ドイツ Pz.Kpfw.4 Ausf.D 4号戦車 D型 熱帯地仕様
「ドイツ Pz.Kpfw.4 Ausf.D 4号戦車 D型 熱帯地仕様 (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6779 )」です
●第2次世界大戦時の北アフリカ戦線におけるドイツ軍の「4号戦車D型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●北アフリカ戦線初期においてドイツ・アフリカ軍団の大型戦車として活躍した「4号戦車D型」を再現
・ ドイツ的な直線を基調としたフォルムを持ち、短砲身の主砲を搭載して、北アフリカ戦線仕様として砲塔後部にゲベックカステンを装備した姿を再現した内容となっています【 「Pz.Kpfw.4 Ausf.D 4号戦車D型」について 】
●1935年、ドイツは第1次世界大戦後のベルサイユ条約を破棄して再軍備化を開始、戦車は「1号戦車」~「4号戦車」という4つの車種に分けられ、開発が進められました
●各戦車は、それぞれの役割が決められており、「1号戦車」は訓練用、「2号戦車」は偵察及び補助戦車、「3号戦車」は戦車部隊の主軸となる主力戦車、「4号戦車」は火力支援用の戦車と位置付けられます
●「4号戦車」は支援戦車として開発された関係から、主力戦車としての気負いからサスペンションなどの足周りの開発に手間取った「3号戦車」とは異なり、比較的早期に開発と量産化が進められました
●しかし、最初の量産型である「4号戦車A型」は装甲が極めて脆弱であり、続く「B型」によって防御力の強化が行われます
●ただ、この「A型」「B型」は試作型としての意味合いが濃く、生産台数は極少数でした
●最初の大量生産型となった「4号戦車C型」は、一定数が作られたものの被弾に弱い内装式防盾を装備しており、戦車としての完成度はまだ低いのが現状でした
●ポーランド戦が終結した1939年10月からは外装式防盾を備えた「4号戦車D型」の生産が開始、この「D型」により「4号戦車」の基本スタイルが確立されていましたが、戦闘室の前面形状は「4号戦車B型、C型」の1枚物のタイプとは異なり、「A型」のような操縦席部分が突き出したタイプへと戻っています
●「4号戦車」は、ベルサイユ条約下において密かに研究、開発された戦車技術を応用した車輌で、堅実な設計により機械的信頼性が高いのが特徴でした
●また、その車内のレイアウトは乗員の利便性やその役割を重視しており、5名という乗員数は同時期の他国の戦車よりも、その戦車の潜在的能力をフルに発揮する人数であり、実際カタログスペックでは遥かに性能が上回るソ連軍の「T-34」などの戦車に対しても優位に立つことができました
・ 砲塔側面のハッチは、防御上ではかなり問題がありましたが、各乗員に1つずつのハッチを持つことは利便性や乗員の生存性から重要な要素であり、このスタイルは終戦時まで変わりませんでした
●一方、ドイツの同盟国イタリアは、その勢力拡大のために自国領のリビアからイギリス領エジプトへと侵攻、当初はイタリア軍が優勢でしたが、イギリス軍の大規模な反撃が開始され、イタリア軍は壊走します
●この機に乗じてイギリス軍は北アフリカ戦線での勝利を掴むためにリビアの奥地まで兵を進め、イタリア軍の一掃を図ります
●この事態を受けてドイツ軍は部隊を同戦線に派遣することを決定、1941年2月に最初の部隊がリビアへと到着しました
●当初、北アフリカ戦線に投入されたのは第5軽師団と第15戦車師団の2個師団のみでしたが、ドイツ・アフリカ軍団としてその司令官に任命された「エルウィン・ロンメル」は、イギリス軍の補給線が延びきっていることを判断、2個師団の兵力が全て揃うのを待たずに攻勢を行います
●この攻撃によってイギリス軍は大きな損害を受けて退却、戦線はリビアとエジプトの国境付近まで押し戻されました
●これにより、同戦線はイギリス軍の主戦場として認知され、イギリス本国やイギリス連邦軍から続々と援軍が到着しますが、ドイツ軍とイタリア軍は「エルウィン・ロンメル」の指揮の下、巧みな作戦と戦術によりイギリス軍を翻弄、物量で勝る同軍を追い詰める働きを見せています
●遮蔽物の少ない北アフリカ戦線においては、戦車などの装甲車両の存在は極めて大きく、両軍は戦車戦力が中心となっていました
・ もっとも、戦場の主役はあくまでも歩兵であり、歩兵戦力が伴わない戦車部隊は無力でした
●北アフリカ戦の初期においては、ドイツ軍は「1号戦車」、「2号戦車」、短砲身の50mm砲を装備した「3号戦車」、そして短砲身の75mm砲を搭載した「4号戦車」という4種の戦車を投入しています
●この初期の戦いでは、「4号戦車」は火力支援戦車として用いられ、短砲身ながら75mm砲という口径を活かし、榴弾と徹甲弾の威力により、対歩兵戦闘、対戦車戦闘に活躍しました
●対戦車戦では、当時のイギリス戦車の能力は高くなく、短砲身ながらも「4号戦車」の主砲はイギリス軍戦車の前面装甲を貫く能力を持っており、同車はイギリス戦車兵にとって恐れられました
●しかし、イギリス軍が投入した歩兵戦車「マチルダ2」などは「4号戦車」の能力では対抗することが難しく、苦戦を強いられており、ドイツ軍は「88mm高射砲」を駆使して圧倒する戦術を採っています
・ 北アフリカ戦線に投入された短砲身型の「4号戦車」は、「4号戦車D型」以降のタイプとなります
【 「ドイツ Pz.Kpfw.4 Ausf.D 4号戦車 D型 熱帯地仕様」のキット内容について 】
●この北アフリカ戦線におけるドイツ軍の「4号戦車D型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ドラゴン/サイバーハビー社の「4号戦車」の「初期型」のフォーマットに則り、パーツの細分化によるディテール表現を重視しながらも、スマートキット版として一部を一体成型となったパーツへと差し替えた内容となっています
●「4号戦車D型」は車体に増加装甲が付けられていないタイプが表現されています
●砲塔の内部も再現、砲塔バスケットの構造、砲塔旋回装置、砲尾部分などが表現されています
●「4号戦車D型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」「左右フェンダー部」の5ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、溶接跡や砲塔天板のボルト穴が再現、砲塔のディテールや車長キューポラなどは細分化されたパーツ構成によって表現されています
●「24口径 75mm戦車砲」の砲身は、砲口部分が一体成型され、砲身部は上下分割式です
・ 砲口部分は開口処理済で、内側のライフリングも彫刻されています
・ 砲尾部分は9パーツで構成、閉鎖器は開閉状態が選択できます
・ 砲身は、完成後も上下可動式とすることができます
・ 同軸機銃は「MG34」の通常型が付属、銃口部分が開口されています
●砲塔は、主要部分が上部、底部、前面の3パーツにて構成されています
・ 前面のクラッペ、 上部の通気ハッチ、側面ハッチ、クラッペは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 側面ハッチ上部の雨樋はエッチングパーツにて再現
・ 側面ハッチの視察装置はクリアーパーツです
・ 砲塔内部は砲手席、砲塔旋回装置、照準器、砲塔バスケットなどが再現されています
・ 砲塔は、砲塔バスケット下部のツメにより旋回が可能となっています
・ ゲベックカステンは4パーツで構成され、蓋の開閉状態が選択できます
●車長キューポラは、円筒状に成型されたキューポラ本体に、外部の装甲カバー、内部の視察装置などを取り付ける構成となっています
・ 外部の装甲カバーは、開閉状態が選択できます
・ 内部の視察装置はクリアーパーツで、5パーツで構成
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
【 車体上部 】
●車体上部は、各部のボルト穴や前方ハッチのディテール、ボルト止め構造などが細やかに表現されています
●車体上部は、各装甲板を貼り合せる箱組み方式となっています
・ 車体上部の操縦手、無線手ハッチは、別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ エンジングリルの点検ハッチ、車体前部のブレーキ点検ハッチも別パーツ化されています
・ 前方機銃は「MG34」の車載型が付属、6パーツにより内部のマウント部、機関部も再現
●各クラッペは、別パーツ化されており、開閉状態が選択できます
・ クラッペ内側のビジョンブロックは細かく再現され、視察口の防弾ガラスはクリアーパーツとなっています
【 フェンダー 】
●フェンダーは、表面上の細かな滑り止めパターンと、その上部のフェンダー固定用のボルトが再現、裏側のディテールも表現されています
●左右のフェンダーは、それぞれフェンダー本体、前後のマッドフラップ、前部内側など5パーツで構成されています
・ 各車載工具類は、固定具が一体成型されたパーツが付属、固定具はエッチングパーツへと変更することが可能です
・ 左側面の足掛けと履帯接合具はエッチングパーツにて再現
【 車体下部 】
●車体下部の足周りは、同社の「4号戦車」の「後期型」シリーズと同じく、パーツ分割が抑えられたものへと変更されています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されており、これに前面及び後面パネルを取り付ける構成となっています
・ ボギー式サスペンションは、1ユニットが4パーツで構成されています(全8ユニット)
・ 各転輪は左右分割式で、ハブキャップは別パーツとなっています
・ 起動輪、誘導輪は左右分割式です
・ 起動輪のデファレンシャル部は5パーツで構成、前部カバーの先鋭ボルトは別パーツです
・ 排気管は横方向に分割され、6パーツで構成、先端部は開口処理されています
・ 発煙装置は、各発煙筒が1本ずつ分割され、全7パーツで構成
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、センターガイド部に肉抜き穴がある38cm幅の履帯が表現されており、モデルカステン製「4号戦車 初期型用 (38cm幅)履帯 (可動式)」がこれに対応しています
●視察口の防弾ガラスなどを再現するためのクリアーパーツが付属
●車載工具の固定具、砲塔側部の雨樋、車番標識などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「4号戦車D型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第5軽師団 第5戦車連隊 第8中隊 (リビア / 1941年)
・ 第5軽師団 第5戦車連隊 第8中隊 (リビア / 1941年)
・ 第5軽師団 第5戦車連隊 第8中隊 (リビア / 1941年)
・ 第5軽師団 第5戦車連隊 第8中隊 (リビア / 1941年)
・ 第15戦車師団 第8戦車連隊 第4中隊 (リビア / 1941年)
・ 第21戦車師団 第5戦車連隊 第4中隊 (リビア / 1941年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、軍団マーク、車体番号、部隊記号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製