アメリカ M22 ローカスト 空挺軽戦車 (T9E1)
「アメリカ M22 ローカスト 空挺軽戦車 (T9E1) (プラモデル) (ブロンコモデル 1/35 AFVモデル No.CB35162 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の空挺戦車「M22 ローカスト」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●当時において世界でも希有な存在だった空挺作戦用の戦車「M22 ローカスト」を再現、アメリカ的デザインを持ちながら、重量軽減のために傾斜装甲を採用した独特なフォルムを再現した内容となっています
●ブロンコモデル社製「イギリス 空挺戦車 M22 ローカスト (T9E1)」をベースに、リトルジョンアダプター付き砲身を省き、操縦室上部、フェンダーの新規パーツと、アメリカ軍用のアクセサリーのパーツを追加したバリエーションキットとなります【 「M22 ローカスト」について 】
●第2次世界大戦前、世界の主要国では空挺部隊の潜在的能力を重要視しており、部隊編成と用兵の研究を行っていました
●空挺部隊は、落下傘降下かグライダーによる輸送により敵戦線の奥地に展開することが前提となっており、その輸送能力から基本的には軽装備となります
●このため、装甲車両に対しては非力さが否めず、これを補うために空挺作戦用の戦車の研究が各国で行われました
・ 空挺作戦用の戦車としてはグライダーによる輸送方法が主流でしたが、国によっては飛行性能を備えた「空飛ぶ戦車」が研究されています
●ただし、空挺戦車の開発にあたっては、グライダー自体の輸送能力を考慮しなければならず、大重量を収める専用のグライダーの開発や、それを曳航する航空機の必要性など、様々な問題をクリアーする必要があり、実際に空挺戦車が具現化したのは極少数の国のみでした
●アメリカ軍では、第2次世界大戦に参戦する前の1941年2月に空挺戦車の開発を開始、1942年3月にイギリス軍では大型のグライダー「ハミルカー」が登場し、この機の搭載可能重量に合わすためにその自重は7.5tに制限されました
●1942年4月に試作名称「T9」として最初の試作車が完成、ただし、「T9」は重量過大のために改修を余儀なくされ、更には試作までに時間が掛かった分、当時の戦車としては能力不足が目立っており、その試作車の改修作業の完了を待たずに新規の改修型「T9E1」の製作が開始されています
●「T9E1」は、1942年11月に試作車が完成、翌年の4月からは量産が開始され、1944年2月までに830両が完成、生産終了後の1944年9月に「M22 ローカスト」として制式化されています
●「M22 ローカスト」は、「37mm 戦車砲 M6」と「7.62mm同軸機銃」を武装として搭載し、足周りは「M3軽戦車」シリーズに似たボギー式サスペンションを採用、重量軽減のために傾斜装甲が取り入れられ、外観上は小型化した「M4A1中戦車」のようなフォルムを持っています
●重量は7.43tという軽量に抑えられ、最大速度56km/hという高い機動性能を誇っています
●ただし、この重量のために装甲が犠牲となっており、最大装甲は25mmで、あくまでも軽戦車としての用途に限られています
●同車は、空挺作戦を重要視していたイギリス軍も関心を示し、生産された車両の中から260両を受領、空挺部隊に配備されて、1945年のライン川渡河作戦「ヴァーシティー作戦」などに参加しました
●イギリス軍では、「M22 ローカスト」や「軽戦車 テトラーク」など空挺部隊の機甲戦力の充実化に熱心でしたが(イギリスの空挺部隊は「マーケットガーデン作戦」で痛い目に遭っています)、「M22」を開発した肝心のアメリカ軍では、貧弱な装甲しか持たない空挺作戦用の戦車に対して懐疑的であり、結局同車は訓練のみに使用され、実戦に使用されることはありませんでした
・ 実際、「ヴァーシティー作戦」に投入された「M22 ローカスト」は、その半数が着陸時の事故で使用不能となっています
・ アメリカ軍では、空挺部隊運用は絶対的な制空権下に行われるものとして、空軍による支援能力を重要視しており、空挺部隊の戦車運用は消極的でした(「マーケットガーデン作戦」におけるイギリス空挺部隊の苦戦の原因の一つが無線機の不調による空軍の支援不足でした)
・ もっとも、アメリカ軍としても機甲兵力を持たない空挺部隊を敵戦線の奥地に送ることは抵抗があったようで、戦後になると空挺戦車の開発が活発化、その最終形が「M551 シェリダン」となります
【 「アメリカ M22 ローカスト 空挺軽戦車 (T9E1)」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の空挺戦車「M22 ローカスト」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ブロンコモデル社のディテール表現力と高い成型技術により「M22 ローカスト」を再現、車体や砲塔の基本躯体は一体成型を重視しながらも、ディテール部分は細分化されたパーツにより構成、同車のフォルムとディテールとが細かく再現されています
●ブロンコモデル社キット特有の細分化されたパーツ構成となっていますが、一部連結式履帯の採用や、車体内部再現ではポイントを絞った表現により、同社の他のキットと比較してパーツ数を抑えた内容となっています
●エンジンルーム以外の車体内部構造が再現されています
●「M22 ローカスト」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、一体成型によりそのフォルムを再現、ブロンコモデル社の成型力により防盾周りのボルト止め構造や、鋳造刻印などが表現されています
●「37mm戦車砲 M6」の砲身は一体成型となっており、スライド式金型により砲口部分は開口処理されています
・ 砲尾も再現され、防危板などがパーツ化、閉鎖器は開閉状態が選択できます
・ 同軸機銃は、銃口、放熱口が開口され、機関部も再現されています
・ 防盾は1パーツで再現
●砲塔は上下分割式です
・ 上部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープは別パーツで再現され、クリアーパーツとなっています
・ アメリカ軍用のアンテナ基部のパーツが付属
●砲塔内部が再現されています
・ 砲塔内部は、砲尾部分の他に砲塔バスケット及びガード、座席、弾薬箱などがパーツ化
【 車体上部 】
●車体上部は、その特異で複雑な面構成を一体成型で再現、重量軽減による簡略化が図られながらも細かな造形を持つ同車のディテールが表現されています
●車体上部は、一体成型となっています
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 操縦手用の視察装置は別パーツです
・ ペリスコープはクリアーパーツとなっています
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 前照灯は上部の車間表示灯も含めて一体成型され、ガラス部はクリアーパーツにて再現
・ ライトガードはエッチングパーツとなっています
●フェンダーは、サイドスカートが付いていないパーツとサイドスカートが付いているパーツとが用意されており、選択して使用します
・ フェンダー上の車載工具類は固定具も含めて一体成型され、位置を固定する板はエッチングパーツとなっています
・ 排気管は5パーツで構成され、排気管カバー及び排気管の固定バンドはエッチングパーツにて再現
【 車体下部 】
●車体下部は細分化されたパーツ構成により足周りを再現、車体自体は一体成型となっています
●車体下部はバスタブ式に一体成型されています
・ ボギー式サスペンションユニットは各12パーツにより細かく再現(全4ユニット)
・ ボギー部分は固定式です
・ 起動輪は左右分割式、下部転輪は一体成型です
・ 誘導輪は一体成型で、履帯接触部の肉抜き穴が開口されています
●操縦席部分、戦闘室部分の車体内部が再現されています
・ 操縦席部分は、座席、操行レバー、トランスミッション及び最終減速器、メーターパネルなどがパーツ化
・ 戦闘室内部は、エンジン隔壁、ドライブシャフト、脱出ハッチなどが表現されています
【 履 帯 】
●履帯は、一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は1枚ずつが分割されたパーツとなっています
・ 上部の繋がった状態のパーツには、上部転輪による弛みが表現されています
●履帯は、裏側に2枚のセンターガードが付いたシングルピン式履帯が再現されています
■付属しているアクセサリー
●アクセサリーパーツが付属しています
・ 雑嚢 ×4
・ シュラフ ×1
・ 畳んだ状態の毛布 ×1
●ペリスコープ、前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属
●排気管カバー、エンジングリルのメッシュ、ライトガードなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「M22 ローカスト」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる5種類の塗装例が説明書に記載されており、塗装例に基づく、国籍マーク、車台番号、パーソナルネームなどを再現したデカールが付属しています
●2013年 一部新金型