特二式内火艇 カミ (後期型フロート付)
「特二式内火艇 カミ (後期型フロート付) (プラモデル) (ドラゴン 1/72 ARMOR PRO (アーマープロ) No.7486 )」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の水陸両用戦車「特二式内火艇」の「後期型フロートタイプ装備車」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●世界的にも希有な存在となる水陸両用戦車「特2式内火艇」を再現、前後に大型のフロートを付け、車体上部にカニングタワーなどを装備した水上浮航時の特徴的なフォルムを再現した内容となっています
●ドラゴン社製「特二式内火艇 カミ フロート付 前期型」をベースに、「後期型フロートタイプ」を再現するために、左右分割タイプの前部フロートを追加したバリエーションキットとなります【 「特二式式内火艇」について」について 】
●日本の陸海軍は、上部組織として「陸軍省」、「海軍省」が存在しており、それぞれが独自の戦略計画を立てるという、組織として全く異なる2種類の軍隊となっていました
●このような2重の軍隊組織は各国でも行われており、それぞれ問題を抱えていましたが、日本の場合は陸・海軍それぞれの独自性が顕著であり、日露戦争時頃までは相互に協力する関係を持っていたものの、組織の拡大や軍事予算の関係などから徐々にお互いをライバル視する存在となっていきます
●このため、武器の開発や調達は陸軍・海軍がそれぞれ独自に行われています
●帝国海軍の陸上戦闘部隊「陸戦隊」は、当初は艦艇から派遣される臨時上陸部隊でしたが、徐々に専門部隊として拡大を続け、太平洋戦争開始時には島嶼などの占領作戦に活躍しました
●また、戦域の広がりにより、益々規模が拡大、占領地が広がると主に島嶼での守備用として「陸戦隊」が防御部隊として配備されました
●この「陸戦隊」には古くから戦車などの装甲車両が支援用として配備されており、太平洋戦争時には主に「95式軽戦車」が使用されています
・ この「95式軽戦車」の調達は、海軍の予算からメーカーに直接発注されています
●一方、戦前の時期から海軍は将来的の対米開戦を睨み、上陸作戦時に使用する水陸両用戦車の必要性が考慮されており、陸軍の技術本部の協力を得ながら開発を行いました
●この戦車は、秘匿名「カミ」と呼ばれ、短期間で完成させるために極力「95式軽戦車」のパーツが流用され、1941年の10月に試作車が完成、数度の試験を経て翌年には「特2式内火艇」として制式化されます
●この「特2式内火艇」は、戦車部分の前後に水上浮航用のフロートを装備、更に車長用のカニングタワーとエンジン吸気用の延長ダクトを備え、通常戦闘時にはそれらの装備を切り離す方式となっていました
・ 同車は上陸作戦用といっても敵前上陸時に使用するものではなく、揚陸設備の無い場所でも運用することができる戦車との位置付けでした
●「特2式内火艇」が実戦配備される頃には日本軍側は守勢に立たされており、同車は戦車代わりとして配備されるか、アメリカ軍が上陸した島に増援部隊として逆上陸(前述のように敵前上陸ではない)する車輌として各戦域の予備部隊に配備されました
●「特2式内火艇」はレイテ島のオルモック湾への上陸作戦などを敢行しましたが、絶対的な物量の差から日本軍の劣勢を覆すことは叶いませんでした
●また、同車は浮航能力を持たせるために軽量化と車体の大型化が行われたために、その装甲は小銃弾を防ぐ程度の厚みしかなく、戦車としての能力は限定的であり、各地において苦戦を強いられています
●なお、「特2式内火艇」に装備される浮航用の前部のフロートは当初は一体物となっていましたが、後に左右分割式タイプへと変更(後期型フロート)、これによりフロートを外した後の車両の移動が容易になりました【 「特二式内火艇 カミ (後期型フロート付)」のキット内容について 】
●この帝国海軍の水陸両用戦車「特2式内火艇 カミ」の「後期型フロートタイプ」を再現したプラスチックモデル組立キットです
・ フロート類を装備した水上浮航時の状態を再現しています
●基本躯体となる車体、砲塔にフロート類を装着する方式となっており、各フロート類の着脱状態を選択することができます
・ 陸上戦闘時にはフロート類を取り外しましたが、その時間がなかったためか一部が残ったまま戦闘に投入された車輌もあります
●ドラゴン社の1/72シリーズの現行フォーマットに沿って「特2式内火艇」を再現、ミニスケールらしくパーツ数は抑えられ、その分同社のディテール表現力によりその細部がモールドにて表現されており、ディテール感溢れた同車の姿を気軽に楽しむことができる内容となっています
・ 総パーツ数は70点です
●「特2式内火艇 後期型フロートタイプ」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」「前部フロート」「後部フロート」「砲塔カニングタワー」「エンジン吸気口」の7ブロックで構成されています
【 砲塔 】
●砲身は砲身基部も含めて一体成型となっています
・ 砲口がスライド式金型により開口処理されています
・ 防盾は1パーツで構成
・ 同軸機銃は別パーツです
●砲塔は上下分割式となっています
・ 砲塔側面のリベットもスライド式金型によりモールドされています
・ 上部ハッチ、後部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 砲塔上部の手摺りは別パーツです
【 車体上部 】
●車体上部は、戦闘室前面板を除いて一体成型となっています
・ 各ハッチは車体にモールドされています
・ 前方機銃は別パーツにて再現
・ 排気管は1パーツで構成され、カバー部はエッチングパーツとなっています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ式に一体成型されています
・ 下部転輪はボギー部と併せて一体成型され、左右パーツを貼り合わせる構成となっています
・ 起動輪、誘導輪、上部転輪は左右分割式です
・ 水上航行用のスクリューと推進軸が別パーツとなっています
●履帯は、接着、塗装が可能なDS素材によるベルト式履帯が付属しています
【 前部フロート 】
●前部フロートは、左右のブロックで構成され、それぞれ5分割式となっています
・ フロート部分のパネルライン、溶接跡、排水口などが再現されています
・ 最前部の把手の有無が選択できます
・ 上部の手摺りは別パーツです
【 後部フロート 】
●後部フロートは、上下分割式となっています
・ 溶接跡、排水口などが再現されています
・ フロート下部に装備された2枚の舵がパーツ化
【 砲塔カニングタワー 】
●砲塔のカニングタワーは上下方向に3分割式となっています
・ 視察口部分が再現
・ 上部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
【 エンジン吸気口 】
●エンジン吸気口は上下分割式です
・ 上部に装備された対空機銃架がパーツ化されています
●排気管カバーを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「特2式内火艇 後期型フロートタイプ」のマーキングとして、海軍陸戦隊仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 651号車、652号車 (レイテ島 オルモック湾 / 1944年)
・ 501号車 (千島列島 クリル島 / 1944年)
●説明書のマーキング指示に基づく、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2013年 一部新金型