日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 デラックス
「日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 デラックス (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ SPOT No.特SPOT-052 )」です
●フジミ社製「日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 (1941年)」と「日本海軍 高速戦艦 金剛 1941年(昭和16年) 専用エッチングパーツ」「日本海軍 高速戦艦 金剛 1941年(昭和16年) 専用 木甲板シール」の3種をワンパッケージにしたスポット生産品です
・ キットとエッチングパーツを個別に購入するよりも、お得な価格になっています
● 1/700スケールのプラスチック製パーツでは再現しにくい箇所をエッチングで再現、またキットパーツに合わせてあらかじめカット加工済みの木製甲板パーツもセットしており、このワンパッケージで昭和16(1941)年時の「高速戦艦 金剛」にフルディテールアップを施すことが可能な内容となっています
【 「日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 デラックス (1/700 特シリーズ SPOT 特SPOT-052)」のパッケージ内容 】
高速戦艦 金剛
・ 戦艦 金剛 ×1
・ 95式水偵察機 ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
エッチング・木製甲板
・ エッチングシート(真鍮製) ×1
・ 取付説明書 ×1
・ 木甲板シート ×3枚(1隻分)
・ エッチングシート ×1 (真鍮製)
・ 取付説明書 ×1
【 「日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 デラックス (1/700 特シリーズ SPOT 特SPOT-052)」のキット内容について 】
高速戦艦 金剛 昭和16(1941)年
●太平洋戦争開戦時における帝国海軍の高速戦艦「金剛」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●フジミ社「日本海軍 高速戦艦 金剛 1944年10月」のバリエーションキットながら、流用されたパーツは船体部のみで、艦橋、煙突などの上部構造物、上甲板、主砲塔も含めて新規に作り起こされたものとなっています
・ 「日本海軍 高速戦艦 金剛 1944年10月」では上部構造物のベース部分が上甲板パーツに一体成型されていましたが、本キットでは別パーツ化されています
●帝国海軍の戦艦の中で最も古い艦歴を持つものの常に最前線で活躍した高速戦艦「金剛」の太平洋戦争開戦時(昭和16年)の姿を再現、スマートな船体に日本の戦艦ならではの積み上げ式の艦橋を備えた独特のシルエットを再現しています
●フジミ社の「特シリーズ」の現行フォーマットに従い、最新の考証を反映して細部に渡るディテールを再現、戦艦「金剛」の細やかで複雑な構造を再現した内容となっています
●また、日本の戦艦の特徴であるパゴダ式と呼ばれる積み上げ式の艦橋や、探照灯などの台座のトラス構造が織り成す複雑な形状、そして長い船体を持つスマートな艦形など、帝国海軍の実質的な主力戦艦として戦った「金剛」の持つ魅力を味わうことができるでしょう
●艦体喫水線までを再現したウォーターラインモデルです
高速戦艦「金剛」のキット全体構造
●「金剛」の船体部は上下に分割したパーツ構成、これに上甲板、上部構造物、各艤装類を取り付ける構成となっています
●船体部には、副砲塔甲板を一体成型化し、パーツ表面には舷側の舷窓、閉塞された舷窓、舷外電路、フェアリーダー、アンカーレセス、梯子などを繊細なモールドで再現、バルジ部分のふくらみも再現しています
・ 舷窓上部には雨樋を微細なモールド再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、一体成型となっており、航空機作業甲板は別パーツ化しています
・ 甲板上には、主砲塔台座、木甲板表現などの基本構造の他、アンカー導板、ボラード、昇降口、天窓、リール、ボート架台、通風筒などの細かなディテールを再現
・ 航空機作業甲板には、リノリウム押さえ、航空機用軌条、ターンテーブルなどを凹凸を交えたモールドで再現しています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「測距儀台座部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「金剛」の艦上の構造物は下記のパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋は9層で構成、艦橋トップの94式方位盤、94式測距儀を別パーツ化して再現しています
・ 艦橋構造物の窓の部分は凹モールドで再現し、立体感を演出しています
・ 艦橋を構成する前檣楼支柱(3本)を別パーツ化して再現しています
・ 艦橋部分を構成する、94式4.5m測距儀(×2)、25mm連装機銃(×4)、60cm探照灯(×2)などを別パーツ化しており、探照灯はクリアパーツで再現しています
● 煙突
・ 煙突本体部分は左右分割のパーツで再現、上部の雨水カバー金網は別パーツ化しています
・ 雨水カバー金網は開口処理されています
・ 煙突状に設置された各副管は別パーツ化して再現
・ 煙突部の探照灯、高角砲、機銃の各台座は、ブロックごとにパーツ化されています
・ 探照灯、機銃台座の支柱部分は、シャープなモールドでトラス構造を再現、トラスの間はヌケた状態になっています
・ 110cm探照灯(×6)、12.7cm連装高角砲(×2)、25mm連装機銃(×2)が付属しており、探照灯はクリアーパーツです
●測距儀台座部
・ 艦体中央部の測距儀台座部は、台座部分を5パーツに分割して再現、台座の支柱のトラス構造も再現しています
・ 測距儀は別パーツ化して再現
●後部艦橋
・ 後部艦橋は左右に分割したパーツで再現、機銃台座、方位盤を別パーツ化しています
・ 艦橋の窓枠、側面には舷窓、扉などを繊細なモールドで再現しています
・ 測距儀(×2)を別パーツ化しています
●後檣
・ 後檣は、下部が3脚檣型で上部は単檣型、3脚檣型の部分は前後に分割したパーツ、上部は一体成型のパーツで再現、中央部のクロスツリーは別パーツ化しています
・ 前方に取り付けられるクレーンには、滑車やフックなども非常に微細なモールドで再現しています
●カタパルト「呉式 2号5型射出機」 ×1
・ カタパルトは一体成型のパーツで、側面のトラス構造をモールドで再現
●主砲塔部「45口径 毘式 36cm連装砲」 ×4
・ 主砲塔は上下に分割したパーツ、測距儀は別パーツ化して再現しています
・ 砲身は1本づつの独立したパーツになっており、スライド式金型を使用して砲口は開口した状態、砲身基部には防水布をモールドで再現しています
・ 第3番主砲塔と第4番主砲塔に装備される空中線支柱が付属
●副砲「50口径 毘式 15cm単装砲」 ×14
・ 砲塔部分と砲身部とは一体成型化したパーツで再現、砲身基部の防水布もモールドで再現しています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×4
・ 高角砲は砲架部分と砲身本体で分割したパーツで再現、砲身部分は連装状に一体成型化したパーツとなっています
●対空機銃
・ 25mm連装機銃 ×6(艦橋、煙突部に配置)
・ 連装機銃は一体成型となっています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×4
・ 9mカッター ×3
・ 通船 ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ パラベーン
・ クレーン
・ 係船桁
・ 集塵筒
・ 舷々門
などがセットされています
●艦載機
・ 95式水偵察機 ×2
●艦載機は、胴体、翼、翼支柱、主フロート、補助フロートに分割したパーツ構成
・ 艦載機はクリアパーツ成型となっています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
【 日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 デラックス」付属のディテールアップパーツの内容 】
●キット開発メーカーのフジミが自ら設計したエッチングパーツと木甲板シートで、キットのパーツへのフィッティングを充分に考慮しています
・ プラスチックパーツでは再現が難しい船体上の細かなディテール類を再現、密度感を増した解像度の高いディテールを施すことが可能なパーツセットとなっています
エッチング
●エッチングで再現しているディテールアップパーツの内容は
・ 船体、艦橋、砲塔部などの各種手摺り (脚無しタイプ、一部弛み表現付き)
・ 梯子
・ ラッタル
・ 煙突部キャットウォーク
・ 煙突雨水カバー金網
・ 煙突の整風板
・ 方位測定器
・ 方位測定器の台座となる張り出し部
・ 艦橋のヤード
・ 探照灯、機銃台座トラス
・ 高射装置台座トラス
・ クレーンのトラス構造
・ クレーンのワイヤー及び滑車
・ 各種艦橋窓枠
・ 艦橋後部支柱
・ ボートダビッド ×4
・ 「呉式2号5型射出機」 ×1
・ 主砲砲身キャンバス受け
・ 後檣クロスツリー
・ 航空機軌条
・ ターンテーブル
・ 航空機用台車
・ 航空作業甲板下部の側面構造
・ 砲塔空中線支柱
・ 3連装機銃の防盾 ×10
・ 舷々門
など、となっています
木甲板シール
●レーザーカッターで加工し、木目調なるよう不規則性を持って着色された木甲板シートで、塗装では表現の難しい木甲板の模様をリアルに再現しています
・ シートは極薄で仕上げられ、裏紙を剥がせばそのまま貼ることができます
●「上甲板」「後部上甲板」「艦橋甲板」に3分割したシートで「金剛」の木甲板部を再現、木甲板シートはキットのパーツに合わせ、あらかじめカット加工されています
・ 木甲板シート上は、通風口、リールなどのキットの凸ディテールに合わせて細部をカットしています
●甲板上のディテールを再現したエッチングパーツが付属しています
●エッチングパーツの内容は
・ アンカーチェーン
・ 錨鎖導板
・ ボート用架台
などとなっています
●本製品はフジミ社製「日本海軍 高速戦艦 金剛 昭和16年 (1941年)」 の専用の木甲板シートで、同社製「日本海軍 高速戦艦 金剛 1944年10月」には対応していませんのでご注意下さい
【 高速戦艦「金剛」について 】
●日露戦争までは戦艦や装甲巡洋艦などの主力艦艇は外国で建造されましたが、その後、たゆまぬ日本の建造技術は進歩し、大型艦艇を含めて全ての艦種の純国産化が行われるようになります
●1906年に竣工したイギリスの戦艦「ドレッドノート」は、主砲、副砲、中間砲という多種の砲を搭載する従来の戦艦形式とは異なり、主砲を主体とした武装配置により高い攻撃力を持ち、この艦の登場により、それまでの艦は一挙に時代遅れとなります
・ これまでの戦艦は「前ド級艦」、「ドレッドノート」と同等な性能の艦を「ド級艦」、そして主砲を中心線配置として更に砲撃力が向上した艦を「超ド級艦」と呼びます
●「ドレッドノート」の登場を受け、各国の海軍は「ド級艦」「超ド級艦」の戦力化を急ぎ、帝国海軍でもこのような世界的な流れを受けて、当時同盟関係であったイギリスに「超ド級」の巡洋戦艦「金剛」の建造を1911年に発注します
●また、帝国海軍では「超ド級艦」の建造技術を獲得するために建造中の「金剛」の設計図を取り寄せ、日本国内でも同型艦である「榛名」「霧島」「比叡」の3隻の建造を行うことになります
●「金剛」は1913年に竣工、国内で建造されていた他の3艦も1915年までに竣工しました
●この「金剛型巡洋戦艦」の4隻は、当時世界最強の艦隊とも言われており、第1次世界大戦においては、イギリス海軍から借用の要請があったほど高い能力を擁していました
・ 「巡洋戦艦」は、戦艦と巡洋艦の間のクラスと見られてしまいがちですが、当時は巡洋艦並みの速力を持った戦艦という意味で、建造コストも高いことから戦艦よりも上位の艦とされています
●当時の艦の建造技術と、艦の能力の発達は著しいものがあり、1920年から1930年にかけて「金剛型巡洋戦艦」は第1次近代化改装を実施、これにより主砲の射程が伸び、防御力が強化され、機関出力も向上しましたが、速力は低下したために従来の巡洋戦艦から戦艦へと艦種が変更されました
●しかし、1933年から実施された第2次近代化改装では、大幅な機関出力の増強と、艦尾の延長化が行なわれ、30ノットという速度を発揮する高速戦艦として生まれ変わります
●太平洋戦争において、この30ノットという高速性能は、空母機動部隊の護衛や、作戦運用上から駆逐艦との連携が行い易く、更に建造当時の巡洋戦艦というクラスから防御力も優秀であり、この4隻は常に最前線に投入されてアメリカ艦隊に対して奮戦を繰り広げたのでした
・ 「金剛型巡洋戦艦」以後に建造された戦艦「扶桑型」「伊勢型」は、「金剛型」と比べて攻撃力は大幅に向上していましたが、速力、防御力(主砲を分散配置したために、その分主砲弾薬庫も多い)が劣り、このことが太平洋戦争で両者の運用を分けるポイントとなりました
●太平洋戦争が開戦すると、「金剛」は僚艦「榛名」と共に南方攻略作戦の支援部隊の主力として行動、フィリピンなどの上陸作戦の支援に当たります
●また、この2隻の存在はイギリス東洋艦隊の「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」との交戦が意図されたものでしたが、イギリス艦隊はその前に航空隊によって壊滅しています
●その後、「金剛」は機動部隊に編入されてインド洋沖海戦に参加、この海戦では「金剛型」高速戦艦の4隻が揃った最後の舞台となりました
●「ミッドウェー作戦」での「金剛」は、ミッドウェー島への「攻略部隊」として参戦、しかし、先鋒としての空母機動部隊が壊滅したことで作戦は中止され、「金剛」は帰路に着きます
●1942年7月、ソロモン海域のガダルカナル島にアメリカ軍が上陸を開始、以後同海域が日米の戦いの焦点となり、両軍入り乱れての消耗戦が展開されることとなります
●「金剛」は、この戦闘を受けて同海域へと進出、当時日本軍はガダルカナル島のアメリカ軍の飛行場の存在により制海権、制空権を握られており、同艦は僚艦「榛名」と共に夜間に同島へと突入、その砲撃力を活かして飛行場に艦砲射撃を行うという挺身攻撃を敢行します
●この夜間砲撃によってアメリカ軍飛行場に大打撃を与えるという戦果を挙げましたが、アメリカ軍の回復力は強力で、その効果は一時的に過ぎませんでした
・ 同年11月には同様な作戦によってガダルカナル島に僚艦「霧島」「比叡」が突入、アメリカ軍は艦隊で待ち構えており、3日間の壮絶な戦闘でアメリカ艦隊に甚大な損害を与えたものの、両艦共に戦没してしまいます
●「金剛」は、その後に空母機動部隊の直衛艦となりますが、肝心の空母は艦載機の損失が大きく、戦力の補充と搭乗員の練成に時間が取られ、出撃の機会もないままに時は過ぎて行きました
●1944年6月、連合艦隊がその持てる航空兵力の全てを投入した「マリアナ沖海戦」が発生、「金剛」も機動部隊の護衛として参加します
●しかし、彼我の戦力の差は圧倒的で、海戦は完全な日本軍側の敗北となり、多くの戦力を失いました
●続く1944年10月には、「レイテ沖海戦」が発生、「金剛」は水上戦力の中核である「栗田艦隊」に編入され、アメリカ護衛空母を撃沈する戦果を挙げますが、味方の損害も大きく艦隊はブルネイに向けて帰還しました
●同艦隊はブルネイ到着後、補給の後に内地に向けて出航しますが、台湾沖にてアメリカ潜水艦の攻撃を受けます
●「金剛」は、2発の魚雷が命中、当初は通常に航行していましたが、浸水により徐々に傾斜、遂には転覆を起こし、その栄光の生涯の最期を遂げています