アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型
「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型 (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6548 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の中戦車「M4」の「105mm榴弾砲搭載型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M4」をベースとした火力支援型「105mm榴弾砲搭載型」を再現、専用の防盾を装備した迫力ある姿を再現した内容となっています
●初期に生産が行われた「垂直懸架式サスペンション型(VVSS)」を装備した車両を再現しています
【 「M4 105mm榴弾砲搭載型」について 】
●アメリカの「M4中戦車」シリーズは、搭載するエンジンと車体形状により主に「M4」「M4A1」「M4A2」「M4A3」「M4A4」の5種に分類することができ、それぞれが異なったメーカー、工場で生産することでマスプロ化に成功、大量生産を実現することができました
●「M4中戦車」シリーズが安定した生産数を確保し、アメリカ軍のみならず連合軍の各国にも順調に供給が行われるようになった1942年後期、それまでの生産性を重視した方針から戦訓を採り入れた製造方針へと転換し、武装の強化と、新型車体(後期型車体)による防御力の強化が図られるようになります
●「M4」では、車体前部を「M4A1」と同じ鋳造とした「コンポジットハル」と呼ばれる後期型車体と、前面板を1枚タイプとし、前部ハッチを大型化したタイプの2種が生産され、前者の「コンポジットハル」は「75mm砲砲塔」専用、後者は「105mm榴弾砲」専用としました
・ 武装の強化策として、「76mm砲砲塔」への変更がメインとなりましたが、榴弾の炸薬量は75mm砲の方が遥かに大きく、主に「M4A1」と「M4A3」の「後期型車体」へ「76mm砲砲塔」が装備されています
●一方、火力支援型である「105mm榴弾砲搭載型」は「M4」だけでなく「M4A3」をベースとした車両も造られ、1944年2月からは「M4」をベースとした車両、3月からは「M4A3」をベースとした車両の生産を開始しています
●この「105mm榴弾砲搭載型」は、砲の大型化と防盾の変更により従来の「M4中戦車」シリーズよりも重くなったため、1944年9月からは、それまで生産されていた「垂直懸架式サスペンション(VVSS)」に替わって、「水平懸架式サスペンション(HVSS)」を装備した車両へと生産が移行しました
●「M4」の「105mm榴弾砲搭載型」は、1944年2月から1945年5月までの間に1641両が生産、アメリカ軍だけではなく、イギリス連邦軍や自由フランス軍にも供与が行われています
●「105mm榴弾砲搭載型」は、戦車をベースとした車体であることと、専用の防盾の装甲厚が強化されたことから、強力な火力支援車両として最前線へと投入、直接照準射撃により敵防御陣地の制圧や対人目標への砲撃に活躍しました
●また、「105mm榴弾砲搭載型」は火力支援として間接照準射撃にも活躍、自走榴弾砲の代わりとしての役割も務めています
●さらに、対戦車戦闘用として対戦車榴弾も搭載、この対戦車榴弾は「105mm」という大口径から装甲貫通能力が高く、「105mm榴弾砲搭載型」は単なる火力支援型という立場だけではなく、火力が強力で汎用性も高い戦車として各戦線で奮戦したのでした
【 「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の中戦車「M4」の「105mm榴弾砲搭載型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン/サイバーホビー社の「M4中戦車」シリーズのフォーマットに沿って「M4 105mm榴弾砲搭載型」を再現、細分化したパーツ構成で細部ディテールの再現に重きを置いた内容となっています
●「M4 105mm榴弾砲搭載型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲手部分の装甲厚を増し、専用の防盾を装備した「105mm榴弾砲搭載型」の砲塔を再現、滑らかな曲線で構成されながら凹凸のある鋳造肌、防盾の刻印などを強弱を付けたモールドで再現しています
●主砲の「105mm榴弾砲」の砲身は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口は開口されています
・ 砲口内側にはライフリングのモールドが入っています
・ 防盾は一体成型のパーツで再現、吊り下げフックは別パーツとなります
・ 防盾は上下に可動させることができます
●砲塔は、上下に分割したパーツ構成
・ 砲塔部の防盾基部には、防盾カバーの固定具を別パーツ化して再現
・ 装填手ハッチ、排莢ハッチは別パーツで、開閉状態を選択可能です
●ペリスコープ部は、取り付けベース、ペリスコープ本体、蓋、ペリスコープガードの4パーツで構成
・ ペリスコープ本体はクリアパーツで再現し、ペリスコープガードはプラパーツで再現しています
●車長キューポラは、ビジョンブロック付きのタイプと、ビジョンブロックが付かないタイプの2種をセット、選択して使用します
・ ビジョンブロック付きのタイプの、ビジョンブロック部はクリアパーツとなります
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態を選択可能です
●機銃架に装備する「M2重機関銃」が付属、装備の有無を選択できます
・ 「M2重機関銃」は、放熱口の位置をモールドで正確に再現、スライド金型を使用して銃口部分を開口しています
・ 機銃架は、機銃を装着するためのパーツと、機銃を装備せずに蓋が付いているパーツの2種をセット、機銃装備の有無に従って選択して使用することができます
【 車体上部 】
●車体前面パネルが1枚タイプとなる「M4」の後期型車体のレイアウトを再現、溶接跡、刻印などの細部を繊細なタッチのモールドで再現しています
●車体上部は、エンジンルーム上部を除き一体成型のパーツで再現
・ 操縦手及び前方機関銃手のハッチは別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 前部のベンチレーターはエッチングパーツによって再現します
・ 前照灯及び尾灯は、クリアパーツとなっています
・ ライトガードは、プラパーツとエッチングパーツの2種が付属、選択して使用することができます
・ 前部フェンダー及びサイドフェンダーの取り付け基部はエッチングパーツで再現
・ 各給油口は別パーツ化しています
・ 車体後部の吸気口のメッシュを再現するエッチングパーツが付属
●各種工具類は、固定具を工具類パーツ上に一体成型したパーツで再現
・ 固定具を再現するエッチングパーツも付属、これを使用する場合には車載工具の固定具のモールドを削り取って使用します
【 車体下部 】
●「VVSS」サスペンションを装備した車体株姿を再現、デファレンシャルカバーは尖った形状となるワンピースタイプとなっています
●車体下部は、側面と底面とを一体成型したパーツに、デファレンシャルカバー、後部パネルを取り付けて作製します
●「VVSS」サスペンションは前後に分割したパーツ構成で、これにボギー部と垂直バネ、サポートローラーを挟み込みんで作製します
・ サポートローラーの支持架は水平の初期型と、斜め形状の後期型とを選択することができます
・ 転輪はスポークタイプの初期型と、プレス式の後期型の2種をセット、選択して使用することができます
・ 起動輪は「標準型」と、肉抜き穴が斜めに削がれた「クライスラー型」との2種をセット、選択して使用することができます
●履帯は、接着及び塗装が可能なDS素材によるベルト式となっています
・ 履帯は、ラバーシェブロンタイプの「T48」履帯に、接地圧を低くする「ダックビル」を装着している状態が再現されています
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能なDS素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 接地圧を低くするため「ダックビル」を装着している状態を再現
・ 履帯は、ラバーシェブロンタイプの「T48」履帯を再現しており、モデルカステン製「M4シャーマン戦車用履帯 T48型 (可動式)」がこれに対応しています
●前照灯、尾灯、ビジョンブロック、ペリスコープなどを再現したクリアパーツが付属
●ライトガード、車載工具の固定具、吸気口のメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型」の塗装とマーキング 】
●「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第4機甲師団 第8戦車大隊 (ノルマンディ / 1944年)
・ 第31機甲連隊 (ノルマンディ / 1944年)
・ 第32機甲連隊 本部中隊 (ベルギー / 1945年)
●説明書の塗装例に基づく国籍マーク、部隊表記、車台番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型」のパッケージ内容 】
・ アメリカ軍 M4 105mm榴弾砲搭載型 ×1
・ エッチングシート ×1
・ クリアーランナー ×1
・ 金属製ワイヤー(牽引ワイヤー用)×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2011年 一部新金型
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【 「アメリカ M4 シャーマン 105mm榴弾砲搭載型」のワンポイント 】
●サスペンション、転輪などは初期型と後期型の選択式となっていますが、「M4 105mm榴弾砲搭載型」の生産は1944年2月からであり、そのほとんどが後期型のタイプを使用していたものと思われます(実車写真では、試作車を写した場合が多いですので注意して下さい)
・ また、起動輪は「クライスラー型」の方の使用例が多いようです