日本戦艦 金剛
「日本戦艦 金剛 (プラモデル) (ハセガワ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.109 )」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の戦艦「金剛」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●高速性能を持つため汎用性が高く、常に第一線で運用された戦艦「金剛」を再現、スマートな船体の前後に主砲塔を配置した均整の取れたシルエットを再現した内容となっています
【 日本海軍 戦艦 金剛 について 】
●日露戦争以降、帝国海軍が新造する艦艇は日本国内で建造されました
●しかし、1906年に竣工したイギリスの戦艦「ドレッドノート」は、主砲、副砲、中間砲という多種の砲を搭載する従来の戦艦形式とは異なり、主砲を主体とした武装配置により高い攻撃力を持ち、この艦の登場により、それまでの艦は一挙に時代遅れとなります
・ これまでの戦艦は「前ド級艦」、「ドレッドノート」と同等な性能の艦を「ド級艦」、そして主砲を中心線配置として更に砲撃力が向上した艦を「超ド級艦」と呼びます
●帝国海軍は「超ド級戦艦」誕生の事態を踏まえ、1911年に新型の巡洋戦艦「金剛」の建造を当時同盟関係にあったイギリスへと発注、「超ド級艦」の建造技術の獲得を図り、1913年に竣工しました
・ イギリスから取り寄せた「金剛」の設計図を元にして、日本国内でも「榛名」「霧島」「比叡」の3隻の「金剛型巡洋戦艦」の建造が開始されています
●これにより建造された「金剛型巡洋戦艦」の4隻は、当時世界最強の艦隊と言われ、第1次世界大戦においては、イギリス海軍から借用の要請があったほどです
・ 「巡洋戦艦」は、一般的には戦艦よりも格下と見られますが、当時は「戦艦の火力」と「巡洋艦の速力」を兼ね備えた、戦艦よりも上位の艦とされています
●当時の艦の建造技術と、艦の能力の発達は著しいものがあり、1920年から1930年にかけて「金剛型巡洋戦艦」は第1次近代化改装を実施、これにより主砲の射程が伸び、防御力が強化され、機関出力も向上しましたが、速力は低下したために従来の巡洋戦艦から戦艦へと艦種が変更されました
●しかし、1933年から実施された第2次近代化改装では、大幅な機関出力の増強と、艦尾の延長化が行なわれ、30ノットという速度を発揮する高速戦艦として生まれ変わります
●この高速性能は、空母機動部隊の護衛や、作戦運用上から駆逐艦との連携が行いやすく、太平洋戦争では実質的な戦艦戦力の主力として奮戦したのでした
●太平洋戦争が開戦すると、「金剛」は僚艦「榛名」と共に南方攻略作戦の支援部隊の主力として行動、フィリピンなどの上陸作戦の支援に当たります
●その後、機動部隊に編入されてインド洋沖海戦に参加、この海戦では「金剛型」高速戦艦の4隻が揃った最後の舞台となりました
●「ミッドウェー作戦」での「金剛」は、ミッドウェー島への「攻略部隊」として参戦、しかし、先鋒としての空母機動部隊が壊滅したことで作戦は中止され、「金剛」は帰路の途に着きます
●1942年10月、「金剛」は「榛名」と共に挺身攻撃隊としてガダルカナル島沖へと突入、同島のヘンダーソン飛行場に砲撃を加え、同飛行場の機能を一時的にマヒさせ、アメリカ軍側に大きな損害を与えました
・ 同年11月に同様な作戦によってガダルカナル島沖に突入した僚艦「霧島」「比叡」は、アメリカ艦隊と壮絶な夜間砲撃戦を展開、3日間の戦闘でアメリカ艦隊に大きな損害を与えますが、両艦共に沈没してしまいます
●「金剛」は、その後に空母機動部隊の直衛艦となりますが、肝心の空母は艦載機の損失が大きく、戦力の補充と搭乗員の練成に時間が取られ、出撃の機会もないままに時は過ぎて行きました
・ この間、「金剛」は対空兵装の増強などの改装を受けています
●1944年3月、連合艦隊がその持てる航空兵力の全てを投入した「マリアナ沖海戦」が発生、「金剛」も機動部隊の護衛として参加します
●しかし、彼我の戦力の差は圧倒的で、海戦は完全な日本軍側の敗北となり、多くの戦力を失なってしまいます
●1944年10月には、フィリピンのレイテ島にアメリカ軍が上陸、フィリピンを失うことは南方からの物資の輸送路を失うことを意味しており、連合艦隊は総力を挙げてアメリカ艦隊の撃滅を図ります
●この時期には連合艦隊の航空兵力では決戦を挑む力は無く、空母機動部隊は囮として行動、敵機動部隊の注意を惹き付けている間に砲撃艦隊がレイテ島沖に突入し、アメリカの上陸艦隊の撃滅を狙いました
●「金剛」は、砲撃部隊の主力である「栗田艦隊」へと編入され、同艦隊は数度の空襲と潜水艦の攻撃による落伍艦を出しながらもレイテ島沖に到達、遂に護衛空母から成るアメリカ機動部隊を捉えました
●アメリカ機動部隊は、煙幕を展張しながら回避、艦載機を緊急発進させて必死に防戦に努めますが、「金剛」が中心となって護衛空母「ガンビア・ベイ」を撃沈します
●しかし、アメリカ機動部隊の護衛の駆逐艦による捨て身の攻撃や、航空機による攻撃により損害が続出、散々となった艦隊を集合した「栗田艦隊」はUターンして戦場を離脱しました
・ このUターンの理由は諸説有りますが、明確な理由は判明していません
●「栗田艦隊」は一旦、ブルネイに帰投すると、内地に向けて出航しますが、台湾沖にてアメリカ潜水艦の攻撃を受けます
●「金剛」は、2発の魚雷が命中、当初は通常に航行していましたが、浸水により徐々に傾斜、遂には転覆を起こし、最期を遂げてしまうのです
【 日本戦艦 金剛 (こんごう) プラモデルの内容 】
●この帝国海軍の戦艦「金剛」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●シャープでカッチリとしたモールドで戦艦「金剛」のディテールを表現しながら、コレクション性を重視してパーツ数を抑え組立やすい内容となっています
●「金剛」は太平洋戦争開戦後も度々対空兵装の増強が行なわれており、キットは1944年10月の「レイテ沖海戦」時における最終時が表現されています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「戦艦 金剛」の船体部は上下分割式で、これに上部構造物、各艤装類を取り付ける構成となっています
●船体部には、長船首楼甲板、上甲板、航空機作業甲板が一体成型され、細部では舷側の舷窓、主錨、副錨などが再現、バルジ部分も表現されています
・ 甲板上には、主砲塔台座、木甲板表現などの基本躯体の他、ボラード、昇降口、天窓、リール、などの細かなディテールが再現
・ 航空機作業甲板には、リノリウム押さえ、航空機用軌条、ターンテーブルのモールドが彫刻されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「測距儀台座部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「戦艦 金剛」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は8層で構成され、トップの「94式測距儀」は別パーツとなっています
・ 艦橋構造物の各艦橋の窓の枠がモールドされています
・ 艦橋部分を構成する、「21号電探」(×1)、「方位測定器」(×1)、「94式4.5m測距儀」(×2)、「25mm連装機銃」(×4)、「25mm3連装機銃」(×2)、「60cm探照灯」(×2)などがパーツ化されています
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式で、トップは別パーツとなっています
・ 各副管が一体成型されています
・ 煙突部の探照灯、高角砲、機銃の各台座は、ブロックごとにパーツ化されています
・ 探照灯、機銃台座の支柱部分は、トラス構造がモールドされています
・ 煙突部に装備される「110cm探照灯」(×2)、「25mm 連装機銃」(×2)、「25mm 3連装機銃」(×2)が付属しています
●測距儀台座部
・ 艦体中央部の測距儀台座部は、台座部分が3パーツで構成、台座の支柱のトラス構造がモールドされています
・ 測距儀は別パーツにて再現
●後部艦橋
・ 後部艦橋は左右分割式で、機銃台座が別パーツです
・ 側面には舷窓などがモールドされています
・ 「25mm 3連装機銃」(×2)が付属
●後檣
・ 後檣は、下部が3脚檣型で上部は単檣型、下部は前後分割式、上部は一体成型となります
・ 機銃台座は別パーツにて再現
・ 後檣に装備される「25mm 3連装機銃」(×2)が付属しています
●カタパルト「呉式 2号5型射出機」 ×1
・ カタパルトは一体成型のパーツで、トラス構造の側面部が凹凸あるモールドで再現されています
●主砲塔部「45口径 毘式 36cm連装砲」 ×4
・ 主砲塔は一体成型で、連装式に一体成型された砲身パーツを取り付けます
・ 砲身には外トウ砲の装着リングがモールドされています
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 砲塔は旋回可動式とすることができます
●副砲「50口径 毘式 15cm単装砲」 ×8
・ 砲塔部分と砲身部とは一体成型となっています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×6
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
●対空機銃
・ 「25mm 連装機銃」 ×6 (艦橋、煙突部に配置)
・ 「25mm 3連装機銃」 ×20 (艦橋、煙突、後部艦橋部を含む)
・ 各機銃は一体成型となります
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 内火艇2種 ×各1
・ 内火ランチ ×2
・ カッター ×6
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦尾旗竿
・ クレーン
などがセットされています
●艦載機として
・ 零式水上偵察機 ×2
が付属、胴体、フロートのパーツ構成となります
●艦尾の軍艦旗、艦載機の日の丸マーク、偏流測定線、機体番号などを再現したデカールが付属しています
●1993年 完全新金型