日本海軍 駆逐艦 村雨・夕立 (白露型 前期型 開戦時) (2隻セット)
「日本海軍 駆逐艦 村雨・夕立 (白露型 前期型 開戦時) (2隻セット) (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.078 )」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の駆逐艦「白露型」の「前期型」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
・ 太平洋戦争開戦時の「白露型」の「前期型」のパーツが2隻分セットされています
●軍縮条約下の駆逐艦として、武装を充実させながら艦の安定性も考慮された駆逐艦「白露型」を再現、角形の艦橋の「白露型 前期型」を再現した内容となっています
●フジミ社製「日本海軍駆逐艦 白露 (白露型前期型武装強化時) (白露・春雨 2隻セット)」をベースとして、太平洋戦争開戦時を再現するために機銃及び機銃座、後部の対潜兵装を新規パーツへと変更したバリエーションキットです【 駆逐艦「白露型」について】
●帝国海軍は、艦隊戦用優れた攻撃力を持つ1600tクラスの駆逐艦「特型」を1930年から続々と竣工させますが、ロンドン軍縮条約により駆逐艦にも保有制限が行なわれるようになり、制限枠を超えない範囲で有効な戦力を持つために作られたのが1400tクラスの駆逐艦「初春型」でした
●この「初春型」は、「特型」よりも一回り小さな船体となっていましたが、攻撃力は「特型」を超える(主砲の門数は少ないものの、魚雷の再装填機能を持つ)能力を持っていました
●ところが、水雷艇「友鶴」が転覆してしまうという「友鶴事件」が発生、これは武装関係の装備を、船体の規模以上に積んだために起こったもので、帝国海軍の全艦艇に対して見直しが行なわれています
●この結果、「初春型」の装備する武装によるトップヘビーは顕著であり、同型は武装の撤去などが実施されました
●「白露型」は、「初春型」の次に建造されたタイプで、武装を減らされた「初春型」をベースとした改良拡大型の1600tクラスの駆逐艦です
●「友鶴事件」の教訓から、主砲の搭載門数は改造された「初春型」と同じ5門で、船体も強度と復元性が充分に確保されていました
●ただし、魚雷兵装は増強されて4連装魚雷発射管が2基装備されています
・ 「特型」と同じ排水量で主砲が減らされたのは、魚雷の再装填機能を装備したからです
●「白露型」は、1番艦の「白露」が1936年に竣工、合計10隻が建造されます
●事前の計画では、「白露型」はもう10隻建造される予定でしたが、このクラスの駆逐艦では帝国海軍が求める駆逐艦の能力には及ばず、この10隻はキャンセルされ、その代わりに2000tクラスの駆逐艦「朝潮型」、そして「陽炎型」が登場することとなりました
●なお、「白露型」は「前期型」6隻と「後期型」4隻とに分類され、「前期型」は船体の建造中に「友鶴事件」による設計変更を受けたために、構造的に継ぎ接ぎされているのに対し、「後期型」では新設計によりスッキリとしたものとなっています
・ 「前期型」は艦橋下部前面が角張った形状、「後期型」は丸みが有るのが外観上の大きな違いです
●また、1942年末頃から順次、船体中央部の機銃が「25mm連装機銃」もしくは「25mm 3連装機銃」に換装、更に1943年には艦橋前部に機銃座が設けられています
【 「村雨」について】
●駆逐艦「村雨」は、「白露型」駆逐艦の3番艦として1937年に竣工しました
●太平洋戦争が開戦すると「村雨」はフィリピン方面に進出し、同島方面への攻略作戦の支援に従事、1942年2月には連合軍のABDA艦隊との戦いとなった「スラバヤ沖海戦」に参加します
●1942年6月の「ミッドウェー海戦」では、ミッドウェー島への上陸を目的とした攻略部隊に組み込まれ、戦いに参加しますが、機動部隊の壊滅により戦線を後にします
●1942年8月、アメリカ軍がガダルカナル島に上陸すると日米の戦いはこの島を中心としたソロモン海域が舞台となり、「村雨」は最前線へと投入されました
●同艦は、ガダルカナル島への輸送作戦及び輸送任務に従事、1942年11月にはアメリカ艦隊との夜間戦となった「第3次ソロモン海戦」に参加、激闘を繰り広げました
●1943年3月、駆逐艦「峯雲」との2隻で、ソロモン海域のコロンバンガラ島への輸送任務に就きましたが、日本軍側の動きを察知したアメリカ駆逐艦隊の迎撃に遭遇、夜間でのレーダー射撃によって損害を受け、その身を沈めて行きました
【 「夕立」について】
●駆逐艦「夕立」は、「白露型」駆逐艦の4番艦として1937年に竣工しました
●太平洋戦争開戦時には僚艦「村雨」「春雨」「五月雨」と共に駆逐隊を編成しており、「村雨」と同様にフィリピン方面の攻略作戦の支援に就きました
●同艦は、「村雨」と同じく「ミッドウェー海戦」では攻略部隊として参加、インド洋通商破壊作戦に従事した後に激闘が始まったソロモン海域に移動します
●「夕立」は、ガダルカナル島への輸送任務に従事、1942年11月には同島のアメリカ軍飛行場を戦艦で砲撃する挺進作戦に参加しました
●この作戦を阻止するために、アメリカ軍は巡洋艦隊を出撃、「第3次ソロモン海戦」の第1夜戦となりました
●「夕立」は、同海戦において日本艦隊の先陣を切って戦う働きを見せましたが、激しい戦闘の末に日米双方に多大な損害が発生、同艦もアメリカ艦隊の砲撃に曝された結果、大破航行不能となる損害を受けます
●その後も、両軍の間で接近戦が繰り広げられ、「夕立」にも続いて敵の砲撃が集中、「鉄底海峡」とも称される同海域において、その姿を波間に消して行きました【 「日本海軍 駆逐艦 村雨・夕立 (白露型 前期型 開戦時) (2隻セット)」のキット内容について】
●この帝国海軍の駆逐艦「白露型」の「前期型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社の「特シリーズ」のフォーマットに則り駆逐艦「白露型」の「前期型」を再現、1/700スケールとしてのコレクション性を重視しながらもシャープな細部表現により同艦のフォルムとディテールとを豊かに表現した内容となっています
●「白露型」は、上記の通り1942年末頃から対空兵装が強化されており、キットはその前の状態となる太平洋戦争海戦時の姿が表現されています
●キットの表記では駆逐艦「白露型」の3番艦の「村雨」と4番艦「夕立」となっていますが、現在のところ「白露型」の「前期型」は全て同じ仕様と言われており、1番艦「白露」から6番艦「五月雨」までの「前期型」6隻を再現可能となっています
●太平洋戦争開戦時の「白露型」の「前期型」のパーツが2隻分セットされています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「白露型」は、後部上甲板が一体成型された船体部と、船首楼甲板部との上下分割式となっています
・ 艦体部は一体成型のパーツで構成され、喫水線部分までが再現されています
・ 艦体の舷外電路、舷窓が再現、舷窓上部の雨樋も表現されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、船首楼部分と、船体に一体成型された後部甲板とに分割されています
・ 甲板上には、リノリウム押さえ、滑り止め、魚雷運搬用レール、リール、ボラード、アンカーチェーンなどが繊細なモールドで再現
・ 主砲台座が甲板上に表現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「魚雷発射管」「煙突部」「中央構造物」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「白露型」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の主要部分は、5パーツ(艦橋窓含む)で構成、トップの方位盤、測距儀などは別パーツとなっています
・ 艦橋の窓の部分は別パーツです
・ 艦橋下部の舷窓、扉などのディテールがモールドで再現されています
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は三脚檣型となっており、それぞれ前後分割式です
● 第1煙突・第2煙突
・ 煙突トップ部は別パーツ化され、本体部分は左右2分割式です
・ 蒸気捨管、缶通風筒、排気筒は別パーツ化されています
●機銃台座
・ 第2煙突前部の機銃台座は、台座本体と支柱部分との分割式です
・ 「40mm単装機銃」 ×2
●中央構造物
・ 中央構造物は、煙突の台座部分と魚雷発射管台座部分が一体成型されています
・ 前部の予備魚雷格納庫は4パーツで構成され、側面のドアもモールド再現されています
・ 探照灯台座は別パーツにて再現
・ 90cm探照灯、方位測定器は別パーツです
●後部構造物
・ 後部構造物は一体成型となっており、測距儀、通気筒は別パーツです
●主砲塔部「50口径3年式 12.7cm連装砲C型」 ×2、「50口径3年式 12.7cm単装砲A型(改装後タイプ)」 ×1
・ 砲塔は本体部分と砲身部分との分割式で、砲身部分は1本ずつに分割成型されています
・ 砲身部分には防水カバーが表現
●4連装魚雷発射管 「92式 61cm 4連装 魚雷発射管」 ×2
・ 魚雷発射管は、本体部分とシールド部分とに分割されています
●爆雷投射器、爆雷装填台
●爆雷投下軌条
●前部・後部スキッドビーム
●内火艇、カッター及びボートダビッド
●各種ダビッド
●艦首、艦尾旗竿
●錨
など
●艦首の日章旗と、艦尾の軍艦旗を再現したデカールが付属
●2013年 一部新金型