日本海軍 航空母艦 飛龍 (フルハルモデル)
「日本海軍 航空母艦 飛龍 (フルハルモデル) (プラモデル) (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.旧025 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「飛龍」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●喫水線以下の部分も再現されたフルハルモデルです
●「蒼龍」の改良型として日本空母の基礎となり、後の大型空母「翔鶴型」や、「雲龍型」空母の元となった航空母艦「飛龍」を再現、スマートな船体に、左舷中央部に艦橋を設けた均整の取れた姿が表現されています
●フジミ社製「日本海軍 航空母艦 飛龍 」をベースとしたフルハルバージョンで、フルハル用の艦底部とディスプレイスタンドなどが付属しています
【 「日本海軍 航空母艦 飛龍 (フルハルモデル)」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「飛龍」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●キットは、フジミ社「特シリーズ」の特徴であるディテール再現力に基づき航空母艦「飛龍」を再現、細かな彫刻と細分化したパーツ構成で、実艦の細かで複雑な作りが再現された内容となっています
●スポンソン部の支柱などは別パーツ化して実感豊かに再現、日本空母特有の細かな構造物が織り成す複雑な構造が再現されています
●「飛龍」の特徴である丸みを持った艦橋構造は一体成型によってパーツ化され、独特な形状がパーツ接合によって崩れないようになっています
●喫水線以下の部分も再現されたフルハルモデルです
・ベースとなった「日本海軍 航空母艦 飛龍 」の下部がフラットな形状となった船底パーツも含まれていますので、喫水線から上の部分を再現した洋上モデルとしても作製することができます(金属製のバラストは付属していません)
●「飛龍」の船体部は、船体と船底部の上下のブロックに分割され、これに艦首、艦尾甲板、飛行甲板、ボート収納甲板などを取り付ける構成となっています
●船体は、左右に分割したパーツ構成で、船体には格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部の内部には船体の歪みを防ぐ桁のパーツが多数用意されています
・ 船体部には、舷側の舷窓、フェアリーダー、ホースパイプ、塵捨管などの細部を再現
・ 舷窓には雨樋の彫刻が施されています
・ フルハルモデルとして船底部分のスクリュー、推進軸、舵が別パーツ化、ビルジキールは船底パーツに一体成型されています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキに分割されています
・ 甲板上には、アンカーチェーン導板、リール、ボラード、ボート用架台などの細かなディテールが再現されています
・ 船首の甲板部分には、機銃座のパーツが用意されています
●飛行甲板は、着艦表示灯も含めて一体で成型したパーツ構成で、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ 兵員用のスポンソン、遮風柵は別パーツ化して再現
・ 飛行甲板上には、木甲板、甲板継ぎ手、着艦制動装置基部、探照灯収納蓋などがモールドされています
・ 飛行甲板裏側には細かな桁が再現されています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
「飛龍」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の主要部は7パーツで構成
・ 艦橋下部は、一体成型となったパーツ構成で、スライド式金型により舷窓、扉などのディテールが彫刻されています
・ 艦橋の窓の部分がパーツ化され、窓枠部分が凸モールドで再現
・ 艦橋に装備される、「94式高射装置」(×1)、「方位測定アンテナ」(×1)、「1.5m測距儀」(×1)、「60cm探照灯」(×2)が別パーツ化され、探照灯はクリアーパーツとなっています
●マスト基部は三脚檣型、トップは単檣型で、5パーツにより細かな構造が再現されています
●通信マストは、下部のトラス部、中央のヤード部、トップの単檣、の3パーツで構成
● 煙突
・ 本体部分は上下に分割したパーツ構成となっており、トップと整流板が別パーツ化しています
・ 表面上には緊急用排煙口がモールドで再現されています
・ トップは開口され、雨水カバー金網が再現されています
●機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化され、下面の補強板はスポンソンパーツと一体成型して1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツ化しており、複雑な構造が再現されています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×6
・ 右舷後部の1基は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの状態が再現(A1型)
・ シールド付きの高角砲は、連装式に成型された砲身部と、シールド部で構成されています
・ シールド無しの高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
・ 高角砲支柱は2分割した別パーツで構成され、複雑な形状を再現しています
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×9
・ 25mm 3連装機銃(シールド付き) ×3
●艦載機
・ 艦載機は、本体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラに分割したパーツ構成となっており、機種ごとに増槽・爆弾類の武装を別パーツ化しています
・ 艦載機のパーツはクリア成型となっています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×3
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 8m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
・ 通船 ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章(フェアリーダー含む)
・ ラッタル
・ リール
・ 射撃指揮装置
・ 舷梯
・ 94式高射装置
・ 110cm探照灯(クリアーパーツ)
などがセットされています
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属しています
●飛行甲板上に書かれた表示線、艦名表記、着艦標識、日の丸マーク、艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいているタイプ)、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
【 「日本海軍 航空母艦 飛龍 (フルハルモデル)」のパッケージ内容 】
・日本海軍 航空母艦 飛龍(フルハルモデル) ×1
・ 零式艦上戦闘機21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
・ ディスプレイスタンド ×1
・ デカールシート ×1
●2014年 一部新金型(船底部など)
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【 「航空母艦 飛龍」について 】
●1922年、帝国海軍は世界に先駆けて空母として専用設計した「鳳翔」を竣工させます
●この空母「鳳翔」と、改造空母「赤城」「加賀」によって帝国海軍は空母の運用方法を徐々に確立して行きました
●ワシントン軍縮会議、ロンドン軍縮会議の結果、空母の保有トン数が決められ、「鳳翔」「赤城」「加賀」の3隻を合わせたトン数よりも余裕があったので、残りの枠を利用して排水量10,000tクラスの空母を2隻建造することが決定します
●1番艦「蒼龍」は1934年に起工、2番艦「飛龍」は1936年に起工されました
●当初「飛龍」は、「蒼龍」の同型艦として建造される予定でしたが、条約切れが迫っていたために排水量の制限を大きく考慮する必要はなくなり、「蒼龍」を若干拡大する形で設計、建造が行なわれます
●このため「飛龍」は「蒼龍」と比べて、艦の幅が拡大され、飛行甲板も若干大型化されています
●最大の特徴は、「蒼龍」が艦首寄りの右舷に艦橋を配置したのに対して、「飛龍」では左舷の中央部に艦橋を配置、艦首方向への視認性を確保するために艦橋自体も大型化されました
・ 「飛龍」の、この艦橋配置は運用上の利便性を考慮したものですが、結局は右舷の方が良いとの結論となり、以後の艦は左舷配置に統一されています
●この「飛龍」の設計は、以後の日本の空母のスタイルを確立し、軍縮条約が切れた後に建造された「翔鶴型」大型空母は「飛龍」の発展拡大型、戦時急造された「雲龍型」空母は「飛龍」の設計を元にしていました
●「飛龍」は1939年に竣工、早速「蒼龍」と共に第2航空戦隊を編成、日中戦争の航空支援や仏印進駐の支援作戦に従事します
●ところが、仏印進駐はアメリカとの関係を一挙に悪化させ、1941年の中頃には内地において対米戦争開戦を意識した航空隊の訓練が本格的に行なわれるようになりました
●連合艦隊は、アメリカとの戦争となれば戦力的に劣勢に立つことを慮り、当時世界的には戦力として未知数であった空母艦載機を集中使用した、アメリカ太平洋艦隊の最大拠点「真珠湾」への奇襲攻撃を実施することを決定します
●この奇襲攻撃には、世界に先駆けて編成した空母機動部隊「第1航空艦隊」が投入されました
●この「第1航空艦隊」には、空母「赤城」、「加賀」の「第1航空戦隊」、空母「飛龍」、「蒼龍」の「第2航空戦隊」、空母「翔鶴」、「瑞鶴」の「第5航空戦隊」の6空母を中心としたものでした
●中型の空母で編成される「第2航空戦隊」は、搭載燃料と航続距離の関係上、ハワイ「真珠湾」への到達が危ぶまれましたが、艦内に大量の燃料をドラム缶などで積載、何とか参加することが可能となりました
●1941年12月8日、「第1航空艦隊」から発進した航空隊は、停泊中のアメリカ太平洋艦隊の主力艦艇に甚大な損害を与え、戦艦群をほぼ壊滅することに成功します
・ 奇襲攻撃を行なう航空隊は、自分達の立場から最大の目標の空母であることを認識していましたが、訓練や輸送のために奇襲攻撃時には「真珠湾」に空母は1隻も存在していませんでした
●「真珠湾」攻撃によって太平洋戦争が開戦し、日本軍は各地で進撃や攻略を開始しましたが、中部太平洋のウェーキ島に攻撃を行なった艦隊がアメリカ軍の反撃によって撃退されてしまい、奇襲攻撃から帰投中の「第1航空艦隊」は支援の要請を受け、「第2航空戦隊」が分離して同島への攻撃を行ないました
●この攻撃により、ウェーキ島のアメリカ軍の航空兵力は壊滅し、同島の占領作戦も成功します
●その後、「第1航空艦隊」はアンボン空襲、ポートダーウィン空襲に参加、続いて西部太平洋にて連合軍艦艇の掃討作戦に従事します
●1942年4月には、インド洋のセイロン沖に進出、セイロンのイギリス軍基地とイギリス艦隊を攻撃、小空母1隻、重巡洋艦2隻、その他多くの艦艇、商船を撃沈し、これによりイギリス艦隊の活動は極端に低下することとなりました
●1942年6月、連合艦隊はミッドウェー島の占領とアメリカ艦隊の撃滅を狙って、その戦力の大半を投入した大作戦を立案、「第1航空艦隊」は制空権を確保するために、その先鋒となってミッドウェー島沖へと侵攻します
・ この時、「第1航空艦隊」は、「珊瑚海海戦」の損害により「第5航空戦隊」を欠いており、空母4隻の陣容となっていました
●日本側の作戦では、「第1航空艦隊」がミッドウェー島のアメリカ軍の航空兵力を壊滅させ、「攻略艦隊」により同島を占領、反撃に出てきた、アメリカの機動部隊と艦隊を、空母艦載機と後方から進出させた戦艦部隊で叩くという方針でした
●「第1航空艦隊」は予定通りにミッドウェー島を攻撃、ただしアメリカ軍は日本軍の意図を見抜いており、空母機動部隊を近海に展開させて日本艦隊に航空攻撃を開始します
●当時の日本の空母艦載機の搭乗員の技量は最高レベルであり、最初に攻撃を掛けたアメリカ軍の雷撃機は、直衛の零戦によりほとんど壊滅してしまいました
●しかし、アメリカの雷撃機に対処するために低空に移った零戦隊の間隙を突いて、急降下爆撃隊が日本空母を襲い、「赤城」「加賀」「蒼龍」の3隻は直撃弾を受けて火災が発生、空母としての機能が失われました
●無傷で残った「飛龍」は、「第2航空戦隊」の司令官「山口多聞」少将の指揮の下、アメリカ空母艦隊の撃滅を狙って攻撃隊を繰り出します
●この攻撃には収納不能となった他の空母の艦載機も投入され、アメリカの空母「ヨークタウン」を大破する戦果を挙げます
●しかし、数波に渡った航空攻撃は、対空砲火による被弾で航空機の消耗が激しく、「飛龍」は零戦以外はほとんど稼動機が無い状態となってしまいました
●そのような状況下、「飛龍」はアメリカ艦載機の攻撃を受け、4発の爆弾を被弾、全体が火災に覆われてしまいます
●乗員は鎮火に努めましたが、火の勢いは衰えずに誘爆も発生したために自沈処分が決定、駆逐艦の魚雷によりその栄光の姿を沈めて行ったのでした