3号戦車 B型
「3号戦車 B型 (プラモデル) (ミニアート 1/35 WW2 ミリタリーミニチュア No.35162 )」です
●第2次世界大戦初期におけるドイツ軍の中戦車「3号戦車 B型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●ドイツ軍の代表的な中戦車「3号戦車」の試作量産型となる「3号戦車 B型」を再現、「3号戦車 E型」以降のタイプよりも大型の車体に、リーフスプリングサスペンションによる複雑な足周りを装備した、独特の形状を再現した内容となっています
【 「3号戦車 B型」について 】
●ドイツ軍は、1935年のヒトラーによる再軍備化宣言によって本格的な戦車開発を開始、役割に応じた「1号戦車」~「4号戦車」という4つの車種の開発が始まりました
●「3号戦車」は、戦車部隊の主力となる中戦車で、戦車戦や歩兵支援など様々な用途に対応できる高い汎用性が求められました
●また、「3号戦車」は戦車部隊の主力を務めることから、「走」「攻」「守」の能力は高いものが要求され、これが開発の遅れを生むことになります
・ 攻撃力の要となる砲塔は、当時としては革新的な3人用の大型砲塔を搭載、「車長」「砲手」「装填手」という乗員の役割が明確化され、これは機動戦において「3号戦車」の能力を最大限発揮することになりました
・ 「3号戦車」が開発された当時、戦車の主砲は「37mm砲」クラスが主体でしたが、「3号戦車」の砲塔のターレットリングは「50mm砲」クラスを搭載できる余裕のある設計となっており、このターレットリング径は後の火力増強に繋がるものとなっています(ただし、長砲身の「75mm砲」を搭載できる程に大きなものではなく、これが「3号戦車」の将来の運命を決定付けまることになります)
・ 防御力は、当時の戦車としては標準的なものでしたが、一方で対戦車砲に対する程の能力は持っておらず、将来の装甲強化を目論んで、車体の設計は余裕が持たされていました
・ 問題となったのは、その足周りの選択で、他の「1号戦車」「2号戦車」「4号戦車」はサスペンションが早々に決定されたのに対して「3号戦車」では、試行錯誤が繰り返されました
●「3号戦車」としての最初の量産型である「3号戦車 A型」では、コイルスプリングを中心とした足周りを採用、大型の転輪を片側5個装備した姿は一見すると機動性能に優れていると思ってしまいますが、コイルスプリングのストロークが小さく、地形への追従性は低いものでした
●そこで、足周りとしてリーフスプリングサスペンションを採用した「3号戦車 B型」が1937年に登場、上部転輪も「3号戦車 A型」よりも1個多い片側3個となり、機動性能を向上させています
・ その他にも、キューポラや車体後部のエンジンデッキの形状変更といった様々な改良が加えられました
●この「3号戦車 B型」の足周りは、そのまま「C型」「D型」にも受け継がれ、「3号戦車」の極初期型の特徴ともなっています
●しかし、リーフスプリングサスペンションと小型転輪によるこの足周りは、主力戦車としては能力不足とされ、1938年12月に登場した、当時の最新式の懸架装置となるトーションバーサスペンションを持つ「3号戦車 E型」によって「3号戦車」としての基本スタイルが確立、以後主力戦車として確固たる地位を築きました
●「3号戦車 A型」~「3号戦車 D型」は、型式名が付いているものの、「3号戦車」の試作型、もしくは試作量産型とも言うべき存在でした
●そのため、「3号戦車A型」は10両、最も多く生産された「3号戦車D型」でも30両しか生産されませんでした
●「3号戦車 B型」も15両の生産に留まり、1939年のポーランド戦に参加した後は、第一線から退けられ、訓練用もしくは「3号突撃砲」の試作車の車台へと転用されています
●なお、「3号戦車 A型」~「3号戦車 D型」は、砲塔は内装式の防盾を装備、車長キューポラは「A型」~「C型」が装甲が強化されていない円筒状のタイプ、車体は「3号戦車 E型」以降とは異なる若干大きなものとなっているのが、足周り以外の主な特徴となっています
【 「3号戦車 B型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の中戦車「3号戦車 B型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ミニアート社が1/35シリーズなどで培った造形及び彫刻技術によって「3号戦車 B型」を再現、細分化したパーツ構成とエッチングパーツにより、「3号戦車B型」の細部表現に重きを置いた内容となっています
●砲塔や車体の溶接跡、ボルト、リベット、そしてハッチ等のパネルラインは繊細かつエッジの立ったモールドで再現、装甲が薄く、華奢な構造を持つ「3号戦車 B型」としての雰囲気が十分に演出されています
●細分化したパーツ構成ながらも、車長キューポラ、砲身、機銃などはスライド金型を使用した一体成型のパーツで再現されています
・ 「3号戦車 B型」のキットは、この2014年時点でインジェクションキットとして世界初であり、「3号戦車」初期のタイプに興味がある人、「3号戦車」シリーズを揃えたい人、そしてドイツ軍戦車を揃えたいユーザーなどにとって、とても貴重となるキットです
・ また、本キットは細分化したパーツ構成ながらレジン製キットよりも作りやすいのは事実であり、「3号戦車」シリーズのコレクションとして欠かせないアイテムとなることでしょう
●サスペンションと転輪類は細分化したパーツ構成で可動させることが可能、履帯も連結可動式履帯となっており、複雑な構造を持つ足周りが「動く」姿を演出することが可能です
●「3号戦車 B型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●内装式の防盾に円筒状のキューポラを持つ「3号戦車 B型」としての砲塔形状を再現、各部は実車の構造に沿って薄く成型され、ボルト穴や溶接跡、リベットなどの細部が繊細なタッチで再現されています
●「KwK 46.5口径 37mm戦車砲」の砲身は、一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口は開口されています
・ 砲尾部分が再現され、閉鎖器は開閉状態を選択して組立てることができます
・ 同軸機銃(通常型)は個別にパーツ化されており、銃口部分は開口されています
・ 内装式防盾は一体成型のパーツで再現、防盾の視察クラッペは別パーツ化されており、開閉状態を選択して組立てることができます
●砲塔は、上部、底部、前面パネルの3パーツで構成されています
・ 砲塔側面のハッチは別パーツとなっており、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 砲塔側面のクラッペは別パーツ化して内部構造も再現、開閉状態を選択することができます
●車長キューポラは砲塔とは別パーツ化、一体成型のパーツで再現されています
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態を選択して組立てることができます
・ キューポラ内部の防弾ガラス、クッションは別パーツ化、防弾ガラスはクリアパーツで再現しています
●砲塔内部も再現され、以下の構造を別パーツ化して再現しています
・ 砲尾
・ 砲尾の防危板
・ 照準器
・ 砲の操作ハンドル
・ 砲の薬莢受け
・ 同軸機銃の機関部
・ 同軸機銃のドラム弾倉
・ 同軸機銃の薬莢受け
・ クラッペの内側構造
・ 砲塔バスケット
・ 車長席、砲手席、装填手席
・ 砲塔旋回装置
など
【 車体上部 】
●後のタイプと比べてシンプルな構造となる「3号戦車 B型」の車体レイアウトを再現、エンジンデッキのルーバー、エンジン吸気グリルなどが繊細なモールドで再現されています
●車体上部は、前部、戦闘室、エンジンデッキの3ブロックで構成しています
●前部は一体成型のパーツで再現、トランスミッション点検ハッチは別パーツとなっています
・ 前照灯は、通常のタイプと管制スリットが付いたタイプとが付属、選択して使用します(通常のタイプのガラス部はクリアパーツです)
・ 車体前部の牽引ホールドは一体成型のパーツで再現、フック脱落防止用のチェーンを再現するエッチングパーツが付属しています
●戦闘室は、戦闘室本体と前面パネルとの2パーツで構成
・ 操縦手用の視察クラッペと側面のクラッペは別パーツで、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 前方機銃は、銃口部分が開口されています
・ 前方機銃の機関部、ドラム弾倉、薬莢受けなどが再現
・ 前方機銃は上下に可動させることができます
・ 戦闘室上部の小さなフックは、ベース部分がモールドで表現され、これにフック本体のパーツを取り付けます
・ 戦闘室側面の対空機銃架には固定具が一体成型して再現されています
●エンジンデッキ部は一体成型となっており、点検ハッチ、側面のエンジングリル部は別パーツ化しています
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分のみがパーツ化され、ワイヤー本体は別売の金属製ワイヤーなどを使用します
・ 牽引ワイヤーの固定具はエッチングパーツにて再現
【 フェンダー 】
●フェンダーは、網目状となる滑り止めパターンが繊細なモールドで再現、前後のマッドフラップの固定具などは細分化したパーツで再現しています
●フェンダーは、それぞれ一体成型のパーツで再現され、前後のマッドフラップは別パーツ化しています
・ 前後のマッドフラップは、降ろした状態と跳ね上げた状態とを選択して組立てることができます
・ マッドフラップの固定具は別パーツ化、一部はエッチングパーツとなります
・ フェンダー支持架は個別にパーツ化されています
・ フェンダー上の車載工具類は、固定具のクランプなどがフェンダー上に一体成型して再現されています
・ ジャッキ台の固定具はエッチングパーツにて再現
【 車体下部 】
●「3号戦車 B型」が装備するリーフスプリングサスペンションによる複雑な構造を細分化したパーツ構成で再現、車体前部の円形の点検ハッチ、デファレンシャルカバーのボルトなどが繊細なタッチで再現されています
●車体下部は、各パネルを箱組み状に貼り合わせる構成となっています
・ 各サスペンションは、リーフスプリングのパーツを中心にして、両側にサスペンションアーム、上部に支持アームなどを取り付けて作製します
・ サスペンションアームは、内蔵する軸パーツのみを車体に接着することで、上下方向に可動とすることができます
・ 起動輪、誘導輪、転輪は前後に分割したパーツで再現、内蔵する軸パーツのみをサスペンションアームなどに接着することにより回転可動させることが可能です
・ 起動輪、誘導輪、転輪には、ホイール部分の肉抜き穴が開口されています
・ 排気管は前後に分割したパーツで再現、先端部は開口されています
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつを分割した連結可動式履帯が付属しています
・ 履帯は、両側から差し込むピンによって固定する方式で、可動式履帯ならではの自然な弛みを表現することができます
・ 履帯を作製するための治具が付属しています
・ 各履帯(履板)は、センターガイドが履帯パーツに一体成型され、スライド金型を使用してセンターガイドの肉抜き穴が部分が開口されています
・ 履帯は、36cm幅となる「3号戦車」の初期型用履帯が再現され、モデルカステン製「3号戦車 / 突撃砲 初期型用履帯 (36cm幅) (可動式)」がこれに対応しています
●車長キューポラの防弾ガラス、前照灯のガラス部などを再現するクリアパーツが付属
●牽引ワイヤー固定具、クラッペの内側のステーなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「3号戦車 B型」の塗装とマーキング 】
●「3号戦車 B型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 第2大隊 (ポーランド / 1939年)
・ 所属不明 (チェコスロバキア / 1938年)
・ 所属不明 (ポーランド / 1939年)
・ 第1戦車師団 第1戦車連隊 第1大隊 (ポーランド / 1939年)
・ ポーランド戦全般 (ポーランド / 1939年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「3号戦車 B型」のパッケージ内容 】
・ ドイツ軍 中戦車 3号戦車 B型 ×1
・ デカールシート ×1
●2014年 完全新金型