日本海軍 航空空母 龍鳳 長甲板
「日本海軍 航空空母 龍鳳 長甲板 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W193 )」です
●帝国海軍の航空母艦「龍鳳」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、大規模な改装を施された1944年7月以降の「龍鳳」の姿を再現
・ 1942年に竣工後、1944年の「マリアナ沖海戦」で小破した「龍鳳」は、呉に戻り飛行甲板を延長した上、対空兵装の強化などの改装を施されています
●太平洋戦争末期における日本海軍の航空母艦「龍鳳」を再現、日本の小空母の特徴とも言える羅針艦橋を飛行甲板下部に配置した平甲板型、そして、改装により甲板を延長したシルエットを再現した内容となっています
●ピットロード社製「日本海軍 航空母艦 龍鳳 長甲板」の品番・価格替え、バリエーションキットとなります
【 「日本海軍 航空空母 龍鳳 長甲板 (ピットロード 1/700 スカイウェーブ Wシリーズ No.W193)」のキット内容について 】
●1944年に改装を受け、甲板を延長した日本海軍の「航空母艦 龍鳳」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ピットロード社が長年培ってきた艦船モデル技術を下敷きに、同社の新フォーマット「スカイウェーブ NE (ネオ・イクイップメント)シリーズ」のパーツを併用して「航空母艦 龍鳳」を再現、ディテールを重視しながらもピットロードらしい堅実な設計で、「航空母艦 龍鳳」の魅力をシャープかつ表情豊かに再現した内容となっています
●武装、内火艇などの艤装類は、同社「スカイウェーブ NE (ネオ・イクイップメント)シリーズ」に準じたパーツとなっています
●「龍鳳」は、喫水線ラインまでを再現したウォーターラインモデルと、艦底部までを再現したフルハルモデルとを選択して組立てることができます
「航空空母 龍鳳 長甲板」の全体構造
●「龍鳳」の船体部は一体成型のパーツで再現、これに「船首」「船尾甲板」「艦橋甲板」「飛行甲板」「各スポンソン」などを取り付ける構成となっています
●船体部のパーツには、格納庫側面を一体成型化して再現
・ 船体部には、格納庫内部の一部の他に、舷側の通路、舷窓(上部の雨樋付き)、扉、フェアリーダー、舷外電路などを微細なモールドで再現しています
●船底部のパーツには、側部のビルジキールを一体成型化して再現
・ プロペラ(スクリュー)、推進軸、舵は別パーツ化して再現
・ ウォーターラインモデルとして作製する場合には、船底部は使用しません
●船首と船尾の甲板パーツには、滑り止めの表現の他に、アンカーチェーン、ケーブルホルダー、ボラード、ボート架台などのディテールを凹凸を交えた繊細なモールドで再現しています
・ 船尾甲板の後部の機銃座は別パーツ化しています
●艦橋甲板は、上段と下段の2つに分割したパーツ構成、上段には艦橋部の窓枠などを微細なモールドで再現し、立体感を演出しています
・ 艦橋甲板はリノリウム貼りのディテールを繊細な凸モールドで再現しています
●飛行甲板は、先端の鉄甲板部分とその後部とで2分割して構成、エレベーターは別パーツ化しています
・ 分割部分は周囲の滑り止め部分の切れ目でカットされており、分割線が分からないようになっています
・ 兵員用のスポンソンは別パーツ化しています
・ 飛行甲板上には、木甲板と鉄甲板、滑り止め表現の他に、遮風柵、着艦制動装置、滑走制止装置、クレーン収納蓋などのディテールを凹凸を交えた繊細なモールドで再現しています
・ 甲板を支えるように前後に配置された飛行甲板支柱は、それぞれ独立したパーツで再現しています
・ 高角砲後方のカバーを別パーツ化して再現、開閉状態を選択することができます(高角砲の射界を広げるカバーで、戦闘時には開けた状態となります)
「航空空母 龍鳳 長甲板」の艦上の構造物は下記のパーツで構成しています
●マスト・通信塔
・ マスト・通信塔は、上下方向に3分割したパーツで再現、下部のパーツにはトラス構造をモールドで再現しています
・ マスト・通信塔は、起倒状態を選択して組み立てることができます
・ マストに装備された「13号電探」を再現したパーツもセットしています
● 煙突
・ 煙突は一体成型のパーツで再現、先端部の雨水カバー金網は別パーツ化しています
・ 煙突部分にはジャッキステーなどを繊細なモールドで再現しています
・ 雨水カバー金網は開口した状態となっています
●高角砲、機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツ化しており、スポンソン下面の補強板はパーツと一体成型化して1枚ずつ再現しています
・ スポンソン部の支柱(支筒)は別パーツとなっています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 右舷後部の1基は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの状態を再現(A1型)
・ シールド付きの高角砲は、連装状に成型した砲身部と、シールド部の2パーツで再現
・ シールド無しの高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで再現
・ 砲架部はスライド式金型を使用して細部のディテールを再現しています
●噴進砲「12cm 28連装噴進砲」 ×6
・ 噴進砲は砲本体と砲架の2パーツに分割して再現
・ 噴進砲の台座は左右ブロックごとに別パーツ化しています
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×7
・ 25mm 3連装機銃(シールド付き) ×3
・ 25mm 連装機銃 ×4
・ 25mm 単装機銃 ×21
・ 連装及び3連装機銃は銃身部と銃架、もしくはシールド部との2分割式です
●クレーン、探照灯
・ 飛行甲板上のクレーン、探照灯は、格納状態と使用状態とを選択できます
・ 各蓋のパーツが付属しています
●内火艇、カッターなど
・ 11m内火艇 ×2
・ 13m特型運搬船 ×1
・ 11m内火ランチ×1
・ 9mカッター ×2
・ 通船 ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 菊花紋章及び艦首フェアリーダー
・ 射撃指揮装置
・ リール
・ 測距儀
・ パラベーン
・ 方位測定器
・ 94式高射装置
・ 探照灯
・ 錨、副錨
・ クレーン
・ 21号電探(飛行甲板部)
などをセットしています
付属の艦載機
●以下の3種の艦載機をセットしています
・ 零式艦上戦闘機52型 ×3
・ 艦上攻撃機 天山 ×3
・ 艦上爆撃機 彗星 ×3
・ 艦載機の成型色はクリアー
・ 艦載機は、「機体胴体」「脚」「プロペラ」で分割したパーツ構成
・ 兵装用の「増槽」「爆弾」「魚雷」も別パーツ化して再現しています
ディスプレイベース
●完成後に見栄え良く飾ることができるプラスチック製の「展示台 (ディスプレイベース)」が付属
・ 展示台は飾り脚を含めた一体成型のパーツ、黒色の成型色です
・ 飾り脚の中央部には、固定用のビス穴があらかじめ開けられています
・ 展示台のサイズ : 106mm × 37mm
【 「日本海軍 航空空母 龍鳳 長甲板 (ピットロード 1/700 スカイウェーブ Wシリーズ No.W193)」の塗装・マーキング 】
●カラー「塗装・マーキング ガイド」が付属し、飛行甲板上の白線が異なる「龍鳳」の塗装例を2種を掲載しています
●「塗装・マーキングガイド」を反映した、甲板上の各表示線、着艦標識、黒の塗り分け部分、艦尾の軍艦旗、艦首の日章旗、艦尾の艦名、艦載機用の日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています
・ 着艦標識と、艦載機用の日の丸マークは白色の部分と赤色の部分とを別々にプリントしています
●2017年 品番変更・価格改定
【 「日本海軍 航空空母 龍鳳 長甲板 (ピットロード 1/700 スカイウェーブ Wシリーズ No.W193)」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 龍鳳 ×1
・ 零式艦上戦闘機52型 ×3
・ 艦上攻撃機 天山 ×3
・ 艦上爆撃機 彗星 ×3
・ 展示台 ×1
・ デカールシート ×2
・ 塗装・マーキング ガイド (カラー) ×1
・ 組立説明書 ×1
【 「航空母艦 龍鳳」について 】
●ワシントン軍縮会議と、ロンドン軍縮会議において主力艦と巡洋艦、駆逐艦などの補助艦艇の保有制限が定められた帝国海軍は、保有制限に抵触しない10,000tクラスの潜水母艦や給油艦を建造する計画を立て、これらは有事の際には短い工期で航空母艦に転用可能なように設計されました
●この計画によって建造されたのが「潜水母艦 大鯨」「高速給油艦 剣崎・高崎」で、「大鯨」は1933年に建造が開始されました
●この「大鯨」は、世界初として船体全てに電気溶接を採用、機関は帝国海軍の大型艦として初めてディーゼルエンジンが搭載されました
●電気溶接式は、リベット接合よりも強度が高く、全体の重量も軽減されるという利点を持っていましたが、当時はまだ技術が未熟であり、進水後に強度不足が露呈、ドックへ入ってリベット接合が行われました
●また、搭載されたディーゼルエンジンは不調が続き、当初予定されていた出力の半分程度の能力しか発揮できませんでした
●「大鯨」は、記録上では1934年3月に竣工していますが、その後も改修工事が継続され、更には1935年に「第4艦隊事件」で知られる台風に遭遇、損害が発生し、1936年に修理工事が行われました
●結局、「大鯨」が実質的に戦力化されたのは1938年9月で「第1潜水戦隊旗艦」に就任します
●同艦は、南方に進出して潜水母艦として行動しましたが、太平洋戦争直前の1941年12月に内地に帰投します
●1941年12月8日太平洋戦争が勃発、「大鯨」は同月20日から航空母艦への改造工事が開始されました
●この工事は、当初予定では短期間で完了する筈でしたが、機関を通常のタービンエンジンに換装するために時間が掛かり、更には1942年4月の東京初空襲により爆弾1発が命中、その修理のためにようやく1942年11月に航空母艦として完成、「龍鳳」と命名されます
・ 「龍鳳」は、「祥鳳」「瑞鳳」(旧高速給油艦「剣崎」と「高崎」)と準同型艦となりますが、元々の船体が異なるために「龍鳳」は若干大きく、細部も異なっています
●「龍鳳」は、完成後直ちに艦隊に編入され、短期間の訓練の後、爆撃機の輸送任務によりトラック島に向かいます
●ところが、この最初の任務においてアメリカ潜水艦の攻撃を受け、1本の魚雷が命中、大事には至りませんでしたが、内地に帰投して修理を受けました
●修理完了後、損傷した「航空母艦 飛鷹」の代わりに第2航空戦隊に配属されましたが、当時の連合艦隊の空母機動部隊は、ソロモン海域での消耗戦において艦載機の供出が続いており、空母を使用した艦隊決戦は行われず、「龍鳳」も航空機輸送を中心とした輸送任務に従事します
●1944年5月に空母機動部隊が練成訓練を行っているフィリピン南部のタウイタウイ泊地に進出、翌6月に発生した「マリアナ沖海戦」において「龍鳳」は艦載機を搭載して参戦します
●この海戦ではアメリカ軍は日本軍側の1.5倍程度の規模でしたが、日本の機動部隊は周囲を跳梁跋扈するアメリカ潜水艦の影響により十分な訓練が実施できず、練成不足のまま戦うこととなり、機数を揃えるために各地から動員された搭乗員も飛行経験の不足が目立ちました
・ 艦載機の発着艦時には、空母は風上に向かって直進する必要があり、このような直線運動は潜水艦にとって狙い易い目標となりました
●逆に、アメリカ軍は日本軍の脅威の無い場所において十分に訓練を行うことができ、更にはその工業力によりエセックス級空母を始めとする強力な艦艇を続々と就役させており、実際の航空機の機数、艦艇数よりもその能力の差はかなり大きなものでした
●「マリアナ沖海戦」の結果は連合艦隊の完敗であり、「龍鳳」はその艦載機の殆どを失って、アメリカ艦載機の攻撃を受けますが、至近弾を受ける被害に止まり、内地へと帰還します
●内地において「龍鳳」は、損傷の修理と、性能が向上した艦載機への対応のための飛行甲板の延長、そして対空兵装の強化が行われます
●このため、1944年10月の「レイテ沖海戦」には参加しませんでしたが、連合艦隊は「マリアナ沖海戦」のダメージを回復することができず、「龍鳳」への艦載機の搭載は目途が立たない状況でした
●同艦は、台湾方面への輸送任務に従事した後、瀬戸内海に待機する状態が続き、1945年3月にはアメリカ艦載機による呉大空襲により爆弾を5発被弾する損害を受けました
●艦載機やその武装を搭載していなかった関係で、からくも沈没からは逃れられましたが、大きな損傷を受け、砲台代わりとして係留された状態で終戦を迎えています