ドイツ L1500A Kfz.70 兵員輸送車
「ドイツ L1500A Kfz.70 兵員輸送車 (プラモデル) (ミニアート 1/35 WW2 ミリタリーミニチュア No.35147 )」です
●「ドイツ L1500A Kfz.70 兵員輸送車」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の統制型重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●大戦を通じて使用されたドイツ軍の統制型重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」を再現、印象的な細かいフロントグリルパターンと、ドイツらしい角形のフォルムを持つ「L1500A」の特徴を再現した内容となっています【 「メルセデスベンツ L1500A」について 】
●ドイツ軍は、軍の機械化として民間から転用した車輌を多く使用していましたが、このような雑多な車輌は整備上での問題点となり1935年に軍用車輌を統制的に開発する「アインハイツ計画」が実行されます
●この「アインハイツ計画」は、野戦用の乗用車、兵員車、トラックをそれぞれ「軽」「中」「重」の3タイプに分類、その規格に沿って各自動車メーカーが開発、生産を行いました
●同計画に基づき、積載量1.5tクラスの「軽」統制型トラックとして「ダイムラーベンツ」社が1937年に開発したのが「メルセデスベンツ L1500」トラックで、後輪駆動型の「L1500S」と、4輪駆動型の「L1500A」の2タイプが作られました
●一方、「アインハイツ計画」は平時の車輌整備計画であり、個々の車輌の性能は優秀でしたが、その分生産コストが高く、戦時には適さないものでした
●そのため、戦時における生産性を重視した新たな車輌開発計画「シェル・プログラム」が立案され、「アインハイツ計画」による車輌は、見直しと統合が図られます
●兵員を輸送する車輌である兵員車は「中」クラスが廃止され、「軽」と「重」の2タイプのみとなり、その「重」クラスの1車種として開発、生産されたのが「メルセデスベンツ L1500」トラックをベースとした、重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」です
・ トラック型と重兵員車型とは同じ「メルセデスベンツ L1500」という名称が使われ、トラック型では後輪駆動型の「L1500S」と、4輪駆動型の「L1500A」の2タイプがありますが、重兵員車型は4輪駆動型の「L1500A」のみとなるようです
・ 他の重兵員車としては「シュタイヤー1500A」、「フェノーメン1500A」などがあります
●重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」は、1941年から生産が開始され、それ以降はドイツ軍将兵の足となって大戦を通じて活躍、またそのキャパシティーの大きさを活かして指揮機能を備えたスタッフカーとしても用いられています
・ 「オペル・ブリッツ」などの大型のトラックと比べて少数生産となったトラック型に対し、この重兵員車型は多くが生産されたようで、戦場写真でも多く見掛けます(両車共に生産台数は不明です)
【 「ドイツ L1500A Kfz.70 兵員輸送車」のキット内容について 】
●このドイツ軍の重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ICM社のミリタリーシリーズのフォーマットに沿って重兵員車「メルセデスベンツ L1500A」を再現、細分化されたパーツ構成によりディテールとソフトスキン車輌らしい華奢な構造を表現した内容となっています
●「シェル・プログラム」に基づき、「シュタイヤー1500A」と並んで終戦時まで使用された「メルセデスベンツ L1500A」を再現、丸みを帯びた「シュタイヤー1500A」に対して同車はドイツ車輌らしい角形のボディを持ち、同じコンセプトながらそのフォルムの違いは印象的であり、単品作品として並べても面白いでしょう
●キットは、エンジンを始めとするエンジンルーム内部も再現されており、ボンネット部分も実車通りの構造で開放状態とすることができ、エンジンルーム内部の構造を展示したり、整備中や故障時といったジオラマシーンなど様々な演出を楽しむことも可能です
●幌は展開状態と畳んだ状態とを選択することができます
・ 側面のシールドもパーツ化されています
●「メルセデスベンツ L1500A」は、「シャーシ」「エンジン」「キャビン」「幌」の4ブロックで構成されています
【 シャーシ 】
●シャーシのメインフレームは、縦のフレームと横のフレームを組合す方式によりその細部が表現、フレームの肉抜き穴も再現されています
・ リーフ式サスペンションは1パーツで再現され、サスペンションの基部部分は別パーツです
・ 前部のデファレンシャルは9パーツ、後部デファレンシャルは13パーツで細かく表現されています
・ 前輪のステアリングは固定式となります
・ 前部のバンパーは、そのアングル形状を再現、中央部のナンバープレートと後部のカバーはエッチングパーツとなっています
●タイヤは、本体部分と内側内部の2パーツで構成されています
・ タイヤ表面のトレッドパターンが再現
・ タイヤ内側のリムの部分はエッチングパーツとなっています
【 エンジン 】
●エンジンは、直列縦置き式のエンジンを再現
・ エンジンは、25パーツにより構成、冷却ファン、ファンベルト、クラッチ、トランスミッションなどが表現されています
・ エンジン前部のラジエターは1パーツにて再現
・ エンジンルーム内は、隔壁部分に存在するオイル缶などの装備品がパーツ化
【 キャビン 】
●「メルセデスベンツL1500A」の角形の車体形状が各パネルを貼り合せることで再現されています
・ キャビン本体は、底面パーツがベースとなり、これに車体内部、側面パネル、ボンネット部、フォロントグリル、フェンダーを取り付ける構成となっています
・ 側面のドア、後部トランクドアは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 前照灯がパーツ化され、ガラス部を再現するクリアーパーツが付属しています
・ ノテックライトは本体と基部との2分割式で、ベース部分はエッチングパーツです
●車体側面やドアの上部に装着するシールドが付属しており、その装着の有無が選択できます
・シールドは、幌の状態に限らず、装着もしくは取り外されていました
・シールドの枠の部分は成型色パーツ、ウィンドー部はクリアーパーツです
●運転席部分は、各種レバー、ペダル類がパーツ化、メーターパネルも細かく表現されています
・ メーターはモールドにて再現
・ 運転席前部に置かれたジャッキが細かく再現され、固定具を含めて9パーツで構成されています
●車体内部は、後部のベンチシート、ライフルラックなどが再現
・ベンチシートは、フレームとクッション部で分割され、各4~6パーツで構成
・ライフルラックは、ライフル固定具と支柱とで構成されています
●フロントウィンドは、細分化されたパーツ構成となっています
・ウィンドの枠の部分は成型色パーツで左右2分割式、ウィンドー本体はクリアーパーツです
・ワイパーの基部はプラパーツ、本体はエッチングパーツです
・フロントウィンド側面の起倒装置がパーツ化されています
●フロントグリルは、グリルのメッシュ、「メルセデスベンツ」マークが一体成型されたプラパーツと、同部分がエッチングパーツとなったパーツとを選択して使用します
・ 一体成型されたプラパーツは、上部の「メルセデスベンツ」のエンブレムが別パーツ(エッチングパーツ)です
・ エッチングを使用するパーツは、枠の部分がプラパーツ、グリルのメッシュ、「メルセデスベンツ」のマークはエッチングパーツとなっています
・ フロントグリル上の「メルセデスベンツ」のエンブレムはエッチングパーツとなります
●ボンネット部は、実車通りに中央部分で分割されており、開閉状態が選択できます
・ ボンネット側面の吸気グリルはスリット部が開口処理されています
・ 開状態としてエンジンルームの構造を見せることが可能となっています
●車体内部、外部に装備される車載工具類は工具のみで一体成型され、その固定具はエッチングパーツで再現されています
・固定クランプは、装着部、ハンドル部が各1パーツにて再現
【 幌 】
●幌は展開した状態と畳んだ状態のパーツが付属しており、選択して使用します
・ 畳んだ状態のパーツは支柱部分も含めて一体成型です
・ 展開した状態のパーツは、後面が3分割式で天板部分は一体成型、支柱は別パーツとなります
●フロントグリル、「メルセデスベンツ」のマーク、ワイパー、車体のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●各ウィンドー、前照灯のガラス部を再現するクリアパーツが付属
【 アクセサリー類 】
●「メルツェデスベンツ L1500S」を演出するアクセサリーパーツが付属しており、車体内部の各ラックに装着させることができます
・ ジェリカン ×1
・ モーゼル Kar98k ライフル ×8
【 塗装・マーキング 】
●「メルセデスベンツ L1500A」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第3装甲擲弾兵師団 (1944年夏)
・ 第1戦車師団 (ハリコフ戦域 / 1943年2月~3月)
・ 「グロスドイッチュラント」装甲擲弾兵師団 (クルスク戦時 / 1943年6月)
・ アフリカ軍団 第90自動車化師団 第190砲兵連隊 (北アフリカ戦線 / 1942年8月)
●説明書の塗装例に基づく、軍団マーク、師団マーク、戦術マーク、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型 (ミニアート社製「ドイツ L1500S 1.5t 4×2 カーゴトラック」と同時発売)
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【 「ドイツ軍車輌の名称」について 】
●ドイツ軍では、その車輌を用途別で制式名称としており、メーカー別の名称はあまり使われなかったために、その車種の呼称は非常に分かり難くなっています
●例えば、統制型車輌の1車種を生産するメーカーが2社以上となると、「マーカー名、タイプ」といった通常の呼称は使えず、やむなく「軽統制型乗用車」などという分かり難い名が使われます
・ 「アインハイツ・ディーゼル」はその典型的は例で、「アインハイツ計画」に基づく「ディーゼルエンジン車輌」を意味しており、本来は「重統制型トラック」という名称となり、4社で共同生産されています
●用途別の制式名称として、重兵員車「メルセデスベンツL1500A」は「Kfz.70」という番号を与えられていました
●この「Kfz.70」は「重統制型兵員車」を意味しており、「メルセデスベンツL1500A」だけに限らず、「ホルヒ Type40」や「シュタイヤー1500A」などにも同型式名が付いていました
・ 元々の車体は同じでも、無線機装備や牽引車型などの若干の改修でもこの「Kfz.」ナンバーは変更されます