ソビエト軍 SS-1D スカッド B型
「ソビエト軍 SS-1D スカッド B型 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.01019 )」です
●冷戦時代中期におけるソ連軍の短距離弾道ミサイル「スカッド B」(制式名称「R17」)を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●空軍力を補う手段としてソ連をはじめとした東側諸国、そして中東地域の国々などで多用された短距離弾道ミサイル「スカッド B」を再現、8輪型の大型キャリアーに搭載された迫力あるスタイルを表現した内容となっています
●専用の移動式キャリアー「9P117M1」に搭載された地対地ミサイルシステム「9K72」を再現しています
【 「短距離弾道ミサイル スカッドB」について 】
●第2次世界大戦後期、ドイツ軍は報復兵器として人類初の弾道ミサイル「V-2」を開発、この「V-2」はロンドンや港湾都市アントワープなどに向けて多数が撃ち込まれました
●「V-2」の最大の特徴は、移動式の発射装置が同時に開発されたことであり、固定陣地から発射されるパルスジェット式誘導弾「V-1」とは異なり、発射地点を連合軍が察知することは不可能でした
●大戦末期、この「V-2」の開発拠点だったドイツ北部のペーネミュンデをソ連軍が占領、大多数の関係者は西側へと逃れましたが、ソ連軍は膨大な研究資料を入手します
●第2次大戦が終結するとソ連と西側諸国との間の関係は急速に悪化、国土の開発と経済の復興を進める中、ソ連を中心とした東側諸国とアメリカを中心とした西側諸国は軍備の近代化を進めて行くことになります
●当時、アメリカの空軍力は他の国が全く追従できない程の強力なもので、ソ連軍は地上兵力こそ兵員数で勝っていましたが、この空軍力の違いは戦争に突入すると圧倒的に不利な要因となることが明白でした
●もっとも、工業力に勝るアメリカ相手に同様な空軍力を持つことはできず、ソ連軍は対抗手段として「V-2」に注目、当初はコピーすることから開発を進め、1957年には「V-2」をベースとした改良型となる「スカッドA」を開発します
・ 「スカッド」という名称はあくまでも西側が付けたもので、「スカッドA」は「R-11」、「スカッドB」は「R-17」が制式名称となります
●この「スカッドA」は、「V-2」譲りの移動式の発射装置となっており、短時間で発射準備が可能、発射後も速やかに撤収することができました
●しかし、「スカッドA」は最大射程が130kmしかなく、この程度の短射程では航空機によって制圧されてしまう可能性あがあるため、最大射程を300kmに延長したタイプとして1965年に登場したのが「スカッドB」です
●その後、「スカッド」シリーズは「スカッドD」まで発展、冷戦時代初期から中期にかけてのソ連の戦略ロケット軍の主力装備となりました
●もっとも、冷戦時代後期頃からは旧式化が目立ち、ソ連戦略ロケット軍では1980年代に退役しています
●しかし、旧東側諸国や中小国では「スカッド」シリーズやその改良型は今だ現役であり、湾岸戦争時に使用されたイラク軍の「スカッド」によるイスラエルの都市攻撃は記憶に新しいことです
●「スカッド」シリーズは命中精度の低さや迎撃が可能なことから、兵器としての費用対効果という点では時代遅れとも言われていますが、遠くに離れた都市を攻撃できる兵器として心理的効果が高く、これからも運用が続けられるものと思われます
【 「ソビエト SS-1D スカッド B」のキット内容について 】
●このソ連軍の短距離弾道ミサイル「スカッドB」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ミサイル、アームなどのシンプルな形状の部分は一体成型を多用、対してシャーシなどの複雑な構造やディテールが集中している箇所は細分化したパーツ構成で、「スカッドB」とそれを運搬するキャリアー「9P117M1」を再現した内容となっています
●キャリアーのアームは、取り付け基部に差し込む金属整ビスにより起倒可動で、ミサイルを立てた状態と、運搬状態とを再現することができます
●「スカッドB」は、「ミサイル」「シャーシ」「収納部」「アーム部」、そして左右の「キャビン」の6ブロックで構成されています
【 ミサイル 】
●ミサイルは1/35スケールながらパーツ数を抑えて再現、表面にはパネルラインなどのディテールが繊細な彫刻で表現されています
●ミサイルは左右に分割したパーツで構成、これにエンジンノズル、下部のフィンを取り付けて作製します
【 キャビン 】
●ボックス型となる左右のキャビンは、前面が傾いた独特の形状を再現、その内部も再現されています
●キャビンは、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 各ウィンドーはクリアパーツで再現
・ ウィンド用のマスキングシートが付属しています
・ ドアは別パーツで、開閉状態を選択できます
・ 前照灯とサーチライトのガラス部はクリアパーツとなります
・ サーチライトのガードはエッチングパーツで再現、形状を作製する治具が付属しています
・ ワイパー、サイドミラーなどが別パーツ化されています
・ 右側のキャビンは、前方に倒した状態とすることができます
●キャビン内部が再現、以下のパーツがセットされています
・ 座席
・ メーターパネル
・ ハンドル
・ ペダル類
・ ボンベ
など
【 収納部 】
●収納部は各部をブロック化して分割した構成で構造と細部を再現、ソ連軍車両の特徴であるプレス構造を強弱を付けた彫刻で再現しています
●車体後部の収納部は、ブロックごとに作製してシャーシに取り付けます
●各ブロックは各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 側面のグリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
●中央部の管制室部分も箱組み状に各パネルを貼り合わせて作製します
・ 側面ドアは別パーツで、開閉状態を選択できます
・ ドアのウィンドはクリアーパーツです
・ 管制室内部も再現、座席、計器類が別パーツ化されています
・ 計器類の各表示を再現したデカールが付属しています
【 アーム部 】
●シンプルな造りのアーム部はパーツ数を抑えて再現しています
●左右に分かれたアームそれぞれを左右に分割したパーツ構成で、このアームを、ミサイルの固定装置とガードを挟んで接着して作製します
・ 先端のミサイルガードは一体成型のパーツで再現
・ ミサイル固定装置は、それぞれを前後に分割したパーツで構成しています
・ アームは基部に差し込む金属整ビスにより、起倒し可動させることができます
●アーム部後部の発射ベースは、各フレームを組み合わせて作製します
・ ミサイルを受けるリング部は6層で構成
【 シャーシ 】
●シャーシは細分化したパーツ構成で構造を再現、エンジン、動力伝達装置も再現しています
●シャーシのメインフレームは縦と横のフレームを組み合わせて作製します
・ 動力伝達装置は、細分化したパーツ構成
・ ダブルウィシュボーンサスペンションは、上下のフレームに各ホイール基部を挟み込んで作製します
・ ステアリングは前方に固定した状態で再現
・ シャーシ部に装備されるボックスは、本体と前後のパネルの3パーツで構成
・ 後部のボックスには内部構造が再現、前面のパネルを外した状態とすることもできます
・ 後部のフェンダーは、各パネルを貼り合わせて作製します
●前部バンパーは一体成型のパーツで再現、前照灯、ウィンカーはクリアパーツで再現しています
・ ライトガードはエッチングパーツで再現、ガードの形状を作製する治具が付属しています
・ バンパー上部のフロントグリルは前後に分割したパーツで構成、グリルのフレームは立体的なモールドで再現されています
●エンジンが再現されています
・ 35パーツで巨大なエンジンの構造とディテールを再現
●タイヤはホイール部とゴムの部分とに分割、ゴムの部分は軟質素材製となります
・ ゴムの部分には複雑なトレッドパターンを立体的なモールドで再現
・ ホイール部にポリキャップを仕込み、タイヤを回転可動させることができます
●各ウィンド、前照灯、サーチライトのガラス部などを再現するクリアーパーツが付属
●ライトガード、グリルのメッシュ、足掛け、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「ソビエト スカッド B」の塗装とマーキング 】
● 「ソビエト スカッド B」のマーキングとして、7種類の塗装例がカラー塗装図に記載されています
・ アフガニスタン軍所属 (カブール / 2005年)
・ アルメニア軍所属
・ リビア軍所属 (2011年)
・ ロシア軍所属
・ イラク軍所属 (湾岸戦争時 / 1991年)
・ イラク軍所属 (イラン・イラク戦争時 / 1980年~1988年)
・ イラン軍所属
●カラー塗装図の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号、ミサイルに描かれたコーションマークなどを再現したデカールが付属しています
【 「ソビエト SS-1D スカッド B」のパッケージ内容 】
・ ソ連軍 短距離弾道ミサイル スカッドB ×1
・ マスキングシート ×1
・ エッチングシート ×3
・ デカールシート ×1
・ 金属製シャフト ×4
・ 金属製ビス ×2
・ 金属製ワイヤー ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ カラー塗装図 ×1
●2014年 完全新金型