日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル
「日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル (プラモデル) (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.035 )」です
●太平洋戦争後期における日本海軍の「航空戦艦 日向」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット。
●世界の艦船史上最も希有な存在で知られる「航空戦艦 日向」を再現、戦艦の艦尾に航空作業甲板を設けた、特異なシルエットを再現した内容になっています。
●フジミ製「日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル」をベース2ピース化した「96式 25mm機銃」ランナーを新たに加えたバリエーションキットです。
・ 組立説明書内にはこの機銃パーツの取付指示はございませんが、既存の機銃パーツと交換するなどしてご利用下さい。
日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.35) パッケージ内容
・ 日本海軍 航空戦艦 日向 (フルハル仕様) ×1
・ 水上偵察機 彗星 ×4
・ ディスプレイスタンド ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
・ 塗装図・パーツ図 ×1
日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.35) プラモデルの内容
●日本海軍の「航空戦艦 日向」を再現したプラスチックモデル組立キットです。
●フジミ社の「特シリーズ」と同様のフォーマットで「航空戦艦 日向」をディテール豊かに再現、実艦の構造に沿って積み上げながら製作する艦橋、クロスツリーの細かな支柱を再現した後檣、スポンソンの支柱を1本ずつパーツ化した航空作業甲板、そして弾薬箱まで再現した機銃座など、艦船モデルならではの細部表現と、日本の戦艦らしい複雑な構造の再現に重きを置いた内容になっています。
●また、滑り止めパターンやラッタル、舷窓、梯子、扉などは微細な彫刻で再現、各スポンソン、ブルワークなどは薄く成型しており、1/700スケールに沿った細かなディテール表現を楽しむことができることでしょう。
●「日向」は、1943年11月に航空戦艦へと改装が完了し、1944年10月には対空兵装を増強してレイテ沖海戦に挑んでおり、キットはこの1944年10月から1945年2月までの姿を再現しています(1945年2月以降はカタパルトなどを撤去しています)。
■ 日本海軍 航空戦艦 日向 全体構造
●「航空戦艦 日向」は、「船体」「上甲板」「航空機作業甲板」「格納庫」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」のブロックごとに分割した構成になっています。
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類などを船体ブロックへと取り付けて完成させます。
●フジミ製「特シリーズ」の「日本海軍 航空戦艦 日向 昭和19(1944)年」をベースに艦底部を再現したパーツをセット、スクリュー部までも再現したフルハルモデルになっています。
・ 「フルハル仕様」となる以外は、「日本海軍 航空戦艦 日向 昭和19(1944)年」とほぼ同内容のキットですが、洋上モデル用の艦底パーツは付属していません。
●船体は船体上部と船底部の上下に分割したパーツで構成。
・ 船体部には「副砲のデッキ」部分を一体成型化して再現、舷側の「舷窓」、「フェアリーダー」などを繊細なモールドで再現しています。
・ 艦底には4基の「スクリュー」を別パーツで再現、「推進軸」も含めてそれぞれ3パーツに分割して構成しています。
・ 「舵」を再現したパーツを2個セットしています。
●上甲板は一体成型化したパーツで再現しています。
・ 甲板上には、主砲塔台座、木甲板表現などの基本構造の他、ボラード、昇降口、通風筒、リール、ウインチ、アンカーチェーンなどの細かなディテールを繊細なモールドで再現しています。
●航空機作業甲板は一体成型のパーツで再現、エレベーターは別パーツ化しています。
・ 航空機作業甲板には、航空機軌条、ターンテーブル、滑り止め、機銃の弾薬箱などを繊細なモールドで再現しています。
・ 航空機作業甲板下部の複雑な梁構造をモールド化して再現。
・ 甲板を支える支柱は別パーツ化して再現しています。
●格納庫は、左右に分割したパーツ構成、カタパルト台座部分を含む前部構造物は別パーツ化しています。
・ 噴進砲のスポンソンは左右を一体成型化したパーツで再現。
・ 機銃スポンソンは左右それぞれ一体成型のパーツで再現、支柱は1本ずつ別パーツ化しています。
■ 日本海軍 航空戦艦 日向 艦上構造物
■ 艦橋
●艦橋は10層で構成、基礎構造である前檣楼支柱は別パーツ化しています。
・ 各層の床部分の「滑り止めパターン」をモールド化して再現。
・ 各艦橋、見張り所などの「窓」は、「窓ガラス」の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています。
・ 戦闘艦橋上部の「遮風板」を立体的なモールドで再現。
・ 各層を繋ぐ「ラッタル」は、各艦橋部分に一体成型もしくは別パーツ化して再現しています。
・ 艦橋トップの「測距儀」「射撃指揮所」は別パーツ化して再現。
・ 艦橋下部の「司令塔」は左右に分割したパーツ構成で、天板は別パーツとなっています。
・ 艦橋部分に装備する、「21号電探」(×1)、「22号電探」(×2)、「94式高射装置」(×2)、「60cm探照灯」(×4)、「25mm3連装機銃」(×9)、「89式 12.7cm連装高角砲」(×2)などを別パーツ化て再現しています。
■ 煙突
●「煙突」本体部分は左右に分割したパーツ構成、煙突トップ部は別パーツ化しています。
・ 雨水カバー部は開口した状態で成型、煙突内部の「整流板」も別パーツ化して再現しています。
・ 煙突上部の「ジャッキステー」は別パーツ化して再現。
・ 煙突部の「探照灯台座」及び「機銃台座」は、ブロックごとにパーツ化しています。
・ 台座「支柱」の「トラス部分」はパネルごとに分割して再現、凹凸あるモールドでトラス構造を再現しています。
・ 台座の中央部の「支柱」は別パーツ化して再現しています。
・ 煙突部に装備する、「94式高射装置」(×2)、「110cm探照灯」(×4)、「25mm 3連装機銃」(×4)を別パーツ化して再現しています。
■ 後部艦橋
●「後部艦橋」は4層に分割したパーツ構成。
・ 「艦橋窓」は、「窓ガラス」の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています。
・ 艦橋部分の「後檣」の支柱は別パーツ化しています。
・ 「ラッタル」を別パーツ化して再現。
・ 後部艦橋に装備する、「94式方位盤」(×1)、「方位測定器」(×1)、「25mm 3連装機銃」(×4)を別パーツ化しています。
■ 後檣
●「後檣」は1本の単檣で、上部のクロスツリー、ガフは別パーツ化しています。
・ クロスツリー下部の細かな桁は一体成型のパーツで再現、日本戦艦特有の複雑な形状の後檣を再現しています。
・ トップ部分に装備する「13号電探」(×2)を別パーツ化して再現しています。
■ カタパルト
●「1式2号11型 射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用してカタパルト上部のディテール、側面のトラス構造を立体感あるモールドで再現しています。
・ カタパルト用の「滑走車」(×2)が付属。
■ 主砲
●「45口径 41式 36cm連装砲」 ×4
・ 主砲塔は上下に分割したパーツ構成、これに1本ずつ個別にパーツ化した砲身を取り付けて作製します。
・ 砲身部分は砲口部分を開口して成型、砲身基部の「防水布」「外とう砲取り付け金具」をモールド化して再現しています。
・ 「測距儀」「機銃台座」は別パーツ化して再現しています。
■ 高角砲
●「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×8
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との2パーツに分割したパーツ構成。
・ 砲身は連装状に一体成型化したパーツで再現しています。
・ 複雑な形状となる高角砲のブルワークをパーツ化して再現。
■ 対空兵装
●「12cm 28連装 噴進砲」 ×6
・ 噴進砲は砲本体と架台部との2パーツで再現。
・ 噴進砲本体部分には発射口をモールド化して再現しています。
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×31、「25mm単装機銃」 ×11
・ 各機銃は一体成型化したパーツで再現。
●上記機銃パーツとは別に2ピース化した以下の機銃パーツが付属しています。
・ 25mm 三連装機銃 ×28
・ 25mm 連装機銃 ×12
・ 25mm 単装機銃 ×40
■ 艦載機
●艦載機は、機体本体、プロペラ、キャノピー、主脚に分割したパーツ構成になっています。
●艦載機内容
・ 艦上爆撃機 彗星 ×4
■ 内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 17m内火艇 ×1
・ 12m内火艇 ×1
・ 12m内火ランチ ×1
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 9mカッター ×4
・ 6mカッター ×1
■ その他艤装
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ パラベーン
・ 舷梯
・ 爆弾用クレーン
・ パラベーン用ダビット
・ クレーン
・ 25mm機銃 弾薬箱
などを別パーツ化して再現しています。
■ ディスプレイ台
●完成後に見栄え良く飾ることができるディスプレイ用の円形の飾り台を2個セット、「航空戦艦 日向」の前後2箇所に配置して完成した艦体をそのまま載せてディスプレイすることができます。
・ 飾り台はプラスチック製のパーツ、円形の台座部分にUの字型の飾り脚を取り付けるパーツ構成になっています。
日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.35) 塗装とマーキング
●「塗装図」は別紙「塗装図・パーツ図」内にモノクロで記載しています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー)。
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、味方識別帯、偏流測定線などをデカールシートにプリントしています。
日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.35) 製品仕様
●プラスチックモデル組立キット
・ 各パーツ類はランナー状に成型していますので、パーツを切り離すのに「ニッパー」などの切断工具が必要になります(別売り)。
・ パーツの固定には「プラモデル用接着剤」などの接着剤をご利用下さい(別売り)。
●製品素材 : PS・紙
●パーツ数:
●パーツ成型色 : グレーなど
●「航空母艦 日向」完成時のサイズ
・ 全長 : mm
・ 全幅 : mm
・ 全高 : mm
●2021年 「日本海軍 航空戦艦 日向 フルハルモデル」をベースにしたバリエーションキット。
●日本製
日本海軍 航空戦艦 日向
●「戦艦 日向」は、当初超ド級戦艦「扶桑」型の4番艦として建造を進めていましたが、我が国の財政上の都合を理由に着工が遅れ、この結果設計を見直し、主砲配置などを変更、改「扶桑型」である「伊勢型」の2番艦として1918年に竣工しました。
●「伊勢型」は「36cm連装砲」を6基搭載して、「金剛」型巡洋戦艦の1.5倍の攻撃力を持ち、設計変更のおかげで「扶桑型」よりも防御力が向上、出現当時は世界最大かつ最強の評価を得ていました。
●しかし、当時の軍艦の建造技術は日進月歩であり、速度の遅い戦艦でも25ノット以上の速力が必要で、特に空母機動部隊への追従能力として艦の速度は重要な要素となりました。
●「伊勢型」の「伊勢」「日向」も数度に渡る改造で、その戦闘能力と艦速が向上しましたが、空母の護衛には充分とは言えず、太平洋戦争の緒戦においては、内地にて待機状態で過ごします。
・ これは、速度以外の要素として、戦艦という艦種自体が攻撃力は高いものの燃料消費、操作人員などの関係により非効率的であり、速度が早く、一回りコンパクトな戦艦「金剛型」が活躍したのと対照的となりました。
●1942年5月、内地近海において演習中だった「日向」は、主砲の実弾発射時に第5番主砲塔の爆発事故が発生、第5番主砲塔は全損となってしまいます。
●1942年6月、日本海軍は「ミッドウェー海戦」において主力空母4隻を喪失、この損害を埋めるために、新造空母の増産と、既存の艦艇から空母へと改造を行うことを計画します。
●この空母への改造は当初は旧式化していた「扶桑型」と「伊勢型」の4隻を行う予定でしたが、工期や造船施設の能力などの関係、そして「日向」が第5番主砲塔を失っていたことから「伊勢型」の2隻のみとなりました。
●さらに、全通式の飛行甲板を持つ空母への改造までには至らず、後檣から後ろの部分に航空作業甲板を設けるという航空戦艦という形態を生み出します。
●この改造により航空機22機を搭載するこ。とが可能となりましたが、飛行甲板が小さいために着艦は行なうことができず、行動を共にする航空母艦に航空機を収容することが前提となりました。
●発艦は、水上機用のカタパルト(日本海軍では艦上機用のカタパルトは実現できませんでした)により行なわれ、搭載する航空機は、新型の水上偵察機「瑞雲」とカタパルト射出用に機体を強化した艦上爆撃機「彗星」の搭載を予定していました。
●この航空戦艦への改造にあたり、「伊勢」「日向」の兵装類も改装、対空兵装を大幅に増強、反対に副砲は全て撤去しています。
●航空戦艦として生まれ変わった「伊勢」「日向」は貴重な航空戦力として活躍が期待されましたが、南方での航空戦による航空機の消耗の関係で肝心の艦載機は配備されず、結局、練習艦として内地にとどまります。
●1944年6月「マリアナ沖海戦」が発生、日本海軍はその艦隊航空戦力の総力を持って挑みましたが、「伊勢」「日向」の両艦には搭載する航空隊は無く、あくまでも戦艦として出撃しました。
●この海戦において日本海軍は空母3隻と多数の航空機を失って敗北、この時期ではアメリカ軍の航空戦力と練度、そして「VT信管」による濃密な対空火器網により、戦力差は如何ともし難い状況となり、以後は航空決戦ができなくなります。
●マリアナ沖海戦後、内地に帰った「日向」は、再び対空兵装を強化、序々に航空機の配備が始まります。
●1944年10月、フィリピン東方のレイテ島にアメリカ軍が上陸を開始、フィリピンを失いことは、南方からの石油などの戦略資源の補給路が断たれることを意味しており、日本陸海軍は総力を挙げてアメリカ軍との決戦に挑みました。
●しかし、上記のように日本海軍にはもはや艦隊航空戦力によって決戦を挑むことはできず、水上艦艇によって敵艦隊を叩くことを計画、残存していた空母機動部隊は敵の機動部隊による攻撃を一気に引き受ける「囮」となりました。
●「伊勢」「日向」は、対空能力の高さにより空母機動部隊の「小澤艦隊」に編入、海戦の地フィリピンへと向かいます。
●しかし、両艦の虎の子の艦載機は事前の「台湾沖航空戦」で引き抜かれており、この海戦においても航空機を載せることはありませんでした。
●フィリピン北方のエンガノ岬沖において「小澤艦隊」は「囮」役の任務を達成し、アメリカ軍の艦載機の猛攻を受け、空母4隻を失います。
●この攻撃では、「伊勢」と「日向」は、その強力な対空火力により多くの敵航空機を撃墜、自艦は両艦の戦隊司令「松田少将」が考案した巧みな回避行動によって損害を逃れています。
●1945年2月、「伊勢」と「日向」は南方からの輸送任務「北号作戦」に参加し、制空権、制海権のない絶望的な状況の中、強行突破を行い、無傷で作戦を遂行しました。
・ この頃には艦載機の搭載は絶望的となり、砲撃の邪魔となるカタパルトは撤去されています。
●この作戦の終了後、「伊勢」と「日向」は内地での重油不足が深刻化したために、呉の軍港に停泊していましたが、1945年3月のアメリカ艦載機による呉空襲において3発の爆弾を被弾、大事には至りませんでしたが、その後は呉軍港の外れにおいて浮き砲台となります。
●1945年7月、再び呉軍港はアメリカ軍機による大空襲を受け、「日向」は猛攻により大破、着底、その状態で終戦を迎えています。
●「伊勢」と「日向」は同型艦としてほぼ同一の艦形を持ち、戦歴自体もほぼ同じ道程を過ごし、その最期も同じでした。
●戦艦「日向」は、太平洋戦争時には旧式艦として出撃の機会はほとんどなく、航空戦艦へと改造後も航空機の運用は行われませんでしたが、改造後は強力な対空兵装により奮戦、絶対的な不利な状況下において一矢報いる活躍を見せたのです。