旧日本海軍 航空母艦 翔鶴 1941年 太平洋戦争海戦時 (高角砲金属砲身付き)
「旧日本海軍 航空母艦 翔鶴 1941年 太平洋戦争海戦時 (高角砲金属砲身付き) (プラモデル) (フジミ 1/350 艦船モデル No.600215 )」です
●帝国海軍の大型正規空母「翔鶴」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●軍縮条約明けに設計され、何も制約を受けない状態で当時の日本の造艦技術の粋を集めて作られた大型の正規空母「翔鶴」、均整の取れたスマートな船体に長大な飛行甲板を持つ、帝国海軍が空母の理想形として作り上げた姿を表現した内容となっています
●航空母艦「翔鶴」の太平洋戦争開戦時の状態を再現しています
●フジミ社製「旧日本海軍航空母艦 翔鶴 1941」と、12.7cm高角砲の砲身を再現した金属製パーツをパッケージしたスポット生産品となります
【 「旧日本海軍 航空母艦 翔鶴 1941年 太平洋戦争海戦時 (高角砲金属砲身付)」のキット内容について 】
●フジミ社の1/350艦船モデルシリーズのフォーマットに沿って航空母艦「翔鶴」を再現、ビックスケールを活かしてその細部を追求し、同艦が持つ機能美とディテールとが迫力あるスケールで表現されています
●また、日本の航空母艦の特徴である各部のスポンソンとその支柱、そして艦首と艦尾の飛行甲板の支柱部分とが織り成す複雑な表情が再現されており、「翔鶴」のシルエットと魅力とを感じることができるでしょう
●航空母艦「翔鶴」は、戦訓に基づき対空兵装が順次強化されており、キットは対空兵装が強化されていない1941年の太平洋戦争開戦時の状態が再現されています
●喫水線以下の船体部分も再現されたフルハルモデルです
●航空母艦「翔鶴」の船体部は左右分割のパーツで再現、これに船首、船尾甲板、飛行甲板、ボート収納甲板などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部の内部には船体の歪みを防ぐ大型の桁のパーツが多数用意されています
・ 船体部には、舷外電路、舷側の舷窓、鋼板の継ぎ目、扉、フェアリーダー、塵捨管などの細部が凹凸あるモールドで再現しています
・ 舷窓には雨樋が彫刻で再現されています
・ 船体下部にはビルジキールが一体成型され、艦尾の4軸の推進軸、スクリュー、舵が別パーツ化され再現されています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキに分割されています
・ 甲板上には、滑り止め表現の他に、アンカーチェーン導板、ボラード、ボート用架台などの細かなディテールが再現されています
●飛行甲板は、全通式に一体成型されたパーツで再現、エレベーター部分は別パーツ化して再現されています
・ 飛行甲板上には、木甲板、周囲の滑り止め表現、甲板継ぎ手、航空機固定用眼環などが凹凸あるモールドで再現されています
・ 側部の兵員用スポンソンは別パーツ化して再現されています
・ 飛行甲板裏側のトラス状の支柱も別パーツにて再現
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
・ 飛行甲板の遮風柵も別パーツで、収納装置なども再現しています
・ 飛行甲板上の制動装置、滑走制止装置はエッチングパーツで再現
航空母艦「翔鶴」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋下部構造物は左右分割のパーツで再現、この上部に2層で構成される羅針艦橋部と防空指揮所を取り付けます
・ 羅針艦橋の窓の部分はクリアパーツで再現されています
・ 艦橋下部構造物には舷窓、扉などのディテールが再現
・ 艦橋前部のスポンソンは2層に積み上げる構成となっています
・ ラッタルは別パーツ化して再現
・ 艦橋部に装備された、「方位測定アンテナ」、「1.5m測距儀」(×2)、「60cm探照灯」(×2)、「30cm信号灯」(×2)、「航海灯」(×2)、「双眼鏡」(×21)なども別パーツ化されています
●マスト
・ マストは下部が三脚楼型、ヤード部を挟んで上部が単楼型となります
・ マスト下部は前後に分割されたパーツ構成
・ ヤード部は逆4角錘型にトラス構造が再現され、一体成型のパーツで再現
・ 上部の単楼は一体成型で、後部の張り出し部は別パーツです
●無線塔
・ 無線塔は、上部の単楼部、ヤード部、ヤードの支柱、下部の4分割したパーツで再現されています
・ 無線塔は起倒を可動とすることができます
・ ヤード部及び下部の支柱はトラス構造を再現
● 煙突
・ 本体部分は上下に分割され、トップと整流板が別パーツとなっています
・ 上部には緊急用排煙口などのディテールが彫刻で再現
・ トップは開口処理済みで、雨水カバー金網が表現されています
・ 煙突下部の支柱は上下分割のパーツ構成となっています
●艦首部分
・ 艦首部分は、錨鎖甲板上に飛行甲板支柱を取り付ける構成となっています
・ アンカーチェーンは付属のチェーンをカットして再現します
●艦尾部分
・ 艦尾部分は、上甲板にボート収納甲板などを積み上げる構成となっています
・ 後部のアンカーチェーンは付属のチェーンをカットして再現します
・ ボート収納甲板に装備される「高角砲弾装填演習砲」(×2)、「航海灯」(×1)、カッター類などが別パーツ化して再現されています
●機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板が凹凸あるモールドで再現されています
・ スポンソン部の支柱は別パーツで、その複雑な構造が再現されています
・ スポンソン部には機銃本体の他に弾薬箱も別パーツ化されています
●艦橋下部の水面見張り所は、上下分割のパーツでその形状を再現
・ 上部の「94式高射装置」は別パーツで、内蔵させるポリキャップにより左右旋回します
・ 水面見張り所に装備される「94式高射装置」(×1)、「110cm探照灯」(×1)、「双眼鏡」(×2)が別パーツ化されています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×8
・ 右舷後部は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの(A1型)の状態が再現されています
・ シールド付きの高角砲は、砲身(1本づつを別パーツ化)と、シールド部で構成されています
・ シールド無しの高角砲は、連装式に一体成型された砲身部と、駐退器、3分割された砲架部で構成されています
・ シールド無しの高角砲の砲身の砲口が開口処理済です
・ 高角砲用のスポンソンは、スポンソン本体と支柱で構成されています
・ 砲身部分を再現した真鍮製挽物パーツもセットされており、選択して使用することができます
●対空機銃
・ 「25mm 3連装機銃」 ×10
・ 「25mm 3連装機銃 (シールド付き)」 ×2
・ 3連装機銃は、3連装に一体成型された銃身部に、前後方向に3分割された銃架で構成されています
・ シールド付きの3連装機銃は、3連装に一体成型された銃身と、シールド部との2パーツで構成
●探照灯
・ 「110cm探照灯」は、本体とレンズ部とで分割され、レンズ部はクリアパーツとなっています
・ 「60cm探照灯」と「30cm信号灯」は一体成型で、「30cm信号灯」はクリアパーツとなっています
●内火艇、カッター
・ 内火艇は、船体、甲板部、後部キャンバス部で3分割され、操舵室はモールドで再現
・ 内火ランチは船体部は左右分割のパーツ構成、これに上甲板、キャンバス部を取り付けます
・ カッターは上下分割のパーツ構成、上部パーツにはオール部が一体成型されています
●内火艇、カッター内容
・ 12m内火艇 ×5
・ 12m内火ランチ ×3
・ 8m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章(前部フェアリーダー含む)
・ パラベーン
・ ボートダビット
・ 舷梯
・ ラッタル
・ 係船桁
・ 「94式高射装置」(水面見張り所を含む)
・ 「110cm探照灯」
・ 着艦指導灯
・ クレーン
・ 救命浮き輪
などがセットされています
●艦載機
・ 艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラのパーツ構成となっており、機種による爆弾類の武装(増槽)が別パーツ化されています
・ 艦載機はクリアーパーツとなっています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
【 付属している金属製砲身について 】
●高角砲の砲身を再現した金属製砲身が16本付属しています
・ 真円状に成型され、パーティングラインもない真鍮製の高角砲砲身パーツで、よりシャープな印象を高めたモデルの製作に役立ちます
・ 砲口部は開口処理されています
・ 砲身後部には軸部分が付いており、砲身部を切り取ったキットパーツに穴を開口させて取り付けます
●滑走制止装置、制動装置などを再現したエッチングパーツが付属
●展示用のディスプレイスタンドが付属しています
●飛行甲板上に書かれた表示線、艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいているタイプ)、高角砲の表示線、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線、機体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「旧日本海軍 航空母艦 翔鶴 1941年 太平洋戦争海戦時 (高角砲金属砲身付き)」のパッケージ内容 】
・ 日本海軍 航空母艦 翔鶴 ×1
・ 零式艦上戦闘機21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
・ デカールシート ×1枚
・ 金属製チェーン(アンカーチェーン用) ×1本
・ ディスプレイスタンド ×1
・ 金属製高角砲砲身 ×16本
●スポット生産品
【 「航空母艦 翔鶴」について 】
●帝国海軍は、世界初の新造空母「鳳翔」から始まり、「赤城」「加賀」に続く設計と運用に実験が繰り返され、「蒼龍」「飛龍」の建造で空母としての形が出来上がりました
●しかし、「蒼龍」「飛龍」は軍縮条約の下での設計であり、全体に小ぶりで、防御面においても十分とは言えませんでした
●「翔鶴」型は、1937年から建造が始まった新鋭艦で、それまでの空母運用と設計のノウハウをベースとしながら余裕を持って作られており、帝国海軍の理想の空母を実現した姿で生まれました
●排水量は25,000トン、戦艦「大和」よりも大出力の160,000馬力の機関を搭載、それにより大型の艦ながら最高速度34ノットという高速性を持っています
●また、防御力は強力となり、主要部分の装甲が強化、船体は水雷への防御力も大幅に向上、性能的には当時の世界最高水準を誇っていました
●「翔鶴」は1941年8月に竣工、同年9月に竣工した同型艦「瑞鶴」と共に「第5航空戦隊」を編成、近々に予想される日米開戦に向けて急ピッチで乗員や航空機の搭乗員の練成訓練が実施されます
●この「第5航空艦隊」を傘下に収める「第1航空艦隊」は、空母を集中して運用するという帝国海軍の新しい考え方から発案されたもので、「第1航空戦隊」の「赤城」、「加賀」、「第2航空戦隊」の「飛龍」、「蒼龍」、「第5航空戦隊」の「翔鶴」、「瑞鶴」、そして護衛の艦隊を傘下に持ち、その艦載機による打撃力は、当時の列強国の艦隊とは比べ物とならない程の絶大な威力を誇っていました
・ 当時それほど注目されなかったのは、航空機では戦艦などの強力な艦艇を沈めることはできないという大鑑巨砲主義が蔓延していたからです
・ 「第5航空戦隊」は、性能的には「第1、第2航空戦隊」の空母を凌駕しており、真珠湾攻撃は同戦隊の戦力化を待って立案されたという説も有ります
●この「第1航空艦隊」は、1941年12月の真珠湾攻撃に参加し、多数の艦載機による攻撃力の大きさを世界に示すこととなります
●続く、ポートダーウィン攻撃、セイロン沖海戦などに参加、特にセイロン沖海戦では海上で航行するイギリスの巡洋艦に対し、航空攻撃が80%以上の命中率を上げるなど移動目標に対して攻撃する練度の高さと、艦載機の優秀さを誇りました
●「第5航空戦隊」は、世界初となる空母同士の戦いとなる「珊瑚海海戦」に参加、アメリカの大型空母「レキシントン」を撃沈、中型空母の「ヨークタウン」を中破させるという戦果を挙げますが、「翔鶴」自身も3発の爆弾を被弾、また航空機搭乗員も多く失ったため、修理と補充の関係から続く「ミッドウェー作戦」には参加できませんでした
●「ミッドウェー作戦」の失敗により「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」という主力空母を失った帝国海軍は、「翔鶴」「瑞鶴」を空母機動部隊の中核として位置付けしました
●そして、ガダルカナル島沖での「第2次ソロモン海戦」、「南太平洋海戦」など「翔鶴」、「瑞鶴」は死闘を繰り広げます
●これらの戦いにおいてアメリカ空母「ホーネット」を撃沈するなどの活躍をしましたが、「翔鶴」も4発の爆弾を被弾して大破、そして激しい戦いにより航空機とその搭乗員の消耗は激しく、以後は修理と航空機搭乗員の練成を行なうこととなりました
●しかし、南太平洋戦域での戦いに、練成中の航空隊が次々と引き抜かれて行くようになり、空母機動部隊としての運用ができない状態となってしまいます
●1944年6月に行なわれた「マリアナ沖海戦」では、帝国海軍は9隻の空母を集中的に運用してアメリカ軍との一大決戦を挑みます
●「翔鶴」は、その中核となっており、活躍が期待されましたが、それまでの経緯から航空機の搭乗員の練成不足は明白で、往時の航空隊の能力と比べ物にならず、それに対してアメリカ軍は、練度が高く、航空機、兵器、空母もより強力となっていました
●「翔鶴」は、航空機隊の発艦時にアメリカ潜水艦の攻撃に遭い、4発の魚雷が命中、それに伴い気化した航空機燃料に引火、大火災が発生し、その生涯を閉じています
●この海戦の結果は、帝国海軍側の一方的な敗北に終わり、以後帝国海軍は空母での決戦を計画することができず、その後の「レイテ沖海戦」では空母機動部隊を「おとり」としてしか使用できませんでした