ソビエト SU-76i 対戦車自走砲
「ソビエト SU-76i 対戦車自走砲 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-45' Series No.6838 )」です
●第2次世界大戦時におけるソ連軍の自走砲「SU-76i」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦車及び自走砲の不足を補うために、鹵獲した「3号戦車」をベースに自走砲化した「SU-76i」を再現、ドイツ戦車とソ連軍の自走砲を混合した特異な姿を再現した内容となっています
●ドラゴン社製「ドイツ 3号戦車J型 (Pz.Kpfw.3 Ausf.J) (2in1)」をベースに、「SU-76i」を再現するために、砲塔を省き、戦闘室や主砲などの新規パーツを追加したバリエーションキットです
【 「ソビエト SU-76i 対戦車自走砲」のキット概要 】
●ドラゴン社らしく細部再現を重視しながらも、スマートキット版「3号戦車」をベースとし同社のキットの中ではパーツ数を抑えた内容
●戦闘室上部の各ハッチは開閉状態を選択可能
●砲身は完成後も上下に可動させることが可能
●エンジングリル上の異物防止ネットなどを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、「3/4号戦車」用の「中期型」履帯、DS素材によるベルト式
●塗装例はドイツ鹵獲仕様1種、ソ連軍仕様6種、国籍マーク、スローガンなどを再現したデカールが付属
【 「SU-76i 自走砲」について 】
●独ソ戦初期は、精鋭のドイツ軍に対してソ連軍は物量で迫るというイメージが強いですが、緒戦においてソ連軍は多くの兵器を失っており、戦車などの装甲戦闘車両の不足はかなり深刻でした
●ソ連軍は戦車不足を補うため、性能面で見ると中戦車と正面戦闘するのは非常に難しい「T-60」や「T-70」などの軽戦車を戦線に投入、甚大な被害を被りましたが、侵攻をやや鈍らせる程度の時間的猶予を確保します
●1941年末における「モスクワ戦」においてドイツ軍は手痛い敗北を喫し、後退の際に回収できなかったドイツ軍車両はそのまま放棄されます
●ソ連軍は、戦車不足を補う手段として鹵獲したドイツ戦車を利用しますが、運用実態は現地部隊の手による改造程度という簡単なものでした
●1943年2月、「スターリングラード戦」が終結、ドイツ第6軍は壊滅し、大量のドイツ軍兵器がソ連軍の手に落ちます
●その中には300両程度の「3号戦車」が含まれており、ソ連軍はこれを再利用すること決定します
●当時のソ連軍は、中戦車「T-34/76」が戦車部隊の主力となっており、「3号戦車」をそのまま使用するには火力の不足が否めず、また砲弾の供給もままならぬため、自走砲として改造する手段を選択します
●この自走砲は、「3号戦車」の砲塔を撤去、戦闘室の上に新たな戦闘室を載せ、「T-34/76」の主砲として使われていた「S-1 76.2mm戦車砲」を装備しました
●生産は1943年4月から始まり、200両程度を量産、「SU-76i」として制式化されています
●「SU-76i」は1943年5月から実戦に投入、使い勝手の良さと密閉型の戦闘室の適度な防御力、そして車高の高さによる居住性の良さなど、鹵獲車両を改造した自走砲としては高い評価を獲得しました
●「SU-122」や「SU-85」などの登場によって、戦車不足を補うという「SU-76i」はその役割を終えましたが、「SU-76i」は終戦まで継続運用が続けられ、ソ連軍の機甲戦力の一端として活躍を続けたのです
【 「ソビエト SU-76i 対戦車自走砲」のキット内容について 】
●このソ連軍の自走砲「SU-76i」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社の細部へのこだわりと徹底したリサーチ力を用いて「SU-76i 自走砲」を再現、細分化したパーツとエッチングを交えたパーツ構成により細部再現に重きを置きながらも、スマートキット版の「3号戦車」をベースとし、同社のキットとしてはパーツ数を抑えた内容となっています
●「SU-76i」は、「戦闘室上部」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成しています
【 戦闘室上部 】
●「SU-76i」独特の傾斜装甲で構成された戦闘室上部形状を再現、表面のボルトや溶接跡などを繊細なモールドで再現しています
●「S-1 76.2mm戦車砲」の砲身は、左右に分割したパーツで再現
・ 「駐退器カバー」は、左右及び前面パネルの3パーツで構成、これに一体成型のパーツで再現した「防盾」を取り付けて作製します
・ 「駐退器カバー(砲身)」は、完成後も上下に可動させることが可能です
・ 「装甲カラー」は一体成型のパーツで再現
・ 「砲尾」は7パーツで再現しています
●戦闘室上部は一体成型のパーツで再現
・ 各「ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「視察口」「ペリスコープ」「アンテナマウント」「フック」などを別パーツ化して再現
【 車体上部 】
●「3号戦車」をベースとした「SU-76i」の車体上部レイアウトを再現、各部のボルトや溶接跡、ヒンジなどをメリハリのあるモールドで再現しています
●車体上部は、前部、戦闘室、エンジンデッキの3ブロックで構成しています
●前部は一体成型のパーツで再現、トランスミッション点検ハッチは別パーツとなっています
・ 車体前部の「予備履帯ラック」は長さの異なる2種をセット、選択して使用します
・ 「前照灯」は、前後に分割したパーツで再現
●戦闘室の主要部は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 戦闘室を構成するパーツの内側にはガイド用のパーツが用意され、箱型の形状を確実に組み立てることができるよう工夫しています
・ 側面の「クラッペ」は車体とは別パーツとなっています
・ 操縦席の「装甲バイザー」は車体とは別パーツで、開閉状態を選択できます
●エンジンデッキ部は一体成型のパーツで再現、これに各ハッチ、側面のエンジングリル部を取り付けて作製します
・ エンジングリルの異物混入防止ネットはエッチングパーツで再現
・ 「牽引ワイヤー」は固定具のみの状態を再現しており、固定具は個別にパーツ化しています
・ 「予備燃料タンク」は上下に分割したパーツで再現、左右のフックは別パーツとなります
【 フェンダー 】
●フェンダーは、ドット状の滑り止めパターンをモールドで再現、裏面にもドット裏のパターンを彫刻で再現しています
●フェンダーは、左右それぞれ一体成型のパーツで構成、後部のマッドフラップは別パーツとなります
・ 「フェンダー支持架」は個別にパーツ化
・ フェンダー上の車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ状となった一体成型のパーツで再現、後部パネルは別パーツとなっています
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化、車体内部を通るトーションバーもパーツ化しています
・ 側面の「乗降ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「起動輪」「転輪」は、前後に分割したパーツで再現
・ 「誘導輪」は前後に分割したパーツで再現、誘導輪内側のリムはエッチングパーツで再現します
【 履 帯 】
●履帯は、40cm幅となる「3/4号戦車」用の「中期型履帯」を再現しています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能なDS素材製、ベルト式履帯となっています
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「3/4号戦車 中期型用履帯 タイプA (可動式)」がこれに対応しています
●エンジングリルの異物混入防止ネット、誘導輪の内側などを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「SU-76i 自走砲」の塗装とマーキング 】
●「SU-76i」のマーキングとして、6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ドイツ軍鹵獲車両 第23戦車師団 (1943年12月)
・ ソ連軍所属不明 (1943年)
・ ソ連軍所属不明 (1943年)
・ ソ連軍所属不明 (1943年)
・ ソ連軍所属不明 (1943年)
・ ソ連軍 第58戦車連隊 (1944年冬季~春季)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、スローガンなどを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「ソビエト SU-76i 対戦車自走砲」のパッケージ内容 】
・ SU-76i 自走砲 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 一部新金型