アメリカ中戦車 M4A1シャーマン 初期型 (直視バイザー型)
「アメリカ中戦車 M4A1シャーマン 初期型 (直視バイザー型) (プラモデル) (アスカモデル 1/35 プラスチックモデルキット No.35-025 )」です
●「アメリカ中戦車 M4A1シャーマン 初期型 (直視バイザー型)」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるアメリカの主力中戦車である「M4A1」を再現したキットで、車体前部に直視バイザーを装備、サスペンションの上部にリターンローラーが付く、「極初期型VVSS」が表現されています
●タスカ社のリサーチ力と洞察力、そして高い成型技術により「M4A1」の「極初期型」を再現しており、過度に細部重視に偏ることも無く、ディテールのポイントを押さえながらも、作り易さも考慮された非常にバランスの取れた高品質な内容となっています【 「M4A1 極初期型」について 】
●第2次世界大戦前の時代、アメリカ軍は世界恐慌の余波や孤立主義の台頭などで軍備は縮小され、特に戦車の開発に関しては、世界的にも遅れていました
●しかし、第2次世界大戦が勃発すると、戦車の開発は、極めて高い工業生産力を背景に急ピッチで進められます
●中戦車としては多砲塔型の旧態依然とした「M2A1」中戦車が存在していましたが、量産の途中で打ち切られ、「M3」中戦車の開発が行なわれます
●この「M3」中戦車は、当時のアメリカでは大型の砲塔を動力旋回させる技術が無く、そのためスポンソン部に「75mm砲」を搭載させるという苦肉の策が採られました
●ただ、この方法はあくまでも大型の砲塔を持つ次期中戦車の登場までの「繋ぎ」としての役割で、「M3」中戦車の開発が一段落すると、直ちに「M4」中戦車の開発が開始されます
●この「M4」中戦車は、「M3」中戦車の開発で培ってきたノウハウが活かされ、開発のスピードを上げるためにコンポーネントも極力共通化が図られました
●また、「M4」中戦車は、主力中戦車として大量生産体制が採られ、エンジンの供給率を上げるために4種のエンジンを用意、それぞれのエンジンに合わせて専用の車体が作られ、「M4」、「M4A1」、「M4A2」、「M4A3」、「M4A4」の5種類の形式が生まれました
・ 「M4」と「M4A1」とは同じエンジンで、溶接車体の「M4」に対して、高い溶接技術を持たない工場向けに鋳造の車体としたのが「M4A1」です
・ 「M4A5」はカナダの「ラム戦車」に与えられた番号で、「M4A6」は少数生産の実験車輌です
●「M4A1」は、鋳造の丸みを持った車体を持ち、「M4」中戦車シリーズの中では最初に生産が開始(1942年2月)された形式です
●同車は、当初、操縦手及び前方機銃手用に直視バイザーを装備、足周りの「VVSS」サスペンションは「M3」中戦車と同じくリターンローラーが真上に付いており、砲塔の防盾は狭小タイプとなっているのが特徴でした
・ このタイプの「M4A1」は、タスカのキット表示では「M4A1 初期型」となりますが、このキット解説では縦形の前方ハッチの
車体を「初期型車体」としているために、「極初期型」としています
●この「M4A1」は、北アフリカ戦線においてアメリカ軍、イギリス軍によって使用され、その堅牢な構造と、榴弾の火力、そして機械的信頼性などから高い評価を受けました
●また同車は、対峙する当時のドイツ戦車と比べて攻撃力、防御力共に勝っており、連合軍の強力な戦車戦力として将兵からの信頼も高いものでした
・ より強力なドイツ軍の「4号戦車G型」(イギリス名「マーク4スペシャル」)や、破格の能力を持つ「タイガー1」には苦戦しています
●ただし、戦訓により防御上の観点から直視バイザーが廃止され、後には防盾も幅広の「M34A1」防盾が採用、「VVSS」サスペンションもリターンローラーが後部に移動した新型に生産が移行しました(直視バイザーが廃止されたタイプは、タスカの表示では「M4A1 中期型」です)
●基本的に、この「M4A1」の「極初期型」は北アフリカ戦が中心で、後に順次新型へと変更されましたが、その一部はシシリー戦、イタリア戦にも使用されています
【 「アメリカ中戦車 M4A1シャーマン 初期型 (直視バイザー型)」の製品内容について 】
●このアメリカ軍の「M4A1 極初期型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タスカ社製「アメリカ中戦車 M4A1 シャーマン (中期型)」のバリエーションキットで、極初期型の車体、「極初期型VVSS」サスペンションなどのパーツを新規にセットされたものです
●砲塔後部が傾斜したタイプの「初期型砲塔」に「75mm砲」を搭載、防盾部は狭小型(M34砲架)、車体部は「鋳造車体」の極初期型、デファレンシャルカバー(ギアハウジング)は3分割式、サスペンション部は「極初期型VVSS」を装備した「M4A1 極初期型」を再現した内容となっています
・ 履帯は初期の車輌で良く見られたラバータイプの「T48 履帯」がセットされています
●同社の高い成型技術により「M4A1 極初期型」の細部のディテールが再現されており、車体及び砲塔の鋳造表現、シリアルナンバーなども繊細なモールドにより表現されています
●また、最近のニューキットと比べてパーツ数は抑えられ、同社らしくカッチリとした造りで組み易い内容となっています
●「M4A1 極初期型」は、砲塔、車体上部、車体下部の3ブロックで構成されています
●「75mm砲」の砲身部分は左右分割式となっています
・ 砲身は、極初期型と初期型の2タイプが付属、選択して使用します
・ 砲身は、防盾部に内蔵されるポリキャップにより、上下に可動します
・ 防盾は、狭小型の「M34砲架」型が用意されています
●砲塔部は、実車の鋳造構造の分割ラインに合わせた上下分割式となっています
・ 砲塔は、装填手ハッチが無く、後部上面が斜めの初期型が再現されています
・ 側面に排莢ハッチが存在するタイプが表現され、ハッチは別パーツにより開閉状態が選択できます
・ 車長用の直接照準器もパーツ化
・ 車長キューポラは、別パーツで取り付け位置を自由に選択できます
・ 車長ハッチは開閉状態が選択できます
・ 砲塔は左右旋回可能
●「M2 重機関銃」は、インジェクションキットとしては、非常に高いレベルで再現されています
・ 銃身は、銃身交換用の把手が付いた場合と、付いていない場合とが選択できます
・ 銃口は開口処理されています
・ 特徴的な放熱筒は、スライド式金型により放熱口の位置が正確に表現され、貫通した状態で成型されています
・ 機関部の蓋は別パーツで、開閉状態が選択できます
・ コッキングハンドルは別パーツ
・ 初期の「M4A1」で良く見られた50発入りの小型弾薬箱が付属しています
・ 弾帯が付属
●車体上部はエンジンルームを除き、一体成型されています
・ 前部のベンチレーター、直視バイザー部は別パーツです
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツで開閉状態が選択できます
・ エンジンルーム天板部分と点検ハッチは別パーツとなっています
・ 前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属
・ 後部のエアークリーナーは、角型と円筒型とを選択できます
・ 尾灯のライトガードは2種類が用意されており、選択して使用します
・ 前部フェンダーは車体とは別パーツとなっています
●車体下部は各装甲板を貼り合せる箱組み方式となっています
●デファレンシャルカバーは3分割式のタイプを再現
・ 分割部のリブには、分割ラインが彫刻されています
● 「VVSS」サスペンションは、リターンローラーが上に付いた極初期型が再現されています
・ 各サスペンションユニットは14個のパーツにより細かく再現されています
・ サスペンションのアーム部分は可動式で、内蔵させる特殊なゴムシートによりスムーズ且つ反発性の有る動きが再現されています
・ サスペンション部は左右分割式で、サポートローラーと垂直式バネ、ゴムシートなどを挟み込み、これにサスペンションアームを取り付けるパーツ構成となっています
●起動輪、誘導輪、転輪は「M4A1 極初期型」が装備するタイプが付属しています
・ 起動輪は、肉抜き穴が有る「標準型」、誘導輪及び転輪は、前期のスポークタイプが表現されています
・ 起動輪、誘導輪、転輪、リターンローラーは可動式です
●履帯は塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ ラバーシェブロン型の「T48 履帯」が再現されています
・ 履帯の接着には瞬間接着剤を使用します(従来の履帯とは素材が変更されています)
●戦車長のフィギュアが1体付属しています
・ 戦車兵用のツナギを着用し、両手をハッチ周囲に置いて佇んでいるポーズとなっています
・ フィギュアは、胴体と足が一体成型されており、これに両腕と頭部を取り付ける構成です
・ ゴーグル、ホルスター、マガジンポーチのアクセサリーパーツが付属
●アクセサリーパーツが付属
・ ジェリカン ×2
・ 水用ジェリカン ×2
●ペリスコープや前照灯のガラス部などを再現するクリアーパーツが付属しています
●エンジン点検ハッチのメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●マーキングは、アメリカ陸軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第1機甲師団 第1機甲連隊 第3大隊 H中隊 (チュニジア / 1943年2月)
・ 第1機甲師団 第1機甲連隊 第3大隊 G中隊 (チュニジア / 1943年)
・ 第1機甲師団 第13機甲連隊 (イタリア / 1943年11月)
・ 第2機甲師団 第66機甲連隊 F中隊 (アルジェリア・オラン / 1943年)
●説明書の塗装例の基づく国籍マーク、部隊番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2011年 一部新金型