陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型
「陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型 (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.FM045 )」です
●1960年代に登場した陸上自衛隊の対戦車自走砲「60式自走無反動砲 B型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●普通科部隊が運用する対戦車自走砲として長らく運用されたた「60式自走無反動砲 B型」を再現、背の低い車体に連装式に「106mm無反動砲」を装備した、コンパクトながら力強さを感じさせるフォルムを再現した内容となっています
【 「陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型」のキット概要 】
●徹底したリサーチと、高い成型技術により細部再現を追及しながらも、スケールモデルとしてパーツ数を抑えた内容
●上部の開口部及びハッチから見える範囲の車体内部を再現
●砲架は上げた状態と下げた状態を選択可能
●ペリスコープ、ビジョンブロックはクリアパーツで再現
●履帯は、一部連結式
●塗装例はOD単色1種、マーキング例は3種、部隊表示、車体番号などを再現したデカールが付属
●乗員を再現したフィギュア2体が付属
【 「60式自走無反動砲」について 】
●第2次世界大戦時、重装甲化する戦車に対抗するために対戦車砲は巨大化の一途を辿り、大戦末期には陣地変換が困難になる程の大きさとなります
●このため、歩兵部隊と密接に行動することが困難となり、戦後になると対戦車砲の目的を戦車へと一元化し、対戦車砲車輌は実質的に消滅しました
●しかし、歩兵部隊に必ず戦車が随伴するようなことはできず、軽便な対戦車兵器として「無反動砲」、長射程の対戦車兵器として「対戦車ミサイル」が注目されるようになります
・ 「バズーカ砲」にも称される対戦車用の「ロケットランチャー」も存在していましたが、安定した砲架を持たないことから有効射程が短く、基本的に個人携行兵器として使用されていました
●「無反動砲」は後方へのブラストを逃がすことで砲の反動を抑える火砲で、反動を少なくすると砲架自体を小さくすることができ、比較的大口径の砲をコンパクトかつ軽量化することができました
●ただし、通常の火砲と比べて射程が短く、さらにブラストが大量に巻き起こることから、射撃すると自己の位置を暴露してしまうという欠点を持っています
●陸上自衛隊では、当初アメリカから装備を供与され、各種口径の無反動砲が配備されました
●この中で最大の口径を持つものが「105mm無反動砲 M27」で、威力は大きいものの、大口径になる砲の重量は普通科隊員が携行するには重く、基本的に車載もしくは車両運搬が前提となっていました
●しかし、上記のように無反動砲は射撃時に自分の位置を敵に悟られやすいために、車両運搬による設置型として運用するには無理があり、自走化を進めることになります
●この「105mm無反動砲 M27」の自走化の開発は1955年から始まり、試作段階では無反動砲2門、無反動砲4門の2タイプが作られて試行錯誤が繰り返され、1960年に制式化されたのが「60式自走無反動砲」です
●この「60式自走無反動砲」は、連装式に「60式106mm無反動砲」(「105mm無反動砲 M27」の後継の「106mm無反動砲 M40」を国産化したバージョン)を搭載、ブラストによる射撃位置の露見から身を守るために車体は小型化され、射撃後直ぐに陣地変換するという戦法を採りました
●背の低い小型の車体に砲を搭載したため、そのままでは仰角と俯角が充分に確保することができないのですが、砲架部分に昇降機能を与えることでこれを解決しています
●連装式に無反動砲を搭載した理由は、この無反動砲は隔螺式の閉鎖器から次発装填にかなりの時間が必要となるため、初弾を外しても、もう一方の砲で確実に次弾を命中させるということを意図したものでした
・ 無反動砲は、通常の火砲と比べて命中精度が落ちる傾向にあります
・ 初弾の命中精度を上げるために、「60式 106mm無反動砲」には、弾道特性が似ている「12.7mm スポッティングライフル」を装備、この銃弾の弾着を確認して無反動砲の射撃を行います
・ また、上記のように、無反動砲は後方にブラストが発生することから密閉型の戦闘室を設けることができず、次発装填には車外に出る必要があり、これは装填している2発の砲弾で戦闘の決着を付けなくてはならないことを意味しています
●「60式自走無反動砲」は、当初は師団対戦車隊に配備されましたが、後に各普通科連隊に配備転換され、普通科部隊が取り扱う大口径の直接照準火砲として貴重な装備となりました
●また、普通科隊員にとって「60式自走無反動砲」は直協の豆戦車という存在であり、隊員に与える心理的効果は大きなものがありました
●そのため、1960年代の第1世代の国産装備が続々と退役し始めた1990年代においても運用が続けられ、2008年における全車退役までの48年間という永きに渡って陸上自衛隊の主要装備の任を務めたのです
【 「陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型」のキット内容について 】
●この陸上自衛隊の対戦車自走砲「60式自走無反動砲 B型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ファインモールド社の高いリサーチ力と造型技術を用いて「60式自走無反動砲 B型」を再現、全体のフォルムを捉えながら、小型自走砲の細かな構造を同社ならではの繊細なモールドで再現しています
●「60式自走無反動砲」が持つ、車体各部の溶接跡、エンジンデッキをはじめとする各部のルーバー、各パネルに配置されたボルトなど、小型車両ながらもAFVとしての特徴を細やかに再現しながら、スケールモデルとして適度な省略や強弱をつけたモールドの表現力でパーツ数を抑え、模型本来の作る楽しさと完成後の精密感を感じることができる内容となっています
●上部の開口部やハッチから見える部分の車体内部を再現、砲架は上げた状態と下げた状態とを選択することができます
●乗員を再現したフィギュア2体が付属しています
●「60式自走無反動砲 B型」は、「砲及び砲架」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲及び砲架 】
●車体とは独立した砲及び砲架の構造を再現、スポッティングライフルなど、独特の砲の構造をパーツ数を抑えながら精密に再現しています
●連装状の「60式 106mm無反動砲」は、上下に分割」したパーツで構成、砲口部分と砲尾は別パーツとなっています
・ 「12.7mm スポッティングライフル」は一体成型のパーツで再現
・ 「閉鎖器」は各2パーツで再現、閉じた状態となります
●砲架は、前後に分割」したパーツで再現
・ 「上部ハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択することができます
・ 「上部ハッチ」などの「ビジョンブロック」や「ペリスコープ」はクリアパーツで再現
・ 「砲架」は、上げた状態と下げた状態とを選択できます
【 車体上部 】
●戦闘室とエンジンデッキ部分が低く、操縦席とスポンソン部が高くなった「60式自走無反動砲」の車体レイアウトを再現、各部のルーバー、パネルライン、ボルトなどを繊細かつ強弱を付けたモールドで再現しています
●車体上部は一体成型のパーツで再現、エンジンデッキと左右のフェンダーは別パーツとなっています
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」はクリアパーツで再現
・ 操縦手用の「シールド」が付属、クリアパーツで再現しており、取り付けの有無を選択できます
・ 後部の「砲弾ラック」は空の状態を再現、「蓋」は別パーツ化しており、開閉状態を選択することができます
・ 「排気管」は各2パーツに分割して再現、「排気管カバー」には特徴的なパンチング状の穴を丁寧なモールドで再現しています
・ 後部の「ステップ」はそれぞれ一体成型のパーツで再現、上げた状態となります
・ 「前照灯」は、本体とガラス部の2パーツで再現、ガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 「トラベリングロック」「尾灯」「牽引装置」などを別パーツ化して再現
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラスチック製パーツ、ワイヤー本体は付属の紐で作製します
・ 「車止め」(×2)が付属しています
●戦闘室及び操縦席部分の車体内部を再現、以下のパーツで構成しています
・ フロアパネル
・ 各座席
・ 操行レバー
【 車体下部 】
●車体下部は、小型ながら後の「61式戦車」と同じような構造となる「60式自走無反動砲」の走行装置を再現、誘導輪及び転輪はホイールのリムの部分のオーバーハング形状を再現するために1枚を前後に分割したパーツで構成しています
●車体下部は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化しています
・ 「起動輪」は前後に分割したパーツで再現
・ 「誘導輪」「転輪」は前後方向に4分割したパーツで再現しています
【 履 帯 】
●履帯は、「60式自走無反動砲」のシングルピン履帯を再現しており、接地部分に道路走行用のラバー製のパッドを付けた状態となっています
・ 履帯は、一部連結式履帯、プラスチック製のパーツとなります
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は1枚ずつに分割したパーツで構成しています
【 フィギュア 】
●乗員を再現したフィギュアが2体付属しています
・ フィギュアの内訳は、操縦手1体、車長1体です
・ 服装は、「作業服」もしくは「迷彩服1型」を着用、「半長靴」を履き、「戦車帽」を被った姿です(「作業服」もしくは「迷彩服1型」は同じデザインとなります)
・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、服の縫い目や弾帯などの細部は繊細なモールドで再現しています
・ フィギュアは、「上半身」「下半身」「両腕」に分割したオーソドックスなパーツ構成となっています
●フィギュアのポージングについて
・ 操縦手のフィギュアは、座席に座り、両手を膝の上に置いているポーズ
・ 車長のフィギュアは、ハッチ部分に立ち、片手はハッチに置いて、もう一方の手は通話装置を握っているポーズとなっています
【 「60式自走無反動砲 B型」の塗装とマーキング 】
●「60式自走無反動砲 B型」のマーキングとして、陸上自衛隊仕様となる1種類の塗装例と3種類のマーキング例が説明書に記載されています
・ 富士教導団 普通科教導連隊 (滝ヶ原駐屯地 / 1980年代)
・ 第3陸曹教育隊 (板妻駐屯地)
・ 第42普通科連隊 (北熊本駐屯地)
●説明書の塗装例に基づく、陸上自衛隊マーク、車体番号、部隊表示、日章旗マークなどを再現したデカールが付属しています
●完成時のサイズ : 概算 全長122 × 全幅64 × 高さ96mm (アンテナ含)
●部品点数 : 317点 (フィギュア含む)
【 「陸上自衛隊 60式自走106mm無反動砲 B型」のパッケージ内容 】
・ 60式自走無反動砲 B型 ×1
・ 乗員フィギュア ×2
・ 紐 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 完全新金型