日本海軍 重巡洋艦 妙高 (フルハルモデル)
「日本海軍 重巡洋艦 妙高 (フルハルモデル) (プラモデル) (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.032 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の重巡洋艦「妙高」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●兵装を重視し、日本海軍の重巡洋艦の基本スタイルを確立した重巡洋艦「妙高型」の1番艦「妙高」を再現、5基の主砲塔を背負い式に装備し、引き締まった艦橋構造物を設置、スマートな船体に重厚な武装を搭載した姿を再現した内容となっています
●フジミ社製「日本海軍重巡洋艦 妙高」をベースとしたフルハルバージョンで、フルハル用の艦底部とディスプレイスタンドなどを新にセットしています
【 「日本海軍 重巡洋艦 妙高 フルハルモデル」のキット内容について 】
●日本海軍の重巡洋艦「妙高」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ社の「特シリーズ」の初期フォーマットに沿って重巡洋艦「妙高」を再現、パーツ数を抑えながら、スライド金型を用いた造型と繊細なモールドで日本の重巡洋艦特有の複雑で重厚な構造を再現した内容となっています
●「妙高」は太平洋戦争中、改装により対空兵装の増強が行われており、本キットでは第2次改装後(太平洋戦争開戦時)の姿と、対空兵装を強化した1944年の姿とを選択して作製することができます
●フジミ社製特シリーズの「日本海軍重巡洋艦 妙高」をベースに艦底部を再現したパーツをセット、スクリュー部までも再現したフルハルモデルとなっています
●「妙高」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は一体成型のパーツで再現
・ 船体には「バルジ」「シェルター甲板」を一体成型化して再現しており、スライド金型を使用して「魚雷発射管口」を開口しています
・ 「舷外電路」「プロペラガード」「舷窓」「フェアリーダー」などのディテールをモールドで再現しています
・ 艦底部には2基の「スクリュー」を別パーツ化して再現、「推進軸」も含めてそれぞれ3パーツで構成しています
・ 「舵」を再現したパーツ1個をセット
●上甲板は、艦首甲板と、船体に一体成型化した中央甲板、艦尾甲板とで構成
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム貼り表現、滑り止めなどの基本構造の他、「リール」「ボラード」「昇降口」などの細かなディテールを再現しています
●前後のシェルター甲板は、それぞれ一体成型のパーツで再現
・ 甲板上には、リノリウム貼り表現やカタパルト台座などの基本構造の他、「航空機運搬軌条」「ターンテーブル」などの細かなディテールをモールドで再現しています
・ シェルター甲板下の「魚雷発射管」は個別にパーツ化、「予備魚雷」も付属しています
「妙高」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は、6層で構成、各層を積み上げて艦橋を完成させます
・ 艦橋前面はパネル状の別パーツで再現、「窓」「管」などを繊細なモールドで再現しています
・ トップの「主砲射撃指揮所」は別パーツ化して再現しています
・ 艦橋は、防空指揮所が小さい「第2次近代化改装時」の状態と、防空指揮所を拡大した「1944年時」の状態とを選択して作製することができます
・ 「艦橋窓」は窓の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています
・ 艦橋に装備する、「3.5m測距儀」(×2)、「探照灯」(×2)、「測的盤」(×2)、「91式高射装置」(×2)、「22号電探(1944年時)」(×2)、「25mm連装機銃(1944年時)」(×2)、「13mm連装機銃(第2次近代化改装時)」(×2)、「方位測定器」(×1)などを別パーツ化しています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型で、前後に分割したパーツ構成で再現しています
・ メインマストは「第2次近代化改装時」と「最終時」の2種のパーツをセット、選択して作製します
・ メインマストに装備する、「21号電探(1944年時)」(×1)、「方位測定器(第2次近代化改装時)」(×1)を別パーツ化して再現
● 煙突
・ 第1、第2煙突は左右に分割したパーツ構成で、トップは別パーツ化して再現しています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ 三脚檣部分は前後に分割したパーツ構成で、上部の単檣とクロスツリー部はそれぞれ一体成型のパーツで再現しています
・ 「クレーン」は別パーツ化して再現
・ 後檣に装備する、「13号電探(1944年時)」(×1)を別パーツ化
●探照灯台座
・ 探照灯台座は左右に分割したパーツ構成、探照灯のスポンソンは一体成型のパーツで再現しています
・ 探照灯台座に装備する、「探照灯」(×4)を別パーツ化して再現しています
●機銃台座
・ 機銃台座部分は一体成型のパーツで再現
・ 台座に装備する、「25mm連装機銃」(×2)を別パーツ化しています
●後部艦橋
・ 後部艦橋は2層のパーツで構成、各スポンソンは別パーツ化しています
・ 後部艦橋に装備する、「主砲射撃指揮装置」(×1)、「25mm連装機銃」(×2)などを別パーツ化
●カタパルト 「呉式2号5型 射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現しています
●主砲塔部 「50口径 3年式 20cm連装砲 D型」 ×5
・ 砲塔は一体成型のパーツで再現、砲身部分は1本づつ独立したパーツとなっています
・ 砲身部分には防水カバーをモールドで再現しています
・ 「測距儀」は別パーツ化して再現
・ 主砲塔は基部に内蔵するポリキャップにより旋回させることができます
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 A1型改1」 ×4
・ 高角砲は、シールド部分と連装状に一体成型した砲身の2パーツで構成しています
・ 砲身基部には防水カバーを再現しています
・ 円形の高角砲台座を別パーツ化して再現
●魚雷発射管 「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×4
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現
●対空機銃(第2次近代化改装時) 「13mm連装機銃」 ×2、「25mm連装機銃」 ×6
●対空機銃(1944年時) 「25mm3連装機銃」 ×4、「25mm連装機銃」 ×6
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現
・ 「妙高」の1944年時に増設された機銃用のブルワークは個別にパーツ化しています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9m内火艇 ×2
・ 9m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×4
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 主錨、副錨
・ 菊花紋章
などをセットしています
●艦載機
・ 艦載機として「零式水上偵察機」(×2)、「零式水上観測機」(×2)が付属しています
・ 艦載機は、胴体、上部翼、フロートに分割したパーツ構成となっています
●艦尾の軍艦旗、艦載機の日の丸マーク、識別帯、艦載艇の艦名表示などを再現したデカールが付属しています
●展示用のディスプレイスタンドが付属しています
【 「日本海軍 重巡洋艦 妙高 フルハルモデル」のパッケージ内容 】
・ 重巡洋艦 妙高(フルハルモデル) ×1
・ 零式水上偵察機 ×2
・ 零式水上観測機 ×2
・ ディスプレイスタンド ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 艦底部など一部新金型 (フジミ社製「日本海軍重巡洋艦 妙高」をベースとしたフルハルバージョン)
【 「重巡洋艦 妙高型」について 】
●第1次世界大戦後の軍縮条約は1922年の「ワシントン海軍軍縮条約」と1930年の「ロンドン海軍軍縮条約」の2度に渡り条約の締結を行いました
●この2度の条約締結は、「ワシントン海軍軍縮条約」では戦艦などの主力艦艇の保有制限、「ロンドン海軍軍縮条約」では巡洋艦以下の補助艦艇の保有制限が定められたものと認識されていますが、「ワシントン海軍軍縮条約」では、巡洋艦は排水量10,000t以下、主砲は20.3cm以下の砲を搭載する艦として定義付けも行われいます
・ 軍縮条約締結以前の艦種は、その国の海軍の「自称」によるもので、艦種を区別する明確な線引きはありませんでした
・ ワシントン軍縮会議では「巡洋艦」の定義付けが行われただけで、その保有制限は「ロンドン海軍軍縮条約」で定められています
●重巡洋艦「妙高型」は、この「ワシントン海軍軍縮条約」下の巡洋艦の定義に従って設計された艦で、排水量10,000t、主砲として20.3cm砲を装備する巡洋艦として1924年から建造が行われてました
●重巡洋艦「妙高型」は、この後の日本海軍の艦艇設計に大きな影響を与えた造船技師「平賀譲」が設計した艦で、列強国と比べて劣勢な日本海軍が個艦の能力を引き上げるという要求を受けて、前型である重巡洋艦「古鷹型」を拡大、兵装を大幅に強化した艦となりました
●主砲は、「古鷹型」が20.3cm砲を6門(当初は5門)装備していたのに対して、「妙高型」では連装砲5基10門へと増強、魚雷兵装も倍増しており、極めて強力な兵装を持つ巡洋艦となっています
●この重巡洋艦「妙高型」は、列強国の同クラスの巡洋艦と比較してもその兵装の強力さは突出しており、イギリス海軍の士官はその姿を見て「飢えた狼」と称する程でした
・ 「飢えた狼」とは、兵装を重視した艦としての褒める意味と、攻撃力を重視し過ぎているという蔑みの意味と、2つの意味が含まれているものと言われています
・ ただし、当時のイギリス海軍の艦艇は世界中で展開する必要から航洋性と居住性を重視しなければならないという事情があり、太平洋戦域だけでの運用を考慮した「妙高型」とは仕様が異なるのは当然とも言えます
●重巡洋艦「妙高型」は、その後の日本海軍の重巡洋艦の雛形となり、「高雄型」はその拡大型として建造、「利根型」「最上型」は大型軽巡洋艦として設計されているものの、その設計には「妙高型」が大きく影響しています
●重巡洋艦「妙高型」は、1930年代の中期と後期にかけて2回の近代化改装を受けており、対空兵装の強化、防御力と重兵装による重心の安定化を図ってバルジを増設、これにより排水量は14,000tへと拡大しました
●太平洋戦争開戦後の重巡洋艦「妙高型」の4隻は、重巡洋艦の主力として各地を転戦、その攻撃力を如何なく発揮して日本海軍の作戦行動を支える存在となっています
【 「重巡洋艦 妙高」について 】
●重巡洋艦「妙高」は、重巡洋艦「妙高型」の1番艦として1929年に竣工しました
●太平洋戦争開戦後、重巡洋艦「妙高」はフィリピンへと進出、同方面の攻略作戦に従事します
●1942年1月のダバオ攻略作戦ではアメリカ軍の爆撃機「B-17」の爆撃を受けて損傷、内地へと帰還しました
●修理が完了した重巡洋艦「妙高」はスラバヤ沖海戦に参加、イギリス海軍の重巡洋艦「エクゼター」などを撃沈する戦果を挙げます
●その後も重巡洋艦「妙高」は、ミッドウェー海戦やソロモン海域における主要な海戦に参加、重巡洋艦の主力として活躍しました
●1944年6月のマリアナ沖海戦、1944年10月のレイテ沖海戦にも参加、レイテ沖海戦では水上戦力の主力部隊である「栗田艦隊」に編入され、レイテ島目指してフィリピン中央部を突き進みましたが、シブヤン海でアメリカ軍機による攻撃を受けて、魚雷1本を被雷します
●この損傷により重巡洋艦「妙高」は艦隊に追従できず、戦列を離れて戦場を離脱します
●損傷した「妙高」は内地に向けて帰路の途に付きますが、サイゴン沖においてアメリカ潜水艦の雷撃を受けて艦尾を切断するという損害を受けます
●重巡洋艦「妙高」は臆せず、装備している電探によって浮上していたアメリカ潜水艦に砲撃を加えて大破させ、自ら活路を切り拓きました
●航行不能となった重巡洋艦「妙高」は、僚艦に曳航されてシンガポールへと到達、悪化する戦況により修理は諦められ、係留されて防空砲台として運用、そのまま終戦を迎えます
●終戦によって重巡洋艦「妙高」はイギリス軍へと引き渡され、1946年7月マラッカ海峡での海没処分によりその栄光の生涯を閉じたのでした