日本海軍 潜水艦 海大6型b 伊175
「日本海軍 潜水艦 海大6型b 伊175 (プラモデル) (アオシマ 1/350 アイアンクラッド No.010655 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の潜水艦「伊174型」(「海大6型b」)の2番艦「伊175」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●索敵行動中にアメリカ艦隊に突進し、護衛空母「リスカム・ベイ」を撃沈した武勲艦「伊175」を再現、「海大型」の完成形として艦首と艦尾に「魚雷発射管」を装備し、航空兵装を省いた艦橋を有する、端整なフォルムを再現した内容となっています
●アオシマ社製「日本海軍潜水艦 海大6a型 伊168」をベースに、「伊175」を再現するために、艦橋や上甲板などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「日本海軍 潜水艦 海大6型b 伊175」のキット内容について 】
●日本海軍の潜水艦「伊175」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●「伊175」の全体のフォルムを捉えながら、1/350スケールの解像度の高さを活かして、舷側部上下の排水口、甲板部の甲板表現や滑り止め部、そして艦橋部分などのディテールを強弱を付けたモールドを用いて表情豊かに再現した内容となっています
●喫水線以下も再現したフルハルモデルです
●「伊175」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「機銃などの艤装類」を、それぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、左右に分割したパーツ構成
・ 「ビルジキール」「デッドウッド」、船体下部の「ワイヤーカッター」などを船体パーツと一体化して再現、「魚雷発射管」「魚雷発射管扉」「ホースパイプ」「フェアリーダー」「排水口」などのディテールをパーツ上のモールドで再現しています
・ 船体の「鋼板継ぎ目」を繊細な凸ラインのモールドで再現しています
・ スライド金型を使用して下部の「注水口」なども再現
・ 「推進軸」「スクリュー」「舵」「前部昇降舵」「後部昇降舵」「プロペラガード」などを別パーツ化しています
・ 左右貼り合わせの船体パーツが歪まぬように、パーツ内側に「桁」を挟み込んで接着するようになっています
●上甲板は、前後に分割したパーツで構成
・ 甲板上には、滑り止めや木甲板表現の他、「乗員用ハッチ」「魚雷用ハッチ」「主砲基部」などのディテールをモールドで再現しています
「伊175」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は左右に分割したパーツで再現、艦橋甲板は別パーツ化して再現しています
・ 「艦橋窓枠」は窓の部分を一段凹んだ状態で再現し、立体感を演出しています
・ 艦橋側面の「梯子」「扉」などをモールドで再現しています
・ 潜望鏡は、2本を一体成型化したパーツで再現、後方のアンテナは別パーツとなっています
・ 艦橋に装備する、「測距儀」(×1)、「ループアンテナ」(×1)などを別パーツ化
●主砲 「50口径 88式 10cm単装高角砲」 ×1
・ 主砲は砲架も含めて一体成型のパーツで再現
●対空機銃 「13mm単装機銃」 ×1
・ 機銃は銃架を含めて一体成型のパーツで再現
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 上部ワイヤーカッター
・ 錨
・ クレーン
・ ボラード
・ フェアリーダー
・ 波除け
・ 旗竿
などを個別に別パーツ化して再現しています
●展示用のディスプレイスタンドが付属しています
・ 船体とは、船体部に内蔵させる金属ナットとネジで固定します
●艦橋の日章旗マーク、艦名表示、軍艦旗などを再現したデカールが付属しています
●説明書には、アオシマ社製「日本海軍潜水艦 海大6型用 エッチングパ-ツ」の取り付け方法が併記されています
【 「日本海軍 潜水艦 海大6型b 伊175」のパッケージ内容 】
・ 潜水艦 伊175 ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ 金属製ナット (ディスプレイスタンド用) ×2
・ 金属製ネジ (ディスプレイスタンド用) ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型
【 「潜水艦 伊174型」について 】
●第1次世界大戦後、日本海軍は、仮想敵国としていたイギリス、アメリカと比べ海軍力が劣っていたため、第1次世界大戦時に新兵器として登場した潜水艦を艦隊戦用の兵器として運用しようと計画します
●また、日本海軍では潜水艦を
・ 水上艦隊に随伴して艦隊決戦の前に敵艦隊の戦力を削ぐ役目を持つ「海大型」 (「海軍大型潜水艦」の略)
・ 潜水艦隊として独自に行動し、潜水艦隊として敵艦隊への攻撃を行う「巡潜型」 (「巡洋潜水艦」の略)
という2種の系統に分けて開発と建造を行いました(小型の潜水艦は除きます)
●「海大型」は、その任務の性質から艦隊に随伴できる速力を必要としましたが、開発建造当初は期待されたほどの速力を得ることができず、1927年に竣工した「海大3型」でようやく一定の速力を確保することができました
●しかし、この「海大3型」は速力を優先したため、同時期に竣工した「巡潜型」と比べると、水中での機動性や魚雷の搭載本数が劣り、潜水艦としての能力は見劣りしてしまうのも事実でした
●その後「海大型」は、型式が進むにつれて性能を向上させ、1931年に竣工した「海大6型a(伊168型)」によって日本海軍が目標としていた水上の最高速度23ノットを達成、航続距離、武装などもほぼ要求通りの性能を示し、この「海大6型a」は「海大型」の一つの完成形となります
●「海大6型b(伊175型)」は、この「海大6型a」の改良型で、船殻の厚みを増加して潜行深度を拡大、燃料搭載量も増やして航続距離も向上しています
●その後、「海大型」は「海大7型」まで建造が行われますが、他国の海軍が潜水艦を通商破壊に用いたのに対して、日本海軍では上記のように艦艇への攻撃や偵察任務などに運用したために、被害が続出してしまいます
●また、太平洋戦争中期以降は、潜水艦を島嶼への輸送任務に充てなければならない事態となり、潜水艦にとって不本意な役割を負ったのでした
【 「伊175」について 】
●潜水艦「伊175」は、「伊174型」の2番艦として1938年12月に竣工しました(当初は「伊75」という名称)
●太平洋戦争開戦時、「伊175」は多数の潜水艦と共にハワイ沖に展開、真珠湾攻撃に参加して不時着した航空機の乗員の救助や、攻撃により出撃して来る敵艦隊を迎撃する任務を負っていました
●真珠湾攻撃後、「伊175」はハワイの発電施設などを砲撃、貨物船1隻を撃沈する戦果を挙げます
●しかし、ハワイはアメリカ太平洋艦隊の本拠地であることから守りは堅固であり、それ以上の深追いをすることなく、日本軍の基地があるクエゼリンへと帰還しました
●その後、「伊175」は「ミッドウェー海戦」に参加、同海戦後はオーストラリア沿岸部に展開して通商破壊戦に従事、貨物船2隻を撃沈する戦果を挙げます
●一旦、内地に帰還して本格的な整備を行った「伊175」は1943年11月にギルバート諸島に向けて出撃しました
●索敵任務中にアメリカ艦隊からのレーダーに捉えられますが、これを装備していた「逆探」によって探知、急速潜行によりアメリカ艦隊からの攻撃を受けることなく、この艦隊へと突進します
●アメリカ艦隊の輪形陣をすり抜けた「伊175」は、艦載機の発艦のために直線状に航行していた護衛空母「リスカム・ベイ」に向けて魚雷を発射、1本の魚雷を命中させることに成功します
●魚雷を被雷した「リスカム・ベイ」は弾薬庫が誘爆を起こして艦尾を喪失、その身を沈めて行きました
●アメリカ艦隊からの執拗な攻撃を受けつつも「伊175」は戦場を離脱、帰還することに成功しています
●その後、「伊175」はマーシャル諸島に展開しますが、アメリカ海軍の駆逐艦からの爆雷攻撃を受け、その生涯を閉じたのでした