ドイツ 自走ロケット砲 Sd.Kfz.4/1 パンツァーベルファー 42型
「ドイツ 自走ロケット砲 Sd.Kfz.4/1 パンツァーベルファー 42型 (プラモデル) (タミヤ 1/35 タミヤ イタレリ シリーズ No.37017 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の装甲自走ロケット砲「パンツァーベルファー 42型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●密閉式に装甲化された車体と大口径の10連装ロケットという強力な火力で火力支援に活躍した「パンツァーベルファー 42型」を再現、簡易型のハーフトラックをベースとした繊細さと完全装甲化による力強さという相反したイメージを持つ特異なフォルムを再現した内容となっています
●イタレリ社製「オペルマウルティーア 42年式 ロケット砲搭載型」をベースに、新規パーツとなる接着連結式履帯へと変更、タミヤ社製「ドイツ戦車兵 砲弾搭載セット」の1ランナーをパッケージした限定バージョンとなります
・ デカールもタミヤ製の新規デカールへと変更されています
【 「パンツァーベルファー 42型」について 】
●ロケット砲は、発射時における反動がないことや頑丈な砲架を必要としないため、運用コストが低く、設置も簡単という特徴を持っています
●ただし、ロケット砲は命中率が低いのが欠点で、第2次世界大戦時にロケット砲を多用したソ連軍は多連装式に、同様にドイツ軍では1発あたりの炸薬を増やすことで、この欠点をカバーしました
●このため、ロケット砲の1回の掃射は高い面制圧効果を生み、対峙する敵軍にとって脅威の存在となっています
●もっとも、ロケット砲は命中率の低さから短い射程とならざるを得ず、さらに発射時には大きな噴煙からその発射箇所が見つかり易いという問題点も持っていました
●ドイツ軍では、このようなロケット砲の運用の問題点に対処するため、ロケット砲「ネーベルベルファー 41型」を装甲化した「オペル・マウルティア」に搭載した「パンツァーベルファー 42型」を1943年4月に制式化します
・ この「パンツァーベルファー 42型」は、ロケット砲を円形に6連装とした「ネーベルベルファー 41型」に対して、ロケット砲5基を2段式とした10連装となっています
・ 車体は、簡易式のハーフトラックとなる「オペル・マウルティア」をベースとして装甲化、その装甲は6mm~8mmと、小火器射撃や砲弾の弾片などを防御する能力を持ちました
・ 車体の内部には、再装填用のロケット弾を10発搭載し、ロケット砲を射撃すると、敵の反撃(標定射撃)を受ける前に移動して再び射撃するという方式が採られています
●「パンツァーベルファー 42型」は、1943年4月から1944年3月までに300両が生産、あわせて同じ車体の弾薬運搬車も289両生産されています
●この「パンツァーベルファー 42型」は、ロケット砲による強力な制圧能力と自走砲としての機動力で、火力支援に活躍、短射程ながらも完全に装甲化された車体は連合軍の砲火にも一定の強さを示し、大戦後期におけるドイツ軍の砲兵火力の一画として欠くことができない車両となったのです
【 「ドイツ 自走ロケット砲 Sd.Kfz.4/1 パンツァーベルファー 42型 」のキット内容について 】
●このドイツ軍の装甲自走ロケット砲「パンツァーベルファー 42型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●面構成の車体と複雑な足周りが織り成す独特のフォルムを、パーツ数を抑えた適度なパーツ分割とモールドを重視したイタレリ流の表現力で「パンツァーベルファー 42型」を再現した内容となっています
●イタレリ社製「オペルマウルティーア42年式 ロケット砲搭載型」をベースに、新規パーツとなる接着連結式履帯(イタレリ社製)へと変更、タミヤ社製「ドイツ戦車兵 砲弾搭載セット」のランナー1枚とデカールを追加したスポット生産品です
・新規デカールには、ロケット弾やロケット弾ケースの弾種表示を再現したデカールも付属しており、砲弾を供給するフィギュアとも相まって、本キットのみでも「パンツァーベルファー 42型」の雰囲気ある給弾中のジオラマシーンを再現することができます
●「パンツァーベルファー 42型」の車体上部と側面のリベットは、モールドによる表現となりますが、よりリベットを強調したいユーザーのために、ランナー上に成型されたリベットが彫刻されています
●「パンツァーベルファー 42型」は、「シャーシ」「車体」「ロケットランチャー部」の3ブロックで構成されています
【 車 体 】
●車体は、「パンツァーベルファー 42型」特有の平面で構成された車体レイアウトを再現、表面にはリベットが控えめなモールドで再現されていますが、より強調したい場合にはランナー上にモールドされているリベットを切り取って使用することができます
●車体は、上下に分割したパーツ構成で、これに前面パネル、後面パネル、左右のフェンダーを取り付けて組み立てます
・ エンジン点検ハッチ、車体上部ハッチ、車体後部ハッチは別パーツで、開閉状態を選択することができます
・ 操縦室部分の視察ハッチは別パーツで再現
・ 前面パネルのラジエターグリルは、スリットが全開となっている状態を再現、スリットは立体的に造形されています
・ フェンダーは雑具箱も含めた一体成型のパーツで再現
・ 車載工具類のパーツ上には固定具も一体成型して再現されています
・ 車体上部に装備される「MG34機関銃」が付属
・ ノテックライト、前照灯、後部のマッドフラップ、牽引装置、車間表示灯、車幅ポールなどは別パーツ化して再現
●車体内部が再現されています
・ 車体内部は、滑り止めパターンが付いたフロアパネルに、操縦席、メーターパネル、砲弾ラックなどを取り付ける構成となってます
・ ハンドル、変速レバーなどは別パーツ化しています
【 ロケットランチャー部 】
●ロケットランチャーはパーツ数を抑えながら複雑な構造を再現、ランチャー部は肉薄な造形で再現されています
●ロケットランチャーは上部のランチャー本体と、下部の架台との2ブロックで構成されています
●ランチャー本体は、各列を上下に分割したパーツで構成、これに後部パネルを取り付けて作製します
・ ランチャー本体は、ロケット弾が装填されていない状態を再現、ロケット弾は別パーツとなっています
●架台は、ターレットと左右に延びるアームのパーツで構成されています
・ ターレット内部には操作ハンドルなどが別パーツにより再現
・ ターレットは左右に旋回させることが可能です
【 シャーシ 】
●シャーシは実車のポイントを踏まえながらパーツ数を抑えて再現、複雑な造りとなるボギー式のサスペンションもパーツ数を極力抑えた構成となっています
●シャーシのメインフレームは、一体成型のパーツで再現
・ 前輪のステアリングゲージは5パーツで構成、車軸パーツを前後に分割したステーで挟み込んで接着することにより、ステアリングを可動させることができます
・ 後部のデファレンシャルは、前後に分割したパーツで構成されています
・ 装軌部分のシャーシのフレームは、左右各1パーツで再現
・ 装軌部分のボギー式サスペンションは、前後に分割したパーツで再現され、下部転輪と上部転輪を挟み込んで作製します
●前輪のタイヤは、ゴムの部分とホイール部分とに分割され、ゴムの部分は軟質素材で再現しています
製となります
・ ゴムの部分にはトレッドパターンが深めにモールドされています
●エンジンが再現されています
・ エンジンは左右に分割したパーツで構成され、これに冷却ファン、ファンベルト、キャブレターを取り付けて作製します
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつを分割した接着連結式履帯が付属しています
・ 履帯は、裏側のガイドが2枚のタイプとなる「マウルティア」用のシングルピン式履帯が再現され、モデルカステン製「モールティア用履帯」がこれに対応しています
【 「パンツァーベルファー 42型」用のアクセサリーパーツ 】
●「パンツァーベルファー 42型」用のアクセサリーパーツが付属しています
・ ロケット弾 ×10 (ランチャーに装填されるロケット弾を含む)
・ ロケット弾ケース ×4
【 付属しているフィギュア、アクセサリー類について 】
●乗員を再現したフィギュア2体と、木箱などのアクセサリーが付属しています
・ タミヤ社製「ドイツ戦車兵 砲弾搭載セット」のランナー1枚分となります
●フィギュアについて
・ フィギュアは、ロケット弾を持ち上げる乗員と、そのロケット弾を車上で受け取る乗員のシーンが再現されています
・ 1体のフィギュアは、立った姿勢でロケット弾を肩の位置に持ち上げているポーズ、もう1体のフィギュアは大きく身を屈めてロケット弾を持つために両手を伸ばしているポーズとなります
・ 服装は、立っているフィギュアは作業用のツナギを着用した姿、身を屈めているフィギュアは、作業用の野戦服を着用した姿となっています
・ 各フィギュアの頭部は、無帽の状態と略帽を被った状態との2種をセット、選択して使用することができます
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、手の指は重量物を持っているような力を込めて開いた状態が表現されています
・ フィギュアは、頭部、上半身、下半身、両腕に分割したオーソドックスなパーツ構成となっています
●以下のアクセサリー類が付属しています
・ 43口径もしくは48口径の75mm戦車砲の砲弾 ×3
・ 70口径 75mm戦車砲弾 ×1
・ 56口径 88mm砲弾 ×2
・ 71口径 戦車砲弾 ×1
・ 43口径もしくは48口径の75mm戦車砲用の木箱 ×1
・ 70口径 75mm戦車砲弾用の木箱 ×1
・ 56口径 88mm砲弾用の木箱 ×1
・ 71口径 戦車砲弾用の木箱 ×1
・ パンター用の転輪 ×1
・ ネコ ×1
【 「パンツァーベルファー 42型」の塗装とマーキング 】
●「パンツァーベルファー 42型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 (東部戦線 / 1943年~1944年)
・ 第7ロケット砲旅団 (ノルマンディ / 1944年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
【 「ドイツ 自走ロケット砲 Sd.Kfz.4/1 パンツァーベルファー 42型」のパッケージ内容 】
・ ドイツ軍 装甲自走ロケット砲 パンツァーベルファー 42型 ×1
・ フィギュア ×2
・ アクセサリー一式
・ デカールシート ×1
●スポット生産品
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【 「ドイツ 自走ロケット砲 Sd.Kfz.4/1 パンツァーベルファー 42型」のワンポイント 】
●「パンツァーベルファー 42型」は、「オペル・マウルティア」という簡易型のハーフトラックをベースとしながらも、密閉化した装甲を持ち、その上部にロケット砲を装備した数多きドイツ軍車両の中でも人気のあるアイテムです
●しかし、意外にキット化は進まず、インジェクションキットとしてはこのイタレリ社のキットが唯一の存在でした
●キット自体は、イタレリ社のキットらしくパーツ数は抑えられており、手軽に「パンツァーベルファー 42型」の姿を楽しむことができる内容となっています
●旧キットでは、履帯はベルト式履帯でしたが、本キットでは接着連結式履帯へと変更、その分組み立てには手間がかかるようになったものの、「オペル・マウルティア」の特徴となる上部転輪による弛みのある履帯が再現できるようになりました
●旧キットでは、天板部と側面部のリベットのモールドが繊細過ぎるというユーザーの意見があり、本キットではそのユーザーの声に応えるように、ランナー上にリベットが成型されており、これを削ぎ取って使用するという方法が採られています
●ランナー上のリベットを削ぎ取って、均一に取り付けるのは少々難易度が高い作業となります
●幸いにも車体には元々のリベットがモールドされていますので、そのモールドを落とす際にケガキ針等でポイントを打っておき、そこにリベットのパーツを貼り付けるという方法で行うのが良いでしょう
●リベットパーツの取り扱いはピンセットを使用ではなく、カッターやナイフの先端をパーツに突き刺し、タミヤ社製「タミヤセメント (六角ビン)」などの通常タイプのプラスチックモデル用接着剤を着けて接着場所に取り付けると作業が行いやすいと思います