イギリス軍 空挺兵 小型オートバイセット
「イギリス軍 空挺兵 小型オートバイセット (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.337 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス空挺部隊の兵士2体と、空挺部隊用の折り畳み式の小型オートバイ「ウェルバイク」に乗る空挺部隊兵士2体とを1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●超小型のオートバイ「ウェルバイク」とイギリス空挺部隊の兵士を再現、戦線奥深くに進出し、その勇猛果敢な戦い振りからドイツ軍に恐れられたイギリス空挺部隊と、その足代わりとなって空挺部隊兵士の機動力となって活躍した「ウェルバイク」との、若干ユーモラスさを感じるワンシーンを再現した内容となっています
【 「イギリス軍の空挺部隊で使用されたウェルバイク」について 】
●第2次世界大戦の開戦時、イギリス軍では空挺部隊に対して懐疑的でしたが、西方電撃戦でのドイツ軍の空挺部隊の活躍の影響を受けて、本格的な空挺部隊の創設と練成を開始、1942年のチュニジア戦頃から実戦に参加しました
●ただ、この空挺部隊の運用に際して問題となったのが空挺降下後の移動手段でした
●空挺作戦の基本原則としては、作戦の目標近くに降下し、部隊を集結させて奇襲により目標を占領もしくは破壊する手段が取られます
●ところが、その空挺作戦は敵の戦線深くで行われることから、夜間における降下(視野がある程度確保できる満月の夜が望ましい)が基本であり、パイロットが目標を見誤ることも多く、対空砲火を避けるためや、風の影響などにより目標から数キロ以上離れてしまうことも頻繁に発生しました
●そこで、軽車両を搭載して降下できるグライダーが開発されたのですが、グライダーでの降下は着地する地点が平らで障害物がないことが前提で、空挺降下に比べて万能性に低く、着地の衝撃により車両が破損してしまうという事故も多発しました
・ イギリス陸軍では、パラシュート降下を行う空挺兵と、グライダーでの降下を行うグライダー兵では厳密には兵科が異なり、この空挺兵とグライダー兵との混成で空挺師団が編成されています
●このため、空挺降下を行う空挺兵と同様にパラシュートで降下し、密接にその機動性を高める車両の登場が望まれました
●一方、イギリス軍では情報機関からの依頼で第2次世界大戦の前から特殊作戦用の小型オートバイ「ウェルバイク」が研究されており、これが空挺部隊用として採用されます
●「ウェルバイク」は、98ccの1.5馬力のエンジンを搭載、コンパクト性と軽量化が優先されたためにサスペンション、前照灯などは省かれ、重量は32kgに抑えられています
●ただし、移動手段という観点から小型ながら燃料タンクは3.7Lという容量を持ち、48km/hの速度で約140kmの走行が可能でした
●「ウェルバイク」は、空挺部隊用の直径38cmの円筒コンテナに収納するため、ハンドルとサドルは折りたたみ式で、降下後の使用を円滑に進めることから、その展開方法は極めて簡単な構造となっています
●「ウェルバイク」は、3800両余りが生産され、ノルマンディ戦、アルンヘム戦などで使用、空挺隊員の貴重な足として運用されています
【 「イギリス軍 空挺兵 小型オートバイセット」のキット内容について 】
●このイギリス空挺部隊の兵士と、空挺部隊用の折り畳み式の小型オートバイ「ウェルバイク」に乗る空挺部隊兵士とを再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「ウェルバイク」は、タミヤタッチの繊細なモールドとスポーク、チェーンを再現するためのエッチングパーツによりそのディテールを再現、1/35スケールながら1/48スケールに見紛うような小粒な車体に、凝縮感たっぷりそのメカニズムが表現されています
●細かなディテールを再現しながらも、タミヤらしく一体成型などにより作りやすさが追求されており、パーツ数は12点と抑えられ、スポークを再現するエッチングパーツには、確実に形となりその形状を維持させるために治具と車軸部のスペーサーが付属、超小型なオートバイとしてのメカニカルな姿を気軽に再現できる内容となっています
●フィギュアは、「ウェルバイク」に乗る2体と立って佇んでいる2体の合計4体のイギリス空挺部隊の兵士が付属、イギリス本国での訓練風景やフランス、オランダなどの空挺作戦時における束の間のシーンなど、空挺部隊の様々シーンの演出を楽しめます
●フィギュアの造形には、3Dスキャナーを用いた最新のモデリング技術を導入、「迷彩スモック」とズボン部分の素材による質感の違いも再現され、深めに彫刻された服の皺は軽くスミ入れするだけで陰影を表現することができ、フィギュアモデル初心者からベテランユーザーに至るまで、フィギュアが彩るシーンの面白さを感じることができるでしょう
●また、「ウェルバイク」は小さいながらもオートバイとしてのメカニカルな存在感を放っており、セットされているフィギュアと組み合わせによるジオラマ、ビネットなどの展開から、単品作品からジオラマの小道具としても目を惹くアイテムで、1/35スケールのAFVモデルの世界を更に奥深いものへと誘う
ことと思います
●「ウェルバイク」1台とフィギュア2体とが含まれているランナーを2枚パッケージ、ランナーにはフィギュア用の頭部4個と腕のパーツがセットされ、これを使い分けることでフィギュアのポージングを変化させます
・ 2体ずつ同じポーズとすることも可能です
●「ウェルバイク」は、展開した状態と折り畳んだ状態とを選択して組み立てることができます
【 ウェルバイク 】
●「ウェルバイク」は、「フロントフォーク部」と「後輪部」で構成され、これを左右のフレームで挟み込んで完成させます
・ フロントフォーク部は前輪とフォークとが一体成型され、収納状態とする場合にはフォークの上部をカットします
・ 後輪部はエンジンが一体成型され、チェーンはエッチングパーツにて再現
・ 燃料タンク、排気管、ハンドル、サドルなどは別パーツ化されています
・ ハンドルは、展開した状態用と折り畳んだ状態用の2種が付属、選択して使用します
●タイヤには繊細なモールドでトレッドパターンが再現されています
●前輪および後輪のスポーク部分はエッチングパーツとなっています
・ スポークは左右各1パーツで構成され、中央部が膨れた形状を作製するためのプレス方式の治具が付属しています
・ 中央部が膨れたスポーク形状を確実に維持するため、車軸部分にスペーサーを噛ませて接着します
【 フィギュア 】
●「ウェルバイク」に乗る空挺部隊兵士2体と、立った姿勢の空挺部隊兵士2体の合計4体のフィギュアが付属しています
●服装は、野戦服の上から空挺部隊用の「迷彩スモック」を着用、短靴にレギンスを履き、空挺部隊用のヘルメットを被った姿です
●服の皺の表現はスケールに沿いながらも、実際の服の皺とその生地による素材感とが演出されており、服の縫い目やポケットなどの細部は微細なモールドで彫刻されています(従来のタミヤ社製フィギュアよりも皺のパターンは細かく、そして彫刻自体は深くなっています)
●フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足に分割されたオーソドックスなパーツ構成となっています
●各フィギュアのポージングについて (パッケージアート参照)
「ウェルバイク」に乗る空挺部隊兵士
・ 「ウェルバイク」に跨り、片足を地面に着けて「両手」でハンドルを握るポーズ
・ 「ウェルバイク」に跨り、片足を地面に着けて「片手で」ハンドルを握り、もう一方の手を膝の上に置いているポーズ
「立った姿勢の空挺部隊兵士」
・ 両手でサブマシンガンを持っているポーズ
・ 片手でサブマシンガンを持ち、もう一方の手で横に差し出して合図しているポーズ
【 付属している装備品類 】
●フィギュアランナーに付属している装備品類
・ 空挺部隊用ヘルメット ×4
●イギリス軍の装備品類を再現した<Yランナー>が2枚付属、ヘルメット以外のフィギュアの装備品は同ランナーのパーツを使用します
<イギリス装備品 タミヤYランナー>
・ リー・エンフィールド ライフル ×2
・ ブレン軽機関銃 ×1
・ ステン Mk.2 サブマシンガン ×1
・ 背嚢3種 ×各1
・ ヘルメット ×3
・ 拳銃ホルスター ×1
・ シャベル ×1
・ マガジンポーチ ×6
・ 水筒 ×3
・ エントレンチングツール ×3
・ コップ ×2
・ ツルハシ ×1
・ 工具入れ ×1
など
・ 2枚付属していますので、キットに含まれているパーツ数は倍数となります
【 「イギリス軍 空挺兵 小型オートバイセット」のパッケージ内容 】
・ ウェルバイク ×2
・ フィギュア ×4体
・ フィギュアの装備品 一式
●2014年完全新金型(フィギュアの装備品の一部を除く)
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【 「イギリス軍 空挺兵 小型オートバイセット」のワンポイント 】
●イギリス空挺部隊用のこの小型のオートバイ「ウェルバイク」は、ポケットタイプのオートバイの元祖的な存在であり、AFVモデラーだけではなくオートバイモデラーにも人気があるアイテムです
●この「ウェルバイク」は、このタミヤのキットが初キットではなく、過去にはトライスター、ドラゴンなどからキット化が行われました
●そのような他のキットと比べると、このキットはタミヤ1/35スケールでは初となるスポーク部分をエッチングパーツとしながらも、作りやすさとタミヤタッチによるシャープなディテール表現が特徴となっています
●普段、1/35スケールという小さな縮尺に目を向けないオートバイモデラーにもお勧めするキットです
●単品作品として、自作のディスプレイスタンドに小さく鎮座した姿は、大きなスケールとは異なる世界観を演出してくれるでしょう