帝国陸軍 四式中戦車 チト 試作型
「帝国陸軍 四式中戦車 チト 試作型 (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.旧FM032 )」です
●太平洋戦争末期における帝国陸軍の「4式中戦車」の「試作型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●対戦車戦の本命とされていた「4式中戦車」を再現、日本戦車らしい佇まいを持つ反面、従来の日本戦車とは異なる力強いフォルムを再現した内容となっています
・ 「4式中戦車」の「試作型」を再現、日本で初めて鋳造砲塔を搭載した特徴的なスタイルが表現された内容となっています【 「4式中戦車」について 】
●帝国陸軍は、1930年代後半に開発した「97式中戦車」を戦車戦力の中核として配備、太平洋戦争の緒戦において目覚しい戦果を挙げました
●しかし、「97式中戦車」は「89式中戦車」の後継車両として、歩兵支援用の対歩兵戦闘を前提としており、主砲も「89式中戦車」に搭載された砲を若干改良したもので、対戦車戦闘能力は極めて低い車輌でした
・ 主砲の「97式 57mm戦車砲」は、徹甲弾も用意されていましたが、砲手が照準器を覗きながら片手で砲弾を装填することを主眼に置いた短砲身砲であり、装甲貫通能力は低いものでした
●太平洋戦争の開戦前の1939年に発生した「ノモンハン事件」において、帝国陸軍はソ連軍と軍事衝突が発生、戦闘に参加した戦車部隊は、装甲貫通能力に優れた主砲を持つソ連戦車に苦しめられます
●また、帝国陸軍の調査組織によって、各国では強力な戦車の開発を行っていることが判明しており、対戦車戦闘能力を高めた新型戦車の開発が早急に求められましたが、対アメリカ、イギリスの戦争を考慮して兵器の開発は航空機、艦艇が中心となっており、新型戦車の本格的な開発は進められませんでした
●1941年12月に太平洋戦争が開戦すると、前述のように「97式中戦車」は活躍をしましたが、一方でフィリピンやビルマなどにおいて、アメリカ軍、イギリス軍の「M3 軽戦車」に苦戦、現地部隊の尽力と、日本軍側の勢いにより事無きを得ましたが、将来を考えと「97式中戦車」では対抗できないことが認識されます
●そこで、「97式中戦車」には、装甲貫通能力の高い「1式 47mm戦車砲」を搭載した新型砲塔が用意され、1942年の春頃から「4式中戦車」(「4式中戦車」という名称は制式時に付けられたものであり、開発時には「新中戦車(甲)」と呼ばれていました)の開発が進められます
・ 後に採用される「3式中戦車」より先に開始が始まっています
●しかし、用兵上の観点から度々仕様変更が命ぜられ、重量、装甲が増やされ、結局試作車が完成したのは1944年5月となりました
●この試作車には長砲身型の「試製57mm戦車砲」が搭載されていましたが、この砲では当時日本軍を苦しめていたアメリカ軍の「M4中戦車」に対抗できないのは明らかであり、「ボフォース M1929 75mm高射砲」をベースに製作された「5式 75mm戦車砲」を搭載することに変更されます
●この「5式 75mm戦車砲」の開発と、同砲用の砲塔の開発に手間取り、75mm砲を搭載した「4式中戦車」の試作車の完成は1945年2月へとずれ込みました
●この「4式中戦車」は、対戦車戦闘用として従来の日本戦車を縛っていた重量制限(港湾などの設備が整っていない南方での行動のために、貨物船のデリックの能力に従っていた)が撤廃され、当時の日本戦車としては破格な30tという重量を持っていました
●装甲は、砲塔、車体共に前面最大装甲厚75mmを誇っており、アメリカの「M4中戦車」と比べて遜色無いものとなっています
●足周りは、従来の日本戦車のスタイルを踏襲しながらも、転輪類は新設計され、幅広い履帯と412馬力のエンジンにより良好な機動性を持っていました
●「4式中戦車」は、実質的に「97式中戦車」のバージョンアップ版となる「3式中戦車」とは全く異なる設計の戦車であり、火力、装甲共に優れ、最強の日本戦車でした
・ 「3式中戦車」が装備する「3式 75mm戦車砲」は、「90式 75mm野砲」を車載化したもので、高射砲ベースの「4式中戦車」の主砲よりも装甲貫通能力が劣りました
・ 「5式中戦車」は、同じ砲を搭載することとなった「4式中戦車」の登場により、量産化の計画は見送られています
●同車は、対戦車戦闘の切り札となる存在でしたが、戦争後半での資材の不足、航空機の開発の増進などから開発自体が遅れ、更に生産ラインの関係から既存の「3式中戦車」の量産が優先されたことにより、極少数のみが生産されたのみに終わっています
・ 「4式中戦車」の生産数は、試作車2両の他に生産車2両~6両の説が有りますが、現在では試作車のみという説が有力となっています
【 「帝国陸軍 四式中戦車 チト 試作型」のキット内容について 】
●この帝国陸軍の「4式中戦車」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、ファインモールド社の高い成型技術により「4式中戦車」をシャープ且つ表情豊かに再現、「試作型」を特徴付ける鋳造砲塔の表面処理、独特な形状の車体上部など、同車の魅力が表現されています
●実質的に「4式中戦車」の初めてのインジェクションキット化であり、ファインモールド社が誇る日本軍車輌の深いリサーチ力により、謎の多い同車を細部に渡って再現した内容となっています
●「4式中戦車」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
●「5式 75mm戦車砲」は左右分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
・ 防盾は1パーツで構成され、防盾から突き出た駐退器は別パーツです
・ 砲尾部分、照準器も再現され、閉鎖器は開閉状態が選択できます
・ 砲身は上下に可動します
●砲塔は、各パネルを貼り合せる箱組み方式となっています
・ 砲塔前面と天板部分は一体成型されています
・ 照準口の蓋は別パーツです
・ 砲塔後部機銃のマウント部は別パーツで、機銃後方の機関部、照準器もパーツ化
・ 砲塔上部の視察装置(半球状のもの)は、装着の有無が選択できます
・ 上部の対空機銃架がパーツ化されています
・ 砲塔は左右旋回が可能です
●車長キューポラは、上下3分割式です
・ 視察用の防弾ガラスは、クリアーパーツとなっています
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体上部は一体成型となっており、エンジンデッキ後部は別パーツとなっています
・ 戦闘室前面パネルは別パーツです
・ 前照灯は、中央部のみの1灯式と、フェンダーにも装着された3灯式とを選択できます
・ 前照灯には、管制カバーのパーツが付属、前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが用意されています
・ 操縦手用の視察扉は別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 排気管は5パーツで構成、カバーはエッチングパーツとなっています
・ エンジンデッキ上の牽引ワイヤーは、装備状態と固定具のみの状態とを選択できます
●車体下部は、各パネルを貼り合せる箱組み方式となっています
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 下部転輪は、転輪本体とハブキャップとの2分割式、ボギー部は1パーツで構成されています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
●排気管カバーを再現するエッチングパーツが付属
●視察用の防弾ガラス、前照灯及び尾灯のガラス部などを再現するクリアーパーツが付属しています
●「4式中戦車」のマーキングとして、5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ軍捕獲車輌 (日本本土 / 1945年)
・ 千葉陸軍戦車学校 (日本本土 / 1945年)
・ 千葉陸軍戦車学校 (日本本土 / 1945年)
・ 推定塗装 (3色迷彩)
・ 推定塗装 (単色塗装)
●説明書の塗装例に基づく、アメリカ軍捕獲時の注意書き、ナンバープレート、実戦時用の部隊マークなどを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型(砲身、防盾部などを除く)