M730A1 チャパラル 対空ミサイル
「M730A1 チャパラル 対空ミサイル (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35002 )」です
●冷戦時代後期におけるアメリカ軍の対空ミサイル車両「M730A1 チャパラル」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●装甲兵員輸送車「M113」の車台を利用して、短距離防空ミサイルシステム「M48」を搭載した「M730A1 チャパラル」を再現、ソ連軍の対空ミサイル車両とは異なり、開放式のキャビンを備えたシンプルな構造を再現した内容となっています
【 「M730A1 チャパラル」について 】
●第2次世界大戦においてアメリカ軍は世界最大規模の空軍力を持つようになり、戦後、これに対抗するためソ連軍は空軍力を着々と増強しましたが、それでもアメリカ軍の空軍力とは雲泥の差がありました
●このため、もし戦時ともなればアメリカ軍を中心としたNATO軍が制空権を握るのは明らかであり、ソ連軍を筆頭としたワルシャワ条約機構軍は西側の空軍力から地上部隊を守るために対空兵器の開発と整備に傾注することになります
●もっとも、制空権を握っている側の地上部隊は敵の航空機による脅威が全く無くなる訳ではなく、第2次世界大戦にも頻発したようにゲリラ的に航空攻撃が行われることも予測されていました
●特に、攻撃ヘリは前線近くで展開することができ、神出鬼没に地上部隊を襲撃することが可能で、制空戦闘機が到着する前に逃走、もしくは隠れることができました
●アメリカ軍では、このような敵航空機に対処するために対空兵器や対空車両を開発、ただし本格的な対空車両を必要としたソ連軍とは異なり、あくまでも非常時用として軽便な車両が中心となりました
●このような背景の下、1969年に制式化された対空ミサイル車両は「M730A1 チャパラル」で、装甲兵員輸送車「M113」の車台を利用し、専用のキャビンとプラットフォームを装備、プラットフォーム上に短距離防空ミサイルシステム「M48」を搭載していました
・ 短距離防空ミサイルシステム「M48」は、「MIM-72 ミサイル」を4発搭載するミサイル発射機で、「M730A1 チャパラル」だけではなく、スペースと重量制限をクリアすれば様々な車両への搭載が可能です
・ 「MIM-72 ミサイル」は、空対空ミサイル「AIM-9D サイドワインダー」をベースとしたミサイルで、赤外線追尾で敵航空機を自動的に捉えて撃墜するので、発射後の誘導は必要ありませんでした
●この「M730A1 チャパラル」は、20mm機関砲を装備した対空自走砲「M163」と共に運用が行われ、アメリカ軍の地上部隊を防空する役目を担いました
●1980年代に入ると、アメリカ軍は個人携行用の対空ミサイル「スティンガー」の配備を進め、さらに、この「スティンガー」を搭載した対空車両「アベンジャー」を開発します
●この「アベンジャー」は、多目的車両「ハンビィー」を車体に搭載したので、軽便さと生産コストの低下、そして機動性能にも優れているのが特徴です
●このため、「M730A1 チャパラル」は1990年代に入ると徐々に退役が進み、1998年には全車退役しています
●「M730A1 チャパラル」は、数少ない冷戦時代のアメリカ軍の対空車両として、確固たる地位を確立していたのです
【 「M730A1 チャパラル 対空ミサイル」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の対空ミサイル車両「M730A1 チャパラル」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●AFVクラブ社がパーツの細分化を進める前の時期に製品化したもので、1/35スケールとしてはオーソドックスなパーツ構成と、エッチングパーツを用いることなく、「M730A1 チャパラル」の現用車両らしい細かな構造をモールドを主体に再現した内容となっています
●「M730A1 チャパラル」は、「キャビン」「ミサイル発射機」「架台」「車体」の4ブロックで構成しています
【 キャビン 】
●キャビンの側面パネルは車体に一体成型化しており、これにフロアパネル、前面パネルを取り付けて作製します
・ 「前照灯ユニット」はそれぞれ一体成型のパーツで再現、「管制灯」は別パーツとなっています
・ 「ウインチ」は5パーツで構成
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ キャビン前部に装着する「フレーム」は1本ずつ個別にパーツ化、各2パーツで構成する左右のベースへと取り付けます
・ フロアパネルには、ベンチシートを一体成型化、「操縦席」「操行レバー」を別パーツ化しています
・ キャビン内部の「メーターパネル」などを別パーツ化して再現
●キャビン上部を覆う「蓋」のパーツが付属、装着の有無を選択できます
【 ミサイル発射機 】
●ミサイル発射機は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 発射機の「キャノピー」はクリアパーツで再現しています
・ 左右のミサイル用フレームは独立したパーツで再現
・ フレームのベース部分は発射機とは別パーツ化、完成後も上下に可動させることができます
・ 発射機内部を再現、座席、操作パネル、操作桿などを別パーツ化しています
●ミサイルは、一体成型のパーツで再現、前部のフィン2枚は別パーツ化しています
【 架 台 】
●架台は一体成型のパーツで再現
・ 発射機の台座部分は別パーツ化しており、完成後も左右に回転させることができます
【 車 体 】
●車体は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 後部のステップは別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 荷台部分は、フロアパネルと隔壁を取り付けることで作製します
・ 「サスペンションアーム」は車体に一体成型化しています
・ 「起動輪」「誘導輪」「転輪」は前後に分割したパーツで再現
●サイドスカートは左右それぞれ一体成型のパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、表面にラバーのパッドが付いた「M113」用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、接着が可能な軟質素材によるベルト式履帯にて再現
●発射機のキャノピーを再現するクリアパーツが付属
【 「M730A1 チャパラル」の塗装とマーキング 】
●「M730A1 チャパラル」のマーキングとして、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ陸軍所属車両
・ 台湾陸軍所属車両
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「M730A1 チャパラル 対空ミサイル」のパッケージ内容 】
・ M730A1 チャパラル ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●再販アイテム