風立ちぬ
「風立ちぬ (本) (大日本絵画 航空機関連書籍 No.23167 )」です
●月刊モデルグラフィックス誌2009年4月号から2010年1月号に渡り連載され、「宮崎駿」監督作品映画「風立ちぬ」の原作となったコミックを1冊にまとめ、巻末に「宮崎駿」の対談や「風立ちぬ」作品にまつわる航空機などを掲載した内容となっています
●このコミック「風立ちぬ」は、太平洋戦争前の航空技師「堀越二郎」の半生と作家「堀辰雄」の小説「風立ちぬ」を重ね合わせ、戦闘機開発にその生涯を捧げた男、「堀越二郎」の軌跡を描いたフィクション作品です
【 「風立ちぬ」の概要 】
■宮崎駿監督最後の長編アニメーション映画「風立ちぬ」その原作カラー漫画、待望の単行本化! 映画の原作となったカラー漫画45頁を収録
●映画「風立ちぬ」、2013年に公開されたこの映画は「宮崎駿」の集大成の作品として制作が進められ、この作品を最後に「宮崎駿」は監督業の引退宣言をしています
●物語は1930年代、航空機技術が日進月歩だった時代において、戦闘機開発にその生涯を捧げた「堀越二郎」が航空技師として、当時の先端技術と格闘しながら黙々と戦闘機を開発する姿を描いています
●この「風立ちぬ」という作品は、あくまでも一航空技師の目で見た当事の航空機開発の世界を描くものであり、戦争における戦闘や華々しいクライマックスがないのが特徴です
●このため、映画としての抑揚に乏しいという声も聞きますが、これは「宮崎駿」の空想から生まれた一介の航空技師の物語だからであり、華々しさとは無縁の場所に位置する多くの仕事人の姿を描くことを主眼としているからです
●この映画「風立ちぬ」の原作となったのが本書に掲載されているコミック版「風立ちぬ」です
●「風立ちぬ」は、太平洋戦争時に実在した航空技師「堀越二郎」の半生と「堀辰雄」が発表した小説「風立ちぬ」を重ね合わせ、オリジナルコミックで描いた「宮崎駿」のフィクションです
・ 「堀越二郎」と「堀辰雄」とは、「堀」という一字が同一というだけで、人物的に何の繋がりもありません
●全45項という長さは、2時間強の映画の上映時間と比べると物足りなさを感じるかも知れませんが、物語の要旨はこのコミック版を原点としており、ページ一杯に、コマ内ぎりぎりまで丁寧に密度濃く描かれたコミックは、とても読み応えのある内容となっています
・ 「宮崎駿」が自ら筆を取り描き彩色したコミック版だからこそ、彼の世界観をダイレクトに感じ取ることができるのも魅力の一つでしょう
●また、コミック各話の間には物語の背景となるトピックを取り上げたコラム(余聞)を挟み当時の理解を助け、姉妹誌「スケールアヴィエーション」に掲載された「宮崎駿」のインタビューなどの記事も収録、「宮崎駿」が描いた「風立ちぬ」関連の記事をまとめ作品の魅力をより深く探ることができる一冊となっています
【 「風立ちぬ」の内容目次 】
●妄想カムバック 「風立ちぬ」執筆にあたって(宮崎駿)
●第1話
・ 第1話・余聞 : 二郎を支えた、カプロニおじさんの夢物語
●第2話
・ 第2話・余聞 : 新人・二郎の初仕事、隼型が産んだ珍記録
●第3話
・ 第3話・余聞 : 学生・作家が集う場所、ハイカラ洋食店・ペリカン
●第4話
・ 第4話・余聞 : 新機軸をまとったアヒルの雛、巣立ちを待つ貴重な姿
●第5話
・ 第5話・余聞 : 二郎と季郎、二人のあいだにそよぐ風
●第6話
・ 第6話・余聞 : 宮崎さんの構想を風に乗せた9試の紙飛行機
●第7話
・ 第7話・余聞 : 時代の風に乗れなかった、悲運のドンバク
●第8話
・ 第8話・余聞 : 在りし日の旧富士見高原療養所資料館
●第9話
●付録
・ 漫画から映画へ―飛ぶものたちへの畏敬と煩悶
・ 二郎の空を舞う飛行機たち 模型で見る『風立ちぬ』の世界
・ 平成の空に蘇る夢想の翼1 9試ラジコン飛行計画、その顛末
・ 平成の空に蘇る夢想の翼2 カプロニの巨大旅客艇、奇跡の離水
・ 8試特偵物語
・ 宮崎駿の航空雑学画帳
・ オリジナル「駄」戦闘機を考える
・ '30年代フランス軍用機とシトロエン2CV
・ イタリアカプロニー社製(1918年) Ca48 旅客機 (岩波書店 図書 2008年臨時増刊 掲載イラスト)
・ 解説 熱を帯び渦を巻き、そして吹き抜けた風~「風立ちぬ」から「鉄炮侍」へ (吉祥寺怪人)
・ 初出一覧/雑誌スタッフ/写真クレジット/模型製作
■著者「宮崎駿」紹介
●1941年1月5日、東京都出身、飛行機会社の役員だった父親や、戦記好きの長兄の影響下、読書や漫画を描いて幼年期を過ごす
●1963年、学習院大学を卒業し、アニメーション製作会社東映動画に入社、数々の長編映画に参加後、1978年に「未来少年コナン」を演出し注目を集める
●以後、「ルパン三世カリ オストロの城」で初の劇場作品を監督、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」と立て続けにヒット作を生み出 した●1992年には「飛行艇時代」(「宮崎 駿の雑想ノート【増補改訂版】」所収)を原作とした映画「紅の豚」が公開され、大ヒットを記録した
●1997年に「もののけ姫」、2001年には「千と千 尋の神隠し」が公開され、同年10月、東京都三鷹市に「三鷹の森ジブリ美術館」が開館した
【 「風立ちぬ」の奥付 】
●版型 : A4版 / ソフトカバー
●全80ページ / オールカラー
●著者 : 宮崎 駿
●発行日 : 2015年11月1日
●ISBNコード : 9784499231671