AEC マタドール トラック 前期型
「AEC マタドール トラック 前期型 (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35236 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の牽引トラック「AEC マタドール」の「前期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●汎用の大型牽引トラックとして中型砲牽引を中心として活躍した「AEC マタドール」を再現、不整地走行を考慮した幅広のタイヤと高い車体高、当時のイギリス車両らしいキャブオーバー式の構造、角張った車体形状など、その特徴的な姿を表現した内容となっています【 「AEC マタドール」について 】
●第2次世界大戦時、重量級の火砲の牽引車としては多くの国の軍隊では全装軌式、もしくは半装軌式車輌を採用したのに対して、イギリス軍では装輪式の車輌を使用しました
●これは、装輪式車両ながらも高い不整地踏破能力を持たせることが可能であった当時のイギリスの自動車技術の高さによるもので、装輪式車両としての生産コストの低さは、世界各地に展開していたイギリス軍にとってその装備数を揃える有効な手段でした
●イギリスの自動車メーカー「AEC」社は1930年代、2階建てバスや民間用のトラックなどを製造しており、その関係から軍用車両の生産にも参入するようになります
●1930年に発表された民間用4tトラック「ハーディー」をベースとして「AEC」社が1937年に開発したのが、牽引トラック「AEC マタドール」です
●「AEC マタドール」は、「5.5インチ 榴弾砲」や「3.7インチ高射砲」など、「25ポンド砲」よりも若干大重量となる中型砲を牽引する役目を持ち、荷台部分には砲の弾薬の他に砲員11名を収納できるという大きなキャパシティーを擁しています
●また、「AEC マタドール」には、当初92馬力のガソリンエンジンが搭載されていましたが、後に95馬力のディーゼルエンジンへと変更されています
●1938年に生産が開始された「AEC マタドール」は、1945年までに8600台以上を生産、その台数は中型の牽引トラック「モーリス C8」に匹敵するものであり、イギリス軍の火砲牽引車の中核として重要な役割を担いました
●また、そのキャパシティの大きさから火砲牽引だけではなく、自走砲用車体、指揮車型車両などの派生型も登場し、更には輸送任務なども行う多目的車両としても用いられ、機械的信頼性と走破能力の高さからイギリス軍の足として各戦線で活躍したのでした
【 「AEC マタドール トラック 前期型」のキット内容について 】
●このイギリス軍の牽引トラック「AEC マタドール」の「前期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●AFVクラブ社のディテール表現力と堅実な彫刻技術によって「AEC マタドール 前期型」を再現、細分化したパーツ構成とエッチングパーツにより大型のソフトスキン車両としての細かな造りを再現した内容となっています
●AFVクラブ社製「AEC 装甲指揮車 ドーチェスター」をベースに、「AEC マタドール 前期型」を再現するために、キャビン、荷台などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
●「AEC マタドール 前期型」は、「シャーシ」「キャビン」「荷台」の3ブロックで構成されています
【 シャーシ 】
●シャーシは、細分化されたパーツ構成により、その細かな構造が表現されています
●シャーシのメインフレームは、縦方向のフレームと横方向のフレームを組み合わせる構成となっています
・ リーフ式サスペンションは、本体と基部とで分割され、各5パーツで構成されています
・ 前部のデファレンシャルは6パーツ、後部のデファレンシャルは5パーツで構成
・ 前輪のステアリングは固定式です
・ エンジンは下部から見える範囲が再現されています
・ 「AEC マタドール」用として装備される車体後部の牽引装置、車体中央部のリールが付属
【 キャビン 】
●キャビンは、「AEC マタドール」としてのキャブオーバー式の構造とイギリス車両らしい無骨な形状を再現、表面の大小のリベット、天板部の構造などが繊細に再現されています
●キャビンは、フロアパネルをベースとして、各パネルを貼り合わせる箱組み方式です
・ 側面ドアは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 側面ドアのウィンド(クリアーパーツ)は閉じた状態と開いた状態の2種が付属、選択して使用します
・ 前面の4枚のウィンドーは個別にパーツ化され、上部のウィンドーは開閉状態を選択することができます
・ フロントグリルはエッチングパーツにて再現
・ 前照灯は、管制カバーが付いた状態と、管制スリットが入った状態の2種が付属、選択して使用します
・ ワイパー、サイドミラー、車幅灯、ドアノブなどは別パーツにて再現されています
●キャビン内部構造は、キャビンのフロアパネル、後部パネルなどに取り付けて再現します
・ 操縦席は4層によりその構造を再現
・ 助手席は上下2分割式です
・ 操縦席の各種レバー、ハンドル、ペダル類は別パーツ化して再現しています
・ メーターパネルは1パーツで再現され、各メーターを再現するデカールが付属しています
【 荷 台 】
●荷台は、木製パネルで構成された構造を再現、鋼板製のハードトップ部には細かなリベットが彫刻され、側面及び後部の幌は展開した状態と折り畳んだ状態とを選択することができます
●荷台は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ 荷台の天板は1パーツで構成され、下部の支柱は個別にパーツ化
・ 側面と後部の幌はブロックごとにパーツ化され、それぞれが垂らした状態と畳んだ状態とが付属、選択して使用します
・ 幌のウィンドーは、付属しているクリアーフィルム(一部カット加工済)を切り出して再現します
・ 荷台前部の2列のベンチシートが再現、シート下部のバッテリーもパーツ化されています
・ 荷台下部の各フレームは個別にパーツ化
・ 荷台下部の雑具箱、ジャリカンラック、携行缶ラックが再現、ジェリカン(×2)が付属しています
・ 荷台側面パネルの固定フックが個別にパーツ化されています
【 タイヤ 】
●タイヤは、ホイール部とゴムの部分とが分割され、ゴムの部分はラバー製となっています
・ ゴムの部分には、その特徴的な大きなトレッドパターンが彫刻されています
●各ウィンド部を再現するクリアーパーツが付属
●フロントグリル、前部ウィンドーの固定具、荷台側面の幌固定フックなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「AEC マタドール 前期型」のマーキングとして、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス陸軍 第79砲兵連隊 (スコットランド / 1941年5月)
・ イギリス陸軍 所属不明 (1940年)
・ イギリス陸軍 第79砲兵連隊 (スコットランド / 1941年5月)
・ ドイツ空軍捕獲車両
●説明書の塗装例に基づく、車台番号、ナンバープレート、戦術マークなどを再現したデカールが付属しています
●2014年 一部新金型