日本陸軍特殊船 高津丸 1943
「日本陸軍特殊船 高津丸 1943 (レジンキット) (ニコモデル 1/700 レジンキット No.7076 )」です
●太平洋戦争時における日本陸軍の舟艇母艦(船)「高津丸」を1/700スケールで再現したレジン製キット
●日本陸軍が上陸作戦時用として建造した舟艇母艦(船)「高津丸」を再現、輸送船としての外観を持ちながらも、船体内部に格納された上陸用の舟艇を発進させる扉を船尾に装備した特殊な構造を再現した内容となっています
【 「高津丸」について 】
●1932年、上海事変が発生、日本陸軍は上海付近の海岸に大規模な上陸作戦を実施しました
●当時の上陸作戦では、輸送船の舷側部に垂らしたネットによって接舷した舟艇に兵士が乗り込むという方式を採っており、この方式は武器などを装備した兵士にとっては困難と危険を伴い、時間も掛かるものでした
●この上陸作戦での経験から、日本陸軍では上陸作戦に用いる専用艦(船)として「神洲丸」を1934年に建造します
・ この「神洲丸」は船体内部に上陸用の舟艇を格納、兵士はこれに乗船し、発進時には船体後部の扉が開けられて、そのまま舟艇が船外に出るというシステムとなっていました
・ このシステムは、それまでの接舷した舟艇に兵士が乗り移るという方式よりも格段にスピーディーかつ安全性が増し、これは現在の強襲揚陸艦にも受け継がれている極めて先進性の高いものでした
●この「神洲丸」は上陸作戦の演習時に極めて優秀な成果を残し、これにより日本陸軍は同様なシステムを持つ上陸作戦用の艦艇11隻の建造を計画します
●この艦艇の内訳は、10,000tクラスの大型艦(船)が9隻、5,000tクラスの中型艦(船)が2隻というもので、1939年から順次建造が開始されました
●「高津丸」は5,000tクラスの中型艦(船)として1944年3月に竣工、しかしこの頃には日本軍は完全に守勢となっており、本来の上陸作戦に用いる機会はなく、主に通常の輸送船として用いられました
●1944年10月、アメリカ軍がフィリピン東部のレイテ島に上陸を開始、日本陸海軍はこのレイテ島を決戦の地としてその総力を投入します
●「高津丸」は陸軍の歩兵第1師団を搭載して一旦マニラに到達、そこから「多号第2輸送作戦」によってレイテ島のオルモック湾に向けて出撃、陸軍部隊の輸送を無事成功させます
●レイテ島への増援として陸軍部隊の投入は続き、「多号第4次輸送作戦」において「高津丸」は歩兵第26師団の兵員を格納庫に、舟艇は甲板上に搭載して出撃、空襲によって舟艇を破壊されながらも兵員を上陸させることに成功します
●しかし、上陸成功の翌日に再びアメリカ軍機の空襲を受け、その短い生涯を閉じたのでした
【 「日本陸軍特殊船 高津丸 1943」のキット内容について 】
●この日本陸軍の舟艇母艦(船)「高津丸」を再現したレジン製キットです
●型の制約の少ないレジン成型の特性を活かしたパーツと、スケールに沿ったディテール表現にかなうようなエッチングパーツを随所に使用することで、舟艇母艦(船)「高津丸」の細部表現に重きを置いた内容となっています
・ 船体の主要部分にもエッチングパーツを用いることから中級者以上のユーザーを対象としたキットとなります
●喫水線から上の部分が再現されたウォーターラインモデルです
●「高津丸」の船体部は、船体と上甲板とを一体成型したパーツで再現し、これに艦橋などの上部構造物、前後のデッキ、そして艤装類を取り付けて作製します
●船体部には舷窓、ホースパイプ、舷側の開口部などがモールドで再現されています
●上甲板は、船体部分に一体成型されており、前後の高射砲用のデッキ、銃座などは個別にパーツ化されています
・ 甲板上には、上部構造物の基部、船倉ハッチ等の基本躯体の他に、木甲板表現、アンカーチェーンなどの細かなディテールが再現されています
・ 船倉ハッチ上面部はエッチングパーツとなっています
・ 前後の高射砲用のデッキの支柱は1本ずつ別パーツ化されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「煙突部」「マスト」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「高津丸」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋部は2層で構成され、艦橋前面部はエッチングパーツで再現しています
・ 艦橋の窓枠部分はエッチングパーツを折り曲げて再現
・ 艦橋部分を構成する、測距儀(×1)、機銃(×4)などは別パーツ化されています
●中央構造物
・ 中央構造物は、2層で構成されています
・ 中央構造物の側面の支柱は1本づつパーツ別パーツ化
・ 中央構造物を構成する、通気筒(×6)などが別パーツ化されています
●マスト
・ 前後のマストは3パーツで構成され、上部と下部はレジンパーツ、ヤードはエッチングパーツとなります
・ マスト部に装備されたデリックは個別にパーツ化
●煙突
・ 煙突は一体成型のレジン製パーツです
●武装
・ 高射砲 ×8
・ 単装機銃 ×4
など
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 14m特型運貨船 ×8
・ カッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 通気筒
・ 錨
・ 艦首、艦尾旗竿
などがセットされています
【 「日本陸軍特殊船 高津丸 1943」のパッケージ内容 】
・ 日本陸軍 舟艇母艦 高津丸 ×1