日本海軍 特設水上機母艦 君川丸
「日本海軍 特設水上機母艦 君川丸 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.562 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の特設水上機母艦「君川丸」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●貨物船を徴用して水上機母艦へと改造した特設水上機母艦「君川丸」を再現、後部上甲板を航空作業甲板としてカタパルトを装備した、特異なシルエットを再現した内容となっています
●アオシマ社製「日本海軍 特設水上機母艦 君川丸 スーパーデティール」をベースに木製甲板シートを省いた、通常版となります
【 「日本海軍 特設水上機母艦 君川丸」のキット内容について 】
●日本海軍の特設水上機母艦「君川丸」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●アオシマ社のウォーターラインシリーズのフォーマットに則り、水上機母艦特有の細かな構造をパーツの細分化により再現しながらも作りやすさも考慮、エッジの立ったシャープなモールドで「君川丸」のシルエットとディテールを再現した内容となっています
●艦体喫水線までを再現した洋上モデルです
●「君川丸」は、「船体」「上甲板」「航空作業甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」を、それぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、航空作業甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は一体成型のパーツで再現しています
・ 船体には、上部構造物の側面を一体成型化しており、舷窓、船体部の開口部、舷外電路、そして鋼板の継ぎ目などのディテールをモールドで再現しています
・ 洋上モデルとしての船底部は、船体パーツに一体成型化して再現、オモリとなるバラストが付属しています
●上甲板部は、上部構造物の部分を境に前後に分割したパーツ構成となっており、船体後部のパーツの上に航空作業甲板を装着します
・ 鎖錨甲板は別パーツ化しています
・ 上甲板には、ボラード、船倉ハッチ、マスト台座などを凹凸ある彫刻で再現
・ 航空作業甲板には、木甲板表現をモールドで再現、航空機軌条及びターンテーブルは別パーツ化しています
●上部構造物は、2層のデッキを積み上げる方式で、これに艦橋と前部パネル、後部パネルを取り付けて作製します
・ 上部構造物の舷窓、扉などをモールドで再現
「君川丸」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は2層で構成、これにクリアパーツの艦橋窓を取り付けます
・ 艦橋の窓は、窓枠部分を凸モールドの状態で再現し、立体感を演出しています
・ 艦橋下部の開口部は、開口した状態で再現しています
・ 艦橋上部に装備する、「13mm単装機銃」(×2)、「25mm連装機銃」(×2)、「探照灯」(×2)、「測距儀」(×1)などを別パーツ化しています
●煙突
・ 煙突は左右分割のパーツで構成、煙突トップは別パーツ化して再現しています
●マスト
・ 各マストは、トップ部分も含めた一体成型のパーツで構成、前後のデリックは独立したパーツとなっています
●主砲 「15cm単装砲」×2
・ 「15cm単装砲」は砲身とシールドとの2パーツで構成
・ 主砲のブルワークは一体成型のパーツで再現
・ 後部のブルワークの下部の構造物は左右に分割したパーツで構成、窓、扉などをモールドで再現しています
●高角砲 「3年式 8cm単装高角砲」×2
・ 「8cm単装高角砲」は一体成型の独立したパーツ
・ 高角砲のブルワークは個別にパーツ化
●対空機銃 「25mm連装機銃」 ×2、「13mm単装機銃」 ×2
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現
●カタパルト
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現しています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×1
・ 9mカッター ×2
・ カッター上部を覆うキャンバスカバーが付属、その装着の有無を選択できます
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 通気筒
・ 艦載機台車
などをセットしています
●艦載機として、「2式水上戦闘機」×1、「零式水上偵察機」×1が付属
・ 艦載機は、胴体、フロートに分割したパーツ構成となります
●キットには、静岡模型教材協同組合「大型艦兵装セット」「小型艦兵装セット」のランナーが各1枚付属しており、艦載機、カタパルト、機銃、内火艇などは同ランナーのパーツを使用します
●旗竿などに掲げる軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
【 「日本海軍 特設水上機母艦 君川丸」のパッケージ内容 】
・ 特設水上機母艦 君川丸 ×1
・ 2式水上戦闘機 ×1
・ 零式水上偵察機 ×1
・ 「大型艦兵装セット」ランナー ×1
・ 「小型艦兵装セット」ランナー ×1
・ 金属製バラスト ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 パッケージ内容変更アイテム(「日本海軍 特設水上機母艦 君川丸 スーパーデティール」の木製甲板シートを省いた通常バージョン)
【 「特設水上機母艦 君川丸」について 】
●第1次世界大戦時において、連合軍側となった日本の陸海軍はドイツ領のチンタオを攻撃します
●この攻撃の際に日本海軍は水上機を投入、日本で始めて航空機を使用したこの戦いは有利に進み、水上機は予想以上の活躍を見せました
●第1次世界大戦後、各国の航空機技術が大幅に向上しましたが、水上機と陸上機(艦上機)との性能の差はあまりなく、水上機は陸上機と並んで重要視されていました
●日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦を経て、進出する方向が太平洋のみとなった日本海軍では設営に時間と労力が必要となる飛行場を使用する陸上機よりも、簡単な施設があれば運用ができる水上機を重視、他国と比べて水上機の開発が進んでいました
●また、軍縮条約により主力艦と補助艦艇に大きな制約を受けるようになった日本海軍では、各艦艇の索敵能力の向上と、航空母艦の艦上機をフルに攻撃や防御に専念させるために水上機を重要視しており、空母機動部隊の索敵行動は空母の艦載機ではなく、随伴する艦艇の水上機によって行われました
●さらに、水上機は航空母艦のような大掛かりな工事や改造を行うことなく艦艇に搭載できるという特徴を持っており、有事の際には民間から徴用した商船を水上機母艦に改造して使用するという方針が立てられていました
・ 当時の航空母艦は、艦上機を発艦する際に、揚力を確保するために速度が必要でしたが、水上機母艦ではカタパルトを用いることからその必要はなく、水上機の帰還の際には低速航行が必要となることから、民間徴用の船でも十分に水上機母艦としての役割を担うことができました
●「君川丸」は、「神川丸型」の貨物船の3番船として1937年に竣工しました
●竣工後の「君川丸」は太平洋航路に就航、しかし、戦争の気運が高まると徐々に定期航路は縮小してしまい、1941年7月に「君川丸」は日本海軍に徴用、太平洋戦争の開戦を睨んで水上機母艦へと改装を進めます
●太平洋戦争が開戦すると、水上機母艦として改造が終わった「君川丸」はアリューシャン方面に投入、日本海軍の主力艦艇が南方へと集中投入していたことから、「君川丸」は太平洋北部における唯一の艦隊航空戦力として活躍しました
●しかし、太平洋戦争中期になると水上機と陸上機の性能の差は決定的となり、水上機母艦として活躍の余地が少なくなった「君川丸」は1943年10月に内地へと戻され、特設運送船として艦種を変更、水上機を降ろして運用が行われます
●1943年12月、「君川丸」は輸送船団として潮岬沖を航行中、アメリカ潜水艦の攻撃を受けて1本の魚雷を被雷、大破する損害を受けますが僚船に曳航されて内地へと帰還、修理が行われました
●修理が完了した1944年7月、「君川丸」はフィリピン方面へと出航、しかしその途上において再びアメリカ潜水艦の攻撃を受けて損傷、マニラへと回航されて修理を受けています
●1944年10月、修理が完了した「君川丸」は台湾方面に向けて出航しましたが、この頃になるとフィリピン近海はアメリカ潜水艦が跳梁跋扈する状態となっており、またもアメリカ潜水艦の攻撃を受け、「君川丸」はその姿を波間に消したのでした