ソビエト JS-7 重戦車 オブイェークト260
「ソビエト JS-7 重戦車 オブイェークト260 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.05586 )」です
●第2次世界大戦末期に開発が進められたソ連軍の試作重戦車「JS-7」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「JS-3」の流れを汲み、究極の重戦車を目指した試作重戦車「JS-7」を再現、避弾経始を重視した独特のスタイルに、艦載砲転用による長大な主砲を装備したソ連戦車らしい凶暴さを覚える姿を再現した内容となっています
【 「試作重戦車 JS-7 (オブイェークト260)」について 】
●敵の戦車では絶対に突き破ることができない装甲を持ち、また、どんな戦車でも一撃で撃破できる主砲を持つという究極の戦車というものは、世界各国が計画しており、特に火力戦となった独ソ戦の当事者であるドイツとソ連ではその傾向は顕著でした
●この流れの中で誕生したのがドイツ軍の超重戦車「マウス」や「E-100」であり、ソ連軍が生み出したのが「JS-7」です
●ドイツ軍は1942年末から1943年にかけて、ソ連軍戦車をアウトレンジで撃破でき、強靭な防御力を持つ「タイガー1」「フェルディナント」、そして「パンター」といった戦闘車両を次々と投入、このような重量級の戦闘車両がソ連軍に与えた衝撃は極めて大きなものでした
●この頃のソ連軍は、「T-34」や「KV-1」などを工場の疎開まで行って増産体制に持ち込み、その生産を維持するために改良を先伸ばしている状態であり、その「T-34」や「KV-1」が束にならないと太刀打ちができない車両が出現したことは忌々しき事態となります
●このドイツ軍の重量級戦闘車両に対抗するため登場したのが「KV-85」「JS-1」、そして「T-34/85」でしたが、ソ連軍ではこのような戦車の登場が最終的な解決になるとは思っていませんでした
●「KV-85」に続く重戦車として「JS-2」「JS-3」を開発、「JS-3」は戦争には間に合いませんでしたが、避弾経始を徹底的に考慮したスタイルと強力な火力はソ連軍が考えた戦車としての理想形の一つでもありました
●一方、この「JS-3」の開発時にドイツ軍は重戦車「キングタイガー」を戦線に投入、この極めて強力な「キングタイガー」の登場は、「JS-3」に留まらず、さらなる強力な戦車の必要性をソ連軍に印象付けたのでした
●1945年初頭、ソ連軍は「キングタイガー」に対抗できる新型重戦車「JS-7」の開発を開始、この「JS-7」は「JS-3」の設計思想を受け継ぎながらも、性能的には究極の重戦車を目指していました
●1946年9月に「JS-7」の試作車が完成、1948年までに4両が完成し、様々なテストを受けています
・ 「JS-7」は、「JS-3」よりも避弾経始を考慮、砲塔は半球を伏せたような形状となり、跳弾による被害を防ぐために砲塔下部には出っ張りが無くなりました(砲塔後部を除く)
・ 装甲は210mmの厚みを誇り、避弾経始おかげもあって当時の戦車砲、対戦車砲では貫通することができませんでした
・ 主砲には艦載砲を転用した「54口径 130mm戦車砲 S-26」を搭載、 この砲は分離装薬により発射速度は遅いものの、33kgの重量の砲弾を高初速で打ち出すことができ、「キングタイガー」クラスであれば装甲を貫通もしくは撃破できる能力を持っていました
・ また、副武装として、同軸機銃、対空機銃以外にも車体側面と砲塔後部に固定機銃を4丁装備、装備の効果は疑問視されるものの、接近戦闘を行う歩兵に対する強力な武装を擁してします
・ 特筆すべきは、「JS-7」は1050馬力のディーゼルエンジンを搭載したことで、これは重量70tクラスとなる重量級の「JS-7」ながら、最高速度60km/hという高い機動性能を発揮することができました
●このように「JS-7」は、高い攻撃力と防御力を持ち、さらに高い機動性能をも持ち合わせ従来の重戦車とは一線を画した車両でした
●しかし、当時の技術ではたとえ高出力のエンジンを搭載したとしても、動力伝達や大重量を支える懸架装置などがそれに追いつかない状態であり、カタログスペックでは最高速度60km/hは可能なものの、継続して走行することはできず、転輪等の磨耗も相当酷いものでした
●このため、「JS-7」は戦車としては運用できないものと判断、結局量産は見送られ、試作のみに終ったのです
【 「ソビエト JS-7 重戦車 オブイェークト260」のキット内容について 】
●このソ連軍の重戦車「JS-7」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●車体や砲塔、エンジングリルなどの主要躯体は一体成型としながらも、ディテール表現のために車体各所のパーツを細分化したパーツ構成とエッチングパーツとで「JS-7」を再現、装甲板の切断面の荒れ、防盾や砲塔の滑らかな鋳造肌、エンジングリルの格子、そして特徴的な籠状のライトガードなどの車体ディテールを、繊細な彫刻により再現した内容となっています
●「JS-7」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●半球を伏せたような「JS-7」の砲塔形状を再現、表面には滑らかな鋳造肌やボルト穴などを繊細な彫刻で再現しています
●「54口径 130mm戦車砲 S-26」の砲身は、上下に分割したパーツ構成、マズルブレーキは別パーツ化しています
・ マズルブレーキは長いタイプと短いタイプとの2種が付属、選択して使用します
・ マズルブレーキの穴は凹んだ状態でモールド、1.3mm径のドリルで穴を貫通して作製します
・ 防盾は一体成型のパーツで再現
・ 防盾の防塵カバーがパーツ化
・ 防盾は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は上下分割のパーツで構成
・ 上部のハッチは別パーツ化し、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ ペリスコープは砲塔とは別パーツで、ガラス部はクリアパーツで再現
・ 後部の固定機銃は、左右に分割したパーツで再現、砲塔後部両側面に取り付けます
●砲塔上部の機銃架と、装備する「14.5mm KPVT 重機関銃」が付属しています
・ 機関銃は、機関銃本体、機関銃下部、グリップ部、弾薬箱に分割した構成
・ 機関銃の銃口は開口されています
【 車体上部 】
●「JS-3」のデザインを踏襲しながらもより低く構えた「JS-7」の車体上部レイアウトを再現、荒々しい装甲板の荒れや各部のパネルラインを繊細な彫刻で再現しています
●車体上部は一体成型のパーツで再現、前後のフェンダーは別パーツ化しています
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態を選択することができます
・ エンジングリルは別パーツで再現、エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 操縦手用のペリスコープはクリアパーツで再現しています
・ 前照灯は前後に分割したパーツで再現、ガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 籠状のライトガードは一体成型のパーツで再現、細く成型したパーツとなっています
・ 側面の固定機銃は左右に分割したパーツで再現、車体側面の張り出し部に取り付けます
・ ドラム式発煙装置は円筒状に成型したパーツと、側面パーツとで構成
・ 排気管は、排気管本体とカバーの2パーツで構成、先端部は開口されています
・ 車載工具類は個別にパーツ化、固定具をパーツ上に一体成型した状態で再現しています
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ サスペンションアームとその基部は別パーツ化して再現
・ ダンパーも別パーツとなります
・ 転輪、起動輪は前後に分割したパーツ構成となっています
【 履 帯 】
●履帯は、一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は1枚ずつに分割したパーツで構成
・ 履帯は、「JS-7」専用となるシングルピン式履帯を再現しています
●前照灯のガラス部、ペリスコープなどを再現するクリアーパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、フェンダー支持架などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「JS-7 重戦車 (オブイェークト260)」の塗装とマーキング 】
●「ソビエト軍 JS-7重戦車 オブイェークト260」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる1種類の塗装例がカラー塗装図に記載されており、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●「ソビエト JS-7 重戦車 オブイェークト260」の完成時のサイズ
・ 全長 : 319mm
・ 全幅 : 100mm
●パーツ数 : 390点以上
【 「ソビエト JS-7 重戦車 オブイェークト260」のパッケージ内容 】
・ ソビエト 重戦車 JS-7 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ カラー塗装図 ×1
●2014年 完全新金型