日本海軍 航空母艦 千歳
「日本海軍 航空母艦 千歳 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.228 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「千歳」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●水上機母艦から転用され、貴重な航空母艦戦力の一員として活躍した航空母艦「千歳」を再現、日本海軍の軽空母のスタンダードなスタイル、艦橋を飛行甲板下に収めた平甲板型のシルエットを再現した内容となっています
●アオシマ社製「航空母艦 千歳 (艦隊コレクション)」をベースとして、「艦隊これくしょん」版となるキャラクターカードなどを省き、成型色を変更したウォーターライン通常版となります
【 「日本海軍 航空母艦 千歳」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「千歳」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●アオシマ社のウォーターラインシリーズのフォーマットに沿って航空母艦「千歳」を再現、ウォーターラインシリーズの一環として組みやすさを考慮しながらも艤装類パーツの細分化を一歩進め、空母「千歳」のディテール再現に重きを置いた内容となっています
●本キットでは、格納庫内部も再現、飛行甲板を取り外し可能にして作製し格納庫内部の様子を楽しむこともできます
・ また、通常通りに組み立てて、エレベーターの隙間から見える格納庫の状態を楽しむのも良いでしょう
●「千歳」は、水上機母艦として建造され、1943年に航空母艦へと改装、キットは航空母艦への改装が完了した1943年末以降の状態を再現しています
・ 「千代田」の噴進砲などの対空兵装を増強した「レイテ沖海戦」時と、対空兵装を増強していない「マリアナ沖海戦」時とを選択して組み立てることができます
●喫水線までの部分を再現した洋上モデルです
●「千歳」は、「船体」「飛行甲板」「格納庫内部」「高角砲などの艤装類」の各ブロックごとに構成しています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、飛行甲板、格納庫内部と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、格納庫側面を含めて左右に分割したパーツで構成
・ 船体部には、「バルジ」「高角砲基部」「スポンソン(一部)」などの基本構造を船体パーツと一体成型化して再現しているほか、「舷窓」「ホースパイプ」などの細部ディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●艦首と艦尾の上甲板には、「滑り止め」の縞鋼板表現の他、「アンカーチェーン」「ケーブルホルダー」「ボラード」「ボート架台」「リール」などの細かなディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 艦尾甲板の後部に設置された「機銃座」は別パーツ化して再現しています
●艦橋は2層で構成しています
・ 艦橋部分を含めた上層はクリアパーツで再現、艦橋窓は、窓の部分を一段凹んだ状態で再現し立体感を演出しています
●飛行甲板は、一体成型のパーツで再現、エレベーターは別パーツ化しています
・ 兵員用の「スポンソン部」は別パーツ化して再現
・ 飛行甲板上には、ラテックス張りと鉄甲板、周囲の滑り止め表現がパーツ上に施されているほか、「眼環」「着艦制動装置」「滑走制止装置」「クレーン収納蓋」などの細かなディテールを繊細なモールドで再現しています
・ 飛行甲板上の「探照灯の蓋」と「電探の蓋」を別パーツ化、「探照灯」(×1)と「21号電探」(×1)が付属しており、蓋を閉じた状態と、蓋を開いて探照灯類を露出した状態とを選択できます
・ 飛行甲板裏側の細かな「梁」は、甲板パーツと一体成型化して再現しています
・ 前後に設置された「飛行甲板支柱」は、それぞれ単独で別パーツ化しています
●格納庫は、フロア面と左右の壁面で構成
・ 壁面には「桁」などをモールドで再現
・ フロア面には「エレベーター」、航空機を固定する「眼環」などを繊細なモールドで再現しています
「千歳」の艦上の構造物は下記のパーツで構成しています
●マスト・通信塔
・ マスト・通信塔は一体成型のパーツで再現、トラス構造はパーツ上に施した凹凸モールドで再現
・ マスト・通信塔は起倒状態を選択して組み立てることができます
・ マスト上に装備する、「13号電探」は別パーツ化して再現
● 煙突
・ 煙突は、一体成型となった本体とトップとの2パーツで構成
・ 煙突パーツ上には「ジャッキステー」などを繊細なモールドで再現しています
●高角砲、機銃用スポンソンは区切りごとに別ブロック化、スポンソン下面の補強板は1枚ずつをモールドで再現しています
・ スポンソン部の支柱(支筒)は別パーツ化して再現しています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm 連装高角砲」 ×4
・ 右舷後部の1基は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2)、左舷と右舷前部はシールド無しの状態を再現(A1型)
・ シールド付きの高角砲は、連装状に成型した砲身部と、シールド部に分割したパーツ構成
・ シールド無しの高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
●噴進砲 「12cm 28連装 噴進砲」 (レイテ沖海戦時) ×6
・ 噴進砲は一体成型のパーツで再現
・ 噴進砲を設置するスポンソン部は左右のブロックごとに別パーツ化して再現しています
●対空機銃
・ レイテ沖海戦時
25mm 3連装機銃 ×7
25mm 3連装機銃 (シールド付き) ×3
25mm 単装機銃 ×4
・ マリアナ沖海戦時
25mm 3連装機銃 ×7
25mm 3連装機銃 (シールド付き) ×3
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現、シールド付きの3連装機銃はシールドと銃身とに分割した2パーツで構成
●電探、探照灯
・ 飛行甲板上の「電探」「探照灯」は、格納状態と展開状態とを選択して組み立てることができます
・ それぞれの蓋は別パーツで再現しています
●内火艇、カッターなど
・ 11m内火艇 ×2
・ 13m特型運搬船 ×2
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×4
・ 97式艦上攻撃機 ×4
・ 艦上攻撃機 天山 ×3
●艦載機
・ 艦載機は、胴体、翼端、脚に分割したパーツ構成
・ 艦載機は、翼端を折りたたんだ状態とすることができます
・ 増層もしくは魚雷・爆弾の武装は別パーツ化して再現しています
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 菊花紋章
・ 射撃指揮装置
・ 測距儀
・ パラベーン
・ 方位測定器
・ 94式高射装置
・ 錨、副錨
・ 21号電探 (飛行甲板部)
・ 着艦灯
・ ラッタル
などをセットしています
●キットには、静岡模型教材協同組合「大型艦兵装セット」のランナーが2枚付属しており、高角砲、機銃、内火艇などは同ランナーのパーツを使用します
●甲板上に描かれた、迷彩パターン、各表示線、着艦標識、艦尾の艦名、艦載機用の日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています
●旗竿に掲げられる軍艦旗を再現したシールが付属
●「日本海軍 航空母艦 千歳」の成型色
・ 船体、船底、艤装類、艦載機 : グレー
【 「日本海軍 航空母艦 千歳」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 千歳 ×1
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×4
・ 97式艦上攻撃機 ×4
・ 艦上攻撃機 天山 ×3
・ 「大型艦兵装セット」ランナー ×2
・ デカールシート ×2
・ シールシート ×1
・ 金属バラスト ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 ウォーターライン定番化 (アオシマ社製「航空母艦 千歳 (艦隊コレクション)」をベースとした、通常版)
【 「航空母艦 千歳」について 】
●1942年6月の「ミッドウェー海戦」において日本海軍は主力空母4隻を失ってしまいます
●日本海軍の緒戦の勝利の軸となったのは6隻の正規空母で編成された空母機動艦隊であったために、このうちの4隻も失ったことは、大きな痛手となりました
●この対策のため、戦時急造型空母「雲龍型」の建造に着手すると同時に、既存の艦艇を航空母艦へと転用することとし、水上機母艦の「千歳」「千代田」の2隻を空母へと改造することを決定します
●この改装空母の建造にあたり、潜水母艦から改装された「祥鳳型」航空母艦を参考に、設計と工事が行なわれました
●また、「千歳」自身も、建造前から後に空母へと転用することを予定していたのですが、機関の換装などに手間取ってしまったために工事はスムーズに進まず、改造工事を開始した約1年後の1943年12月に航空母艦とし竣工します
●この「千歳型」航空母艦は、排水量13,600t、搭載機数30機、最大速度29ノットと、「祥鳳型」航空母艦とほぼ同じ大きさと性能を持ち、艦橋配置も島型艦橋式ではなく、飛行甲板の下に設置した平甲板型となっています
●「千歳」は、僚艦「千代田」と共に、日本海軍が総力を挙げて挑んだ1944年6月の「マリアナ沖海戦」に参加します
●しかし、この海戦の時期にはアメリカ軍側は精巧なレーダー網と、強力な火力と量を誇る対空砲、そして新鋭戦闘機とベテランパイロットを擁しており、対する日本軍側は従前のソロモン海域において優秀な航空機搭乗員を多く失い、敵潜水艦の跳梁により充分な訓練が行なえず、練度の低さは目を覆うばかりでした
●日本海軍隊は、当時保有していた艦載機のほぼ全てを投入、ただ、日本側の戦力はアメリカ側の半数程度にしかならず、上記の理由により実際の戦力差は比較にならない状態となっていました
●この「マリアナ沖海戦」は、アメリカ軍の損害は軽微だったのに対して、日本軍は艦載機の大多数を失ってしまい、日本軍側の完全な敗北に終わります
●「マリアナ沖海戦」の結果、日本海軍は艦隊航空戦力で戦うことは事実上不可能となり、1944年10月の「レイテ沖海戦」においては、日本の空母機動部隊は囮という役目に就かざるを得ませんでした
●この空母機動部隊(通称「小沢艦隊」)には、正規空母「瑞鶴」を旗艦として、小型空母「千歳」「千代田」、そして同じく「瑞鳳」の4空母を中心とする艦隊でした
●空母機動部隊はフィリピン北方に展開、これに対応するために北上をするであろうアメリカ機動部隊の隙を突き、戦艦等で編成される主力艦隊がフィリピン中央部を突破、アメリカ軍の輸送船団が集結するレイテ島沖に突入する作戦を実行します
●「小沢艦隊」はフィリピン北方のエンガノ岬沖に到達、搭載していた少数の艦載機を陸上基地へと退避させた後、アメリカ艦載機の猛攻を受けます
●艦隊の4空母と、護衛の艦は対空戦闘に奮戦しますが、アメリカ軍の艦載機は空母に攻撃を集中、特に「千歳」は最初の攻撃目標となり、直撃弾3発を被弾し、最期を遂げてしまいます
●その後、「小沢艦隊」は、アメリカ軍の艦載機の波状攻撃により、全ての空母を失い、戦力を喪失しますが、当初の目的であったアメリカ機動部隊を引き付けるという役割を尊い犠牲の下で完遂したのでした