日本海軍 重巡洋艦 利根 1944年10月 デラックス (エッチングパーツ付)
「日本海軍 重巡洋艦 利根 1944年10月 デラックス (エッチングパーツ付) (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ SPOT No.特SPOT-046 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の重巡洋艦「利根」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●水上偵察機を5機搭載する能力を持ち、機動部隊の目として活躍した重巡洋艦「利根」を再現、主砲を前方に集中配置し、艦尾に航空機作業甲板を備えた、特異なシルエットを再現した内容となっています
●フジミ社製「日本海軍重巡洋艦 利根 レイテ 1944年10月」と、同キット対応のエッチングパーツ「日本海軍重巡洋艦 利根 専用エッチングパーツ」とをワンパッケージとした限定デラックスバージョンです
・ キットとエッチングパーツとを個別に揃えるよりも、価格的にお得な内容となっています
【 「日本海軍 重巡洋艦 利根 1944年10月 デラックス (エッチングパーツ付)」のキット内容について 】
●日本海軍の重巡洋艦「利根」を再現したプラスチック組立てキットです
●本キットでは、従来の1/700のスケールでは表現方法の限られた煙突部の手摺り、航空機軌条などを繊細なディテールで実感豊かに再現、付属しているエッチングパーツを使用することで、細かな構造物を密集して搭載する艦船モデルならではの密度の高い姿を楽しむことができる内容となっています
●重巡洋艦「利根」は、太平洋戦争開戦後、対空兵装の増強等が繰り返されており、本キットでは1944年後半の状態(レイテ沖海戦時)を再現しています
●喫水線までを再現した洋上モデルです
●「利根」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は喫水線ラインで上下に分割したパーツで構成
・ 船体は一体成型となったパーツで再現、舷側には舷窓、舷外電路、フェアリーダーなどのディテールをモールドで再現しています
・ 船体部の魚雷発射管口は開口した状態となっています
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、船首甲板、シェルター甲板、航空機作業甲板に分割したパーツ構成となっています
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、航空機運搬用レールの基本構造の他、リール、ボラード、昇降口、天窓、通風筒などの細かなディテールをモールドで再現しています
「利根」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は5層で構成、トップの測距儀、射撃指揮所は別パーツとなっています
・ 羅針艦橋の窓の部分はクリアパーツで、窓の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています
・ 艦橋前部の窓などをスライド金型を使用して繊細なモールドで再現しています
・ 艦橋の上下部には遮風装置を立体的なモールドで再現
・ 艦橋側面のラッタル、前檣楼支柱などを別パーツ化しています
・ 艦橋部分を構成する、「94式高射装置」(×2)、「探照灯」(×2)、「方位測定器」(×1)、「25mm3連装機銃」(×2)などを別パーツ化しています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ 三脚檣部分と単檣部分をブロック化、それぞれ前後に分割したパーツで再現しています
・ マスト中央の方位測定室を一体成型化、側面の窓もモールドで再現しています
・ マスト上に装備する、「21号電探」(×1)、「22号電探」(×2)を別パーツ化
● 煙突
・ 本体部分は左右に分割したパーツで再現、煙突トップ部は別パーツとなっています
・ 雨水カバー部は開口しており、煙突内部の整流板を別パーツ化し再現しています
・ 前側面の小煙突は別パーツ化しています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ 三脚檣部分は前後に分割したパーツ構成、単檣部分は一体成型のパーツで再現、クロスツリーは別パーツ化しています
・ マスト部に存在する煙観測所などを再現、側面の窓もモールドで再現しています
・ マストの梯子もモールドで再現
・ マスト上に装備する、「13号電探」(×1)を別パーツ化
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分のトラス構造を精密な彫刻で再現しています
・ 台座に装備する、「110cm 探照灯」(×6)、「60cm 探照灯」(×4)を別パーツ化、クリアパーツで再現しています
●カタパルト 「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して射出機上部のディテールもモールドで再現しています
・ カタパルトのトラス部分は精密な彫刻で再現
●後部構造物
・ 艦載機の予備フロート収納台、予備翼収納庫をパーツ化、装備する「フロート」(×4)、「予備翼」(×4)が付属しています
●主砲塔部 「50口径 3年式2号 20cm砲」 ×4
・ 砲塔は上下に分割したパーツで再現、砲身は1本づつ個別にパーツ化しています
・ 砲身基部には防水カバーを再現しています
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 2番主砲塔に存在する空中線支柱は2パーツで構成
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲はシールドと砲身、砲架の3パーツで構成、砲身は連装状に一体成型となっています
・ 砲身の角度は自由な位置に固定できます
・ 円形の高角砲台座は1パーツで再現、横に付けられる射界限度を示す構造物を別パーツ化しています
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×8、「25mm 連装機銃」 ×4、「25mm 単装機銃」 ×23
・ 各機銃は1パーツで再現、単装機銃には下部の台座を一体成型化しています
●対空機銃座として
・ 煙突部 3連装機銃用 2基用 台座 ×1
・ 後部構造物 3連装機銃 2基用 台座 ×1
・ 後部構造物 連装機銃 2基用 台座 ×1
・ 対空兵装強化時に設置した「艦橋前側面機銃台座(×2)」「後部機銃台座(×2)」
をセットしています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×4
・ 6mカッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 応急舵
・ 菊花紋章
・ 係船桁
・ 舷梯
・ パラベーン
などをセットしています
●艦載機として
・ 零式水上偵察機 ×4
が付属、クリアパーツで再現しています
【 付属しているエッチングパーツについて 】
●フジミ社製「日本海軍重巡洋艦 利根 専用エッチングパーツ 」が付属しています
●エッチングパーツで再現しているディテールアップポイントは
・ 船体、艦橋、砲塔部などの各種手摺り(脚無しタイプ、一部弛み表現付き)
・ 艦橋窓枠
・ 梯子
・ ラッタル
・ 舷梯
・ 錨見台
・ リール
・ 係船桁
・ 21号電探 ×1
・ 13号電探 ×1
・ 方位測定器 ×1
・ 空中線支柱
・ クレーン
・ クレーンワイヤー
・ ボートダビッド
・ ボート架台
・ 高角砲台座(ブルワーク含む) ×4
・ 高角砲射界限度枠
・ 機銃座(ブルワーク含む) ×4
・ 探照灯台座
・ 呉式2号5型カタパルト ×2
・ 艦載機補助翼格納庫
・ 航空機運搬台車 ×4
・ 滑走台 ×2
・ 艦載機用3翔プロペラ ×5
など、となっています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線を再現したデカールが付属しています
【 「日本海軍 重巡洋艦 利根 1944年10月 デラックス (エッチングパーツ付)」のパッケージ内容 】
・ 重巡洋艦 利根 (レイテ沖海戦時) ×1
・ エッチングシート(「日本海軍重巡洋艦 利根 専用エッチングパーツ 」) ×1
・ 零式水上偵察機 ×4
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ エッチングパーツ取り付け説明書 ×1
●スポット生産品
【 「重巡洋艦 利根」について 】
●日本海軍は艦隊航空戦力の創成期において、航空機が偵察用、あるいは攻撃の兵器として利用が可能と判断して積極的に戦力化を進めました
・ これは、列強と比べて主力艦の戦力が劣勢で、航空機により少しでも有利に戦いを進められると考えられたためです
●特に航空機が固定脚の時期(大戦間の時期)では、通常の航空機(艦上機)とフロート付きの航空機(水上機)との性能の差が少なく、水上機の活用が積極的に進めています
●1930年のロンドン軍縮会議にて巡洋艦を含む補助艦艇の総排水量トン数の制限が定められると、重巡洋艦は建造中の「高雄型」をもって条約の制限を満たすこととなったため、やむなく軽巡洋艦の枠内を使用することで、従来の単装砲を中心とした艦艇と異なる新型の軽巡洋艦の設計が行なわれることになります
●この条約の制限をくぐりぬける新型艦として建造されたのが「最上型」4隻と「利根型」2隻の大型軽巡洋艦です
●日本海軍は将来的な条約脱退を考慮し、両艦共に主砲は重巡洋艦の定義でもある「20cm砲」の換装が可能なように設計しており、「最上型」は一旦軽巡洋艦として完成するも、条約脱退後は直ちに「20cm砲」への換装が行なわれました
●一方「利根型」は、「最上型」よりも後に竣工したため、最初から「20cm砲」を搭載した重巡洋艦として誕生しています
●「利根」型の特徴は、主砲を艦の前部に集中し後部に広く航空作業甲板を持ったことで、これにより水上機の搭載機数は6機となり、大きな索敵能力を持つこととなりました
●また、主砲と航空機作業甲板とが離れることにより、主砲発砲時のブラスト(発砲炎)における搭載航空機の影響を受け難く、主砲の集中配置により主砲弾の弾薬庫の装甲強化を効率的に進めることができました
●このような設計思想の下、「重巡洋艦 利根」は1937年11月、同型艦の「筑摩」は1938年5月に竣工しています
●重巡洋艦「利根」は、僚艦「筑摩」と行動を共にし、太平洋戦争開戦時から海戦の主力となる空母機動部隊に配備され、「真珠湾奇襲攻撃」「インド洋沖海戦」「ミッドウェー海戦」「南太平洋海戦」などの主要な海戦に参加、その索敵能力により艦隊の目となる活躍を見せます
●ただし、アメリカ軍が十分な量の空母部隊を編成し、その艦上機が空を跳梁跋扈し始めると、水上機での索敵行動は徐々にままならなくなります
●また、水上機の運用は波の影響を受け易く、収容にも時間が必要(しかも収容時には艦が転舵できない)で、艦上機の性能が上がるにつれ鈍足の水上機の存在意義が問われるようになり、「マリアナ沖海戦」時頃からはそれが顕著となりました
●そのため、続く「レイテ沖海戦」においては重巡洋艦としての砲火力を重視、砲戦の主力部隊である「栗田艦隊」に配属しています
●レイテ沖海戦における「栗田艦隊」は、途中の空襲では戦艦「武蔵」に攻撃が集中、その「武蔵」を失いますが、アメリカの主力機動部隊が空母を主体とした北方の「小澤艦隊」へと向かったため、そのまま敵方に突き進みことができ、護衛空母を中心にしたアメリカ軍の機動部隊に遭遇し、交戦を開始します
●この戦いは「サマール沖海戦」と呼ばれ、「利根」は先陣を切って敵艦隊に突入して痛打を与え、艦隊全体としては護衛空母の「ガンビア・ベイ」を撃沈するなどの戦果を挙げますが、アメリカ艦隊は艦載機を緊急発進させるなど必死の抵抗を見せ、その艦載機の攻撃により僚艦「筑摩」が戦没、「利根」も大きな損傷を受けて日本に帰還しました
●その後、修理を終えた「利根」は、国内の燃料事情の悪化から呉の江田島で練習艦として係留、1945年7月の空襲により大破着底して終戦を迎えています