日本海軍 駆逐艦 島風
「日本海軍 駆逐艦 島風 (プラモデル) (フジミ 艦NEXT350 No.001 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の丙型駆逐艦「島風」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●艦隊型駆逐艦として最高峰の性能を目指した丙型駆逐艦「島風」を再現、スマートな船体に15射線という強力な魚雷兵装を備えながら、日本海軍トップクラスの速度性能を有した、力強いシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 駆逐艦 島風」のキット内容について 】
●日本海軍の丙型駆逐艦「島風」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ディテール表現を重視したフジミ社「特シリーズ」のフォーマットを下敷きにしながら、パーツを構造ごとに成型色で色分け、さらに接着剤不要のパーツ構成の「艦 NEXT 350」シリーズ第1弾として、駆逐艦「島風」を再現、スナップフィットキットながらディテール表現を重視した内容となっています
●「島風」は成型色で色分けしていることから、塗装を行わなくても実艦イメージに近いカラーリングで組立てることが可能です
●また、スナップフィットキットですから接着剤を使うが必要なく、パーツを切り出し説明書の指示に従って組み立てるだけで、本格的な艦船模型製作を楽しむことができます
●「島風」の各構造部ごとに色分けしたパーツ構成となっています
・ 船体、上部構造物、艤装類はグレー (舞鶴海軍工廠色)
・ 上甲板はリノリウム甲板色 (ブラウン)
・ 船底部は艦底色
・ 煙突トップはブラック
の成型色で色分けしています
●「島風」は竣工後、度々対空兵装の増強を行っており、本キットでは艦橋前に機銃座を増設した1944年6月~1944年9月の姿を再現しています
・ ボーナスパーツを使用することで、単装機銃を装備した最終時の姿を再現することも可能です(接着剤が必要となります)
●艦隊喫水線から上の部分を再現した洋上モデルと、艦底部も再現したフルハルモデルとを選択して作製することができます
・ 洋上モデル用の平らの形状の船底パーツは付属していません
●「島風」は「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、喫水線のラインで上下に分割したパーツ構成となっています
・ 船体には「舷窓」「舷外電路」「梯子」「ボラード」「フェアリーダー」などのディテールをモールドで再現しています
・ 舷側部には、鋼板のパネルの段差を繊細な凹凸あるモールドで再現
・ フルハルモデル用として船底部分を再現したパーツをセット、洋上モデルとして作製する場合には船底パーツを取り付けません
・ フルハルモデル用の「スクリュー」(×2)、「舵」(×1)、「推進軸」(×2)などを別パーツ化して再現
●上甲板は、「錨鎖甲板」「船首楼甲板」「中央甲板」「後部甲板」「最後部甲板」の5パーツで構成
・ 「錨鎖甲板」「中央甲板」「最後部甲板」には、滑り止めパターンの他に、「波除け」「アンカーチェーン」「魚雷運搬軌条」「ボラード」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 「船首楼甲板」「後部甲板」はリノリウム貼りの表現として、「リノリウム押さえ」を凸ラインのモールドで再現しています
・ 「船首楼甲板」「後部甲板」のディテール類は、色分けのために別パーツ化しています
「島風」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋部分は3層に分割したパーツ構成、トップの「方位盤」と「測距儀」は別パーツ化しています
・ 「艦橋窓」の部分はクリアパーツとなっており、「艦橋窓枠」は、窓の部分を一段凹んだ状態で再現、立体感を演出しています
・ 艦橋の下部構造物はスライド金型を使用して「窓」「扉」「救命浮標」などのディテールをモールドで再現しています
・ 艦橋前部の遮風装置は一体成型のパーツで再現
・ 艦橋内部も再現しており、「双眼鏡」(×4)、「羅針盤」(×1)を別パーツ化
・ 艦橋前部の機銃座は一体成型のパーツで再現
・ 艦橋部に装備する、「25mm連装機銃」(×1)、「探照灯管制機」(×1)、「測距儀」(×1)を別パーツ化しています
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は三脚檣型で、前後に分割したパーツ構成となっています
・ 後檣のトップは別パーツ化、「13号電探」は一体成型化して再現しています
・ メインマストの「電探室」は3パーツで再現
・ メインマストに装備する、「22号電探」(×1)を別パーツ化
● 第1煙突・第2煙突
・ 煙突は、左右に分割したパーツ構成、トップ部分は別パーツ化しています
・ 煙突トップの雨水カバー金網はヌケた状態で開口しています
・ 煙突の副管も別パーツ化して再現しています
●機銃座
・ 前後の機銃座はそれぞれ一体成型のパーツで再現しています
・ 機銃座に装備する、「25mm3連装機銃」(×4)、「測距儀」(×1)、「方位測定器」(×1)、「探照灯」(×1)を別パーツ化しています
●主砲塔 「50口径 3年式 12.7cm連装砲 D型」 ×3
・ 砲塔は上下に分割したパーツ構成で、これに1本ずつに分割した砲身パーツを取り付けて作製します
・ 砲身の砲口は開口しており、砲身基部には防水布をモールドで再現
・ 砲塔はスライド金型を使用して、「窓」「通気口」「フレーム」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
●魚雷発射管 「零式 61cm 5連装魚雷発射管」 ×3
・ 魚雷発射管は、5連装状となった発射管とシールド部、魚雷の3パーツで再現
・ シールド部にはスライド金型を使用して「扉」「窓」「通気口」「手摺り兼足掛け」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×4、「25mm連装機銃」 ×1
・ 各機銃は、銃身と銃架の2パーツで再現
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 7.5m内火艇 ×2
・ 7.5mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ 艦首フェアリーダー
・ リール
・ ウィンチ
・ 梯子
・ 通気筒
・ プロペラガード
・ 各種ダビット
・ 装填演習砲
・ 爆雷投下軌条
・ 爆雷装填台
・ 爆雷発射機
などをセットしています
【 ボーナスパーツ 】
●ボーナスパーツが付属しています
・ ボーナスパーツを使用することで「島風」最終時の状態を再現することができます
・ ボーナスパーツの取り付けには「接着剤」が必要です
●ボーナスパーツの内容は
・ 25mm単装機銃 ×14
・ 単装機銃用の防弾板
・ 連装機銃、3連装機銃用のシールド
・ 機銃の弾薬箱 ×27
・ 双眼鏡 ×4
・ 舷梯
・ 発煙管 ×4
・ 魚雷 ×1
など、となっています
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属
●旗竿に掲げる軍艦旗、主砲の防水布、カッターの甲板部などを再現したシールが付属しています
●「日本海軍 駆逐艦 島風」の成型色
・ 船体、上部構造物、鉄甲板部、艤装類 : グレー(舞鶴海軍工廠色)
・ リノリウム甲板部 : ブラウン
・ 船底部、推進軸、舵 : 艦底色
・ スクリュー : ゴールド
・ 煙突トップ、ディスプレイスタンド : ブラック
【 「日本海軍 駆逐艦 島風」のパッケージ内容 】
・ 駆逐艦 島風 ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ シールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 完全新金型
【 「駆逐艦 島風」について 】
●当初、対水雷艇用の艦艇とした建造が行われた「駆逐艦」という艦種は発展を続け、その水雷艇の機能を兼ね備えた水雷駆逐艦となり、重武装化と速度性能の向上が図られました
●1920年から1922年にかけて竣工した駆逐艦「峯風型」において、日本海軍の駆逐艦は高速性能のピークに達し、その4番艦の「島風」は最高速度40.7ノットという日本海軍の艦艇の中で最速となる記録を発揮します
●その後、日本海軍の駆逐艦は重武装化を図るようになり、特型駆逐艦では従来の艦から兵装を1.5倍に、その後も特型駆逐艦の兵装が標準となり、1930年代後半には本格的な艦隊型駆逐艦「陽炎型」「夕雲型」が登場します
●この「陽炎型」「夕雲型」は「甲型駆逐艦」とも言われ、日本海軍が駆逐艦の理想形とした兵装と航続距離を持ちましたが、一方で従来よりも速度性能は若干低下し、その最高速度は35ノット程度でした
●日本海軍では、このような速度性能を重武装化によるものとして問題視はしていませんでしたが、アメリカ海軍が37ノットクラスの駆逐艦を開発しているという情報を掴むと、速度性能を重視し、魚雷兵装を増強した究極の艦隊型駆逐艦の建造が始まりました
●この究極を目指した駆逐艦は最高速度を発揮した「島風」の名を引き継ぎ、「島風」と命名され、1941年に起工、1943年5月に竣工しました
●駆逐艦「島風」は、駆逐艦「夕雲型」を一回り大きくしたような艦影を持ち、砲火力は「12.7cm連装砲」を3基という同じ能力でしたが、魚雷兵装に関しては「61cm 5連装魚雷発射管」を3基装備するという強力なものでした(「61cm 5連装魚雷発射管」は、同艦のみの搭載となります)
●機関は、当時の駆逐艦の能力の1.5倍の出力を持つ75,000馬力を発揮する高温高圧缶を搭載、このハイパワーによりその最高速度は40.9ノットという記録を挙げています
●駆逐艦「島風」は、駆逐艦としては充分な兵装と高速性能を示し、従来の「甲型駆逐艦」を凌駕する性能を持つ新鋭艦でした
●しかし、駆逐艦「島風」の竣工は太平洋戦争中期であり、戦時にはこのようなハイスペックで高コストな艦を量産することは実質的に不可能で、「島風」は1艦のみが造られ、その後は戦時簡易型の駆逐艦である「松型」(「丁型駆逐艦」)と防空駆逐艦となる「秋月型」(「乙型駆逐艦」)の建造が中心になっています
【 「駆逐艦 島風」の艦歴について 】
●「島風」は竣工後、1943年7月の「キスカ撤退作戦」に参加、任務を無事全うし、作戦は成功裏に終わります
●1943年9月、「島風」は南方のトラック島へと進出し、南方及び南方から内地への艦隊、もしくは船団の護衛任務に従事しています
●1944年に入ると、日米の戦いの焦点はソロモン海域からフィリピン近海へと移行、「島風」はパラオ諸島やフィリピン南方のダバオ、そしてニューギニア島北西部のビアクなどへの輸送船団の護衛の任に当たりました
●1944年6月には「マリアナ沖海戦」に参加、同年10月の「レイテ沖海戦」では水上戦力の主力である「栗田艦隊」に編入、空襲により戦列を離脱した戦艦「武蔵」の護衛として対空戦闘及び生存者の救助を行っています
●フィリピンを失うことは日本の生命線を断たれることを意味していることから、この「レイテ沖海戦」以後もフィリピンを巡る戦いは続き、日本陸海軍は総力を挙げてアメリカ軍を撃退する作戦行動を行います
●アメリカ軍が初めて上陸したレイテ島では、防御部隊として2個師団程度の陸軍部隊が展開していましたが、徐々にアメリカ軍の兵力が増しており、日本陸海軍は増援部隊として多くの陸軍部隊をレイテ島西部のオルモックへと輸送しました
●この輸送は、「レイテ島沖海戦」に敗れた結果、アメリカ軍側の制海権と制空権下で行われたために少なからず損害が発生しましたが、陸軍の戦闘機部隊による迎撃行動により、一時的に制空権は日本軍側のものとなり、多くの兵員と物資を輸送しています
●「島風」は、このオルモックへの第3次輸送任務に参加、しかし多数のアメリカ艦載機がオルモックへと襲来し、輸送船団は甚大な損害を受けてしまいました
●同艦は壮絶な空襲下にありながらも、その高速性能と操艦により直撃弾を受けることはなく、その高性能振りを発揮しましたが、機銃掃射(駆逐艦には装甲板が装備されていない)と至近弾の衝撃により多くの破口が発生して浸水、航行不能に陥ります
●僚艦は救助のために「島風」に接近を試みるものの、激しい空襲により断念、同艦は艦尾より沈下し、その栄光の生涯を閉じたのでした