英国海軍 戦艦 バーラム 1941
「英国海軍 戦艦 バーラム 1941 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W164 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス海軍の戦艦「HMS バーラム」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦艦「クイーン・エリザベス級」の3番艦として建造され、第1次と第2次の両世界大戦で戦った戦艦「HMS バーラム」を再現、主砲塔を船体の前後に配置し、近代化改装により大型の艦橋とバルジを装備した1941年時の姿を表現した内容となっています
●主砲などは、ピットロード社製「英国海軍 クイーン・エリザベス級戦艦 クイーン・エリザベス 1918」から流用しながらも、船体、上甲板、上部構造物などのほとんどの部分は新規に作り起こされた内容となっています
【 「HMS バーラム」について 】
●1906年、イギリス海軍は「戦艦 ドレッドノート」を竣工、主砲火力を重視したこの艦の登場で従来の戦艦を一気に旧式のものとしてしまいます
●各国の海軍は、この「戦艦 ドレッドノート」に匹敵する能力を持つ「ド級艦」の建造を進め、さらに主砲の配置を艦の中心線上のみとした「超ド級艦」も登場、20世紀初頭は各国が巨砲を搭載する戦艦の建造を競い合う建艦競走となりました
●戦艦が搭載する主砲も拡大の一途を辿り、第1次世界大戦の直前においては「36cm砲」クラスが戦艦の標準口径となります
●ヨーロッパでの戦争への気運が高まる中、イギリス海軍では仮想敵国であるドイツ海軍の戦艦よりも優位性を得るために「38.1cm砲」を搭載する新型戦艦「クイーン・エリザベス級」の建造計画が立てられ、同級5隻の建造が開始されました
●「超ド級」戦艦では、艦の中心線上、そして艦の前後だけではなく中央部に主砲を配置する方法が採られ、5基もしくは6基の主砲塔による砲撃力が重視されます
●しかし、この「クイーン・エリザベス級」では艦の前後にのみ主砲を配置、空いた中央部の区画を利用して機関室を拡大、さらに新開発の重油専焼缶を採用することで、巡洋戦艦並みの速力24ノットを発揮する能力を得ることに成功します
●また、艦の中央部に主砲塔を配置した艦は弾薬庫を分散配置することから防御力が低く、このような艦と比べて「クイーン・エリザベス級」は優れた防御力を持っていました
●この速度と防御力に秀でた点は、「クイーン・エリザベス級」が第2次世界大戦まで使われる要因となっています
●「HMS バーラム」は、「クイーン・エリザベス級」の第3番艦として1915年に竣工、第1次世界大戦では新鋭戦艦として「ユトランド沖海戦」でドイツ戦艦と交戦します
●第1次世界大戦後の艦艇の性能向上は目覚しく、新鋭戦艦としての「HMS バーラム」も急速に旧式化が進み、1931年に3年間という長きに渡った大規模な近代化改装が実施されました
●この改装では、船体にバルジが装備され、艦橋部分も大型化、煙突も集合式により1本へと変更、第3番主砲塔にカタパルトが設置され、対空兵装を中心に増強が行われています
●1940年代には、第2次近代化改装が行われる予定でしたが、第2次世界大戦の勃発により中止され、「クイーン・エリザベス級」の5隻の中で第2次近代化改装が行われた艦は「HMS クイーン・エリザベス」「HMS ウォースパイト」「HMS ヴァリアント」の3隻に留まりました
●第2次世界大戦が開戦すると「HMS バーラム」は大西洋方面で活動、ドイツ軍の「Uボート」の雷撃を受けて損傷、本国に帰還します
●独仏戦が終了して、戦いの焦点が地中海方面に移ると、「HMS バーラム」は地中海艦隊へと編入、1940年9月にはビィシー政府のフランス艦隊と交戦、4発の砲弾を被弾します
●1941年3月には「マタパン岬沖海戦」に参加、他艦と共同してイタリア海軍の重巡洋艦2隻を撃沈する戦果を挙げました
●同年5月には、空母「HMS フォーミダブル」の護衛中に航空攻撃を受けて損傷、アレキサンドリアに入港して修理を受けます
●1941年11月、修理が完了した「HMS バーラム」はイタリアの船団を攻撃するために出港しますが、ドイツ軍の「Uボート」の攻撃を受けて4本の魚雷を被雷、転覆して大爆発を起こし、壮絶な最期を遂げたのでした
【 「英国海軍 戦艦 バーラム 1941」のキット内容について 】
●このイギリス海軍の戦艦「HMS バーラム」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ピットロード社の外国艦シリーズのフォーマットにより「HMS バーラム」を再現、長船首楼型の船体に積み上げ式の艦橋など、我が帝国海軍が模範としたレイアウトが表現され、イギリス戦艦らしい細やかな造りを繊細なモールドにより再現した内容となっています
●「HMS バーラム」は、竣工後に多くの改修及び改造が行われており、キットは1941年の最終時の姿が表現されています
●艦体喫水線までが再現された洋上モデルと、艦底部も再現されたフルハルモデルとを選択することができます
●「HMS バーラム」の船体部は上下分割されており、これに上甲板、上部構造物、各艤装類を取り付ける構成となっています
●船体部には、副砲塔の開口部、舷側の舷窓、梯子、塵捨て管などが表現されています
・ 洋上モデル用の船体下を塞ぐ平らな船底パーツと、フルハルモデル用の艦底部が再現されたパーツが付属、再現したい状態により選択して使用します
・ フルハルモデル用の船体下部のシャフト、プロペラ(スクリュー)、舵は別パーツ化
・ フルハルモデル用の展示スタンド及び銘板が付属しています
●上甲板は、長船首楼甲板、後部甲板で構成されています
・ 甲板上には、木甲板表現、主砲塔台座などの基本躯体の他、フェアリーダー、ボラード、昇降口、天窓、アンカーチェーン、ボート架台などの細かなディテールが細かな彫刻で再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「煙突部」「後部構造物」「マスト部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「HMS バーラム」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、艦橋下部構造物と上部艦橋部とで構成されています
・ 上部艦橋部は3層で構成
・ 艦橋下部構造物は4層で構成され、側面の窓、扉が繊細なモールドで再現
・ 上部と下部の艦橋窓枠は枠の部分が凸モールドで再現されています
・ 艦橋下部構造物の各側面部はエッチングパーツで再現しています
・ 艦橋部分の支柱となる前檣楼支柱(2本)が別パーツ化されています
・ 艦橋を構成する、「ポンポン砲」(×2)、「FCS」(×1)、「救命ボート」(×6)、「測距儀」(×2)などが別パーツにより再現されています
● 煙突
・ 煙突は左右分割のパーツで構成され、トップは別パーツとなっています
・ 煙突下部の構造物の側面には窓と扉が微細なモールドで再現されています
・ 煙突上部のファンネルキャップはエッチングパーツで再現しています
・ 煙突部を構成する「探照灯」(×4)、「救命ボート」(×6)が別パーツ化されています
●後部構造物
・ 後部構造物は一体成型され、これにマストを取り付ける構成となっています
・ 後部構造物の側面には、窓、扉が繊細なモールドで再現されています
・ 後部構造物に配置される、「救命ボート」(×2)は別パーツにて再現
●マスト
・ マストは、下部、クロスツリー、トップで3分割されており、フラット、クレーンは別パーツとなっています
・ 後部マストのクレーンは独立したパーツで再現
・ 後部マストを構成する「FCS」(×1)が別パーツで再現
●カタパルト
・ カタパルトはエッチングパーツにより再現します
●クレーン
・ クレーンは、クレーン本体と左右分割された基部とで構成
・ クレーン本体はスライド式金型を使用して、上部のトラス構造はモールドで再現されています
●主砲塔部 「42口径 38.1cm 連装砲 Mk.1」 ×4
・ 砲身部分は、基部の防水布が再現された1本ずつのパーツと、防水布がない連装式に成型されたパーツとを選択することができます
・ 砲塔は上下分割式で、表面のリベットが再現、梯子はエッチングパーツです
・ 測距儀は別パーツとなっています
●副砲 「45口径 15.2cm 単装砲」 ×12
・ 副砲は、砲身とシールド部とが一体成型されています
●高角砲 「45口径 10.2cm 連装高角砲」 ×4
・ 高角砲は連装式に一体成型された砲身とシールド、3分割された砲架とで構成されています
●対空機銃 「ポンポン砲」 ×4
・ ポンポン砲は銃身部が上下分割のパーツで構成され、ベース部分を取り付けます
●艦載機 「ウォーラス Mk.1」 ×1
・ 艦載機は、胴体、上部翼、水平尾翼、エンジン、プロペラのパーツ構成です
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ 梯子(エッチングパーツ)
・ 内火艇、カッター類
などがセットされています
●艦橋構造物の側面、カタパルト、梯子、煙突のファンネルキャップなどを再現するエッチングパーツが付属
●旗竿に掲げられるイギリス海軍旗とユニオンジャック(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機用の国籍マークなどを再現したデカールが付属しています
【 「英国海軍 戦艦 バーラム 1941」のパッケージ内容 】
・ イギリス海軍戦艦HMS バーラム (1941年時) ×1
・ 展示スタンド ×1
・ デカールシート ×1枚
●2014年 一部新金型