日本海軍海防艦 丙型 (後期型)
「日本海軍海防艦 丙型 (後期型) (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.SPW018 )」です
●太平洋戦争後半における帝国海軍の「海防艦 丙型」の「後期型」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
・ 「海防艦 丙型」のパーツを2隻分セットしており、「前期型」「後期型」を選択して作成することができます
●戦時急造型の海防艦として船団護衛に活躍、潜水艦との死闘を交えた「海防艦 丙型」を再現、生産性を考慮し、直線を基調とした特徴的なフォルムの艦形を再現した内容となっています【 「海防艦 丙型」について 】
●帝国海軍の「海防艦」という艦種は2種類に分かれており、旧式の戦艦や装甲巡洋艦を格下げして防御用の艦としたタイプと、船団護衛用の護衛艦のタイプとが有りました
・ 帝国海軍には、船団を守る護衛艦という艦種が設定されておらず(欧米では、フリゲート艦、護衛駆逐艦[エスコート艦]、コルベット艦が在る)、「駆逐艦」「水雷艇」「海防艦」「駆潜艇」が船団護衛に当たりましたが、徐々に主役は海防艦へと移っていくことになります
●当初、この護衛艦タイプは北方での漁業権益を守る艦として作られましたが、艦の持つ性能から船団護衛に用いられ、しだいにこの任務へと特化するようになります
●南方の各地が占領されると、輸送航路が急速に拡大、「駆逐艦」は第1線へと投入され、更には敵潜水艦の度重なる出現により、海防艦の必要性が高まります
●護衛艦タイプの海防艦の最初の型である「占守型」「択捉型」では、漁業権益艦の特徴を色濃く残しており、その次の型となる「御蔵型」から北方用の特殊装備が省かれ、汎用型の船団護衛用として建造されています
●しかし、この「御蔵型」は、まだ戦前の設計思想に従って建造され、1隻あたり約9ヶ月の建造期間を要するため、同系艦を多数必要とする「海防艦」の建造工法としては不向きなものでした
●そこで、戦時簡易生産型として戦争後期から建造が行われたのが「海防艦 鵜来型」です
●この「海防艦 鵜来型」では、各部の簡略化を行いながら性能自体は従来型を維持し、建造方法も日本で始めてブロック工法が用いられ、大幅な建造日数の短縮化が図られることになります
●ところが、戦局はアメリカ潜水艦の予想外の積極的な行動により輸送船団・護衛艦艇に被害が続出、よりマスプロ化した海防艦の大量投入が必要とされます
●そこで誕生したのが「海防艦 丙型」で、「鵜来型」を参考としながら船体を小型化、徹底した簡略化と直線を基調としたデザインにより生産効率が高められました
●機関は、生産性の高いディーゼルエンジンへと変更、これにより最大速度は「鵜来型」の19.5ノットから、「丙型」では16.5ノットに減少、しかし「御蔵型」では9ヶ月だった建造期間が、「丙型」では3ヶ月と大幅に短縮されることになります
●また、「鵜来型」までは各艦にそれぞれ艦名が与えられましたが、「丙型」及び「丁型」では大量生産艦のために艦名は与えられず、「1号艦」といったように漢字表記の「○号艦」という名称がつけられました
・ 「丙型」は奇数番号、「丁型」は偶数番号となっています
●「海防艦 丙型」は、このような生産工程の短縮化にも関わらず、船団護衛としての任務を重視した優れた対潜設備を装備、多くの爆雷投下装置と120個の爆雷を搭載しています
●また、新兵器である「3式爆雷投射機」を艦尾に装備、この爆雷投射機は片舷方向に最大105mまで爆雷を投射できる能力(いわゆるK砲)を持ち、8基を外側に向けて2列搭載していました
●「海防艦 丙型」は1944年2月に1番艦が竣工、133隻の建造計画が立てられましたが、終戦までに53隻が完成し、その中の26隻が戦没しています
●「海防艦 丙型」は、大戦後期の船団護衛任務に活躍、圧倒的な連合軍の制空権・制海権下にありながら、時には自身の身を犠牲としてその任務に従事しました
●この「丙型」で発揮された艦船建造のマスプロ化は、当時の日本の高い造船技術の結晶であり、その経験は戦後の造船技術に活かされることになるのです【 「日本海軍海防艦 丙型 (後期型)」のキット内容について 】
●この帝国海軍の海防艦「丙型」の「後期型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ピットロード社が長年培ってきた小型艦を中心とした艦船モデル技術により海防艦「丙型」をシャープに再現、小柄な船体に対潜設備を中心とした武装を持つ、同艦の特徴的なシルエットを再現した内容となっています
●「海防艦 丙型」のパーツを2隻分セットしており、「前期型」「後期型」を選択して作成することができます
●喫水線から上が再現されたウォーターラインモデルです
●「海防艦 丙型」は、上甲板と船体とが一体成型されています
・ 上部構造物は別ブロック化したパーツ構成となっています
●船体部は、喫水線部分までが再現されています
・ 船底部は、 ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●甲板上には、主砲塔台座などの基本躯体の他に、リノリウム押さえ、滑り止め、ボラード、アンカーチェーン、波除け、3式投射機などのディテールがモールドされています
●上甲板上の構築物となる「艦橋」「前部構造物」「主砲部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「海防艦 丙型」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、上下分割式で、トップの測距儀は別パーツとなっています
・ 艦橋の窓枠がモールドで再現されています
●前部構造物
・ 前部構造物は左右分割式です
・ 構造物側面には窓、扉などがモールドされています
・ 前部の対潜砲(迫撃砲)及び台座は別パーツです
・ 側部の機銃座は、スポンソン部と下部の支柱の2パーツで構成
・ 「25mm連装機銃」(×2)、「25mm単装機銃」(×1)、「3式迫撃砲」×1が付属
●中央構造物
・ 中央構造物、探照灯台座は船体部分に一体成型されています
・ 探照灯は別パーツです
●後部構造物
・ 後部構造物は船体部分に一体成型、上部の機銃スポンソン部は別パーツです
・ 後部構造物を構成する「25mm 3連装機銃」(×2)、「25mm単装機銃」(×1)が付属
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は三脚檣型となっており、それぞれ前後分割式です
・ メインマスト用の「22号電探」(×1)、後檣用の「13号電探」(×1)が付属しています
●煙突
・ 煙突は、本体とトップ部の2分割式です
・ 副管は別パーツ化されています
●主砲「45口径 10年式 12cm単装高角砲」(シールド付き)×1、「45口径 10年式 12cm連装高角砲」(シールド無し) ×1
・ 前部主砲は、シールド部と、砲身部分との分割式です
・ 後部主砲は砲身部と砲架とが一体成型されています
●機銃「25mm 3連装機銃」 ×2、「25mm連装機銃」 ×2、「25mm単装機銃」 ×2
・ 3連装機銃、連装機銃は銃身部と機銃架の2分割式です
・ 単装機銃は一体成型となっています
●対潜水艦兵装
・ 艦尾の「3式投射機」は船体部分に一体成型されています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 6m内火艇×1、6mカッター×2が付属
●艦首旗竿
●錨
など
●艦尾の軍艦旗を再現したデカールが付属
●塗装指示を記したカラーシートが付属しています
●スポット再生産品