ソビエト戦車 T-55A
「ソビエト戦車 T-55A (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.257 )」です
●「ソビエト戦車 T-55A」を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦後第1世代のソ連軍戦車であり、世界史上最も生産台数の多い戦車「T-55」を再現したキットで、キューポラ部に対核兵器用の防御カバーが付けられた「T-55A」が表現されています
●平面的な低いシルエットの車体に、避弾経始に優れた半卵型の砲塔を持ち、強力な火力を持つ「T-55A」を再現、戦後のソ連軍の戦車デザインを決定付け、西側諸国を恐れさせたその姿がタミヤの高い模型技術により表現された内容となっています【 「T-55A」について 】
●第2次世界大戦のソ連軍の傑作戦車「T-34」は、その先進的な形状による防御力と、当時としては1ランク上の攻撃力を持ち、ドイツ軍を苦戦に陥れました
●1943年、この「T-34」の後継戦車として「T-44」が完成します
●同車は、「T-34」で使用されたクリスティーサスペンションからトーションバーサスペンションへと変更、車体形状は側面にスポンソンを設けない完全な箱型となり、「T-34」の弱点であった操縦手ハッチは上部へと移されました
●この「T-44」は、大戦終了までに900両以上が生産されましたが、習熟訓練中に戦争が終わり、実戦には参加することは有りませんでした
●1946年、この「T-44」を発展する形で、100mm砲を搭載する「T-54」が登場、小規模な改良を加えながら1950年に、ほぼ「T-54」の完成形となります
●「T-55」は、NBC防御装置を装備し、エンジンを強化した、「T-54」の改良型で、1958年に開発されました
・ 両者は形状がほとんど同じために、まとめて「T-54/55」と表記される場合が多いです
・ 「T-54」と「T-55」の外観上の識別点は、「T-54」は砲塔上にベンチレーターが設置されていることがポイントとなっています
●「T-55」は、車体前面の装甲は100mm、砲塔前面の装甲は210mm厚を持ち、避弾経始が重視された形状と、その低いシルエットから、通常装甲を持つ戦車としては強力な防御力を持っています
●その100mm砲は、当時の西側戦車が装備する90mm砲よりも大口径であり、その存在は西側諸国の脅威となり、105mm砲を搭載する新型戦車の開発に拍車が掛けられることとなります
・ 後の調査では、「T-55」が装備する100mm砲は、西側の90mm砲の能力と大差が無いことが判明します
●この「T-54/55」は、兵器としての優秀さと、生産コストの低さから、ソ連で大量に生産、ポーランド、チェコスロバキアではライセンス生産され、ワルシャワ条約軍の主力戦車となります
●そして、中国ではコピー生産(「59式戦車」)も行なわれ、「T-54/55」と合わせてアラブ諸国やアフリカなどに大量に輸出、「T-54/55」は世界的な戦車として各国で使用されました
●その生産台数は10万両以上にもなり、世界史上最も多く作られた戦車となり(中国生産車はその数に含まれていません)、中東戦争や湾岸戦争を始め、様々な戦争や紛争に登場しています
●また、この「T-54/55」によって戦後のソ連戦車の基本デザインが確立され、その低シルエットと避弾経始を重視したスタイルは、「T-62」、「T-72」、「T-80」、「T-90」などに継承されています
●ただ、「T-54/55」は、その低いシルエットを実現するために、砲塔内に砲弾が搭載されず、車体内に砲弾が分散的に積載され、このことから主砲の発射速度が遅いという欠点を持っています
●更に、照準装置などの光学機器は第2次世界大戦時と変化が無く、砲の安定装置も装備しておらず、射撃能力としては西側戦車よりも劣っていました
●操縦性能も悪く、後輪駆動式により、トランスミッションを後部に装備していながらも、機械式の変速装置であり、その変速操作はハンマーを使用しなければならない程でした
●このような欠点を抱えながらも、兵器としてのスペックと、単純な構造による機械的な信頼性などから、現在においても使用する国は多く、今後もその姿が絶えることは無いものと思われます
●「T-55A」は、「T-55」の小改良型であり、1960年代の前半に登場、対核兵器用のライナーが車内に装備され、車長キューポラ部分にも同様にカバーが掛けられているのが特徴です
●当初装備されrていた対空機関銃は、当時主力となったジェット機には対抗することができないことから一旦撤去されましたが、対ヘリコプター用の装備として復活されています【 「ソビエト戦車 T-55A」のキット内容について 】
●このソビエト戦車「T-55A」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、タミヤの戦後のソビエト戦車シリーズ「T-62A」、「T-72M」に続いて、同社が満を持して模型化したものであり、ディテールはもとより、微妙に変化の在る砲塔の鋳造肌表現、防盾の防塵カバーの素材感と細部、そして全体に渡って精密感と質感がタミヤタッチによって表現され、「戦車」としての「T-55A」が生き生きと蘇る作品となっています
●また、いたずらにディテールのみを追求するのではなく、戦車模型の本髄を付いた内容となっており、タミヤMMシリーズのポリシーである「作り易さ」と「作る楽しさ」がしっかりと反映され、おそらく何度作っても飽きが来ない、充実感の在るキットとなっています
●「T-55」と「T-55A」のコンバーチブルキットです
●「T-55A」は、砲塔、車体上部、車体下部の3ブロックで構成されています
●砲身は、左右分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
・ 防盾は、防塵カバーが装着された状態が再現されています
●砲塔は上下分割式です
・ 砲塔は、シュノーケルケースの有無、雑具箱の配置などの違いによって、ソビエト軍、ポーランド軍、チェコスロバキア軍の3タイプから選択して作製します
・ 前部の照準口、機銃口部分は別パーツです
・ 砲塔表面には鋳造肌が表現されています
・ 後部の小フックは再現する車両に合わせて配置を変更します
・ 車長キューポラは「T-55」と「T-55A」の2タイプが付属しており、選択して使用します
・ 砲塔側面の機銃の弾薬箱は固定ベルトも含めて一体成型されています
・ 車長ハッチは開閉可動式です
・ 装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●砲塔上の対空機銃は、機銃架も含めて9パーツで構成されています
・ 機銃は装着の有無を選択できます
●車体上部は、フェンダーも含めて一体成型されています
・ フェンダー支持架の一部は別パーツとなっています
・ 前部のライトガードは上下分割式です
・ 前部と後部の車両表示灯は別パーツです
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 排気口部分の先端部は別パーツとなっています
・ エンジングリル部のメッシュを再現するラバー製のメッシュが付属しています
・ 各雑具箱は箱組み方式、燃料タンクは1パーツで構成されています
●車体下部はバスタブ式に一体成型され、これに前面と後面パネルを接着する構成となっています
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 各転輪類は内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 後部の補助燃料タンクの支持架は、上部から差し込む方式により、強度が確保されています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
●車長を再現したフィギュアが付属しています
・ フィギュアは、3個という少ないパーツ数で構成されながらも、デッサン、服の皺とディテール、顔の彫刻など、フィギュア造形として非常に優れた内容となっています
・ フィギュアは、車長キューポラに腰を掛けているポーズとなります
・ 服装は、戦車兵用のツナギを着用、ソ連式の戦車ヘルメットを被っている姿です
・ 服の皺の表現は、スケールに沿ったものとなっています
・ フィギュアは、胴体、両腕のパーツ構成です
●マーキングは、5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ソビエト軍 T-55A
・ ソビエト軍 T-55 対空機関銃装備型
・ ポーランド軍 T-55A 対空機関銃装備型
・ ポーランド軍 T-55 対空機関銃装備型
・ チェコスロバキア軍 T-55A
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2002年 完全新金型