USS エンタープライズ CV-6
「USS エンタープライズ CV-6 (プラモデル) (メリットインターナショナル 1/350 艦船 No.65302 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ海軍の航空母艦「CV-6 エンタープライズ」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時のアメリカ海軍の最武勲艦である航空母艦「CV-6 エンタープライズ」を再現、中型高速空母として建造された端整なシルエットを再現した内容となっています
●メリットインターナショナル社製「アメリカ海軍 航空母艦 CV-5 ヨークタウン 1943年」をベースに、飛行甲板、艦橋、スポンソンの一部、機銃などを新規パーツに変更したバリエーションキットです
【 「USS エンタープライズ CV-6」のキット内容について 】
●アメリカ海軍の航空母艦「CV-6 エンタープライズ」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●1/350スケールのビックサイズで「CV-6 エンタープライズ」を再現、大スケールの解像度を活かして、飛行甲板の木甲板表現などのディテール、各種スポンソンなどの航空母艦ならではの複雑な構造、レーダーなどの電子兵装を細やかに再現した内容となっています
●船体や艦橋部の手摺り、ラッタル、レーダーなどを再現するエッチングパーツ、アンカーチェーンを再現する金属製チェーンをセットしていますので、本キットのみでもディテール感溢れる「CV-6 エンタープライズ」の姿を再現することができます
●格納庫内部も再現、艦載機も付属していますので、エレベーターや舷側のシャッターごしに見える格納庫内部の様子を楽しむこともできます
●「CV-6 エンタープライズ」は太平洋戦争開戦後、逐次対空兵装を中心に改修が行われており、キットは「40mm 4連装機銃」を装備した、1942年8月の「第2次ソロモン海戦」後の姿を再現しています
・ 本キットには艦載機として「TBD デバステーター」が付属していますが、「CV-6 エンタープライズ」での同機の運用は「ミッドウェー海戦」までとなるようです
●喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルです
●「CV-6 エンタープライズ」は、「船体」「上甲板」「格納庫」「飛行甲板」「艦橋構造物」「高角砲などの艤装類」の各ブロックで構成しています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、飛行甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体部は、船底部分も含めて一体成型のパーツで再現
・ 船体下部には「ビルジキール」「デッドウッド」を一体成型化して再現、「スクリュー」「舵」「推進軸」「支柱」は別パーツ化しています
・ 舷側部には「舷窓」「ホースパイプ」などの細かなディテールを再現
・ 船体全体にはブロック状になった鋼板の継ぎ目を強めの凸状のモールドで再現しています
●上甲板は、格納庫の甲板と合わせて艦首部分と船体中央部分とに分割した2パーツで構成
・ 格納庫部分は鋼板のパネルラインを凹モールドで再現
・ 艦首上甲板には「アンカーチェーン導板」をモールドで再現しています
・ 上甲板の各部の「手摺り」を再現するエッチングパーツが付属しています
・ 「アンカーチェーン」を再現する金属製チェーンが付属
●格納庫は、上甲板上に各壁面パーツを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 格納庫の壁面パーツには、「舷窓」「グリル」を彫刻、格納庫の「シャッター」部分は開口しており、「シャッター」は1枚ずつ個別に別パーツ化しています
・ 格納庫の舷側部分のスポンソン、フラットは1ブロックごとに分割してパーツ化しています
●格納庫内部を再現しています
・ 壁面部分のディテールをモールドで再現、格納庫内部に存在する飛行甲板の支柱、飛行甲板の桁などを別パーツ化して再現しています
●飛行甲板は、船体前部の遮風柵の部分で分割した2パーツで構成、エレベーターは別パーツ化しています
・ 飛行甲板上には、横方向となる木甲板表現、甲板継ぎ手、グレーチングなどのディテールをモールドで再現
・ 艦首と艦尾の飛行甲板裏側には細かな桁を再現、それぞれ甲板パーツ下に一体成型化して再現しています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツ化しています
「CV-6 エンタープライズ」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋構造物
・ 艦橋構造物はスライド金型を使用して一体成型のパーツで再現、これに羅針艦橋、戦闘艦橋、各スポンソン、側面通路などを取り付けて作製します
・ 艦橋の「舷窓」「扉」「配管」などをモールドで再現
・ 羅針艦橋は一体成型のパーツで再現、「艦橋窓枠」は窓の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています
・ 煙突トップは別パーツ化、「ファンネルキャップ」はエッチングパーツで再現します
・ 艦橋の各部の「手摺り」を再現するエッチングパーツが付属しています
・ 艦橋の各部の「ラッタル」「梯子」はエッチングパーツで再現します
・ 艦橋に装備する、「20mm単装機銃」(×3)、「射撃指揮装置」(×2)、「探照灯」(×4)などを別パーツ化しています
●戦闘艦橋
・ 戦闘艦橋は3層で構成、下部の支柱は1本ずつ分割したパーツを組み合わせて作製します
・ 戦闘艦橋の窓枠はエッチングパーツで再現、窓の部分は開口しています
・ 艦橋下部の支柱のステーはエッチングパーツで再現します
・ 上部のマストは柱とヤードの2パーツで構成、梯子はエッチングパーツで再現します
・ 上部のレーダーは、エッチングパーツにて再現、下部のレーダー支柱はプラパーツです
●高角砲スポンソン、機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツ化
・ スポンソンの「手摺り」を再現するエッチングパーツが付属しています
●高角砲 「38口径 5インチ両用砲 Mk.12」 ×8
・ 高角砲は、砲身部と砲架との2ブロックで構成、砲身部は4パーツで構成しています
・ 高角砲の砲架の「手摺り」を再現するエッチングパーツが付属
●対空機銃 「ボフォース 40mm 4連装機銃」 ×4
・ 4連装機銃は、連装状となった銃身2パーツと、上下に分割した砲架とで構成
●対空機銃 「75口径 1.1インチ 4連装機銃 Mk.1」 ×4
・ 4連装機銃は3パーツで構成
●対空機銃 「エリコン 20mm単装機銃 (シールド付き)」 ×23、「12.7mm単装機銃」
・ 単装機銃は一体成型のパーツで構成、シールドはエッチングパーツで再現します
●クレーン
・ クレーンは支柱と、エッチングパーツによるアームとワイヤーで構成
●艦載機が付属しています
・ F4F ワイルドキャット ×5
・ SBD ドーントレス ×5
・ TBD デバステーター ×5
●艦載機は、左右分割の胴体、カウリング、プロペラ、キャノピー、主翼、翼端、水平尾翼、脚に分割したパーツ構成となっています
・ 艦載機はクリア成型のパーツ
・ 「F4F」「TBD」は翼端を畳んだ状態と展開した状態とを選択して作製することができます
●内火艇、カッターなど
・ 内火艇 ×4
・ カッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 錨
・ ボラード
・ ラッタル(エッチングパーツ)
・ 梯子(エッチングパーツ)
・ パラベーン
・ リール
などをセットしています
●ネームプレートとディスプレイスタンドが付属しています
●「CV-6 エンタープライズ」のマーキングとして、カラー塗装図に1種類の塗装例を記載しており、飛行甲板の表示線、艦番号、艦載機の国籍マークなどを再現したデカールが付属しています
●「USS エンタープライズ CV-6」の完成時のサイズ
・ 全長 : 約72cm
【 「USS エンタープライズ CV-6」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 CV-6 エンタープライズ ×1
・ F4F ワイルドキャット ×5
・ SBD ドーントレス ×5
・ TBD デバステーター ×5
・ エッチングシート ×4
・ デカールシート ×1
・ 金属製チェーン ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ ネームプレート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ カラー塗装図 ×1
●2015年 一部新金型
【 「航空母艦 ヨークタウン級」について 】
●第2次世界大戦前、日本海軍と同様、アメリカ海軍は日本を仮想敵国としており、日本の軍備に合わせて建艦競走を行っていました
●もっとも、航空母艦の運用方法については日本海軍と同じような試行錯誤を繰り返しており、アメリカ海軍初の航空母艦「CV-1 ラングレー」の建造後に運用方の基礎を確立、ワシントン軍縮会議の結果を受け巡洋戦艦を転用する形で「レキシントン級」の大型空母が誕生します
●1934年、アメリカ海軍初となる新造方式の航空母艦「CV-4 レンジャー」が竣工、ただし、この艦は実験艦の意味合いが強く、この「「CV-4 レンジャー」での運用試験と結果を反映させる形で建造されたのが航空母艦「ヨークタウン級」です
●「ヨークタウン級」は排水量20,000tクラスの中型高速空母で、日本海軍の航空母艦「飛龍」「蒼龍」に対抗して建造を進め、1番艦「CV-5 ヨークタウン」が1937年、2番艦「CV-6 エンタープライズ」が1938年に竣工します
・ 3番艦である「CV-8 ホーネット」は「ヨークタウン級」を若干拡大した「改ヨークタウン級」となります
●航空母艦「ヨークタウン級」は、艦載機の主翼の折り畳み機能とを併用しながら、格納庫内に吊り下げ式に艦載機を格納することで、中型空母ながら予備を含めると100機以上を搭載する大型空母並みの機数を格納し、この搭載機数は日本海軍の「赤城」「加賀」をも凌駕していました
●また、この艦の最大の特徴として挙げられるのが、オープンハンガーと呼ばれる開放型の格納庫で、この格納庫は一見すると防御に適さない方式に映りますが、被弾時の爆風を逃すことができ、さらに気化した揮発燃料を逃しやすく、被弾により炎上を起こした艦載機をそのまま海上に投棄することも可能でした
・ 「レキシントン級」と、日本海軍の航空母艦では、閉鎖型の格納庫を採用、この方式は波浪に強いという長所を持っていましたが、気化した航空燃料により爆沈してしまう例が少なくありませんでした
●このような搭載機の多さと堅牢な防御力は、「珊瑚海海戦」「ミッドウェー海戦」、そしてその後のソロモン海を巡る海戦において「ヨークタウン級」が活躍する要因となりました
●「ヨークタウン級」は以後のアメリカ海軍の航空母艦の雛形となり、「ヨークタウン級」の拡大、発展型として「エセックス級」が登場することになるのです
【 「CV-6 エンタープライズ」について 】
●「CV-6 エンタープライズ」は「ヨークタウン級」の2番艦として、1938年5月に竣工しました
●太平洋戦争開戦時、「CV-6 エンタープライズ」はウェーキ島への航空機輸送を行っており、真珠湾攻撃から逃れることができました
●日本海軍の機動部隊がオーストラリア沿岸やインド洋へと転戦している間、「CV-6 エンタープライズ」は日本軍の最前線であるマーシャル諸島やギルバート諸島への空襲を行い、艦艇や航空機が撃破しています
●1942年5月、アメリカ軍は東京への空襲を企画、「CV-6 エンタープライズ」は陸軍の双発爆撃機「B-25」を搭載した「CV-8 ホーネット」を護衛して日本近海へと進出、無事に任務を全うします
●1942年6月、東京初空襲を受けて日本海軍は哨戒線を前方へと伸ばすために「ミッドウェー島」の攻略作戦を立案、総力を挙げてその攻略を開始します
●日本海軍を動きを察知したアメリカ海軍は「CV-6 エンタープライズ」を含む「ヨークタウン級」3隻によって先鋒の日本機動部隊を迎撃、激戦の末に空母4隻を撃沈する戦果を挙げます
●1942年8月、アメリカ軍は反攻としてソロモン海域のガダルカナル島への上陸を開始、以後このソロモン海域が日米の戦いの焦点となります
●「CV-6 エンタープライズ」は、アメリカ海軍の貴重な空母戦力としてソロモン海の戦いに従事、「第2次ソロモン海戦」「南太平洋海戦」など、重要な戦いの全てに参加します
●この日米の激闘により、アメリカ海軍の空母は次々と失われ、その空母戦力は「CV-6 エンタープライズ」1隻のみという状況にもなりますが、同艦は孤軍奮闘し、戦い抜きました
●1943年に入るとアメリカ軍が優勢となり、日本海軍は空母戦力の温存と練成を図りますが、戦況がそれを許さず、練成した航空隊を次々と最前線に送り出さなければならない事態となります
●このため、空母決戦として挑んだ1944年6月の「マリアナ沖海戦」で日本海軍は惨敗、以後日本海軍は空母運用が不可能となりました
●「CV-6 エンタープライズ」はこのような日本海軍の経緯から「マリアナ沖海戦」以後は空母同士の戦いを行う機会はなく、アメリカ軍が攻略する周辺海域の掃討が主な任務となります
●更に、1944年10月の「レイテ沖海戦」以降は日本海軍の組織的な反撃は皆無となり、輸送船団の上空護衛と日本軍の拠点への空襲、そして1945年からは日本本土への空襲などに従事しました
●1945年5月、沖縄戦を支援していた「CV-6 エンタープライズ」に対して日本軍の特攻機1機が突入、飛行甲板に甚大な損傷を受けて「CV-6 エンタープライズ」は戦列を離れます
●本国に帰還した「CV-6 エンタープライズ」は修理が終わった段階で終戦を向かえ、その後は復員任務に従事します
●アメリカ海軍での最武勲艦である「CV-6 エンタープライズ」は1947年に退役、1960年に解体が行われ、その栄光の生涯を閉じたのでした