ZiL-131 KShM コマンドビークル
「ZiL-131 KShM コマンドビークル (プラモデル) (ICM 1/35 ミリタリービークル・フィギュア No.35517 )」です
●冷戦時代初期におけるソ連軍の大型トラック「ZiL-131」の「指揮車型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●ソ連製トラックらしい質実剛健なフォルムを持つ「ZiL-131」をベースとした「指揮車型」を再現、荷台部分をボックス型の兵員室へと換装した、重厚なスタイルを再現した内容となっています
●ICM社製「ソビエト ZiL-131 カーゴトラック」をベースに、荷台部分を兵員室などの新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「ZiL-131の指揮車型」について 】
●第2次世界大戦時のソ連軍は戦車技術では他国をリードしていましたが、トラックや乗用車などの通常の車両を生産する技術には立ち遅れ、やむなく1920年代に開発されたアメリカのトラックをコピーした「GAZ-AA」「GAZ-AAA」などを生産しなくてはなりませんでした
●一方、大戦時にはアメリカ製のトラックが大量に供与され、戦後も暫くは運用され続けましたが、1950年代に入るとソ連軍独自のトラックの開発を開始します
●しかし、共産主義国家であるソ連は、自動車メーカーが切磋琢磨してトラックを開発、生産する西側とは異なり、全てを国家主体で行わなければならず、結局第2次世界大戦時のアメリカ製トラックを参考として開発が行われました
●これ以降、「KrAZ 214 トラック」などの国産の大型トラックが登場、シルエットと性能はアメリカ製トラックの影響が強いものでしたが、当時、世界の頂点的な存在であったアメリカ製トラックを反映したため、性能自体は決して劣るものではありませんでした
●ただ、これはあくまでも1940年代のトラックとしての性能であり、戦後20年も経った1960年代中頃になると旧式化は免れず、新たなるトラックの開発に迫られることとなります
●「ZiL-131」は、そのような背景の下で開発が行われたソ連軍にとって戦後第2世代のトラックに相当する車両で、1967年に登場しました
・ 「ZiL-131」は、排気量7000ccのV型8気筒ガソリンエンジンを搭載した最大積載量3.5tの大型トラックで、6輪全輪が駆動する6×6の足周りを持っています
・ ソ連車両らしく、シンプルな構造により機械的信頼性が高く、積載量の大きさからソ連軍のみならず東側諸国で広く導入され、人員と物資輸送、火砲牽引など様々な用途に使用、ロケットランチャー「BM-21」のベース車両としても用いられており、東側の大型トラックとして代表的な存在となりました
●この「ZiL-131」のバリエーションの一つが「指揮車型」で、荷台部分を撤去してボックス型の兵員室へと変更、指揮車として内部には机やイス、通信装置などを装備しています
●「ZiL-131」の「指揮車型」は、オリジナルの「ZiL-131」と同様に東側諸国で広く運用が行われ、現在においてもコマンドポストとして野戦部隊に欠かせない車両となっているのです
【 「ZiL-131 KShM コマンドビークル」のキット内容について 】
●このソ連軍の大型トラック「ZiL-131」の「指揮車型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●プレス構造を多用したボディと、特徴的なトレッドパターンを持つ大型タイヤを備えた「ZiL-131 カーゴトラック」を細分化したパーツ構成と繊細なモールドで再現、車体やフレーム部のディテール再現に重きを置いた内容となっています
●「ZiL-131 指揮車型」は、「キャビン」「エンジン」「兵員室」「シャーシ」の4ブロックで構成しています
【 キャビン 】
●プレス式による「ZiL-131」の独特のキャビン形状を再現、補強用のプレスラインを凸状のモールドで再現しています
●キャビンは、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 側面のドアは前後に分割したパーツで再現、開閉状態を選択することができます
・ フロントグリルのスリット部は開口した状態になっています
・ 左右のフェンダーはステップ部分を含めて一体成型のパーツで再現、プレスライン、滑り止めパターンなどをモールドで再現しています
・ 各ウィンド部はクリアパーツとなっており、窓枠はパーツ上に凸モールドで再現しています
・ ワイパーはプラパーツで再現
・ 前照灯ユニットは一体成型のパーツで再現、前照灯のガラス部とウインカーはクリアパーツで再現しています
・ ライトガードは一体成型のパーツで再現、立体的かつ薄く造形しています
●キャビン内部を再現しています
・ メーターパネルは、その複雑な形状を一体成型のパーツで再現
・ 座席は、クッション部とフレームとで構成
・ 各メーターを再現するデカールが付属
・ 各種ペダル類、レバー類は個別にパーツ化しています
【 エンジン 】
●エンジンは、左右及び天板部で構成した本体部分に排気管、発電機や冷却ファンなどを取り付ける構成となっています
・ ファンベルトは前後方向に3分割したパーツで再現
【 兵員室 】
●兵員室は列車のようにカマボコ状となる形状を再現、ウィンドのフレーム部分や雨樋などをモールドで再現しています
●兵員室は各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 各ウィンドはクリアパーツで再現
・ 中央部のウィンドは枠の部分を別パーツ化しています
・ 後部ドアは別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 後部のナンバープレート、尾灯などを別パーツ化、尾灯のガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 後部に装着する予備タイヤ、ジェリカンラック、ジェリカンが付属しています
・ 後部のステップは収納した状態と展開した状態の2種をセット、選択して使用することができます
・ 兵員室前部の環境維持装置は、各ブロックごとに分割して再現しています
【 シャーシ 】
●シャーシは細分化したパーツ構成で、フレーム構造と動力伝達装置を再現しています
●シャーシのメインフレームは、縦と横のフレームを組合せて作製します
・ リーフ式サスペンションはそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 各デファレンシャルは、前後に分割したパーツで構成
・ 前輪のステアリングは前方に固定となります
・ バンパーとその上部のパンチングプレートは個別にパーツ化しています
●タイヤはホイール部とゴムの部分とに分割しています
・ ゴムの部分は軟質素材製で、トレッドパターンを深めのモールドで再現しています
●前照灯、尾灯、ウィンカー、各ウィンドを再現するクリアパーツが付属しています
【 「ZiL-131 KShM コマンドビークル」の塗装とマーキング 】
●「ZiL-131 KShM コマンドビークル」のマーキングとして、9種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ソ連陸軍 (1980年代後期)
・ ロシア陸軍 (2000年代後半)
・ ウクライナ陸軍 (2000年代後半)
・ ソ連軍親衛部隊
・ 東ドイツ駐留ソ連軍
・ ドイツ人民共和国軍
・ ポーランド陸軍
・ ロシア陸軍
・ ウクライナ陸軍
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、親衛旗マーク、車体番号、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
【 「ZiL-131 KShM コマンドビークル」のパッケージ内容 】
・ ZiL-131指揮車型 ×1
・ クリアーランナー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型(「ソビエト ZiL-131 カーゴトラック」をベースとして荷台部分を変更したバリエーションキット)