ドイツ軍 4号対空戦車 ヴィルベルヴィント 初期型 w/ツィメリットコーティング
「ドイツ軍 4号対空戦車 ヴィルベルヴィント 初期型 w/ツィメリットコーティング (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6565 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の対空戦車「ヴィルベルヴィント」の「4号戦車G型」車体型を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、「ツィンメリットコーテイング」が施された状態が表現されています
●サイバーホビー社製「ドイツ軍 4号対空戦車 ヴィルベルヴィント 初期型 (G型車体)」をベースとし、車体の各パネルを「ツィンメリットコーティング」が施されたものに変更したバリエーションキットとなります【 「ヴィルベルヴィント」について 】
●ドイツ軍は他国と比べて対空兵器の開発と配備に熱心であり、第2次世界大戦の開戦時には多くの野戦対空部隊が編成され、地上軍を航空攻撃から守りました
●小口径の対空機関砲としては、「20mm対空機関砲 Flak30」が存在しており、同砲は機関砲としての能力は他国の同種の兵器と比べて遜色無いものでしたが、ドイツ軍はより発射速度を高めた「20mm対空機関砲 Flak38」を開発、この「20mm対空機関砲 Flak30」と「20mm対空機関砲 Flak38」はドイツ対空部隊の主力火砲となりました
●この「20mm対空機関砲 Flak38」を、4連装式としたタイプも登場、この砲は1分間の発射速度は900発を維持し、狙った空域に一瞬にして大量の砲弾をバラ撒く「弾幕効果」を発揮します
●これは、射撃機会の時間が短い敵地上攻撃機に対し非常に効果的で、連合軍側の航空機に多大な損害を上げ、制空権を奪われたドイツ地上軍にとっては「守り神」的な存在でした
●逆に、低空攻撃を行なう連合軍の戦闘爆撃機にとって、この4連装式の機関砲は最大の脅威であり、連合軍パイロットからは「地獄の4連装」と呼ばれ忌み嫌われました
●同砲は、その重要性から自走化が早々に計画され、当初はハーフトラックに搭載されましたが、防御力の観点から戦車を車体とした「対空戦車」が開発されました
●最初に開発されたのが「メーベルワーゲン」ですが、試作車では「20mm対空機関砲 Flak38」の4連装型を搭載したものの、20mm機関砲では威力不足との指摘が在り、生産型では「37mm対空機関砲Flak43」へと変更されています
●また、この車両は機関砲をそのまま露出した状態で搭載された為に兵員の防護に問題が在り、また車体形状の関係から「4号戦車」の車体がそのまま使えず、生産性に課題を残しました
●そこで、「20mm対空機関砲 Flak38」の4連装型を搭載した「対空戦車」として、「4号戦車」の車体に砲を覆う8角形の砲塔を搭載、これが「4号対空戦車 ヴィルベルヴィント」として制式化され、1944年7月から生産が開始されました
●生産に関しては、戦場において破損して回収された車輌から改造する方法で行なわれ、1945年3月までに122両が作られています
●このため、回収された車両により車体の型式が異なり、「4号戦車」の「初期型」である「B/C型」から「J型」までの車体の使用例が認められます
・ 生産の時期的には「H型」の車体ベースが多かったものと思われます
●一方、1943年8月から装甲車輌には対磁気地雷用の「ツィメリットコーティング」が施され、1944年9月の廃止されます
●このため、「ヴィルベルヴィント」は、回収した車輌に施されていた「ツィメリットコーティング」はそのまま継続使用され、更にはコーテング廃止までに生産された車両もコーティングが塗布されています
・ 一説によると、従来のコーティング車輌も、改めてコーティングの塗布が行われたようです
【 「ドイツ軍 4号対空戦車 ヴィルベルヴィント 初期型 w/ツィメリットコーティング」のキット内容について 】
●この「ヴィルベルヴィント 初期型」の「4号戦車G型」をベースとしたタイプを再現したプラスチックモデル組立キットで、「ツィンメリットコーティング」が施された車輌を再現しています
●サイバーホビー社(ドラゴン社)の「4号戦車」の後期型のフォーマットに沿って「ヴィルベルヴィント」を再現、細分化されたパーツ構成と、高い成型技術により、同車のディテールと砲塔の装甲の薄さなどが表現された内容となっています
●キットは、「ツィンメリットコーティング」が施された車輌を再現、車体の各パネルにはコーティングパターンが彫刻されています
・ コーティングの範囲は、車体前後部、側面、戦闘室前部、フェンダー前端部、前部マッドフラップとなっています
●「ヴィルベルヴィント」は、「砲塔」「車体上部」「車体前面上部」「車体下部」「左右フェンダー」の6ブロックで構成されています
●砲身の本体部分は一体成型となっており、スライド式金型により砲口が開口処理されています
・ 砲身先端のフラッシュハイダーは側面の細かな穴もモールドで再現
・ 砲身部全体では、機関部も含めて3パーツで構成されています
●機関砲の砲架部は主要部分が3分割式で、これに照準器パーツ、照準手席、操作ハンドル、予備弾薬架などを取り付ける構成となっています
・ 照準器は細かく再現されており、対空照門はエッチングパーツで表現されています
・ 砲の仰俯角は任意の角度を選択することが可能で、その角度に合わせて照準器の位置を固定する方式となっています
●砲塔は前後分割式で、表面上の溶接跡だけではなく、裏側の溶接跡も再現されています
・ 砲塔の装甲板は実車通りに薄く成型されています
・ 照準器部分の装甲板の小ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 機関砲の干渉避けである装甲板の切り欠けも再現
●車体上部は、各装甲板を貼り合せる箱組み方式となっています
・ パーツの精度の高さにより確実に形となるように工夫されています
・ 戦闘室前面の追加装甲板は別パーツです
・ 車体上部の操縦手、無線手ハッチは、別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ エンジングリルの点検ハッチも別パーツ化されています
・ 操縦手の装甲バイザーは、開閉状態が選択できます
・ 前方機銃は、マウント部内側の細部も再現されています
・ 前方機銃は完成後も可動式とすることが可能
・ 側面のクラッペは、別パーツ化されており、開閉状態が選択できます
●車体前面上部は一体成型となっています
・ 左右のブレーキ点検ハッチは別パーツです
●左右のフェンダーは、それぞれフェンダー本体、前後のマッドフラップの3分割式です
・ 各車載工具類は、固体具のクランプなども一体成型となっています
・ エンジンの吸気口のカバーは、プラパーツとエッチングパーツとを選択できます
・ 前照灯は、ボッシュライトとノテックライトとが付属、選択して使用可能です
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されており、これに前面及び追加装甲、後面板を取り付ける構成となっています
・ 「G型」の判別点でもある尖頭ボルトが付いたデフカバーが表現されています
・ ボギー式サスペンションは、1ユニットが4パーツで構成(全8ユニット)
・ 車体後部に装着された牽引装置は、3種類から選択が可能です
・ 補助エンジンマフラーの撤去による蓋を再現したパーツが用意されています(「ヴィルベルヴィント」の砲塔は手動旋回式で、動力旋回用の補助エンジンは外されました)
●履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は表面に滑り止めが在るタイプ(「3/4号戦車 後期型」)が再現されています
●車体後部に装備された「20mm対空機関砲 Flak38」の予備銃身ケースは、開閉状態が選択できます
・ 内部に収まった砲身が再現されています
●視察口の防弾ガラスなどを再現するためのクリアーパーツが付属
●エンジングリルのシャッターや、吸気口の蓋などを再現するエッチングパーツが付属しています
●牽引ワイヤーのワイヤー本体を作製するための金属製ワイヤーが付属
●「ヴィルベルヴィント」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に指示されています
・ 所属不明 (1945年)
・ 所属不明 (アルザス・ロレーヌ地方 / 1945年)
・ 第654重駆逐戦車大隊 (ベルギー / 1945年)
・ 所属部隊不明 (ハンガリー / 1945年)
●説明書の塗装例に基づいた国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属
●2012年 一部新金型