SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル
「SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル (プラモデル) (ドラゴン 1/35 Modern AFV Series No.3515 )」です
●現用のソ連軍(ロシア軍)の「BRDM-2」の対空ミサイル装備型「9K31 ストレラ 1」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
【 「BRDM-2 SA-9対空ミサイル装備型」について 】
●ソ連軍の装甲偵察戦闘車の原点は、第2次世界大戦時にアメリカから供与された「M3 スカウトカー」に遡ります
●この「M3 スカウトカー」は、アメリカ軍では主に本国での使用に止まり、その役割をハーフトラックへと引き継いでいましたが、ソ連軍には余剰車輌として大量に供与され、戦車以外の機械化に遅れたソ連軍にとっては、数少ない兵員用装甲車輌として重宝されました
●第2次世界大戦が終結し、車輌の国産化を進めたソ連軍は、「M3 スカウトカー」の後継車両として「BTR-40」を開発・生産しますが、同車は性能的に「M3 スカウトカー」の延長線上の存在でしかなく、路外での機動能力は低く、オープントップ車輌のためにNBC防御能力も有していませんでした
●そこで、密閉型車体の「BRDM-1」を開発、ソ連軍及びワルシャワ条約機構軍に広く運用されることになります
●「BRDM-1」は、路外での機動力を向上させるため、車体中央部に補助輪を装備、必要に応じて下方に下げて、チェーンで駆動するという方式を採用しました
●また、同車は浮航推進能力を重視し、車体の先が船を連想させる傾斜のついた形状になっているのが特徴でした
●1966年、「BRDM-1」の改良型である「BRDM-2」が登場、「BRDM-1」が固有の武装を持たないのに対して砲塔式の武装を持ち、その砲塔には「14.5mm機関砲」と「7.62mm機関銃」を装備しています
●そして、車体形状も船形へと変更して実用面を向上させ、その代わりに車体前部にトリムベーンを装備しています
●「BRDM-2」は、生産性と使い勝手の良さから偵察用の車輌として「ソ連軍」「ワルシャワ条約機構軍」、そしてソ連の友好国で広く運用、2万両程度を生産し、現在においても8000両余りが使用され続けています
●また、「BRDM-2」は、車体に設けられた戦闘室のスペースを活かし、装甲車両のプラットフォームとしても流用され、「指揮通信型」や「対戦車ミサイル装備型」「対空ミサイル装備型」などのバリエーション車両が存在しているのです
●「BRDM-2 対空ミサイル装備型」は、「SA-9 ガスキン」対空ミサイルを4基搭載、車体両側面にそれぞれ1基の予備ミサイルを備え、主に部隊司令部用の対空車輌として運用されています
・ この車輌は、正式には「9K31 ストレラ 1」となりますが、ミサイルの名称をそのまま使用して「SA-9 ガスキン」と呼ばれる場合が多くなっています
●現在では「BRDM-2 対空ミサイル装備型」は、その任務を「SA-13 ゴーファ」を搭載した「MT-LB」装軌装甲車へと譲り、多くが退役もしくは他国へ売却されているようです
【 「SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル」のキット内容について 】
●このソ連軍の対空車輌「BRDM-2 対空ミサイル装備型(9K31 ストレラ 1)」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「BRDM-2 対空ミサイル装備型」をパーツ数を抑えて再現したドラゴン社のAFV開発初期のキット、細かなディテールの再現度は現在の同社に及ばないものの、ポイントを押さえたディテール再現と車体フォルムの造型、そして適度なパーツ分割で、AFVモデルとしてバランスの取れた内容となっています
●「BRDM-2 対空ミサイル装備型」は、「ミサイルランチャー部」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 SA-9 ミサイルランチャー部 】
●「SA-9 ガスキン」ミサイルランチャーは、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ ランチャー基部は10パーツで構成
・ 照準器用の窓はフレームのみをパーツ化しており、ウィンドは付属しているクリアフィルムを切り出して使用します
・ ランチャーは上下左右に可動させることができます
【 車体上部 】
●車体上部は、一体成型のパーツで再現、戦闘室上部、前面パネルは別パーツ化しています
・ 戦闘室前面のウィンドは、付属のクリアフィルムを切り出して再現します
・ 前面ウィンドの「装甲パネル」は開閉状態を選択できます
・ 操縦手席側の「上部ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現、前部両側面と後面パネルは別パーツ化しています
・ 「前部デファレンシャル」は8パーツで構成、ステアリングを左右に可動させることができます
・ 「後部デファレンシャル」は上下に分割したパーツで再現
・ 「補助輪」は、左右に分割したパーツで構成
●タイヤは、ホイール部とゴムの部分とに分割しています
・ ゴムの部分は軟質素材で、トレッドパターンをモールドで再現しています
【 「SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル」の塗装とマーキング 】
●「SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル」のマーキングとして、6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イラク軍所属車両
・ ポーランド軍所属車両
・ ソ連軍所属車両
・ ソ連海軍歩兵部隊所属車両
・ 東ドイツ軍所属車両
・ チェコスロバキア軍所属車両
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、親衛マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「SA-9 ガスキン 自走地対空ミサイル」のパッケージ内容 】
・ BRDM-2 対空ミサイル装備型 ×1
・ クリアフィルム ×1
・ デカールシート ×2
・ 組立て説明書 ×1