萱場 (カヤバ) 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機 (2機セット)
「萱場 (カヤバ) 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機 (2機セット) (プラモデル) (MENG-MODEL ディモルフォドン シリーズ No.DS-001 )」です
●「萱場 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
・ 第2次世界大戦末期の短距離迎撃機として萱場製作所(現:KYB株式会社)の創業者「萱場資郎」が構想した「かつをどり ラムジェット戦闘機」を再現
・ 「萱場4型 無尾翼機」の機体をベースにラムジェットエンジンを装備、ラムジェット点火までの発進・加速用として多連装の「ロケットブースター」を備えた「かつをどり ラムジェット戦闘機」を再現した内容となっています
●機体パーツは2機分がセットされています【 「萱場 かつをどり ラムジェット戦闘機」について 】
●「かつをどり ラムジェット戦闘機」は、現在はショックアブソーバーのトップメーカーとして有名な「萱場製作所(現:KYB株式会社)」の創業者「萱場資郎」が自社製作の無尾翼グライダー「萱場4型」をベースに構想した短距離迎撃戦闘機です
●「萱場製作所」は日本陸軍の委託により戦前から「全翼式グライダー」の自社開発を行っており、最終的には「1型」から「4型」までの型式を開発します
●その進捗状況に応じて報奨金が支払われる予定でしたが、1941年5月に発生した「萱場2型」グライダーの墜落事故を契機に陸軍の態度は一変、約束された報奨金を出し渋る様になります
・ この裏には開戦が現実視されつつあった太平洋戦争を控えて、予算を主力装備に振り向ける必要があり、研究開発に振り分ける予算を切り詰めたかったという陸軍の台所事情があり、無尾翼グライダーの開発もやがて中止に向かいます
●「萱場製作所」はその後、国産唯一の軍用オートジャイロ「カ号観測機」などを送り出しますが、研究者としての顔を持つ「萱場資郎」の無尾翼機への夢は途絶えませんでした
●「全翼式グライダー」シリーズの最終作となった「萱場4型」グライダーをベースとして自社開発による設計作業が続けられ、その回答として「ラムジェットエンジン」を装備する「短距離迎撃機」の構想が固められました
●無尾翼グライダーの愛称「かつをどり」の名前で知られるこの機体は非常に小型で、圧縮機を必要としない簡素な構造の「ラムジェットエンジン」を装備、発進からラムジェット点火に必要となるマッハ0.5程度の速度まで「ロケットブースター」を連続点火して増速する仕様が計画されました
●武装は「30mm機関砲」の装備を予定、最大速度は時速900km、実用上昇限度を高度15,000mと設定、本土に襲来する爆撃機の迎撃に当たることを目的としていました
●特筆すべき点は、日本陸海軍が迎撃戦闘の切り札と位置づけていた「秋水」とほぼ同性能ながら、「ラムジェットエンジン」には「ロケットエンジン」に必要となる「液化ヒドラジン」を始めとする取り扱いの難しい劇薬類が不要な事で、技術的にもしっかりした支援体制が期待できれば1945(昭和20)年には実用可能だったのではないかと言われています
●また、その離陸にあたっては重爆撃機の爆弾庫に半埋め込み式に搭載する構想もあり、「ロケットブースター」の節約や航続距離の増加を狙いましたが、ともすれば後の「マグダネル ゴブリン」のような爆撃隊の直援機としての活躍を狙っていたのかもしれません
●しかし、戦局の逼迫は足早に進み、この野心的な「かつをどり ラムジェット戦闘機」が軍の目にとまり、形となることは遂にありませんでした
●後世から評価すれば、この「全翼史式 ラムジェット戦闘機」の機体サイズから発生する制約や、「ロケットブースター」の品質維持、無尾翼機の操作性など、実現までに越えなければならないハードルが数多くあった事は否めませんが、いち民間企業にこのような先進的な試みがあった事は驚くべき事実と言えるでしょう
●「かつをどり ラムジェット戦闘機」が広く知られるようになったのは比較的最近であり、ブーメランのような翼や、SFメカを髣髴とさせる胴体形状など、その衝撃的ともいえるデザインは我々に大きな魅力を提示してくれます【 「萱場 (カヤバ) 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機 (2機セット)」のキット内容について 】
●この「萱場 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機」を再現したプラスチックモデル組立キット
●キットパーツは2機分がセットされています
●機体胴体部は左右分割のパーツで構成、主翼部、ロケットブースターは別ブロック化して構成されています
・ 機体パーツ全体にはすっきりとしたシンプルなパネルラインやリベットが凹モールドで再現されています
・ 機首に設けられた「空気取入口」と尾部の「噴気口(スライド金型使用)」は別パーツで再現、エッジは薄く仕上げられ、内部にはタービンブレードが再現されています
●主翼はは一体成型のパーツで構成、翼端の安定板は別パーツとなっています
●ロケットブースターは2基一組のブロックを機体左右に装備
・ ロケットブースターのノズル部分はスライド金型により開口されています
●脚は固定脚を再現、タイヤ、脚柱をそれぞれ別パーツで再現
・ 地上搬送用のドリーが付属しています
・ また、オプションパーツとして「飛龍」「連山」などの爆撃機の爆弾庫に機体を固定する支持架が付属しています
●キャノピーはワンピースのクリアパーツで再現
・ キャノピーには窓枠のラインが彫刻にて再現されています
●コクピット内はシート、計器盤、操縦桿、隔壁が再現されています
・ 計器盤のメーター類やサイドパネルは彫刻にて細かく再現されています
●「萱場 4型 かつをどり ラムジェット戦闘機」用のマーキングとして
・ 日本陸軍 1945年 8月
・ 日本海軍 1945年 8月
の2種類が組立説明書内に指示されており、付属のデカールを使用して、いずれか1機種を再現することが可能です
●国籍マーク、部隊マーク、スローガンを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型