アメリカ海軍 航空母艦 サラトガ
「アメリカ海軍 航空母艦 サラトガ (プラモデル) (フジミ 1/700 シーウェイモデル No.025 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ海軍の航空母艦「CV-3 サラトガ」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●アメリカ海軍の航空母艦を代表する存在となり、幾多の損害を受けながらも大戦を生き抜いた航空母艦「CV-3 サラトガ」を再現、異様なまでに巨大な煙突と大型の艦橋を持ち、その前後に両用砲を装備した、独特のシルエットを再現した内容となっています
【 「アメリカ海軍 航空母艦 サラトガ」のキット内容について 】
●アメリカ海軍の航空母艦「CV-3 サラトガ」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「旧」ウォーターラインシリーズの外国艦シリーズのフォーマットに準じた、特シリーズとは異なるシーウェイシリーズのフォーマットで航空母艦「CV-3 サラトガ」を再現、実艦の特徴とポイントを捉えながら、パーツ数を抑え、組みやすさを優先した内容となっています
・ 過去、ウォーターラインシリーズ担当メーカーでもあったフジミ社の外国艦キットは、抜群の出来となるタミヤ社製キットを除けば、他社の外国艦のキットよりも高い評価を得ていました
・ また、現在のニューキットなどと比較して価格が安価であり、航空母艦「CV-3 サラトガ」の姿を気軽に楽しみたい場合などに極めて有用なキットです
●航空母艦「CV-3 サラトガ」は、1942年1月頃に艦橋・煙突の前後の主砲「20cm連装砲」を「12.7cm両用砲」へと換装しており、本キットではその後の状態が再現されています
●艦体喫水線から上の部分が再現された洋上モデルです
●航空母艦「CV-3 サラトガ」は、「艦橋を含めた上部構造物」「主砲などの艤装類」「船体」の3ブロックで構成されています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上部構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、一体成型のパーツで再現
・ 舷側部には、舷窓がモールドで再現されています
・ 船体前部には飛行甲板の張り出し部となるエンクローズドバウと機銃用スポンソンが一体成型され、下部には支柱を表現したフィンをモールドで再現しています
・ 船体中央部には格納庫の開口部とボート収納デッキが開口され、内側には仕切り板が一体に成型されています
・ 仕切り板に取り付ける、ディテールを彫刻した内壁パーツが付属
・ 洋上モデル用として欠かせない下部がフラットな形状となった船底パーツが付属しています(バラストは付属していません)
●飛行甲板は、一体成型のパーツで再現、各エレベーターは別パーツ化して再現しています
・ 飛行甲板表面には、横方向の木甲板表現を極めて繊細な凸モールドで再現しています
・ 飛行甲板の着艦制動装置などもモールドで再現
・ 飛行甲板には、点線状となる2本の表示線を再現するための凸状のラインがモールドされています
・ エレベーターの内壁部分を再現したパーツが付属しており、エレベーターは飛行甲板に上げた状態と、格納庫に下げた状態とを選択することができます
「CV-3 サラトガ」の上部構造物と艤装類は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、箱状となる下部と、層状に積み上げられた上部との2つのブロックで構成
・ 下部のブロックは左右に分割したパーツで再現、側面には舷窓がモールドされています
・ 上部ブロックは、スポンソンと構造物との3層で構成
・ 艦橋窓の部分はフラットな状態となっています
・ 艦橋上部のマストは、フラットの部分で上下に分割しています
・ 艦橋に装備される、「探照灯」(×2)、「射撃指揮装置」(×1)、「レーダー」(×1)などが別パーツ化されています
●煙突
・ 煙突は、左右で分割したパーツで再現、トップ部は別パーツとなっています
・ 煙突側面には、楕円状のグリル、梯子などが彫刻されています
・ 煙突トップにはファンネルキャップをモールドで再現
・ 各スポンソンはブロックごとにパーツ化
・ 煙突部に装備される、「レーダー」2種(×各1)、「探照灯」(×2)、「射撃指揮装置尾」(×1)などが別パーツ化されています
●スポンソン
・ 船体後部のスポンソンは一体成型のパーツで再現、他のスポンソンはブロックごとにパーツ化されています
●高角砲 「12.7cm連装高角砲 (両用砲)」 ×4
・ 主砲は連装状に一体成型した砲身と砲塔との2パーツで構成
●高角砲 「12.7cm単装高角砲」 ×12
・ 高角砲は、砲架部分も含めて一体成型のパーツとなっています
●対空機銃 「40mm 4連装機銃」 ×25、「20mm単装機銃」×16
・ 各機銃は、一体成型のパーツで再現
●艦載艇及びボートダビット
・ カッター ×2
・ 救命筏 ×4
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 主錨
・ クレーン
などがセットされています
●艦載機
・ F4F ワイルドキャット戦闘機 ×4
・ F4F ワイルドキャット戦闘機 (主翼を折りたたんだ状態) ×4
・ SBD ドーントレス急降下爆撃機 ×4
・ TBF アベンジャー攻撃機 ×4
・ 各艦載機は一体成型のパーツで再現、クリアパーツとなっています
●マストなどに掲げられる星条旗、艦載機用の国籍マーク(赤丸なしタイプ)を再現したデカールが付属しています
【 「アメリカ海軍 航空母艦 サラトガ」のパッケージ内容 】
・ アメリカ海軍 航空母艦 CV-3 サラトガ ×1
・ F4F ワイルドキャット戦闘機 ×4
・ F4F ワイルドキャット戦闘機(主翼を折りたたんだ状態) ×4
・ SBD ドーントレス急降下爆撃機 ×4
・ TBF アベンジャー攻撃機 ×4
・ デカールシート ×2
【 「航空母艦 CV-3 サラトガ」について 】
●日本海軍では第1次世界大戦後に海軍力の増強計画「88艦隊」を立案しましたが、アメリカ海軍でも同様に大規模な海軍増強計画「ダニエルズ・プラン」が立てられ、巡洋戦艦、戦艦の建造が開始されていました
●1922年のワシントン軍縮会議以降は、主力艦の保有を制限されるようになり、「ダニエルズ・プラン」に基づいて建造していた巡洋戦艦、戦艦は多くが建造中止となってしまいます
●巡洋戦艦「レキシントン」と「サラトガ」は、工事が進んでいたため建造自体は認められたものの、航空母艦へと転用することが軍縮条約で決定、これは日本海軍の航空母艦「赤城」「加賀」と同様な処置でした
●航空母艦「CV-2 レキシントン」と「CV-3 サラトガ」は、アメリカ海軍の空母運用黎明期に建造されたことから、その形態はその後の航空母艦と異なるものとなっており、艦首部分は波浪性の高いエンクローズドバウを採用、格納庫は船体外壁で覆われたクローズドハンガーでした
●このエンクローズドバウは、波浪性が高いために外洋で行動する航空母艦として有効なもので、クローズドハンガーは格納庫に開口部が設けられたオープンハンガーよりも台風などの被害を軽減、このため日本海軍の空母も全てがクローズドハンガーを採用しています
●しかし、このクローズドハンガーは被弾時の爆風が外に逃げないことから損害が拡大する傾向にあるのも事実で、「CV-2 レキシントン」や帝国海軍の空母「大鳳」などが沈没したのもクローズドハンガーが要因と見られています(もちろん、このような研究は戦後となってからのものとなります)
●「CV-2 レキシントン」と「CV-3 サラトガ」では、極めて巨大で背の高い煙突が装備され、これは煙突の排煙が航空機の着艦に大きな影響を与えるために、影響が出ない高さまで排煙を上げるために採られた措置でした
●「CV-2 レキシントン」と「CV-3 サラトガ」は、巡洋戦艦の船体を利用した基準排水量37,000tの大型航空母艦として最大搭載機数109機を誇り、この2艦は太平洋戦争開戦前におけるアメリカ海軍の空母機動部隊の中軸となりました
・ 美しく、堂々とした姿から「空母の女王」と呼ばれたレキシントン級空母はそれぞれ、レキシントンが「レディ・レックス」、2番艦のサラトガは「シスター・サラ(愛しのサラ)」の名で親しまれたものです
●太平洋戦争の開戦時、「CV-3 サラトガ」は本国で整備中でしたが、急遽出航し、ウェーク島のアメリカ軍を支援するために、一路ウェーク島を目指します
●しかし、ウェーク島のアメリカ軍が帝国海軍の攻撃により降伏すると「サラトガ」は、一旦ハワイに入港し、再び出撃しますが、この際日本海軍の潜水艦の雷撃を受けて損傷します
●修理が行われた「サラトガ」は、主砲であった20cm連装砲を対空射撃も可能な12.7cm両用砲へと変更し、艦橋構造物なども改修され、この工事によってその艦容は大きく変更することになりました
●1942年6月、戦線に復帰した「サラトガ」は翌7月に第2次ソロモン海戦に参加、帝国海軍の航空母艦「龍驤」を撃沈する戦果を挙げます
●ところが、「サラトガ」は再び日本海軍の潜水艦の雷撃を受けて損傷、ハワイへと曳航されて修理が行われました
●1942年11月、修理が完了して戦線に復帰した「サラトガ」は、日本海軍の艦隊航空戦力の消耗により主に上陸作戦の支援に従事するようになり、マーシャル諸島、ギルバート諸島などを転戦、ジャワ島方面にも進出して日本軍の拠点を爆撃しています
●アメリカ軍は、マリアナ諸島、パラオ、フィリピンを占領、その後は日本周囲へと戦いが移り、アメリカ軍の艦艇は日本軍機の激しい抵抗に曝されます
●「サラトガ」も、1945年2月に特攻機の突入を受けて大きく損傷、本国へと回港されます
●「サラトガ」は修理が完了して再びハワイへと入港しますが、日本は降伏し、「サラトガ」の戦争は終結しました
●「サラトガ」は幾多の損傷を繰り返しながらも戦い続けた艦として伝説の存在となりつつありましたが、新鋭空母である「エセックス級」が続々と建造されていたことから空母としての運用の余地はなく、1946年のビキニ環礁での核実験に使用されることとなります
●1946年7月に行われた2回目の核実験において深刻なダメージを受けた「サラトガ」はゆっくりとその身を沈め、その栄光の生涯を閉じたのでした