M60A3 パットン
「M60A3 パットン (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35249 )」です
●冷戦時代におけるアメリカ軍の主力戦車「M60A3」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M48」に続く「M60」シリーズの集大成とも言える車輌、「M60A1」をベースとした近代化改修版「M60A3」を再現、砲身にサーマルジャケットを付け、イギリス軍式のスモークディスチャージャーを装備した、戦後第2世代戦車らしいマッシブなフォルムを再現した内容となっています
●AFVクラブ社製「M60A1 パットン」をベースに「M60A3」を再現するため、「砲身」「投光器」「スモークディスチャージャー」「シムファイア」「履帯」などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「M60A3 パットン」のキット概要 】
●AFVクラブ社の現行フォーマットに従い、細分化したプラスチックパーツと、エッチング、金属製パーツ、クリアパーツなどを織り交ぜたパーツ構成で、ディテール再現に重きを置いた内容
●主砲防盾、銃塔の防盾は防塵カバーの有無を選択可能、各防塵カバーは軟質素材のパーツで再現
●各乗員ハッチは開閉状態を選択可能
●銃塔全体はクリアパーツで再現
●操縦席部分の車体内部を再現
●各ペリスコープ、前照灯やサーチライトのガラス部などを再現したクリアパーツが付属
●砲塔バスケットのメッシュ、機銃の放熱筒などを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、8角形状のラバー製パッドを付けた「T142」履帯、軟質素材製のベルト式
●塗装例はアメリカ陸軍仕様を中心とした5種、車体番号などを再現したデカールが付属
【 「M60A3 主力戦車」について 】
●第2次世界大戦後のアメリカ戦車は、大戦末期に登場した重戦車「M26」をベースとしていました
●「M26」のマイナーチェンジ版「M46」を経て、砲塔のデザインを大きく変化した「M47」が登場、しかし「M47」が装備していた砲塔部のレンジファインダーが主砲の発砲時の衝撃に弱いことから、砲塔と車体を一新した「M48」を開発します
●この「M48」はベトナム戦争に投入、高い防御力を持ったこの戦車は兵士達から高い評価を受けました
●しかし、1950年代後半に登場したソ連軍の「T-54/55」は背の低いシルエットに分厚い装甲、そして主砲は100mm砲を装備しており、これはカタログスペック上では90mm砲を装備する「M48」よりも優れていました
●そこで、アメリカ軍では次期主力戦車として「M60」の開発を開始、戦力化を急ぐために「M48」の設計を極力活かす形で急ピッチで開発を進め、1959年に「M60」の生産が始まります
・ 「M60」は、「M48」が鋳造の車体を用いたのに対して、溶接車体を採用、転輪、フェンダー等はアルミ合金を取り入れ、軽量化を図りました
・ 砲塔は、「M48」と準同型となるタイプを採用(全く同じではありません)、主砲は従来の 「M41 43口径 90mm戦車砲」から「M68 105mm戦車砲」へと換装しています
●ただし、「M60」は戦力化を急いだことから、主砲は強力になったものの、全体の仕様としては「M48」とあまり変化がなく、「M60」シリーズの決定版として1962年に登場したのが「M60A1」です
●「M60A1」では、これまでの亀甲型となっていた砲塔形状を一新し、前方に向かって絞った形状へと変更、前面装甲厚も増強され、「M60A1」の防御は極めて強固になりました
●この「M60A1」の登場により、アメリカ軍は「T-54/55」を凌駕する性能の戦車を保有するに至りましたが、「M60」シリーズはあくまでも「M26」を設計ベースとした戦車の延長上であり、完全新設計となる新型戦車として「MBT70」計画が進めていました
●しかし、この「MBT70」計画は、いろいろな機能を盛り込み過ぎた事と、共同開発していた西ドイツ軍との戦車への思想の違いから計画が破綻、このため「M60シリーズ」は新たな新型戦車開発までの間、アメリカ軍の主力戦車としての役目を務める必要に迫られることになります
●「M60A1」に続いて登場したのが、砲と対戦車ミサイルを併用する「152mmガンランチャー」を装備した「M60A2」でしたが、スペック上は強力であるはずの対戦車ミサイルを戦車の装備として使用するには様々な問題点が噴出してしまい、「M60A2」は短命に終わってしまいます
●一方、「M60A1」の近代化改修は早々に行われており、1970年代にはほとんどの車輌が「M60A1 RISE」仕様へと変更、この仕様変更により「M60A1」は性能向上を続ける他国の戦後第2世代戦車に劣らない能力を持つようになります
●この「M60A1 RISE」をベースとしてさらに近代化改修を行ったのが「M60A3」で、射撃管制装置を最新型へと変更、環境センサーの装備や、主砲の砲身にはサーマルジャケットを装着し、「レオパルト2」などの戦後第3世代戦車には敵わないまでも、戦後第2世代戦車としてはトップクラスの性能を誇っています
・ その他にも、投光器は小型の「AN/VSS-3」へと換装、スモークディスチャージャーもイギリス軍式へと変更しましたが、「M60A1 RISE」も同じ仕様へと変更した車両も多く、 「M60A1 RISE」との外観上の大きな識別点は主砲のサーマルジャケットの有無となります
●「M60A3」は1978年からアメリカ陸軍のみが導入し、アメリカ海兵隊では「M60A1 RISE」をそのまま運用、「M60A3」は戦後第3世代戦車である「M1 エイブラムス」の登場まで、アメリカ陸軍の戦車戦力の中核として東側諸国と対峙しました
●そして、「M1 エイブラムス」の登場後は、親米国家を中心に輸出や供与が行われ、それらの国々では現在でも第一線の戦車として運用が続いているのです
【 「M60A3 パットン」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の主力戦車「M60A3」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●AFVクラブ社のディテール表現力により「M60A3」を再現、細分化したパーツ構成と、エッチングパーツ、金属製パーツ、金属製バネ、クリアパーツなど、マルチマテリアルの構成により「M60A3」の細部再現に重きを置いた内容となっています
●「M60A3」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●先端部に向かって絞った形となる「M60A3」の砲塔形状を再現、表面には鋳造肌を深めのモールドで再現しています
●「M68A1 105mm戦車砲」は、前後方向に分割した3ブロックで構成、各ブロックは左右に分割したパーツで再現、先端のブロックは金属製パーツで再現しています
・ 砲身は、サーマルジャケットの形状が異なる「初期型」と「後期型」の2種をセット、選択して使用します
・ 砲身基部に装着する金属製バネにより、砲身は前後に可動します
・ 「砲尾」は6パーツに分割して再現、「閉鎖器」は開閉状態を選択することができます
・ 「同軸機銃」をパーツ化、「防盾」の内側に取り付けます
・ 砲身に装備する「シムファイア」は3パーツで再現、演習弾を1発ずつパーツ化しており、装着の有無を選択できます
●防盾は、防塵カバーが付いていない状態と、防塵カバーが付いた状態の2種をセット、選択して使用します
・ 「防塵カバー」が付いていない状態の場合、「防塵カバー」の「固定フレーム」はエッチングパーツで再現します
・ 「防塵カバー」が付いた状態の防盾のパーツは軟質素材製で、防盾本体と砲身基部の蛇腹部分の2パーツで再現しています
・ 防盾上部に装着するキセノン投光器「AN/VSS-3」は、細分化したパーツ分割で再現、前面のガラス部はクリアパーツ、配線は軟質素材製パーツで再現しています
●砲塔は、上下に分割したパーツで構成
・ 「レンジファインダー」は個別にパーツ化、中央のガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 砲手用の「照準ペリスコープ」は4パーツで再現、その構造を細かく再現しています
・ 側面の「手摺り」は一体成型のパーツで再現
・ 後部の「砲塔バスケット」は縦方向のステーと横方向のフレームとを組み合わせて作製します
・ 「砲塔バスケット」のメッシュを再現したエッチングパーツが付属
・ 砲塔後部の「小フック」はエッチングパーツで再現します
・ 上部の「回転灯」はクリアパーツで再現、「ライトガード」は成型色パーツで再現しています
・ 「環境センサー」「アンテナマウント」などを別パーツ化して再現
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラスチック製パーツ、ワイヤー本体は付属の紐を使用して作製します
【 銃 塔 】
●銃塔はクリアパーツで再現しており、塗り分けすることで透明なビジョンブロックを再現することができます
●銃塔は上下に分割したパーツで再現
・ 「機銃」は一体成型のパーツで再現、銃口部分は開口しています
・ 銃身基部の「放熱筒」はエッチングパーツを巻いて作製します
・ 「機銃」は防塵カバーを付けた状態(軟質素材製パーツ)と、防塵カバーを付けていない状態とを選択して組み立てることができます
・ 「機銃」は、「M19 空砲用アダプター」を付けた状態を再現することもできます
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」はクリアパーツで再現、カバー部分は成型色パーツで再現しています
・ 「ペリスコープカバー」の「扉」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 銃塔内部の「照準及び視察装置」を再現したパーツが付属
【 車体上部 】
●舟形の車体を中心にフェンダーを左右に伸ばした「M60A3」の車体レイアウトを再現、車体表面部には装甲板の荒れを深めのモールドで再現しています
●車体上部は、前後に分割したパーツで再現
・ 後部となるエンジンデッキ部は、中央の膨らんだ部分を一体成型のパーツで再現、これにブロックごとに分割したエンジングリルを側部に取り付けて作製します
・ 3角形状の各部のフックは個別にパーツ化して再現
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択できます
・ 「前照灯」は前後に分割したパーツ構成で、前部はクリアパーツで再現しています
●フェンダーは、前後に分割したパーツで再現、前部のマッドフラップは別パーツとなります
・ フェンダー上の各「雑具箱」は、本体と蓋の2パーツに分割して再現、蓋の「ハンドル」は個別にパーツ化しています
・ 「エアクリーナー」は各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」の基部は2パーツで再現
・ 「サスペンションアーム」は個別にパーツ化、「トーションバー」部分も再現しています
・ 「ダンパー」「ショックアブソーバー」などを別パーツ化しています
・ 「転輪」は前後に分割したパーツで再現、「起動輪」は前後方向に3分割したパーツで再現しています
・ 後部の「排気グリル」は左右で分割した2パーツで再現
・ 「排気グリル」に装着する「延長排気管」が付属しています
●操縦席部分を再現、以下のパーツで構成しています
・ メーターパネル
・ 操縦席
・ 変速レバー
・ 各種ペダル
・ 操縦ハンドル
・ 消火器
など
【 履 帯 】
●履帯は、8角形状のラバー製の接地パッドが付いた「T142」履帯を再現しています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式となっています
●銃塔、各ペリスコープ、前照灯、サーチライトのガラス部などを再現したクリアパーツが付属
●砲塔バスケットのメッシュ、機銃の放熱筒、防塵カバーのフレームなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「M60A3」の塗装とマーキング 】
●「M60A3」マーキングとして、5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ エジプト陸軍 所属車両 (カイロ / 2011年)
・ アメリカ陸軍 第69機甲連隊 「76」 (ドイツ / 1985年)
・ アメリカ陸軍 第68機甲連隊 「831」 (ドイツ / 1988年)
・ 中華民国陸軍 所属車両 「軍9-22167」
・ アメリカ陸軍 第32機甲連隊 「17」 (ドイツ / 1985年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、部隊表示、車両番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
【 「M60A3 パットン」のパッケージ内容 】
・ M60A3 主力戦車 ×1
・ 金属製パーツ ×1
・ 金属製バネ ×1
・ エッチングシート ×2
・ 紐 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 一部新金型