ソビエト SU-85M 駆逐戦車
「ソビエト SU-85M 駆逐戦車 (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFVシリーズ (Super Value Pack) No.9152 )」です
●第2次世界大戦後期におけるソ連軍の駆逐戦車「SU-85M」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「SU-100」用の主砲の生産の遅れから、「SU-100」の車体に「D-5T 85mm戦車砲」を搭載した「SU-85M」を再現、傾斜装甲を多用した車体に長砲身砲を搭載した、マッシブなフォルムを再現した内容となっています
●ドラゴン社製「ソビエト SU-85M 駆逐戦車」をベースに、履帯をマジックトラックへと変更、歩兵用の装備品ランナーを追加したバリューパックです
【 「ソビエト SU-85M 駆逐戦車」のキット概要 】
●ドラゴン/サイバーホビー社らしくディテール再現を重視しながらも、オレンジボックス版として同社のキットとしてはパーツ数を抑えた内容
●エンジンデッキ後部のグリルは、プラスチック製パーツで再現
●乗員ハッチは開閉状態を選択可能
●履帯は「M42履帯」、履板1枚ずつに分割したプラスチック製パーツによる接着連結式(マジックトラック)
●塗装例はソ連軍仕様2種、スローガンなどを再現したデカールが付属
●歩兵用の装備品を再現したアクセサリパーツが付属
【 「SU-85M 駆逐戦車」について 】
●独ソ戦が開戦すると、ドイツ軍とソ連軍の新鋭戦車同士による激戦が繰り広げられ、両軍は戦車能力の向上に尽力することになります
●ソ連軍は緒戦において多くの戦車を失いましたが、「T-34」や「KV-1」などの革新的な戦車は優勢なドイツ軍相手に善戦、戦力が整い、乗員のレベルも向上すると、これらの戦車はドイツ軍にとって極めて厄介な存在となりました
●「T-34」や「KV-1」は、運用面では様々な問題点を抱えていましたが、スペック上ではドイツ軍戦車を凌駕しており、大戦中期まで個々の性能の優位は揺るぎませんでした
●1942年末、ドイツ軍は重戦車「タイガー1」を実戦に投入、戦車キラーとして猛威を奮っていた88mm高射砲を車載化した主砲「KwK36 88mm戦車砲」を装備した「タイガー1」はソ連軍戦車をアウトレンジで撃破することが可能でした
●また、「タイガー1」の前面装甲厚は100mmもの強靭な防御力を備え、ソ連軍の「T-34」や「KV-1」が装備する76.2mm砲では余程の近距離でなければ装甲を貫通することができませんでした
●自軍の戦車を遥かに凌駕する性能を持つ「タイガー1」の出現に、ソ連軍は危機感を高め、当時開発したばかりの自走砲「SU-122」に救いを求めることになります
●「SU-122」は大口径の榴弾砲が持つ炸薬の大きさで、たとえ装甲を貫通できなくとも命中すれば大きな損害を与えることができましたが、短砲身で低初速の榴弾砲は、弾道性能の点から見ると戦車戦に不向きで、交戦距離が遠くなればなるほど、彼我の能力の差が開く一方となります
●そこでソ連軍は、初速が速く、装甲貫通能力も高い「52K 85mm高射砲」に着目、車載化した「D-5T 85mm戦車砲」を開発し、これを「SU-122」の車体に装備した「SU-85」を開発します
●もっとも、「D-5T 85mm戦車砲」はそのままでは「SU-122」の車体に載せることができず、新型の砲架や車体の改修、そして「D-5T 85mm戦車砲」の重戦車「KV-85」への搭載など「SU-85」の戦力化に手間取り、実戦への投入は1943年9月からとなりました
●「SU-85」が搭載した「D-5T 85mm戦車砲」は、ドイツ軍の「KwK36 88mm戦車砲」の能力には及びませんでしたが、装甲貫通能力は従来の76.2mm砲よりも大きく向上、対戦車戦闘で大きな働きを見せました
●1944年に入ると「T-34」自体に「D-5T 85mm戦車砲」や「ZiS-53 85mm戦車砲」を搭載した「T-34/85」が登場、同じ威力を持った戦車が主力になることで、「SU-85」の存在意義は徐々に薄れていきます
●1944年7月には「SU-85」の生産は一旦終了になりますが、後継の「SU-100」の主砲の供給が間に合わず、「SU-100」の車体に「D-5T 85mm戦車砲」を搭載した「SU-85M」が登場、この「SU-85M」は1944年12月まで生産が続けられました
●「SU-85M」は、「SU-85」よりも装甲を強化し、視察能力に優れたキューポラを装備する「SU-100」の車体を使用したことから、従来の「SU-85」よりも性能に優れ、将兵からは高い評価を獲得、「SU-100」の数が揃うまでのストップギャップとしての働きを果たしています
●「SU-85」「SU-85M」はソ連軍の分類では自走砲になりますが、実質的には駆逐戦車として用いられ、ドイツ軍の重量級の戦闘車両相手に活躍を見せたのです
【 「ソビエト SU-85M 駆逐戦車」のキット内容について 】
●このソ連軍の駆逐戦車「SU-85M」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン/サイバーホビー社の1/35シリーズのフォーマットに沿って駆逐戦車「SU-85M」を再現、ディテール再現を重視しながらもスマートキット版としてパーツ数を抑えており、同社の他のキットと比べると、組みやすさに配慮した内容となっています
●「SU-85M」は、「砲」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 】
●照準口部分が張り出した「SU-85M」の防盾形状を再現、鋳造肌を強弱を付けたモールドで再現しています
●「D-5T 85mm戦車砲」の砲身は左右に分割したパーツで再現
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「防盾」は、完成後も上下に可動させることができます
【 車体上部 】
●大きく傾斜した前面装甲を持つ「SU-85M」の車体形状を再現、表面のボルトやボルト穴、そしてエンジングリル部分などを強弱を付けたモールドで再現しています
●車体上部は一体成型のパーツで再現、戦闘室前面及び後部パネル、車体後部パネルは別パーツとなっています
・ 「操縦手ハッチ」や戦闘室の「上部ハッチ」「後部ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ベンチレーター」「ペリスコープ」「アンテナマウント」「牽引フック」などを別パーツ化して再現
・ 「前照灯」「ホーン」は前後に分割したパーツで再現
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ フェンダー上の「グローサー」は、1枚ずつ個別にパーツ化、「固定バンド」はプラスチック製パーツで再現しています
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の金属製ワイヤーを使用して作製します
・ 「前部フェンダー」はそれぞれ一体成型のパーツで再現、上部には取り付け用のヒンジをモールドで再現しています
・ 車体後部のエンジングリル部はプラスチック製パーツで再現、上部の異物混入防止ネットはパーツ上にモールドで再現しています
・ エンジングリルの各スリット部は個別にパーツ化して再現
●車長キューポラは3層のパーツで再現
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 側面の「視察口」は個別にパーツ化しています
●後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 中央部の「点検ハッチ」は別パーツ化、後部パネルにはその取り付けベースを再現しています
・ 「排気管」は、前後のパーツに分割した排気管本体と装甲カバーとで再現
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現、後部パネルは別パーツとなっています
・ 「クリスティーサスペンション」は、スプリングを一体成型した内部パーツを車体下部の開口部分の内側に接着して再現します(片側4パーツ)
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化して再現
・ 「起動輪」「誘導輪」「転輪」は表・裏で分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、表面部分にワッフル状の滑り止めパターンを刻んだ500mm幅の「M42」履帯を再現しています
・ 履帯は、履板1枚ずつに分割したプラスチック製パーツによる接着連結式(マジックトラック)となっています
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「T34用履帯 M42型 (可動式)」が対応しています
【 アクセサリーパーツ 】
●以下のアクセサリーパーツが付属しています
・ M1915背嚢 ×3
・ 携帯シャベル ×4
・ サブマシンガン用マガジンポーチ ×2
・ ライフル用マガジンポーチ ×8
・ 水筒 ×4
・ 機関銃用マガジンポーチ ×1
など
【 「SU-85M 駆逐戦車」の塗装とマーキング 】
●「SU-85M」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる2種類の塗装例がボックス裏面に記載されています
・ 所属不明 (1943年)
・ 所属不明 (1944年)
●説明書の塗装例に基づく、スローガンなどを再現したデカールが付属しています
【 「ソビエト SU-85M 駆逐戦車」のパッケージ内容 】
・ SU-85M 駆逐戦車 ×1
・ アクセサリーパーツ 一式
・ 金属製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1