日本海軍 戦艦 武蔵
「日本海軍 戦艦 武蔵 (プラモデル) (タミヤ 1/350 艦船シリーズ No.031 )」です
●「日本海軍 戦艦 武蔵」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の「戦艦 武蔵」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キットで、1945年10月の「レイテ沖海戦」時の状態が表現されています
●帝国海軍の建艦技術の粋を結集、帝国海軍最後の戦艦として世界最強の能力を誇った戦艦「武蔵」を再現、46cm砲という巨砲を搭載し、従来の日本戦艦とは異なる均整の取れたシルエット、そして第2、第3副砲塔を廃して対空兵装を増設した特徴的な姿が表現されています
●タミヤ社製「日本戦艦 武蔵」をベースとして、メインマストと後部機銃座を新規パーツに、ディスプレイスタンドを「日本戦艦 大和」のパーツへと変更したバリエーションキットとなります【 「日本海軍 戦艦 武蔵」のキット内容について 】
●この帝国海軍の戦艦「武蔵」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タミヤの1/350艦船シリーズとして帝国海軍が建造した最後の戦艦「武蔵」を再現、同艦の特徴である端整な艦橋、船体のライン、迫力ある「46cm」主砲塔、増設された数多くの機銃など、「レイテ沖海戦」時の「武蔵」の姿とディテールとがシャープに表現されています
●ベースとなったキット(初版版「武蔵 日本戦艦」)は、1980年代初頭に開発されたものですが、タミヤらしい確かな造形とシャープな彫刻、そしてディスプレイモデル版(「日本戦艦 武蔵」)として改訂された際に変更されたパーツにより、現在においても充分に通用する色褪せない魅力を持っています
●「日本戦艦 武蔵」をベースとして、マスト部分を衝撃に強いABS素材製の新規パーツへと変更、タミヤのキットならではの模型としての作り易さと精密さの追求、そして艦船モデルの弱点であるマスト部分の強度確保が考慮された内容となっています
●また、同型艦ながら「大和」とは異なる「武蔵」の細部の違いも再現、艦橋後部の階段配置や、艦橋上部の測距儀や砲塔部分のディテール、飛行甲板の歩行帯などの仕様変更、そして対空兵装の違いなどが表現されています
●「武蔵」は、戦訓により徐々に対空兵装が増強されており、キットは1944年10月の「レイテ沖海戦」時の状態が表現されています
・この「レイテ沖海戦」時の「武蔵」は、高角砲の不足により、本来高角砲が搭載される予定だった中央構造物の下段のブルワークに3連装機銃が装備されています
●キットは、喫水線以下が再現されたフルハルモデルです
●「武蔵」の基本船体は「上甲板」「船体」の2分割式で、これに艦橋などの上部構造を取り付けて完成させます
●船体部は一体成型となっており、舷側の舷窓、閉塞された舷窓、副錨、塵捨て管、ホースパイプ、後部のフェアリーダーなどがモールドされています
・ フルハルモデル用の展示台が付属、船底部との固定には付属の金属製ビスとナットを使用します
・ 船底部の推進軸、推進軸支柱、スクリュー、舵を再現したパーツが付属しています
●上甲板は、飛行甲板も含めた前部甲板と、飛行甲板後方の後部甲板とで構成されています
・ 前部甲板は、艦橋部前端のラインで前後分割されています
・ 甲板上には、木甲板表現、滑り止めパターン、航空機運搬用レール、主砲塔台座、副砲塔台座、波除け、中央構造物、各機銃座などの基本躯体の他、アンカーチェーン及び導板、ボラードなどのディテールが再現されています
・ 内火艇収納庫は別パーツで、収納庫の扉は取り付けの有無を選択できます
・ 航空機格納庫の扉がパーツ化されており、開閉状態を選択することができます
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「高角砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部艦橋部」「クレーン部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「武蔵」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、艦橋構造物、防空指揮所、15m測距儀、射撃指揮所とで構成されています
・ 艦橋構造物は左右分割式で、羅針艦橋、後部スポンソン、戦闘艦橋の下部遮風装置は別パーツにて再現
・ 防空指揮所は、前面の遮風装置は別パーツで、下部には戦闘艦橋の窓枠がモールドされています
・ 15m測距儀は3分割式で、「21号電探」が一体成型されています
・ 15m測距儀は回転可動式です
・ 艦橋部分を構成する、94式高射装置(×2)、探照灯(×2)、1.5m測距儀(×1)、13式見張方位盤(×2)、機銃射撃装置(×2)、探照灯管制器(×6)、13mm連装機銃(×2)、22号電探(×2)などがパーツ化されています
●メインマスト
・ マストは前後分割式で、トラス構造の上部が別パーツとなっています
・ 「13号電探」は別パーツにて再現
● 煙突
・ 煙突は左右分割式で、トップ部分は別パーツです
・ トップ部分は開口処理されています
・ 前後の副管は別パーツとなっています
●探照灯台座
・ 探照灯台座は、上下分割式です
・ 後部のグリルは別パーツです
・ 探照灯台座に装備される探照灯(×4)、機銃用射撃指揮装置(×2)が付属
●後部艦橋
・ 後部艦橋は左右分割式で、機銃座、10m測距儀、後部射撃指揮所は別パーツです
●主砲塔「45口径 94式 46cm 3連装砲」 ×3
・ 主砲塔は一体成型で、測距儀と機銃座は別パーツです
・ 砲塔の梯子、砲身キャンバス受けが再現されています
・ 砲身は1本ずつパーツ化、砲身基部の防水布と外とう砲取り付けリングがモールドされています
・ 主砲塔は旋回可動式です
●副砲塔「60口径 3年式 15.5cm 3連装砲」 ×2
・ 副砲塔は、測距儀も含めて一体成型、測距儀の開口部分は別パーツです
・ 上部の空中線支柱がパーツ化、前後分割式となっています
・ 砲身は3連装式に一体成型されています
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは左右分割式となっています
・ パーツ側面にはトラス構造が立体的に彫刻されています
●クレーン部及び空中線支柱
・ 船体後部のクレーン及び空中線支柱は、クレーン本体と基部、空中線支柱とで構成されています
・ クレーン本体には上部のトラス構造がモールドされ、上下可動式です
・ 空中線支柱は各パネルを貼り合せる方式で、そのトラス構造を再現
・ クレーン部及び空中線支柱は、基部に内蔵させるポリキャップにより旋回可動式です
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型改)」×6
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は1本ずつパーツ化されています
●対空機銃
・ 13mm連装機銃 ×2 (艦橋部に配置)
・ シールド付き25mm3連装機銃 ×14 (上部構造物、舷側部などに配置)
・ 25mm3連装機銃 ×19
・ 25mm単装機銃×26
・ シールド付き3連装機銃は、シールド部分と3連装式に一体成型された銃身部との2分割式です
・ 単装機銃、連装機銃、3連装機銃は一体成型となっています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9mカッター ×4
・ 内火ランチ ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 主錨、副錨
・ ケーブルホルダー
・ キャプスタン
・ リール
・ 通風グリル
・ ラッタル
・ 菊花紋章
・ 艦載機射出台
・ 艦載機用台車
などがセットされています
●戦艦「武蔵」用の艦載機として
・ 零式水上観測機 ×2
・ 零式3座水上偵察機 ×2
が付属しています
・ 艦載機は、胴体、主翼、副翼、翼支柱、主フロート、副フロートの構成となっています
●飛行甲板の通行帯はシールとなっており、シートから切り出して使用します
●艦尾、マストの軍艦旗と中将旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)を再現したペーパー製フィルムが付属
●艦名表示、艦載機の日の丸マーク、識別帯、帯などを再現したデカールが付属しています
●「戦艦 大和」を完成後に飾れるディスプレイ用のスタンドが付属
・ 付属のスタンドはタミヤ社製「1/350 ディスプレイケース (台座付)」(別売り)にビス止めにより手軽に固定することが可能です
●完成全長 : 751mm
●2013年 一部新金型
【 「戦艦 武蔵」について 】
●帝国海軍では、国力の関係と軍縮条約の制限から、アメリカ、イギリスと比べて保有艦艇数が劣るため、個艦の能力、特に攻撃力の向上が図られることとなります
●その結果、重巡洋艦「妙高型」や駆逐艦「吹雪型」が登場、このような攻撃力重視の艦艇は列強各国に衝撃を与え、これらに対抗するための艦が計画され、第2次世界大戦前の時期において各国は新造艦の性能向上に凌ぎを削りました
●帝国海軍では1920年代の初頭において「長門」「陸奥」の2大戦艦を建造しましたが、その後はワシントン軍縮会議による戦艦の保有制限もあり、新造艦の建造は行われず、既存の各戦艦の改造に終始していました
●ただ、このような改造は艦の性能を高めるために有効でしたが、防御力や攻撃力、そして速力などの基本性能はそれほど変化せず、改造の際にも多くの経費や資材を必要とするため、新造艦を求める声が高まります
●また、前述のように帝国海軍では個艦の能力の引き上げに熱心であり、従来の戦艦の性能を上回る強力な戦艦「大和型」の建造計画が立案されました
●「大和型」は主砲として新設計の「46cm砲」を搭載、この砲は「40cm砲」よりも破格の破壊力を持ち、更に射程も同クラスを大きく上回っていました
●それまでの戦艦が前後方向に構造物を分散する方式を採っていたのに対して「大和型」は船体中央部に構造物を集中配備、これにより防御力の強化が図られました
●また、弾薬庫、機関部などの重要部には厚い装甲板で重点防御が施され、従来艦とは比べ物にならない防御力を誇っています
●これにより総合性能は各国の新鋭戦艦を凌駕する性能を持ち、第2次世界大戦に登場した戦艦としては最大かつ最強の存在となりました
●この「大和型」は、秘密兵器として極秘扱いで建造が始まり、1937年には1番艦「大和」、1938年には2番艦「武蔵」が起工され、「武蔵」は「ガダルカナル戦」が始まった1942年8月に竣工します
●同艦は、乗員の習熟訓練の後、翌1943年1月に南方への最大要地トラック島へと進出、翌月の1942年2月には最新鋭戦艦として連合艦隊旗艦に命じられます
●しかし、「武蔵」がトラック島に進出した頃には、ガダルカナル島を巡るソロモン海海域での戦闘のピークは過ぎており、また、艦隊決戦への温存という見地から積極的に最前線に投入することは見送られてしまいます
●結局、艦隊決戦での出番は無く、「武蔵」はトラック島と内地の間を2度程往復しただけで、その後も船体の大きさを利用した輸送や補給任務に従事することとなります
・ 大型の「武蔵」は燃料や物資の搭載能力が大きく、駆逐艦への補給や兵員の輸送などに使用されています
●1944年6月、アメリカ軍がサイパン島に上陸を開始、同島を含むマリアナ諸島は国防のための絶対防衛圏として設定されており、アメリカ艦隊を撃退するために連合艦隊は決戦を挑みました
●この「マリアナ沖海戦」では、連合艦隊は艦隊航空戦力を集中、「大和」「武蔵」を初めとする戦艦部隊は空母機動部隊を援護する役割を持っていました
●しかし、この一大航空決戦において、連合艦隊は完敗、多数の航空機と空母を失い、もはや航空決戦を挑むことが出来ない程の打撃を受けてしまいます
●その後、アメリカ軍はパラオ諸島を経てフィリピン東部のレイテ島に上陸を果たします
●レイテ島は、フィリピンの玄関口であり、これを足掛かりとされてはフィリピン全土を失うこととなり、フィリピンを失うことは太平洋戦争の原因となった南方からの戦略物資、特に石油を失うことを意味していました
●そこで、帝国陸海軍はその総力を挙げてアメリカ軍を撃退する戦法を採ります
●ところが、帝国海軍は、先の「マリアナ沖海戦」での艦隊航空戦力の喪失に加え、フィリピン方面へのアメリカ軍の爆撃と「台湾沖航空戦」において基地航空隊の大部分を失っており、フィリピン方面の制海権と制空権は完全にアメリカ軍のものとなっていました
●このため、連合艦隊は空母機動部隊を敵機動部隊を呼び寄せるための囮として使用、その間隙を突いて戦艦を中心とする主力艦隊がアメリカ軍の輸送船団及びその護衛艦隊を壊滅させるという戦法が採られました
●「武蔵」は、主力艦隊の一員として「栗田艦隊」に配備され、同艦隊は戦艦5隻、重巡洋艦8隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦15隻から成る、文字通り連合艦隊の水上艦艇の主力を結集したものでした
●「栗田艦隊」は10月20日にブルネイを出航、一路フィリピンへと進みますが、その途上において複数のアメリカ潜水艦の雷撃を受け、重巡洋艦2隻が戦没、1隻が大破して戦列を離れます
●10月24日、「栗田艦隊」はフィリピン中央の海域であるシブヤン海に到達、航空機の偵察により同艦隊の存在を知ったアメリカ機動部隊から艦載機が来襲、その攻撃は「武蔵」と重巡洋艦「羽黒」に向けられました
●この攻撃によって「武蔵」と「羽黒」は各1本の魚雷が命中、「羽黒」は戦線を離脱します
●1時間半後、アメリカ艦載機の第2次攻撃隊が来襲、その攻撃は「武蔵」に集中して魚雷3本が命中し、その衝撃により第1番主砲塔の装填済み弾薬が誘爆、同砲塔は使用不能となり、魚雷による浸水で速度は20ノットまで低下しました
●本来、このような損害が発生した場合は戦線離脱が行われますが、損傷を受けながらも「武蔵」は戦艦としての高い攻撃力を保っており、そのまま艦隊と共に東進を続けます
●次いで、アメリカ軍の第3次攻撃隊の攻撃が開始され、速度が低下した「武蔵」に攻撃が集中、更に第4次から第6次までのアメリカ軍機の猛攻に曝されます
●これらの攻撃により「武蔵」は魚雷20本以上、爆弾17発以上(両軍の私的記録ではもっと多く、正確な数値は不明)と、近代の海戦史上最も大きな被害を受けました
●同艦は不沈艦として使命を全うする働きを見せましたが、このような甚大な被害により、注水で艦の姿勢を維持することは困難となり、艦の上部構造物も壊滅、遂に「武蔵」は力尽き、10月24日の夕刻、静かにその姿を消して行きました
●「武蔵」に攻撃が集中した結果、「栗田艦隊」の主要艦艇はフィリピン中央海域を突破、レイテ沖において護衛空母から編成されたアメリカ機動部隊と遭遇、壮絶な水上戦闘を繰り広げています