日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 艦底 飾り台付き
「日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 艦底 飾り台付き (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.092EX-001 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の軽巡洋艦「阿賀野型」4番艦「軽巡洋艦 酒匂」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット。
●水雷戦隊旗艦として水上戦闘を重視した砲撃力と魚雷兵装を備えた「阿賀野型」4番艦「酒匂」、それまでの軽巡洋艦の設計から脱却した、近代的かつスマートなシルエットを再現した内容となっています。
●フジミ社製「日本海軍 軽巡洋艦 矢矧 1944 / 酒匂」のキットをベースに、船底部のパーツとディスプレイ台をセットしたバリエーションキットです。
●ベースキットに含まれていた「矢矧」用のパーツも付属していますが、組立説明書は「酒匂」の分しか同梱されていません。
【 日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 艦底 飾り台付き (フジミ 1/700 特シリーズ No..092EX-001) プラモデルの内容 】
●日本海軍の軽巡洋艦「阿賀野型」の4番艦「酒匂」を再現したプラスチックモデル組立キットです。
●単装機銃を18基装備した竣工時の状態を再現しています。
●フジミ社「特シリーズ」のフォーマットと最新の考証に基づき「軽巡洋艦 酒匂」を再現、ディテール再現のためにスライド金型を用いた一体成型と細分化したパーツ構成、そして繊細なモールドで、「軽巡洋艦 酒匂」の細部再現に重きを置いた内容となっています。
●マストや探照灯台座などのトラス構造物はスライド金型を用いて鉄骨の間をヌケた状態で再現、煙突の各管は個別にパーツ化、そして航空機作業甲板は下部の梁構造も再現しており、新鋭艦ながらも重巡洋艦なみの構造となった「軽巡洋艦 酒匂」を表情豊かに再現しています。
●「軽巡洋艦 阿賀野型」のうち「酒匂」の外観上の相違点を以下のように再現しています。(ただし、本キットでの考証によるもの)
・ 航空機作業甲板が前後に分かれた構造
・ 航空機作業甲板上の建屋の形状
・ 高射装置の台座形状
・ 探照灯台座はは高射装置台座と一体となっている
・ 主砲塔のディテール
・ 煙突の手摺り兼足掛けの配置と副管(蒸気捨て管)の形状
・ 単装機銃の装備数と配置
●艦体喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルです。
■ 軽巡洋艦 酒匂 全体構造
●「酒匂」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています。
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます。
●船体は、舷側部分で左右に分割したパーツで構成。
・ 左右の舷側パーツの張り合わせは、パーツが歪まぬよう、舷側内側に5つの「桁」パーツを挟み込んで組立てます。
・ 船体には、舷窓、舷外電路、塵捨て管、ホースパイプ、フェアリーダーなどのディテールを繊細なモールドで再現しています。
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています。
●艦底部は一体成型のパーツで再現、パーツが歪まぬよう、艦底内側にプレート状の3つの「桁」パーツを挟み込んで組立てます。
・ フルハルモデル用の船底部分のスクリュー、推進軸、舵を別パーツ化、ビルジキールは船底パーツに一体成型化して再現しています。
●上甲板は、鎖錨甲板、中央甲板、後部甲板の3パーツで構成 。
・ 上甲板上には、主砲塔台座やカタパルト台座などの基本構造の他に、滑り止めパターン、リノリウム貼り表現、リール、ボラード、ウインチ、昇降口、アンカーチェーンなどをモールドで再現しています。
■軽巡洋艦 酒匂 の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 「艦橋」は4層に分割して構成、各層を積み上げて艦橋部を完成させます。
・ トップの「測距儀」「方位盤」は別パーツとなっています
・ 艦橋窓部分はクリアパーツで再現、窓枠再現用の細かな凸モールドを施し、立体感を演出しています。
・ 艦橋部分に装備する、「21号電探」(×1)、「22号電探」(×2)、「方位測定器」(×1)、「1.5m測距儀」(×1)、「探照灯」(×2)を別パーツ化しています。
●前部構造物
・ 「前部構造物」は一体成型化したパーツで再現、これに各甲板、機銃座などを取り付けて製作します。
・ 「前部構造物」には、スライド金型を使用して「窓」「扉」「梯子」などのディテールを繊細なモールドで再現。
・ 「前部構造物」に装備する、「25mm3連装機銃」(×2)、「射撃装置」(×1)、「パラベーン」(×2)などを別パーツ化しています。
●メインマスト
・ 「メインマスト」は下部は三脚檣型、上部は単檣型で、三脚檣部分、フラット、単檣部分の3パーツに分割したパーツ構成。
・ 下部の三脚檣部分はスライド金型を使用してトラス構造を再現。
・ 「メインマスト」に装備する、「13号電探」(×1)を別パーツ化。
●煙突
・ 「煙突」は左右に分割したパーツで構成、トップの雨水カバー部は別パーツ化しています。
・ 雨水カバー部は開口しており、内部の整風板も再現しています。
・ 「煙突」側面に設置した「蒸気捨て管」は1本ずつ個別にパーツ化しています。
●後檣
・ 「後檣」は2段式の単檣で、下部、クロスツリー、上部の3パーツに分割して再現。
・ 「クレーン」は別パーツ化して再現。
・ マストに装備する「探照灯」(×1)を別パーツ化、「探照灯」はクリアパーツとなります。
●高射装置台座
・ 「高射装置台座」は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して「窓」などのディテールを繊細なモールドで再現しています。
・ 「酒匂」の「高射装置台座」に装備する、「94式高射装置」(×各1)、「探照灯」(×各1)を別パーツ化して再現。
・ 「探照灯」はクリアパーツで再現しています。
●航空機作業甲板
・ 「航空機作業甲板」は一体成型のパーツで再現
・ 「航空機作業甲板」上の滑り止めパターン、航空機運搬軌条、甲板下部の桁などをモールド化して再現しています。
・ 「航空機作業甲板」に装備する、「25mm3連装機銃」(×4)、「補用フロート」(×2)などを別パーツ化。
●後部艦橋
・ 「後部艦橋」は、機銃座を含めた一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して「窓」を繊細なモールドで再現しています。
・ 「後部艦橋」に装備する、「25mm3連装機銃」(×2)、「測距儀」(×1)などを別パーツ化。
●カタパルト 「呉式2号5型射出機」
・ 「呉式2号5型射出機」は一体成型のパーツで再現、側面のトラス構造を凹凸を交えたモールドで再現しています。
●主砲塔 「50口径 41式 15cm連装砲」 ×3
・ 「砲塔」は上下に分割したパーツで再現、これに1本ずつ個別にパーツ化した「砲身」を取り付けて製作します。
・ 「砲身」には基部の防水布をモールド化して再現。
・ 「砲塔」にはスライド金型を使用して側面の「窓」「パネルライン」などをモールドで化して再現しています。
・ 「測距儀」「空中線支柱」を別パーツ化しています。
●高角砲 「60口径 98式 8cm連装高角砲」 ×2
・ 「高角砲」はシールド部分と連装状に一体成型した砲身に分割したパーツ構成。
・ 「高角砲」のスポンソンは1パーツで再現しています。
●魚雷発射管 「92式 61cm 4連装発射管」 ×2
・ 「魚雷発射管」はシールド部と4連装状に一体成型化した発射管本体との2パーツで再現。
・ 「魚雷発射管」のシールド部には、スライド金型を使用して「扉」などをモールド化して再現しています。
・ 「予備魚雷装填装置」は個別にパーツ化しています。
●対空機銃 「25mm3連装機銃」×10、「25mm単装機銃」×18
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現。
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×1
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9m内火艇 ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 菊花紋章
・ 錨
・ ケーブルホルダー
・ 艦首、艦尾旗竿
・ ラッタル
・ 爆雷投下軌条
・ 爆雷用ダビット
・ 航空機運搬台車
・ 係船桁
などを個別に別パーツ化して再現しています。
●艦載機として
・ 「零式3座水上偵察機」(クリア成型) ×2
が付属しています。
・ 艦載機は、胴体、プロペラ、フロートに分割したパーツ構成になっています。
■ディスプレイ台
●完成後に見栄え良く飾ることができるディスプレイ用の円形の飾り台を2個セット、「軽巡洋艦 酒匂」の前後2箇所に配置して完成した艦体をそのまま載せてディスプレイすることができます。
・ 飾り台はプラスチック製のパーツ、円形の台座部分にYの字型の飾り脚を取り付けるパーツ構成となっています。
【 日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 艦底 飾り台付き (フジミ 1/700 特シリーズ No..092EX-001) 塗装・マーキング 】
●「塗装図・マーキングガイド」は組立説明書内にモノクロで記載しています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー / 水性ホビーカラー)。
・「酒匂」の甲板や船体からカッターなどの細部に使う塗料の種類は、組立説明書内の各工程内にて指示しています。
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯などを再現したデカールが付属しています
【 日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 艦底 飾り台付き (フジミ 1/700 特シリーズ No..092EX-001) パッケージ内容 】
・ 軽巡洋艦 酒匂 ×1
・ 零式3座水上偵察機 ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
・ 艦底及びディスプレイ台 組立説明書 ×1
・ パーツリスト ×1
●限定品
●2018年 バリエーション
【 日本海軍 軽巡洋艦 阿賀野型 について 】
●第1次世界大戦後、日本海軍は軽巡洋艦として「天龍型」を2隻建造、その後この「天龍型」を拡大した形で「球磨型」「長良型」「川内型」の14隻の5500tクラスの軽巡洋艦を次々と建造しました。
●これにより水雷戦隊旗艦としての軽巡洋艦の隻数をほぼ満たすようになり、その後しばらくは軽巡洋艦の建造は行われなくなります。
・ 軽巡洋艦「夕張」は、正式には大型駆逐艦として区分されており、実験艦の意味合いが強い艦でした。
●1930年の「ロンドン軍縮条約」により、巡洋艦などの補助艦艇の保有制限総トン数が定められると、日本海軍は8000tクラスの大型軽巡洋艦「最上型」「利根型」の建造を開始、しかし、これらの艦は後の条約脱退を想定して、容易に主砲塔を換装できるようになっており、実質的に重巡洋艦に近いものでした。
●1930年の後半になると、5500tクラスの軽巡洋艦はさすがに旧式化が目立ち始め、1939年に立案された建造計画により、水雷戦隊用の乙型軽巡洋艦「阿賀野型」4隻と、潜水戦隊用の丙型軽巡洋艦「大淀型」2隻の建造が進められます。
●「阿賀野型」は、5500tクラスからほぼ20年後に建造が行われた軽巡洋艦で、従来のデザインとは全く異なる近代的なフォルムを持ち、「15.2cm砲」を連装式に3基搭載、魚雷兵装も「4連装魚雷発射管」を2基装備し、次発装填装置も付けられた強力な武装を持っていました。
●また、スマートな船体形状と、10万馬力の機関から最高速度は35ノットを発揮、水雷戦隊を率いる旗艦として申し分無い性能を誇っています。
●しかし、この水雷戦隊用としての役割を重視したため、主な対空兵装は「98式 8cm連装高角砲」2基のみであり、1939年に計画された艦としては貧弱さが否めないのも事実でした。
・ この「98式 8cm連装高角砲」は、航空母艦「大鳳」や駆逐艦「秋月型」などが装備した「98式 10cm高角砲」のスケールダウン版で、対空能力に優れた火砲でしたが、連装2基しか搭載されなかったことで航空戦となった太平洋戦争下では火力不足が明らかとなってしまいます。
●「阿賀野型」は、1942年から1944年にかけて4隻を竣工、戦争後期に竣工した「酒匂」以外は最新鋭艦として第一線に投入が行われ、新鋭艦に相応しい働きを見せましたが、水上戦闘を行う機会は少なく、3艦共に戦没しています。
【 日本海軍 軽巡洋艦 酒匂 について 】
●軽巡洋艦「酒匂」は、「阿賀野型」の4番艦として1944年11月に竣工しました。
●竣工した「酒匂」は、主に訓練を目的とする第11水雷戦隊の旗艦に就きます。
●しかし、1944年10月からのフィリピン戦によって南方からの補給路を断たれた日本は燃料事情が急激に悪化、1945年に入ると日本近海もアメリカ軍の制空権、制海権下となり、「酒匂」以下の第11水雷戦隊も作戦行動を行うことは難しくなります。
●1945年5月、呉を中心に行動していた「酒匂」は舞鶴へと移動、日本海軍はもはや組織的な作戦行動を行えなくなったことから、この舞鶴において「酒匂」は水雷戦隊旗艦の任を解かれ、七尾湾内で偽装した状態で係留していました。
●この状態のまま「酒匂」は大きな戦闘もなく、終戦を迎えます。
●終戦後、復員船となった「酒匂」は人員の輸送任務に従事、1946年2月にその役割も終わり、アメリカ軍へと引き渡されました。
●1946年7月、「酒匂」は標的艦としてビキニ環礁へと移動、原爆実験の標的となり、その身を波間に消したのでした。