日本海軍 重巡洋艦 摩耶
「日本海軍 重巡洋艦 摩耶 (プラモデル) (フジミ 1/700 特EASYシリーズ No.016 )」です
●太平洋戦争時における、日本海軍の重巡洋艦「摩耶」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●対空兵装を強化した1944年の姿を再現した内容となっています
●日本の重巡洋艦を代表する存在である重巡洋艦「高雄型」の3番艦「摩耶」を再現、大きな艦橋を持ち、対空兵装を数多く装備した、重厚なシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 重巡洋艦 摩耶」のキット内容について 】
●日本海軍の重巡洋艦「摩耶」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●フジミ社製「特EASYシリーズ」として重巡洋艦「摩耶」を再現、船体パーツは「摩耶」を建造した海軍工廠に合わせたグレー、艦載機は濃いグリーンといったように、ランナーごとに色分けをして成型、リノリウム甲板、煙突のトップ部分、カッターの甲板部などを再現したシールを使用することで、塗装を行わず、組み立てるだけで色分けした「摩耶」を完成させることができる内容となっています
●フジミ社製「日本海軍 重巡洋艦 摩耶 昭和19年 (1944年)」をベースに「特EASYシリーズ」として成型色を変更、シールを追加したバリエーションキットとなります
・ 「日本海軍 重巡洋艦 摩耶 昭和19年 (1944年)」のキットがベースになっていますので、通常どおりに塗装を行うこともできます
●「摩耶」は1943年末に大改装及び対空兵装の増強が行われており、本キットではその改装後となる1944年の姿を再現しています
●艦体喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「摩耶」は、「船体」「上甲板」「艦橋」などの上部構造物」「主砲などの艤装類」のブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体部は、船体と船底部との上下に分割したパーツ構成
・ 船体には、「舷窓」「フェアリーダー」「ホースパイプ」などのディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 魚雷発射管口はヌケた状態で開口しています
・ 洋上モデルに欠かせない、船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、全通状に一体成型となったパーツで再現
・ 上甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、単装機銃台座などの基本構造の他、「リール」「ボラード」「昇降口」「天窓」「通風筒」などの細かなディテールをモールドで再現しています
「摩耶」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は5層で構成、トップの「4.5m測距儀」「射撃指揮装置」は別パーツ化して再現
・ 「艦橋窓」は、「窓ガラス」にあたる部分を一段凹んだ状態で再現して立体感を演出、艦橋窓枠の部分を再現したシールも付属しています
・ 艦橋の下層部(羅針艦橋より下部)は一体成型のパーツで再現、各面の「窓」「扉」などをモールドで再現しています
・ 艦橋の上下部には「遮風装置」を立体的なモールドで再現
・ 艦橋側面の「ラッタル」は別パーツ化しています
・ 艦橋前の機銃座用の構造物は一体成型のパーツで再現
・ 艦橋部分に装備する、「91式高射装置」(×2)、「3.5m高角測距儀」(×2)、「信号灯」(×2)、「25mm3連装機銃」(×5)、「22号電探」(×2)、「方位測定器」(×1)などを別パーツ化して再現
●シェルター甲板部
・ 「シェルター甲板」は一体成型のパーツで再現
・ 表面上には滑り止め表現の他に、「昇降口」などのディテールをモールドで再現、側面には3箇所の魚雷発射管口及び予備魚雷搬入口を開口しています
●航空機作業甲板部
・ 航空機作業甲板は、甲板及び左右の支柱の3パーツで構成
・ 甲板上には、滑り止め表現の他、「航空機軌条」「ターンテーブル」などをモールドで再現しています
・ 甲板側面には、「窓」「扉」などのディテールをモールドで再現
・ 「航空機運搬台車」(×2)が付属しています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型で、トラス状となった各パネルを貼り合せて作製します
・ マスト中央の「電探探信室」は別パーツ化
・ マストに装備する、「21号電探」(×1)、「13号電探」(×1)は別パーツ化して再現
● 煙突
・ 第1、第2煙突の本体部分は左右に分割したパーツで再現
・ 煙突周囲には「手摺り兼足掛け」をモールドで再現しています
・ 煙突トップの「雨水カバー部」は別パーツ化
・ 前側面の「小煙突」は別パーツ化、各煙突の形状の違いを再現しています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは単檣となっています
・ 三脚檣部分は前後に分割したパーツで再現、上部の単檣は3パーツ、ヤード部は1パーツで構成しています
・ 前部のクレーンは、スライド金型により上部のトラス構造もモールドで再現
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は左右に分割したパーツで再現
・ 探照灯台座に装備する、「110cm 探照灯」(×2)を別パーツ化
●カタパルト 「呉式 2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型により射出機上部のディテールをモールドで再現しています
●後部艦橋
・ 後部艦橋は2層のパーツで構成
・ 後部艦橋に装備する、「25mm 3連装機銃」(×2)を別パーツ化
●中央機銃座
・ 機銃座はスポンソン部と支柱部分とに分割して再現、後部の探照灯台座は別パーツ化しています
・ 機銃座に装備、「25mm 3連装機銃」(×6)、「110cm探照灯」(×2)を別パーツ化
●主砲塔部 「50口径 3年式 20cm連装砲 E1型」 ×4
・ 砲塔は上下に分割したパーツで再現、砲身は1本ずつに分割しています
・ 砲身基部には防水カバーを再現しています
・ 砲身は任意の角度で固定できます
・ 「測距儀」は別パーツとなっています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×6
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との2パーツで構成、砲身は連装状に一体成型したパーツで再現しています
・ 高角砲台座となるブルワークは最前部と後部とで形状が異なっています
●魚雷発射管 「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×4
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現
・ 次発魚雷をパーツ化しています
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×13(艦橋、後部艦橋部含む)、「25mm 単装機銃」 ×9
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 予備翼格納庫
・ ダビット
・ 係船桁
・ パラベーン
・ 菊花紋章
・ 舷梯
などをセットしています
●艦載機として
・ 零式水上偵察機 ×2
が付属
・ 艦載機は、「胴体」「プロペラ」「フロート」に分割したパーツで再現しています
●リノリウム貼りの甲板部、艦橋窓、カッターの甲板部、煙突の黒い部分、探照灯のガラス部、旗竿に掲げられる軍艦旗、艦載機の日の丸マーク、識別帯などを再現したシールが付属しています
・ リノリウム貼りの甲板のシールは、甲板の表面部分の構造物に合わせてカット処理が行われています
●「日本海軍 重巡洋艦 摩耶」の成型色
・ 船体、船底、上甲板、上部構造物、艤装類 : グレー(横須賀海軍工廠標準色)
・ 艦載機 : 濃いグリーン
【 「日本海軍 重巡洋艦 摩耶」のパッケージ内容 】
・ 重巡洋艦 摩耶 (1944年時) ×1
・ 零式水上偵察機 ×2
・ シールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 成型色を変更、特EASY用シールをセットしたバリエーションキット (フジミ社「特EASYシリーズ」第16弾)
【 「重巡洋艦 摩耶」について 】
●1932年から順次に竣工した「高雄型」重巡洋艦は、これまでの日本の建艦技術を結集した最新鋭艦で、「妙高型」重巡洋艦をベースとして艦隊旗艦用の設備を増設、そのために艦橋構造物が巨大なものとなっているのが特徴です
●重巡洋艦「摩耶」は、「高雄型」重巡洋艦の3番艦として1932年に竣工します
・「高雄型」の他の3隻は対空射撃を実施できるように最大仰角を70度まで引き上げた「E型」と呼ばれる主砲塔を装備しましたが、毎分の発射速度が2、3発である主砲の対空射撃の効果が疑問視され、「摩耶」では最大仰角55度とした「E1型」(外観上はほぼ同一)を搭載しています
●ただし、当時の艦艇の技術進化は極めて早く、新鋭艦として竣工した「高雄型」重巡洋艦はその竣工6年後の1938年に早くも近代化改装が行われることとなり、先んじて「高雄」と「愛宕」の2隻の改装が着手されました
・ この改装では艦の安定力が見直され、「高雄型」の巨大な艦橋構造物を一回り小型化、対空兵装の増強とバルジの増設などを実施しています
●「摩耶」「鳥海」も改装が予定されていましたが、太平洋戦争の開戦により中止、その結果「高雄型」は「高雄」「愛宕」の2隻と「摩耶」「鳥海」の2隻とは艦影が異なるものとなっています
●太平洋戦争開戦後、「摩耶」はフィリピン、マレーの攻略作戦に参加、後にオランダ領インドネシアの攻略作戦や「ポートダーウィン空襲作戦」に参加、イギリスの駆逐艦1隻とオーストラリアの護衛艦1隻などを撃沈する戦果挙げ、1942年4月に内地に帰投、その後の6月の「ミッドウェー海戦」では、その陽動作戦となる「アリューシャン列島攻略作戦」に参加します
●「摩耶」は、1942年8月の「第2次ソロモン海戦」、同10月の「南太平洋海戦」に参加、続いて「ガダルカナル島」への砲撃作戦などに従事、同11月においてアメリカ軍機の攻撃を受けて損傷してしまいます
●1943年11月、「ラバウル」に入港していた「摩耶」はアメリカ艦載機の空襲を受けて爆弾を被弾、この被弾による損傷は大きく、内地へと帰還し、修理を受けました
●この修理の際に、太平洋戦争開戦により中止された近代化改装と、対空兵装の強化が行われ、飛行甲板とバルジの増設、第3主砲塔を撤去して機銃座を設置、高角砲も従来の「12cm 単装砲」4門から、「12.7cm 連装高角砲」6門と大幅に増強されています
●ただし「摩耶」は「高雄」「愛宕」のような艦橋の小型化は行われませんでした
●1944年5月、「摩耶」は空母機動部隊に合流、日本海軍が艦隊航空戦力を結集して一大航空決戦を挑んだ「マリアナ沖海戦」に参加します
●しかし、この海戦はアメリカ軍の圧倒的な勝利に終わり、以後日本海軍は航空決戦能力を失ってしまいます
●1944年10月、アメリカ軍がフィリピン東部の「レイテ島」に上陸、フィリピンを失うことは南方への補給路が断たれることを意味しており、日本の陸海軍は全力を挙げて決戦に挑みました
●ただし、日本海軍は先の「マリアナ沖海戦」で艦隊航空戦力のほとんどを失ってしまい、もはや艦隊航空戦を行う能力は無く、この決戦である「レイテ島沖海戦」において空母機動部隊を「囮」として運用、水上戦力でアメリカ艦隊にダメージを与える方針を採ります
●「摩耶」は、僚艦「高雄」「愛宕」「鳥海」と供に水上戦力の中核となる「栗田艦隊」に配属、艦隊は泊地であったブルネイを出航しました
●「栗田艦隊」はフィリピン中央部を進み、目的地である「レイテ島」を目指しましたが、フィリピン西方のパラワン水道においてアメリカ潜水艦2隻の攻撃を受け、「摩耶」は4本の魚雷を被雷、同様に「高雄」「愛宕」も被雷してしまいます
●乗組員は懸命に復旧を試みますが損傷は大きく、「摩耶」はその姿を波間に消したのでした