ドイツ オーストロ ダイムラー ADGZ 重装甲車 (8輪) 後期型
「ドイツ オーストロ ダイムラー ADGZ 重装甲車 (8輪) 後期型 (プラモデル) (アーゼナル 1/35 AFV No.35502 )」です
●「ドイツ オーストロ・ダイムラー ADGZ 重装甲車 (8輪) 後期型」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の8輪装甲車「ADGZ」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●オーストリア製の8輪装甲車である「ADGZ」を再現、治安維持用として開発された前後対称の車体を持つ特異なフォルムが表現されています【 「ADGZ」について 】
●第1次世界大戦後、敗戦国を中心としたヨーロッパでは、ロシア革命に影響を受けた急進的な左派勢力が台頭、それが影響して急進右派勢力も出現し、各地では勢力同士の武力闘争まで発展、混沌とした時代を迎えていました
●オーストリアは、第1次世界大戦までは「オーストリア・ハンガリー帝国」として中央ヨーロッパで強大な勢力を誇っていましたが、多民族国家として各民族に独立の気運が高まり、ベルサイユ条約によってオーストリア、ハンガリー、チェコスロバキア、ユーゴスラビアなどに分割されています
●領土分割により中規模な国家となったオーストリアでは、敗戦の条約により従来の強力な軍隊は見る影もない状態となり、上記のようなヨーロッパ全体の趨勢から騒乱が絶えず、当面は国内の治安維持がその課題となりました
●1930年代初め、オーストリアは国境警備隊及び治安維持警察用の車両として装輪式装甲車の開発を開始、その流れを受けて「オーストロ・ダイムラー・プッフヴェルケ」社が1933年に開発したのが8輪装甲車「ADGZ」です
●この「ADGZ」は、6輪式のトラックをベースとして、車体前部の機能を後部にも増設する形で8輪型へと変更、そのためエンジンは前後に2基搭載され、車体の前後に操縦席があるというレイアウトとなっています
●その車体は均一な11mm厚の装甲板で覆われ、車体中央上部に装備された砲塔には「20mm機関砲KwK35」と機関銃が1門ずつ搭載されていました
●オーストリアは、ドイツと同様にベルサイユ条約によりこのような装甲車両の保有を禁じられていましたが、1935年に条約を破棄、「ADGZ」の生産を開始します
●「ADGZ」は1937年まで生産が行われて27両が完成、治安警察や国軍に配備されるものの、1938年のドイツ併合によりドイツ軍に接収されています
●しかし、ドイツ軍では「ADGZ」は野戦用の装甲車としての能力は低いと見なしてその使用は限定的であり、その代わりに武装親衛隊が装備、大戦初期において国防軍と比べて車両や武装の配備状況が良くない武装親衛隊にとって貴重な装甲兵力となりました
●ただ、通常の装甲車両と比べて野戦用としての能力は低いとの見地は一緒であり、その使用は後方が中心で、前線で運用される機会は多くありませんでした
●武装親衛隊では、この「ADGZ」の生産を更に25両追加、大戦中期以降はパルチザン掃討を目的に編成されたSS警察連隊の警察戦車大隊用の車両として配備されました
・ドイツの警察は1930年代後半から親衛隊の管轄下に置かれ、SS警察連隊は武装警察として治安維持活動に従事、大戦末期には通常の戦線にも投入されています
●警察戦車大隊における「ADGZ」は、パルチザン側に対戦車兵器が少ないことから装甲車両として活躍、その掃討作戦に貢献しました
●また、このような後方での任務により大戦末期においても相当数の「ADGZ」が現存しており、野戦用の装甲車両としては非力であった同車も終戦時までその姿が見られています
●なお、「ADGZ」は「前期型」と「後期型」に区分されており、「前期型」ではオーストリア軍仕様として砲塔の機銃はオリジナルタイプでしたが、「後期型」では「MG34機関銃」へと変更され、その防盾も球形となっています【 「ドイツ オーストロ・ダイムラー ADGZ 重装甲車 (8輪) 後期型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の8輪装甲車「ADGZ」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●東欧系メーカーとしての素朴さを覚えるモールドとパーツ構成により「ADGZ」を再現、ランナー上には各径のボルト類が成型、選択パーツとして車載工具類も用意されており、ユーザーのスキルによってディテールの付加を選択することができる内容となっています
●「ADGZ」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、実車の単純な構造が再現されています
●「20mm機関砲 KwK35」の砲身は一体成型となっています
・ 「MG34機関銃」は、銃身部がパーツ化され、外側の放熱口部分はエッチングパーツにて再現
・ 機関砲と機銃の防盾は各1パーツで構成されています
●砲塔は各パネルを貼り合せる箱組み方式です
・ 上部ハッチは別パーツで、ハッチを閉めた状態が再現されています
【 車体上部 】
●車体上部は一体成型により基本躯体が表現され、そこに各ディテールを取り付ける構成となっています
●車体上部は一体成型となっています
・ 側面のドアはモールドで再現、ヒンジは溝が彫られた棒状のパーツを切り出して作製します
・ エンジングリル部は別パーツで、スリットパネルを寝かした状態が再現されています
・ 前方の視察ハッチはエッチングパーツにて再現
・ 「MG34機関銃」は、銃身部がパーツ化され、外側の放熱口部分はエッチングパーツです
・ 前照灯は2パーツで構成され、管制スリット部はエッチングパーツとなっています
・ 前部のナンバープレートはプラパーツ、後部のナンバープレートはエッチングパーツで再現
・ ジェリカンラックが再現され、ラックはエッチングパーツで、ジェリカン(×4)が付属
・ 排気管は4パーツで構成
・ 前部の3連式のホーンは個別にパーツ化され、基部は1パーツです
・ 車載工具類を再現したパーツが付属、その装着の有無を選択できます
【 車体下部 】
●車体下部はパーツ数を抑えて再現、同車特有のシングル式タイヤとダブル式タイヤが連なった構造が表現されています
●車体下部は一体成型で、前後のパネルは別パーツです
・ 前後のデファレンシャルは上下分割式で、デファレンシャルカバーはエッチングパーツです
・ 中央の駆動ユニット及びサスペンションは5パーツで構成
・ ステアリングは固定式です
●タイヤはホイール部とゴムの部分とに分割され、ゴムの部分はラバー製です
・ ゴムの部分を再現するラバー製パーツには特徴的なトレッドパターンが刻まれています
●視察ハッチ、ジェリカンラック、機銃の放熱口、前照灯の管制カバーなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「ADGZ」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ SS警察車両 (1942年)
・ 所属不明 (レーゲンスブルグ)
・ SS警察車両 (1942年~1945年)
・ SS第7山岳猟兵師団「プリンツオイゲン」 (ユーゴスラビア / 1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、SS警察表示、パーソナルネーム、師団マーク、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
●2013年 完全新金型