日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (エッチング+真ちゅう砲身2本付)
「日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (エッチング+真ちゅう砲身2本付) (プラモデル) (ピットロード 1/350 スカイウェーブ WB シリーズ No.WB004SP )」です
●太平洋戦争後半における日本海軍の海防艦「丙型」の「後期型」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●ピットロード社製「日本海軍海防艦 丙型 (後期型)」をベースに、専用のエッチングパーツと金属製砲身をパッケージしたスペシャルバージョンとなります
●戦時急造型の海防艦として船団護衛に活躍、潜水艦との死闘を交えた海防艦「丙型」を再現、生産性を考慮し、直線を基調にした特徴的な姿を再現した内容となっています
【 「日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (エッチング+真ちゅう砲身2本付)」のキット内容について 】
●日本海軍の海防艦「丙型」の「後期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ピットロード社が長年培ってきた小型艦を中心とした艦船モデル技術を活かし、海防艦「 丙型」の船体構造や各種艤装類を細やかに再現した内容となっています
●海防艦「丙型」専用のエッチングパーツと主砲用(高角砲用)の金属製砲身をセットしています
●喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルです
●「海防艦 丙型 後期型」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板や構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は左右に分割したパーツで構成
・ 船体部には「舵」を一体成型化、側面には「舷窓」「喫水線ライン」「鋼板継ぎ目」「ホースパイプ」、「丙型」の特徴的な船首部分の凹みラインなどをモールドで再現しています
・ 「ビルジキール」は別パーツ化して再現
・ 「推進軸」(×2)、「スクリュー」(×2)を別パーツ化しています
●上甲板は、船首楼甲板、中央甲板、後部甲板に分割した3パーツで構成
・ 甲板上には、主砲塔台座、機銃座のスポンソン、波除けなどの基本構造の他に、リノリウム押さえ、滑り止め、「ボラード」「アンカーチェーン」などのディテールをモールドで再現しいます
「海防艦 丙型 後期型」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「艦橋窓枠」は、「窓ガラス」の部分を一段凹んだ状態で成型して立体感を演出しています
・ 艦橋部に装備する、「25mm単装機銃」(×1)、測距儀(×1)、双眼鏡(×4)を別パーツ化
●機銃座
・ 機銃座のスポンソン部は上甲板に一体成型化して再現、滑り止めパターンや「弾薬箱」をモールドで再現しています
・ スポンソン下部の支柱は別パーツにて再現
・ 機銃座に装備する「25mm連装機銃」(×2)を別パーツ化
●中央構造物
・ 中央構造物は3パーツに分割して再現、側面の「扉」「梯子」などはモールドで再現しています
・ 探照灯台座は一体成型のパーツで再現
・ 中央構造物に装備する「探照灯」(×1)を別パーツ化
●後部構造物
・ 後部構造物は各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 上部の機銃スポンソン部は上面パーツに一体成型化しています
・ 後部構造物に装備する「25mm 3連装機銃」(×2)、「25mm単装機銃」(×1)を別パーツ化
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は三脚檣型となっており、それぞれ前後に分割したパーツで再現(メインマストのヤードは別パーツ化)
・ メインマストに装備する「22号電探」(×1)、後檣に装備する「13号電探」(×1)を別パーツ化して再現
●煙突
・ 煙突は左右に分割したパーツで再現、トップ部は別パーツとなっています
・ 副管は別パーツ化しています
●主砲 「45口径 10年式 12cm単装高角砲」(シールド付き) ×2
・ 主砲は、シールド部と、砲身部分との2パーツで再現
●機銃 「25mm 3連装機銃」 ×2、「25mm連装機銃」 ×2、「25mm単装機銃」 ×2
・ 3連装機銃、連装機銃は銃身部と機銃架の2パーツで再現
・ 単装機銃は一体成型のパーツで再現しています
●対潜兵装
・ 艦尾の「3式投射機」は個別にパーツ化しています
・ 爆雷投下軌条、爆雷用ダビットなどを別パーツ化して再現
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 6m内火艇 ×1
・ 6mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首旗竿
・ 錨
・ リール
などをセットしています
【 付属しているエッチングパーツについて 】
●「海防艦 丙型 前期型」用のエッチングパーツが付属しています
●エッチングパーツで再現している内容は
・ 艦橋
・ 艦橋床
・ 艦橋前 銃座
・ マストフラット
・ 後部銃座覆
・ 機銃スポンソン支柱
など、となっています
●ピットロード社製「日本海軍 海防艦 丙型用 エッチングパーツ」は、このエッチングパーツに手摺り、電探、ボートダビットなどを再現したエッチングパーツを追加したものとなります
【 付属している金属製砲身について 】
●主砲用(高角砲用)の金属製砲身(×2)が付属しています
・ 金属製砲身の後端部にはダボが付いており、キットの砲身部分を切り離して0.7mm径の穴を開口し、これに金属製砲身を取り付けます
●展示用のディスプレイスタンドが付属しています
●艦尾の軍艦旗を再現したデカールが付属
●「日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (エッチング+真ちゅう砲身2本付)」の完成時のサイズ
・ 全長 : 192mm
【 「日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (エッチング+真ちゅう砲身2本付)」のパッケージ内容 】
・ 海防艦 丙型 後期型 ×1
・ エッチングシート(洋白製) ×1
・ 金属挽き物パーツ (真鍮製) ×2
・ ディスプレイスタンド ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●スポット生産品
【 「海防艦 丙型」について 】
●日本海軍の「海防艦」という艦種は2種類に分かれており、旧式の戦艦や装甲巡洋艦を格下げして防御用の艦としたタイプと、船団護衛用の護衛艦のタイプとがありました
・ 日本海軍には、船団を守る「護衛艦」という艦種が設定されておらず(欧米では、フリゲート艦、護衛駆逐艦~エスコート艦、コルベット艦があります)、「駆逐艦」「水雷艇」「海防艦」「駆潜艇」が船団護衛に当たりましたが、徐々に主役は海防艦へと移っていくことになります
●当初、この「海防艦」の護衛艦タイプは対ソ連用の北方での漁業権益を守る艦として作られましたが、艦の持つ性能から船団護衛に用いられ、しだいにこの任務へと特化するようになります
●日本軍が南方の各地を占領すると、輸送航路は急速に拡大、「駆逐艦」は第一線へと投入され、同時に航路を妨げようとする敵潜水艦の度重なる出現に備えるため、海防艦の必要性が高まります
●護衛艦タイプの海防艦の最初の型である「占守型」「択捉型」では、漁業権益艦の特徴を色濃く残しており、その次の型となる「御蔵型」から北方用の特殊装備を省き、汎用型の船団護衛艦として建造しています
●しかし、この「御蔵型」は、まだ戦前の設計・建造工法に従っており、1隻あたり約9ヶ月の建造期間を要するため、同系艦を多数必要とする「海防艦」の建造工法としては不向きなものでした
●そこで、戦時簡易生産型として戦争後期から建造を進められたのが海防艦「鵜来型」です
●この海防艦「鵜来型」では、各部の簡略化を行いながら性能自体は従来型を維持し、建造工法も日本で始めてブロック工法を用いて大幅な建造日数の短縮化を図ることになります
●ところが、戦局はアメリカ潜水艦の予想外の積極的な行動により輸送船団・護衛艦艇に被害が続出、よりマスプロ化した海防艦の大量投入が必要となりました
●そこで誕生したのが海防艦「丙型」で、「鵜来型」を参考にしながら船体を小型化、徹底した簡略化と直線を基調としたデザインでより生産効率を高めました
●機関は、生産性の高いディーゼルエンジンへと変更、これにより最大速度は「鵜来型」の19.5ノットから、「丙型」では16.5ノットに減少、しかし「御蔵型」では9ヶ月だった建造期間が、「丙型」では3ヶ月と大幅に短縮されることになります
●また、「鵜来型」までは各艦にそれぞれ艦名が与えられましたが、「丙型」及び「丁型」では大量生産艦のために艦名は与えられず、「1号艦」といったように漢字表記の「○号艦」という名称がつけられました
・ 「丙型」は奇数番号、「丁型」は偶数番号となっています
●海防艦「丙型」は、このような生産工程の短縮化にも関わらず、船団護衛としての任務を重視した優れた対潜設備を装備、多くの爆雷投下装置と120個の爆雷を搭載しています
●また、新兵器である「3式爆雷投射機」を艦尾に装備、この爆雷投射機は片舷方向に最大105mまで爆雷を投射できる能力(いわゆる「K砲」)を持ち、投射機8基を外側に向けて2列搭載していました
●海防艦「丙型」は1944年2月に1番艦が竣工、133隻の建造計画が立てられましたが、終戦までに53隻が完成し、その中の26隻が戦没しています
●海防艦「丙型」は、大戦後期の船団護衛任務に活躍、圧倒的な連合軍の制空権・制海権下にありながら、時には自身の身を犠牲として任務に従事しました
●この「丙型」で発揮された艦船建造のマスプロ化は、当時の日本の高い造船技術の結晶であり、この経験は戦後の造船技術に活かされることになるのです
●海防艦「丙型」の「後期型」では、主砲を2基共にシールド付きに変更し、「13号電探」の装備と電探室を増設、一部の艦(キットで再現しているタイプ)では艦尾両舷に張り出しを設け、爆雷投下軌条を装備していました