イギリス戦車 M3 グラント Mk.1 中戦車
「イギリス戦車 M3 グラント Mk.1 中戦車 (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.旧041 )」です
●「イギリス戦車 M3 グラント Mk.1 中戦車」を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるアメリカの「M3」中戦車を再現したキットで、イギリス軍仕様である「グラント」が表現されています【 「M3」中戦車について 】
●アメリカは、世界恐慌や国内での孤立主義台頭により、第2次世界大戦前の段階においては、陸軍の軍備装備は立ち遅れており、戦車は軽戦車が主流で、中戦車については「M2」中戦車が数両のみ存在するという状況でした
●しかし、第2次世界大戦が勃発すると状況は一変、将来的な参戦を考慮にした新兵器の開発が急ピッチで行なわれることとなります
●特に、電撃戦において短期間で強力な敵を打ち破る原動力となったドイツ軍の機甲部隊に注目、その中核となる戦車部隊の編成が急がれました
●中戦車は、取り急ぎ戦力化することが急務とされ、「M2」中戦車のコンポーネントをそのまま流用し、スポンソン部にケースメート式に75mm砲を搭載、上部には37mm砲を装備する砲塔を装備した「M3」中戦車が開発されました
・ 75mm砲の砲塔を載せられなかったのは、当時のアメリカには大型の砲塔を動力旋回させる技術が無かったためです
●この、「M3」中戦車の武装配置は、75mm砲と、旋回砲塔を装備するという軍が掲げる中戦車の仕様を苦肉の策で実現したものでしたが、戦車のシルエットが異様に高くなるという欠点となりました
・ この武装の搭載方法は前身の「M2」中戦車が多砲塔式であったためで、その名残り的に、背の高い車体を持つ砲塔の上に、更に銃搭を搭載するというレイアウトが採られています
●ただ、アメリカ軍においては、あくまでもこの「M3」中戦車は、75mm砲を旋回砲塔に搭載した本格的な中戦車(後の「M4」中戦車)の登場までの繋ぎとして考えられていました
●一方、第2次世界大戦の勃発時には戦車大国であったイギリスは、独仏戦に派遣していた部隊がドイツ軍に敗れて撤退、装備していた全車輌が失われます
●また、北アフリカにおいては、ドイツアフリカ軍団の巧みな戦闘により大量の戦車を喪失、一線級として使用できる戦車は不足することとなり、戦車の調達する方法としてアメリカに救いを求めます
●イギリス軍は、アメリカが生産を開始していた「M3」軽戦車と「M3」中戦車に注目、購入する契約を締結しますが、連合国側にテコ入れしたいアメリカ議会の意向により、後に供与へと変更されます
●「M3」中戦車は、イギリス軍から用兵上の観点より、上部の銃搭を廃止し、砲塔後部に無線器を搭載するために砲塔を大型化する仕様変更を要求、さらにイギリス軍は戦車を1両でも欲しい関係で、既存の「M3」中戦車もそのまま導入しています
●イギリス軍は、従来型の「M3」中戦車を「リー」、イギリス軍仕様の「M3」中戦車を「グラント」と呼称、両車は苦戦中の北アフリカ戦に投入されます
●従来のイギリス戦車は、口径40mmの「2ポンド砲」を戦車の搭載砲として広く使用していましたが、この砲は徹甲弾しか発射することができず、対人目標に関しては効果は低いもので、イギリス戦車部隊は対戦車砲などに苦杯を舐めさせられていました
●前線部隊に配備された「M3」中戦車は、75mm砲の威力により対人目標だけではなく、対戦車戦闘にも活躍、機械的信頼性からも将兵に歓迎されました
●「M3」中戦車は、イギリス軍の大攻勢である「エルアラメイン戦」の3、4ヶ月前の時期から大量に供給され始め、同戦においてはイギリス軍の勝利の原動力となりました
●しかし、その後、ドイツ軍が長砲身の「4号戦車」や重戦車「タイガー1」などを投入すると「M3」中戦車の優位性は急速に崩れて行きます
●また、75mm砲用の砲塔を持たないことや、車高が高いという弱点も露呈し、後継車輌である「M4」中戦車が登場すると、「M3」中戦車は旧式化が目立つようになり、結局、ヨーロッパ戦域ではこの北アフリカが「M3」中戦車が戦った唯一の場所(ソ連軍供与車輌は除く)となりました
●ただ、太平洋戦域においては、日本戦車の非力さから、戦車は対人目標への攻撃が主任務となっており、「M3」中戦車の強武装は評価されてイギリス連邦軍により終戦まで使用されています【 「イギリス陸軍 M3 グラント Mk.1 中戦車」のキット内容について 】
●この「M3 グラント」中戦車を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、リベットで構成された独特の車体形状を持つ「M3 グラント」中戦車を再現、タミヤMMシリーズの初期の名作キットで、実車の特徴をシャープに捉えながら、作り易さが追求された内容となっています
●「M3 グラント」中戦車は、車体上部、下部、砲塔の3ブロックで構成されています
●「37mm砲」の砲身は一体成型となっています
・ 砲身は上下可動式です
●砲塔は上下分割式で、ピストルポートは別パーツとなっています
・ 車長キューポラは旋回可能です
・ 車長ハッチは別パーツで開閉状態が選択できます
・ 砲塔は左右旋回可能です
●車体上部は、車体後面、主砲部を除いて一体成型されています
・ 戦闘室後部パネルは別パーツです
・ 各部には「M3」中戦車の特徴であるリベットがモールドされています
・ 上部及び側面のハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 操縦手用の視察ハッチは、別パーツにて再現
・ 前部フェンダーは別パーツです
・ フェンダーにはサンドスカートが一体成型されています
●「75mm砲」は前後分割式で、砲口が開口処理されています
・ 砲身は初期型の短砲身タイプを表現
・ 砲身は左右、上下に可動します
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、前部のデフカバーと後部パネルは別パーツとなっています
・ VVSSサスペンションは左右分割式で、コイルスプリング部は別パーツとなっています
・ 起動輪、誘導輪、各転輪は可動します
・ 履帯はラバー製のベルト式履帯が付属しています
●車長のフィギュアが1体付属しています
・ フィギュアは、座った姿勢で、片手でハッチ周囲を持ち、片手でマイクロフォンを持っているポーズです
・ フィギュアは、キューポラ部分に座った状態と車内に収まった状態とを選択できます
・ 服装は、シャツに半ズボンを着用した北アフリカ戦の服装となっており、ベレー帽を被り、ヘッドフォンを装着しています
●マーキングは、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第7機甲師団 (エルアラメイン)
・ 第22機甲旅団 (ガザラ戦)
●説明書の塗装例に基づく、部隊マーク、車体番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●スポット再生産アイテム