ソビエト 試作重戦車 オブイェークト 279
「ソビエト 試作重戦車 オブイェークト 279 (プラモデル) (パンダホビー 1/35 CLASSICAL SCALE SERIES No.PH35005 )」です
●1950年代におけるソ連軍の試作重戦車「オブイェークト 279」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●核戦争下で戦闘を継続できる戦車として開発された試作重戦車「オブイェークト 279」を再現、核爆弾の爆風にも耐えうる構造として流線形のフォルムに4列の履帯を装備した特異な姿が表現されています【 「試作重戦車 オブイェークト 279」について 】
●第2次世界大戦末期に開発された核兵器は、大戦終結後の米ソ冷戦の構造下で新たなる開発と発展を続け、東西両陣営において多くの核兵器を保有する事態となり、1950年代以降は核戦争の脅威が現実味を帯びるようになっています
●1970年代以降は核兵器を使用した場合の負の部分が直視されるようになり、時代は徐々に核兵器の削減へと向かいましたが、核兵器の開発が活発に行われていた1950年代から1960年代においては核戦争への危機感は極めて高いものでした
●核兵器の直接の脅威は熱線と爆風、そして放射能によるものでしたが、世界各国での核実験の結果、装甲が厚い「戦車」はその状況下において高い生存性を持つことが判明しており、戦後第2世代戦車からは核兵器が使用された後でも運用が可能な「NBC装置」が搭載されています
●一方、ソ連軍では戦後の戦車としては、「T-44」~「T-54/55」の中戦車と、「JS-2」「JS-3」「JS-4」~「T-10」の重戦車という2つのカテゴリーで開発が行われてました
●1950年代に登場した重戦車「T-10」は、当時としては有力な戦車でしたが、引き続いて後継車両の開発も行われており、数々のプランが登場、核戦争下において運用できる戦車として計画されたのが「オブイェークト 279」です
・ 「オブイェークト 279」とは、戦車の開発名称であり、基本的にソ連戦車の原型には「オブイェークト ○」という名称が与えられています
●この「オブイェークト 279」は、核兵器の爆風に耐えうる構造として爆風を逃す流線形のフォルムを採用、砲塔と車体は鋳造式で、車体にはその形状を形成するための側面へと延びる装甲カバーが取り付けられています
●履帯は爆風による横転を防ぐため、中央に2列を増設した4列式となり、更に油圧式サスペンションにより車体の高さを調節することが可能で、核兵器が使用された場合には車高を下げて爆風の影響を少なくするようになっています
●主砲には「JS-7」の主砲から改良された「130mm戦車砲 M-65」を搭載、核使用時を考慮して圧搾空気を用いた砲身内部洗浄装置も装備されています
●このように核戦争を想定した「オブイェークト 279」でしたが、これらの装備により単価的に極めて高価な戦車となってしまい、その特異な性質から汎用性という点も欠如しており、結局試作のみにとどまっています
●また、ソ連軍の重戦車開発も「T-10」を最後としてその後は量産されることはなく、戦車としての汎用性に優れた中戦車(主力戦車)シリーズが戦車の主体となって行きました
【 「ソビエト 試作重戦車 オブイェークト 279」のキット内容について 】
●このソ連軍の試作重戦車「オブイェークト 279」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●パンダホビー社のリサーチ力により全体のフォルムを捉えつつ、鋳造肌の表情や複雑な足周り、印象的なマズルブレーキなど、「オブイェークト 279」のポイントとディテールを再現した内容となっています
●「オブイェークト 279」は、その特異な性質と試作戦車という存在から通常の戦車よりもノッペリとした姿となっており、キットでは彫刻やエッチングパーツによりそのディテールが表現されているものの、足周り部分を除いて全体としてはパーツ数が抑えられた内容となっています
●「オブイェークト279」は、「砲塔」「車体」、左右の「足周り」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、その鋳造肌を繊細な彫刻により再現、ソ連戦車特有の砲塔上の装備品類も詳細に表現されています
●「130mm戦車砲 M-65」の砲身は、先端のマズルブレーキを含めて左右分割式となっています
・ マズルブレーキは側面部が開口処理されています
・ 防盾は1パーツで構成
・ 同軸機銃がパーツ化され、銃口部分は開口処理済みです
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下可動式とすることができます
●砲塔は上下分割式です
・ 砲塔には鋳造肌が表現されています
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 各ペリスコープは別パーツで再現
・ 砲塔周囲の手摺りがパーツ化
・ 砲塔上部のラックはエッチングパーツで再現されています
・ 防盾基部の投光器、車長キューポラのサーチライトがパーツ化
【 車 体 】
●車体は、その特異な形状が再現され、鋳造肌、装甲カバーの作り、エンジンデッキ部のディテールなどが細かく表現されています
●車体は上下分割式です
・ 車体の鋳造部分には鋳造肌が彫刻され、周囲の装甲カバーは平滑な状態となっています
・ 側面の張り出し部は別パーツで、各2パーツで構成
・ 操縦手ハッチ、ペリスコープは別パーツです
・ エンジングリルとベンチレーター内側のメッシュはエッチングパーツで再現
・ 車体右側のライトガードがパーツ化、左側のライトガードには管制灯の基部とホーンとが一体成型されています
・ 砲塔を取り巻くように取り付けられた車体の手摺りは左右各1パーツで再現
・ 後部の補助燃料タンクは左右各5パーツで構成、配管もパーツ化されています
・ 車載工具類は固定具が一体成型され、一部の固定具はエッチングパーツです
【 足周り 】
●足周りは、左右の履帯の2列が1ブロックとなっており、そのブロックの中央部に板状となる基部が存在し、その両側にサスペンションや転輪などを取り付ける構成となっています
●両側の足周りの基部は左右分割式で、サスペンションアームは別パーツです
・ 転輪は個別にパーツ化、起動輪は左右分割式です
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ 左右の幅が拡張された2枚のセンターガイドが付く「オブイェークト 279」用のシングルピン式履帯が表現されています
●エンジングリルのメッシュ、ベンチレーターのメッシュ、工具の固定具などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装について 】
●説明書には「オブイェークト279」のソ連軍仕様となる1種類の塗装例(ダークグリーン単色塗装)が記載されています
●2013年 完全新金型