再現したキットです【 特設水上機母艦「相良丸」について 】
●帝国海軍は、主力艦の艦数がアメリカやイギリスなどに及ばず、また国力の関係から早々に建造を進めることもできないために、戦闘の補助として航空機戦力の充実を図り、戦時においては、その索敵能力と若干の攻撃力を持って戦いを有利に進めることを目指しました
●アメリカ、イギリス、日本などの海軍国は当初水上機(フロート付き)の運用を考え、各種の水上機母艦を建造しましたが、水上機の場合、波の影響によっては収容が困難となること、収容時において艦の行動の制約が大きいことなどから、アメリカ、イギリスは艦上機を搭載する航空母艦へと重点をシフトして行きました
●日本は、同様に航空母艦の建造と、艦上機の戦力化に力を注ぎましたが、日本の水上機に優秀さや、外征時における航空基地確保の点などから水上機の有用性に注目しており、水上機母艦の建造も進められました
・ これには、航空母艦よりも水上機母艦の方が建造コストを抑えられたためと思われます
●一方、帝国海軍は、戦時において民間の船舶を徴用(特設艦)し、各種任務に当たらせる権限を持ち、その将来を見据えた高速船の建造を奨励しました
●船舶会社の「日本郵船」は、各種貨物、貨客船を保有、アメリカ航路向けとして高速の「S型高速貨物船」7隻の導入を行ないます
●この「S型貨物船」の「相良丸」は1940年11月に竣工、しかし、特設艦として有用な「S型貨物船」は戦時を見越して温存され、「相良丸」は実際に就航することは有りませんでした
●戦争の機運が高まってきた1941年1月、「相良丸」は帝国海軍の特設艦として徴用され、当時の日本領であったマリアナ方面の輸送を行ないます
●1941年9月に水上機母艦へと転用させることが決定、武装の装備と、後部デッキ部分に艦載機搭載設備とカタパルトなどが設置され、6機の水上機を搭載することが可能となりました
・ 帝国海軍は、日中戦争が開始されると2隻、太平洋戦争においては7隻の特設水上機母艦を徴用しています
●「相良丸」は、太平洋戦争が勃発すると、マレー方面の南方へと進出、各攻略作戦の支援を行ないます
●1942年2月にはシンガポールへ配備され、マラッカ海峡の対潜哨戒、機雷などの捜索活動に従事、後にはインド洋東部のアンダマン諸島に展開して、同様な任務を行いました
●1942年12月に「相良丸」は特設運送艦へと変更、これにより艦載機は搭載されなくなります
●1943年に入ると同艦は、ニューギニアなどの南方への兵員輸送作戦に参加、その後も通常の輸送任務に就きました
●1943年6月、伊豆半島南方の沖合いにてアメリカ潜水艦の魚雷攻撃を受け、1本が命中し、航行不能に陥ります
●護衛の駆逐艦により曳航されて天竜川の河口付近において座礁させ、浮揚作業が行なわれますが、他のアメリカ潜水艦から更なる雷撃を受けて2本の魚雷が命中、ここに至っては復旧は難しく、結局、艦は放棄されることとなりました【 「日本海軍 特設水上機母艦 相良丸」のキット内容について 】
●この帝国海軍の特設水上機母艦「相良丸」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●特設水上機母艦「相良丸」をシャープに再現、貨物船として中央部に大型の構造物を持ち、船尾側に水上機を搭載する特異な姿が表現されています
●「特設水上機母艦 相良丸」の艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「相良丸」の艦体は、船体、上甲板、上部構造物とで構成されています
●船体部は左右分割式となっています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板部は、艦首、前部、後部の3分割式となっています
・ 艦首甲板には、ボラード、錨鎖導板、ケーブルホルダーなどがモールドされています
・ 前部甲板には、ボラード、木甲板表現、船倉ハッチ、マスト台座がモールド
・ 後部甲板には、ボラード、木甲板表現、船倉ハッチ、マスト台座、航空機軌条などがモールドされています
●上部構造物は、各デッキを積み上げる方式で、前後部分はそれぞれ1パーツで表現されています
・ 上部構造物の舷窓、扉などがモールドにて再現
●甲板上の構築物となる「主砲部」「マスト部」、上部構造物上の「艦橋部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを取り付けて完成させます
「相良丸」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は2層で構成
・ 艦橋窓枠はモールド再現されています
・ 艦橋部分の後部に存在する、探照灯台座、探照灯がパーツ化されています
● 煙突
・ 煙突は左右分割式で、煙突トップは別パーツ化されています
●マスト
・ 各マストは、トップ部分も一体成型されており、前後のデリックは別パーツとなっています
●主砲 「15cm単装砲」 ×2
・ 「15cm単装砲」は一体成型でパーツ化されています
・ 主砲のブルワークが別パーツにて再現
●高角砲 「40口径 8cm単装高角砲」 ×1
・ 「40口径 8cm単装高角砲」は一体成型となっています
●カタパルト
・ カタパルトは一体成型となっています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 内火艇 ×1
・ 内火ランチ ×1
・ カッター ×1(カッター上部にキャンバスが張られている状態を再現)
・ 小型カッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ リール
・ 錨
・ 通気筒
・ ターンテーブル
・ 航空機台車
・ 探照灯、探照灯台座
などがセットされています
●艦載機
・ 艦載機は、主翼が一体成型された本体、副翼(零式水上観測機)、フロート部のパーツ構成となっています
●艦載機内容
・ 「零式水上観測機」 ×3
・ 「零式水上偵察機」 ×3
●艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
●2011年 一部新金型